130 / 161
番外編~結婚生活編
24
しおりを挟む
すっかり寝入ってしまい、気付いたら夕方だった。どれだけ寝れるんだ、私。
「あたしと一緒に寝たから安心してぐっすり眠っちゃったんでしょ☆可愛い、ソフィアちゃん!こんなにあたしに心を許してくれるなんてぇ」
…要は警戒心がなさすぎだよね。これで龍彦さんが悪意を持ってたりしたら、私は今頃この世にいないのだ。それでなくてもいくらお姉様の見た目とは言え、女の子相手に勃たないとは言え、龍彦さんは男性なのに。警護のために一緒に寝ました、なんて悪魔にバレたら大変なことに…あれ。そう言えば龍彦さん、「一緒に寝ましょ」発言してた、悪魔の前で…。どうしよう。
とは言え、ごまかすのはイヤだし、事実を述べるしかないけど、これって浮気になるのかな。
なんとなく落ち込んでいると、
「ソフィアちゃん、さっさと準備してぇ?雄輔の店に行くわよぅ!お腹ペッコペコなんだからぁ!」
当の原因はまったく気にしていないようだ。まあ、「ネコちゃんしか愛してない」わけだから、私なんてペット…やっぱり悪魔とおんなじ感覚なのかなぁ?方向性は異なるにせよ、ドSだから?
龍彦さんに連れられて特別区をテクテク歩く。
「こういう場所を作ってもらったおかげで、楽しみが増えたわぁ~。あたしはネコちゃん一筋だけどぉ、アバンチュールを見るのも楽しいじゃない~?仕事の疲れもぶっ飛ぶわよぅ」
アバンチュールか…確かに萌える。できることならどこかお店の…さらに言えば宿の壁にでもなって、それを拝見したい。
佐々木さんのお店はそれなりのお客さんで埋まっていた。席があるかな、と見回していると、
「あ、ソフィアさん、いらっしゃい!昨日はありがとね、ロイドさんも感謝してたよ。龍彦、陣内さんもう来てる。奥の座敷に通したから。ビールでいいか?」
「うん、2杯持ってきてぇ!昨日飲めなかったぶん、今日はバンバン飲むわよぅ~!蘇芳ちゃんに請求回してね☆」
いつも飲んでるだろうが、と佐々木さんは言って、「ソフィアさんには冷茶持っていくね」とニコッとしてくれた。元気そうでよかった。昨日は憔悴してたもんね…。大切なロイドさんが拐われたりしたんだから当然だけど。キスマークなんか付けられちゃったけど、それ以上酷いことがなくて良かった。
通された部屋には、龍彦さんよりさらにデカイ男性がひとり座ってビールを飲んでいた。龍彦さんを見ると厳つい顔がホニャリと弛む。
「龍彦、お疲れ様」
「ネコちゃんもお疲れ様!早かったわねぇ。ソフィアちゃん、こちらがあたしのネコちゃん、陣内雷よ」
陣内さんはサッと立ち上がると、私の前で片膝をついて頭を下げた。
「昨夜はご挨拶もできず申し訳ございません。ソルマーレ国王太子妃、ソフィア様ですね。私はジャポン皇国玄武州警備部所属、陣内雷と申します。陣内、とお呼びください」
…こんな見るからにドSな感じの美丈夫がまさかのドM…世の中わからないものである。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
龍彦さんと共に腰を降ろすと佐々木さんが飲み物を持ってきてくれた。その後ろにいたスタッフの方が料理も持ってきてくれる。
「雄輔、あたしご飯物が食べたいのよぅ。オススメはなぁに?」
「酒飲みながら並行して飯食うのかよ…じゃ、海鮮丼作ってきてやる」
「大盛ね!ネコちゃんとソフィアちゃんは?」
陣内さんは軽く首を横に振る。私は、
