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番外編~結婚生活編
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朝食後、織部さんとともに町に出る。
悪魔と双子王子は、並べられた品物を熱心に見ながら、これから先新たにソルマーレ国にどんなものを仕入れるかを話し合っていた。
「お話中悪いんだけどギデオンさん」
「なんですか、フィー。いつでも話し掛けてくれていいんですよ。さ、わたくしの腕の中においでなさい。可愛いフィーはわたくしが抱っこして歩いてあげます」
「ギデオンさんの腕が痺れちゃうからやめておきます。この前話した、ひいおばあちゃんのこと、続きが気になるんだけど」
悪魔は双子王子をチラリと見ると、
「なぜ、婚約者を決めないのかと言う話です」
双子王子は軽く頷き、
「ソフィア様、我々の曾祖父は婚約が決まったのが8歳の時で、相手は侯爵家の娘だったのですが、その…幼い時に顔合わせをしたにも関わらず、気位が高い彼女は曾祖父にまったく歩み寄る姿勢を見せなかったそうなんです。そのくせ何かにつけて、『わたくしは王太子の婚約者、未来の国母よ』と周りを威圧していたそうで」
「曾祖父はせっかく結婚するからには、親に決められた相手でも仲良くしたいと心を砕いたそうなんですが、結局結婚するまでその態度は変わらず、疲れ果てた曾祖父は別な女性に心を惹かれてしまったそうです。王妃になった婚約者はひとり子どもを産みましたが、その子どもには王家の印はなかった。つまり、誰かわからない男の種を入れたわけですね。曾祖父は、印について突き付け、離縁すると言ったそうなのですが、」
「『わたくしを大事にしなかったくせに、何を偉そうに』と。王家の印があるからこそ、ソルマーレ国は国王の実子であるかどうかがわかりますが、もしそんなものがなければ彼女の生んだ子どもが国王に…つまり、血が汚されてしまうわけです。彼女は、妃教育も長く受けてきたはずなのに国家に反逆しているという自分の罪を理解できなかった。だから曾祖父は、子どももろとも出産時に亡くなったことにしたそうです」
…思っていた以上に重い話で心が沈む。俯く私の手を悪魔がそっと握った。
「曾祖父は、哀しい子どもを生み出したくないと自分の子どもには婚約者を定めないことを決めたのです。わたくしたちの祖父ですね。側妃…後の王妃の子どもです」
ディーン王子は私と悪魔の手をじっと見ながら、
「…ですから、自分の好きにしろ、と。ソフィア様にはお話しましたが、学園には心を惹かれるような女性はいません。僕たちももう18歳です。独り身でも、と考えてはいましたが…今は結婚したいという気持ちしかありません。こんなことなら、決められていたほうがまだましだったのではないかと…」
ゼイン王子も私たちの手を見て、
「…兄上!少しは僕たちに配慮してください!」
と叫んだ。
「…どういうことですか?」
訝しげな悪魔は、ふたりの視線には気づかないのだろうか。まったく私の手を離す気配がない。
「僕たちは、兄上のように心を掴まれる女性が欲しい。兄上とソフィア様を見なければこんなふうに心を乱されることもなく、日々淡々と勉強に取り組めましたのに…!ご自分はソフィア様がいらっしゃるからいいでしょう、こんな魅惑的な下着を文化にしたって。でも僕たちみたいに、相手がいない人間はモヤモヤするばかりではありませんか!」
悪魔はゼイン王子の言葉を聞くと、
「でもわたくしも、18歳の時には誰もいませんでしたから。仕方のないことです」
としれっと言って、私の手にチュッと口づけた。
「兄上!」
「酷いです!」
「悶々と悶えていなさい。幸せになるためには避けては通れない道です」
偉そうに言ってるけど、なんか違うような…。
ふたりの抗議をサラリと交わし、「フィーがいてくれて幸せです」と微笑んだ。
浴衣を扱っているお店に入り、幼い子供用の浴衣を見る。私も着付けはできないし、簡単に着脱できるタイプを選ぶ。アリスちゃんは青い瞳なので、それに合わせて空色の浴衣にした。ピンクのバラが咲いている。オリヴィアちゃんはピンクの浴衣にしてみた。それぞれに合う簡単に取り付けできる帯も選んでもらい、下駄も、と思ったところでふたりの足の大きさがわからないことに気がついた。
「ギデオンさん、アリスちゃんとオリヴィアちゃんの足のサイズ知ってる?」
「わたくしの足は28.5cmです」
「ギデオンさんじゃなくて、」
悪魔は突然私を抱き上げると、そのままギュウッと抱き締めた。
「フィー、なぜふたりのばかり選んでわたくしのは選んでくれないのですか。わたくしだって、フィーとお揃いで着たいです。ちなみにわたくしがフィーに選んだ浴衣はこれです」
悪魔がゼイン王子に持たせていたのは、白地に紫の百合がちりばめられたものだった。…どれだけ紫が好きなんだろう。
「あと、こちらの見本のお人形がしているように、髪の毛をこんなふうに結ってください。いつもはひとつに垂らしてますけど、こうやって襟元が見えるとフィーの美しい首筋が映えて…あ、わたくしと一緒の時だけですよ!」
「ギデオンさん、ゼイン様に失礼だから」
「早くわたくしのも選んでください」
…まったく話を聞く気がない。後ろで織部さんがクックッ、と楽しそうに笑っていた。
「な、ソフィアさん。ギデオンさんには必ず贈ってやらないと、後で大変な目に遭うのは自分だぞ」
…そう言われても。
男性の浴衣なんて選んだことがないのでお店の方にアドバイスをもらいながら、最終的に黒地に蜻蛉の柄のものにした。満足したのか、悪魔はニコニコしていたが双子王子のも選びはじめるととたんに不貞腐れていた。子どもなのだろうか。
お店の方が着付けをしてくださることになり、浴衣を着た金髪イケメン3人組が出来上がる。何を着てもイケメンとは…。
下駄は慣れないと痛いので、足元はそのままに町を歩くとチラチラと視線を感じる。本人たちにはまったく届いていないようで、また真剣に討論している。もう一度戻るまでにアリスちゃんとオリヴィアちゃんの浴衣一式を包装してもらうことにした。
「織部さん、今はまだ民間のやり取りはしていないですよね」
「ああ。タイトレアもソルマーレも、限られた人たちだけだな、こっちに来るのは」
「身元がしっかりした人、ということですよね」
「そう。門戸を開放するとして、ジャポン皇国に入国する人間をどう判断するかが悩んでるところなんだ。今までなかったから、前例として残ってないし」
「それなら、出国許可証を使用してはどうですか」
悪魔がいきなり私と織部さんの間に割って入って、すかさず私の手を繋ぐ。
「ギデオンさん…」
「わたくしが尊敬する織部さんでも、フィーと距離が近すぎます」
織部さんはニヤニヤしながら「わりい」と言うと、
「出国許可証ってのは?」
「ソルマーレ国が、その人物の身元を保証する、という証明書ですね。他国に行きたい人たちから申請を受けて、問題なければ発行します」
なるほど、と呟いた織部さんは、
「ジャポン皇国からソルマーレ国に行きたいという人間がいたら、ジャポン皇国側で出国許可証を発行すればいいんだな」
「そうですね。ただ、審査したところで何があるかはわかりませんから…たとえばその人間が犯罪を起こした場合、慰謝料はどうするか、身元はどうするか…どちらの国の法律で裁くか、などの国同士の取り決めが必要です。我が国は、国交を開いている国とはそういう条約を締結しております」
「そうだな、そういうのも必要だな。てなると、受け入れにはもう少し時間がかかるな」
「父上が、自分の欲求を達成した満足感でその先まではまったく決めませんでしたからね。自分さえジャポン皇国に来れればいいんだと思っているふしがありますし」
悪魔はそう言うと、私をじっと見た。
「フィーは、民間交流をしたいのですか」
「民間交流って言うのかわからないけど、観光でジャポン皇国に来てもらう、ソルマーレ国にも来てもらう、ってなれば、お互いの利益になるかな、って。こうやって浴衣を着るなんて、ソルマーレ国ではなかなかできないでしょ。その国の文化を現地で体験できる、っていいなぁって。私の前世の日本では、着物のレンタルとかがあって」
「レンタル、ってなんだいソフィアさん」
織部さんの質問に、なんて答えたもんかと思いながら、
「うーん、この浴衣は、私たちは購入しましたけど、その場の雰囲気を味わいたいだけで、買うまでは、って人もいるじゃないですか。そういう人たち向けに、着付けまで含めた料金で着物を貸し出すんです。もちろん汚したり、紛失したりする場合がありますから、それには更に代価を払ってもらう。さっきの国同士の取り決めと一緒ですね」
「観光か…そうだな、来てもらえばそれだけ金を落としてもらえるわけだ」
「ジャポン皇国内での旅行者のために宿はあるでしょうけど、その土地の食べ物を出すとかすれば、目玉にもなるんじゃないですかね。旅行先の候補を選ぶ際の選択肢のひとつになると思います」
織部さんは「これはジャポン皇国全体の利益につながることだから陛下に進言する」と言って、
「ありがとう、ソフィアさん。前世の記憶を生かしてくれて」
「いえ、具体的にはなかなか決められないですし。ただ、こんなこともあったよ、っていう曖昧な提案ですから」
「フィーは謙遜しすぎです」
また悪魔に抱き上げられ、首筋に口づけられる。
「兄上!」
ディーン王子から非難の声が上がるが、悪魔はまったく聞いておらず、
「わたくしのフィーは最高です」
とニッコリ笑った。
悪魔と双子王子は、並べられた品物を熱心に見ながら、これから先新たにソルマーレ国にどんなものを仕入れるかを話し合っていた。
「お話中悪いんだけどギデオンさん」
「なんですか、フィー。いつでも話し掛けてくれていいんですよ。さ、わたくしの腕の中においでなさい。可愛いフィーはわたくしが抱っこして歩いてあげます」
「ギデオンさんの腕が痺れちゃうからやめておきます。この前話した、ひいおばあちゃんのこと、続きが気になるんだけど」
悪魔は双子王子をチラリと見ると、
「なぜ、婚約者を決めないのかと言う話です」
双子王子は軽く頷き、
「ソフィア様、我々の曾祖父は婚約が決まったのが8歳の時で、相手は侯爵家の娘だったのですが、その…幼い時に顔合わせをしたにも関わらず、気位が高い彼女は曾祖父にまったく歩み寄る姿勢を見せなかったそうなんです。そのくせ何かにつけて、『わたくしは王太子の婚約者、未来の国母よ』と周りを威圧していたそうで」
「曾祖父はせっかく結婚するからには、親に決められた相手でも仲良くしたいと心を砕いたそうなんですが、結局結婚するまでその態度は変わらず、疲れ果てた曾祖父は別な女性に心を惹かれてしまったそうです。王妃になった婚約者はひとり子どもを産みましたが、その子どもには王家の印はなかった。つまり、誰かわからない男の種を入れたわけですね。曾祖父は、印について突き付け、離縁すると言ったそうなのですが、」
「『わたくしを大事にしなかったくせに、何を偉そうに』と。王家の印があるからこそ、ソルマーレ国は国王の実子であるかどうかがわかりますが、もしそんなものがなければ彼女の生んだ子どもが国王に…つまり、血が汚されてしまうわけです。彼女は、妃教育も長く受けてきたはずなのに国家に反逆しているという自分の罪を理解できなかった。だから曾祖父は、子どももろとも出産時に亡くなったことにしたそうです」
…思っていた以上に重い話で心が沈む。俯く私の手を悪魔がそっと握った。
「曾祖父は、哀しい子どもを生み出したくないと自分の子どもには婚約者を定めないことを決めたのです。わたくしたちの祖父ですね。側妃…後の王妃の子どもです」
ディーン王子は私と悪魔の手をじっと見ながら、
「…ですから、自分の好きにしろ、と。ソフィア様にはお話しましたが、学園には心を惹かれるような女性はいません。僕たちももう18歳です。独り身でも、と考えてはいましたが…今は結婚したいという気持ちしかありません。こんなことなら、決められていたほうがまだましだったのではないかと…」
ゼイン王子も私たちの手を見て、
「…兄上!少しは僕たちに配慮してください!」
と叫んだ。
「…どういうことですか?」
訝しげな悪魔は、ふたりの視線には気づかないのだろうか。まったく私の手を離す気配がない。
「僕たちは、兄上のように心を掴まれる女性が欲しい。兄上とソフィア様を見なければこんなふうに心を乱されることもなく、日々淡々と勉強に取り組めましたのに…!ご自分はソフィア様がいらっしゃるからいいでしょう、こんな魅惑的な下着を文化にしたって。でも僕たちみたいに、相手がいない人間はモヤモヤするばかりではありませんか!」
悪魔はゼイン王子の言葉を聞くと、
「でもわたくしも、18歳の時には誰もいませんでしたから。仕方のないことです」
としれっと言って、私の手にチュッと口づけた。
「兄上!」
「酷いです!」
「悶々と悶えていなさい。幸せになるためには避けては通れない道です」
偉そうに言ってるけど、なんか違うような…。
ふたりの抗議をサラリと交わし、「フィーがいてくれて幸せです」と微笑んだ。
浴衣を扱っているお店に入り、幼い子供用の浴衣を見る。私も着付けはできないし、簡単に着脱できるタイプを選ぶ。アリスちゃんは青い瞳なので、それに合わせて空色の浴衣にした。ピンクのバラが咲いている。オリヴィアちゃんはピンクの浴衣にしてみた。それぞれに合う簡単に取り付けできる帯も選んでもらい、下駄も、と思ったところでふたりの足の大きさがわからないことに気がついた。
「ギデオンさん、アリスちゃんとオリヴィアちゃんの足のサイズ知ってる?」
「わたくしの足は28.5cmです」
「ギデオンさんじゃなくて、」
悪魔は突然私を抱き上げると、そのままギュウッと抱き締めた。
「フィー、なぜふたりのばかり選んでわたくしのは選んでくれないのですか。わたくしだって、フィーとお揃いで着たいです。ちなみにわたくしがフィーに選んだ浴衣はこれです」
悪魔がゼイン王子に持たせていたのは、白地に紫の百合がちりばめられたものだった。…どれだけ紫が好きなんだろう。
「あと、こちらの見本のお人形がしているように、髪の毛をこんなふうに結ってください。いつもはひとつに垂らしてますけど、こうやって襟元が見えるとフィーの美しい首筋が映えて…あ、わたくしと一緒の時だけですよ!」
「ギデオンさん、ゼイン様に失礼だから」
「早くわたくしのも選んでください」
…まったく話を聞く気がない。後ろで織部さんがクックッ、と楽しそうに笑っていた。
「な、ソフィアさん。ギデオンさんには必ず贈ってやらないと、後で大変な目に遭うのは自分だぞ」
…そう言われても。
男性の浴衣なんて選んだことがないのでお店の方にアドバイスをもらいながら、最終的に黒地に蜻蛉の柄のものにした。満足したのか、悪魔はニコニコしていたが双子王子のも選びはじめるととたんに不貞腐れていた。子どもなのだろうか。
お店の方が着付けをしてくださることになり、浴衣を着た金髪イケメン3人組が出来上がる。何を着てもイケメンとは…。
下駄は慣れないと痛いので、足元はそのままに町を歩くとチラチラと視線を感じる。本人たちにはまったく届いていないようで、また真剣に討論している。もう一度戻るまでにアリスちゃんとオリヴィアちゃんの浴衣一式を包装してもらうことにした。
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「それなら、出国許可証を使用してはどうですか」
悪魔がいきなり私と織部さんの間に割って入って、すかさず私の手を繋ぐ。
「ギデオンさん…」
「わたくしが尊敬する織部さんでも、フィーと距離が近すぎます」
織部さんはニヤニヤしながら「わりい」と言うと、
「出国許可証ってのは?」
「ソルマーレ国が、その人物の身元を保証する、という証明書ですね。他国に行きたい人たちから申請を受けて、問題なければ発行します」
なるほど、と呟いた織部さんは、
「ジャポン皇国からソルマーレ国に行きたいという人間がいたら、ジャポン皇国側で出国許可証を発行すればいいんだな」
「そうですね。ただ、審査したところで何があるかはわかりませんから…たとえばその人間が犯罪を起こした場合、慰謝料はどうするか、身元はどうするか…どちらの国の法律で裁くか、などの国同士の取り決めが必要です。我が国は、国交を開いている国とはそういう条約を締結しております」
「そうだな、そういうのも必要だな。てなると、受け入れにはもう少し時間がかかるな」
「父上が、自分の欲求を達成した満足感でその先まではまったく決めませんでしたからね。自分さえジャポン皇国に来れればいいんだと思っているふしがありますし」
悪魔はそう言うと、私をじっと見た。
「フィーは、民間交流をしたいのですか」
「民間交流って言うのかわからないけど、観光でジャポン皇国に来てもらう、ソルマーレ国にも来てもらう、ってなれば、お互いの利益になるかな、って。こうやって浴衣を着るなんて、ソルマーレ国ではなかなかできないでしょ。その国の文化を現地で体験できる、っていいなぁって。私の前世の日本では、着物のレンタルとかがあって」
「レンタル、ってなんだいソフィアさん」
織部さんの質問に、なんて答えたもんかと思いながら、
「うーん、この浴衣は、私たちは購入しましたけど、その場の雰囲気を味わいたいだけで、買うまでは、って人もいるじゃないですか。そういう人たち向けに、着付けまで含めた料金で着物を貸し出すんです。もちろん汚したり、紛失したりする場合がありますから、それには更に代価を払ってもらう。さっきの国同士の取り決めと一緒ですね」
「観光か…そうだな、来てもらえばそれだけ金を落としてもらえるわけだ」
「ジャポン皇国内での旅行者のために宿はあるでしょうけど、その土地の食べ物を出すとかすれば、目玉にもなるんじゃないですかね。旅行先の候補を選ぶ際の選択肢のひとつになると思います」
織部さんは「これはジャポン皇国全体の利益につながることだから陛下に進言する」と言って、
「ありがとう、ソフィアさん。前世の記憶を生かしてくれて」
「いえ、具体的にはなかなか決められないですし。ただ、こんなこともあったよ、っていう曖昧な提案ですから」
「フィーは謙遜しすぎです」
また悪魔に抱き上げられ、首筋に口づけられる。
「兄上!」
ディーン王子から非難の声が上がるが、悪魔はまったく聞いておらず、
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とニッコリ笑った。
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