「佐々木さん、あれば焼おにぎりが食べたいです」
「オッケー。じゃ、ちょっと待っててね」
佐々木さんが出て行くと、陣内さんが
「ソフィア様は、白虎州に行かれるとか」
「はい。白虎州知事の奥様が妊娠されて、様子を見に行きたくて」
陣内さんはひとつ頷くと、
「龍彦も一緒に行くんだろ?」
と龍彦さんに視線を移した。
「そうよぉ、蘇芳ちゃん直々の依頼だからねぇ」
あ、そうか。潜入捜査とやらでふたりは会えなかったのに、龍彦さんが私と行っちゃったらまた会えなくなっちゃうんだ。なんか、恋人を引き裂いてるみたいで、お邪魔虫だな、私。
「あの、なるべく早く戻ってもらいます。伽藍さんの体調を知りたい…顔を見たいだけなので、そんなにかからないと思います」
一瞬キョトンとした陣内さんは、その後ブハ、と吹き出した。
「話には聞いてたけど、ソフィア様はほんと王族らしくないんだねぇ。タイトレア国の王女様なんて、すんげえ高飛車女だぜ」
「私は王族って言っても、たまたまそうなっただけなので」
「まぁ、ふつうはこんな店に食事になんてこないわよぅ」
「こんな店で悪かったな」
料理を手に入ってきた佐々木さんに、
「バカねぇ、王族が、って言ってんでしょ!あんたの店は最高よ。じゃなかったら来るわけないでしょうが」
佐々木さんはほんのり嬉しそうな顔をすると、
「はい、ソフィアさん。焼おにぎりふたつ、ひとつはこのあんかけで食べてみて。あと、味噌汁ね。龍彦も味噌汁置くぞ。あと丼な」
「んまぁ~っ、相変わらず美味しそうぅ~っ!いただきまっす!ソフィアちゃんも食べてぇ!」
おまえが作ったんじゃないだろうが、と苦笑する佐々木さんは、
「ソフィアさん、そう言えばこれ、ロイドさんから預かったんだよね。本当は直接渡したかったけど、昨日の件で店がゴタついてるからしばらく忙しいみたいで。結婚祝いだって」
御礼を言って開けてみると、ふたつ箱が入っている。
「あらぁ、翡翠だわぁ。キレイねぇ。さすがロイドちゃん、センスいいわぁ」
「ギデオンさんとお揃いで着けてもらえれば嬉しいって言ってたよ」
入っていたのはネックレスとカフスボタンだった。
「…嬉しいです。すごく。ロイドさんに…」
「もー、こういうところは乙女なんだからぁ!泣かないのよ、ソフィアちゃん~」
ロイドさんの気持ちにとても嬉しくなる。こんなふうに贈られて、嬉しさしかない。悪魔もきっと喜ぶだろう。
「あたしと一緒に寝たから安心してぐっすり眠っちゃったんでしょ☆可愛い、ソフィアちゃん!こんなにあたしに心を許してくれるなんてぇ」
…要は警戒心がなさすぎだよね。これで龍彦さんが悪意を持ってたりしたら、私は今頃この世にいないのだ。それでなくてもいくらお姉様の見た目とは言え、女の子相手に勃たないとは言え、龍彦さんは男性なのに。警護のために一緒に寝ました、なんて悪魔にバレたら大変なことに…あれ。そう言えば龍彦さん、「一緒に寝ましょ」発言してた、悪魔の前で…。どうしよう。
とは言え、ごまかすのはイヤだし、事実を述べるしかないけど、これって浮気になるのかな。
なんとなく落ち込んでいると、
「ソフィアちゃん、さっさと準備してぇ?雄輔の店に行くわよぅ!お腹ペッコペコなんだからぁ!」
当の原因はまったく気にしていないようだ。まあ、「ネコちゃんしか愛してない」わけだから、私なんてペット…やっぱり悪魔とおんなじ感覚なのかなぁ?方向性は異なるにせよ、ドSだから?
龍彦さんに連れられて特別区をテクテク歩く。
「こういう場所を作ってもらったおかげで、楽しみが増えたわぁ~。あたしはネコちゃん一筋だけどぉ、アバンチュールを見るのも楽しいじゃない~?仕事の疲れもぶっ飛ぶわよぅ」
アバンチュールか…確かに萌える。できることならどこかお店の…さらに言えば宿の壁にでもなって、それを拝見したい。
佐々木さんのお店はそれなりのお客さんで埋まっていた。席があるかな、と見回していると、
「あ、ソフィアさん、いらっしゃい!昨日はありがとね、ロイドさんも感謝してたよ。龍彦、陣内さんもう来てる。奥の座敷に通したから。ビールでいいか?」
「うん、2杯持ってきてぇ!昨日飲めなかったぶん、今日はバンバン飲むわよぅ~!蘇芳ちゃんに請求回してね☆」
いつも飲んでるだろうが、と佐々木さんは言って、「ソフィアさんには冷茶持っていくね」とニコッとしてくれた。元気そうでよかった。昨日は憔悴してたもんね…。大切なロイドさんが拐われたりしたんだから当然だけど。キスマークなんか付けられちゃったけど、それ以上酷いことがなくて良かった。
通された部屋には、龍彦さんよりさらにデカイ男性がひとり座ってビールを飲んでいた。龍彦さんを見ると厳つい顔がホニャリと弛む。
「龍彦、お疲れ様」
「ネコちゃんもお疲れ様!早かったわねぇ。ソフィアちゃん、こちらがあたしのネコちゃん、陣内雷よ」
陣内さんはサッと立ち上がると、私の前で片膝をついて頭を下げた。
「昨夜はご挨拶もできず申し訳ございません。ソルマーレ国王太子妃、ソフィア様ですね。私はジャポン皇国玄武州警備部所属、陣内雷と申します。陣内、とお呼びください」
…こんな見るからにドSな感じの美丈夫がまさかのドM…世の中わからないものである。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
龍彦さんと共に腰を降ろすと佐々木さんが飲み物を持ってきてくれた。その後ろにいたスタッフの方が料理も持ってきてくれる。
「雄輔、あたしご飯物が食べたいのよぅ。オススメはなぁに?」
「酒飲みながら並行して飯食うのかよ…じゃ、海鮮丼作ってきてやる」
「大盛ね!ネコちゃんとソフィアちゃんは?」
陣内さんは軽く首を横に振る。私は、
「佐々木さん、あれば焼おにぎりが食べたいです」
「オッケー。じゃ、ちょっと待っててね」
佐々木さんが出て行くと、陣内さんが
「ソフィア様は、白虎州に行かれるとか」
「はい。白虎州知事の奥様が妊娠されて、様子を見に行きたくて」
陣内さんはひとつ頷くと、
「龍彦も一緒に行くんだろ?」
と龍彦さんに視線を移した。
「そうよぉ、蘇芳ちゃん直々の依頼だからねぇ」
あ、そうか。潜入捜査とやらでふたりは会えなかったのに、龍彦さんが私と行っちゃったらまた会えなくなっちゃうんだ。なんか、恋人を引き裂いてるみたいで、お邪魔虫だな、私。
「あの、なるべく早く戻ってもらいます。伽藍さんの体調を知りたい…顔を見たいだけなので、そんなにかからないと思います」
一瞬キョトンとした陣内さんは、その後ブハ、と吹き出した。
「話には聞いてたけど、ソフィア様はほんと王族らしくないんだねぇ。タイトレア国の王女様なんて、すんげえ高飛車女だぜ」
「私は王族って言っても、たまたまそうなっただけなので」
「まぁ、ふつうはこんな店に食事になんてこないわよぅ」
「こんな店で悪かったな」
料理を手に入ってきた佐々木さんに、
「バカねぇ、王族が、って言ってんでしょ!あんたの店は最高よ。じゃなかったら来るわけないでしょうが」
佐々木さんはほんのり嬉しそうな顔をすると、
「はい、ソフィアさん。焼おにぎりふたつ、ひとつはこのあんかけで食べてみて。あと、味噌汁ね。龍彦も味噌汁置くぞ。あと丼な」
「んまぁ~っ、相変わらず美味しそうぅ~っ!いただきまっす!ソフィアちゃんも食べてぇ!」
おまえが作ったんじゃないだろうが、と苦笑する佐々木さんは、
「ソフィアさん、そう言えばこれ、ロイドさんから預かったんだよね。本当は直接渡したかったけど、昨日の件で店がゴタついてるからしばらく忙しいみたいで。結婚祝いだって」
御礼を言って開けてみると、ふたつ箱が入っている。
「あらぁ、翡翠だわぁ。キレイねぇ。さすがロイドちゃん、センスいいわぁ」
「ギデオンさんとお揃いで着けてもらえれば嬉しいって言ってたよ」
入っていたのはネックレスとカフスボタンだった。
「…嬉しいです。すごく。ロイドさんに…」
「もー、こういうところは乙女なんだからぁ!泣かないのよ、ソフィアちゃん~」
ロイドさんの気持ちにとても嬉しくなる。こんなふうに贈られて、嬉しさしかない。悪魔もきっと喜ぶだろう。
25
お気に入りに追加
5,689
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる