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番外編~結婚生活編
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「ソフィアさまー」
「おはようごじゃいましゅ、ショフィアしゃまっ」
「アリスちゃん、オリヴィアちゃん、おはようございます。今日もふたりともとってもとっても可愛いね。だいすき」
「わたしもー」
「ヴィアもっ」
ギュウッと抱きついてきてくれるふたりは、悪魔の妹。アリスちゃんは5歳、オリヴィアちゃんは3歳。どちらもふわふわの金髪でアリスちゃんは青、オリヴィアちゃんはピンクの瞳だ。柔らかくて、甘い匂いがする。
ふたりはまだ幼いため、時間を合わせるのが難しいだろうと食事も別にしていたそうだが、オリヴィアちゃんが3歳になった6月から一緒に食卓に着くようになった。ふたりとも、本当に可愛らしい。「お兄様をとった泥棒猫」なんて思われていたらどうしようかと思ったが、ふたりともすぐに懐いてくれて嬉しかった。
「ソフィアさま、きょうからいっしょにねれるとききましたっ」
「おかあしゃま、いってた」
「うん、今日から、何日か、ふたりのお部屋にお邪魔するね」
「わーい!ほん、よんでくれますか?」
「ヴィアは、おえかきしたいっ」
「いいよ、しようね」
「わーいっ」
「…おにいたま、こわい。あっちいって」
オリヴィアちゃんの視線を辿ると、不機嫌さを隠そうともしない悪魔が立っていた。
「だから会わせたくなかったんです。フィーはわたくしのものなのに!」
「あのさ、ギデオンさん、」
「ソフィアさま、いきましょう、おにいさまはついてきちゃダメですわ」
「しょうでしゅ!ついてきちゃ、ダメでしゅ!」
ふたりに手を引かれて歩きながら振り向くと、悪魔は眉をしかめてこちらを睨み付けていた。幼児相手に大人気ない…。
そもそも、こうなったのは自分のせいなのに自覚がないのだろうか。
事の発端は先月。生理になった私は、とにかく眠気がひどく早目に横になった。悪魔にも「生理になったからエッチはできない」と伝えたのだが、とりあえず隣で寝ます、と布団に入ってきた。はじめはよかったのだが、ウトウトし始めると悪魔が口づけてきて、しまいには「挿入はしませんから、それだけは我慢しますから、」と私を下着だけにしてあちこち舐めたり触ったりし始めてしまった。結局思うように眠ることができず、そんな日が3日も続いた朝、貧血で倒れてしまった。しかも食堂で。経緯を聞いた王妃様は、たいそうお怒りになり…。
「ギデオン。ソフィアちゃんの月のものが始まったら、ソフィアちゃんはアリス、オリヴィアと一緒に寝させます。貴方は入ってきちゃダメよ」
「なぜ!?なぜですか!?フィーはわたくしの妻なんですよ!アリスとオリヴィアは母上の子どもであって、フィーとわたくしの子どもではありません!」
「言ってる意味がわからないけれど、とにかく女性のカラダに配慮できない大バカ者はひとりで寝なさい。なんならずーっとソフィアちゃんを取り上げたってかまわないのよ。夜だけじゃなく、基本的には月の触りの間はソフィアちゃんと二人きりになるのは禁止よ。わかったわね」
悪魔は「卑怯な…っ」なんて怒っていた。まったく自分のせいだとは思っていないようだった。
カラダを重ねてからまもなく4ヶ月になろうとするが、悪魔は落ち着くどころか隙あらば求めてくる。まだ若い盛りだし仕方ないのかな、と思ってはいたものの、先月貧血を起こした時点で考えないといけなかったんだな。一方的に「したくない」、これだけはやってはダメだから…きちんと話し合わないとならない。これから先も長いのだし。悪魔の盛りがいつまで続くのかはわからないけれど。
課題として出されたアミノフィア国、ジレッタ共和国の言語習得もまだまだ完璧とは言えないし、私自身勉強しなくてはならないことがたくさんある。悪魔は今まで教育を受けてきて、憎らしいくらいにすべてが完璧だからこそ、これから先隣に立つつもりなら少しでも悪魔に近づきたい。手助けができるように。
手を引かれ、食堂に着く。ふたりは後ろを振り返ると、
「なんでおにいさまいるのですか」
「わたくしもご飯を食べるからです。みんなで食べる決まりです」
「じゃああっちにすわってくだしゃい」
「わたくしの席は、フィーの隣と決まっているのです!」
「兄上、おはようございます。学園の課題でご相談したいことがあるので、食べながら聞いていただけませんか。僕たちふたりではなかなかいい答えがでなくて。な、ディーン」
「そうなのです。さ、参りましょう兄上」
後ろから来た双子王子が悪魔をテーブルの反対側に引き摺って行ってくれる。どちらが兄上なのかわからない。
悪魔はふたりに挟まれ恨めしそうにこちらを見ていたが、食事が始まると真剣に討論し始めた。せっかくの能力をきちんと活かしてもらいたい。
「ソフィアさま、おいしいですね」
「うん、おいしいね」
「ショフィアしゃま、これもたべてくだしゃいっ」
菜緒子の時には子どもがいなかったのであまり幼児と触れ合う機会もなかったのだが、自分の子どもが生まれたらこんな感じなのかなぁとほっこりする。本当に可愛らしい。お人形みたいにキラキラしている。悪魔も幼い時はこんな感じだったのだろうか。
「ふたりともソフィアちゃんのこと大好きなのね」
王妃様が言うと、ふたり揃って「だいすき」と言ってくれる。なんて嬉しいことを…。
「ソフィア、そう言えばおまえにロイドから手紙がきてたぞ」
チンピラはそう言うと、懐から取り出した封筒をテーブルの上に滑らせた。相変わらず豪快というか…給仕の方に頼むという考えはないのだろうか。
「ありがとうございます」
元ボールドウィン伯爵は、ライラさんが新しく作ってもらった戸籍上の父、『ロイド・クリスタ』になってソルマーレ国を出て行った。ボールドウィン家では除籍の必要などないと止めたらしいが、男性と付き合うことで何かしら迷惑がかかることもあるからと事情もきちんと説明した上でジャポン皇国に移住した。ご両親は、いつでも戻ってきていいと言ったそうだ。販路の拡大についてもかなり感謝してくれて、一年は遊んで暮らせるような大金を頂いてしまったと恐縮していた。今まで領地経営を頑張ってきたご褒美だと思えばいいと思う。
中を確認すると、「時間ができたらこちらに遊びにきませんか」というお誘いだった。佐々木さんも楽しみにしてくれているらしい。私もふたりの話が聞きたい。自分の萌えのために。
チンピラはそれを聞くと、「じゃあ行って来たらどうだ?ついでに、ディーンとゼインも連れて行って、英樹さんに紹介してきてくれよ。来年から世話になるわけだし」
それを聞いて向かいに座る3人から同時に「え!?」と声が上がった。
「父上、僕たちもソフィア様とご一緒していいのですか!?」
「構わねえよ。来月から夏休みなんだし、今までおまえらふたりとも他国に興味なんか無さげだったのに、ジャポン皇国については勉強も頑張ってるだろ。留学するにあたって一度行ってくれば、自分等に足りないものも発見できるだろうし、来年行くまでに準備できるじゃねえか。せっかく行くんだ、後悔しねえようにしっかりやれ」
「ありがとうございますっ!」
「ソフィア様、ぜひあちらでもご教授くださいっ」
「もちろんで」
「ダメです!なぜわたくしたちと一緒にディーンとゼインまで行くんですか!」
「おい、ギデオン、おめえは行かせねえぞ」
「え!?」
チンピラはニヤニヤすると、「おめえは留守番だ。俺の仕事をどんどんやってもらうからな」
「フィーが行くのに、なぜわたくしが留守番だなんて、」
「おめえは王太子になったんだぞ。それに、おめえに招待は来てねえだろ。あくまでソフィアに来たのであって、ふたりは来年の留学に向けて前準備で行かせてやりてえんだよ。おめえも去年行ってきただろ」
「そんな…。じゃあフィーも行かないでください!」
「おにいさま、だだっこみたいです。ソフィアさまにきらわれますよ」
アリスちゃんに冷たく言われ、悪魔は私に視線を向けた。
「…フィー、あの、」
「ギデオンさん、私、ジャポン皇国に行ってくるね。佐々木さん、ロイドさんはもちろんだけど、伽藍さんと藤乃さんの様子も見てきたいし。指輪もどのくらい浸透してきてるか、実際に見に行きたいの」
悪魔はガタンッと椅子を倒すと、こちらに駆け寄ってきて私を抱き上げた。
「フィー、イヤです、離れるなんてイヤです、わたくしを置いて行くなんて、」
「ギデオンさん、ご飯中だから、とりあえず後で話をしよう?ね?」
頭を撫でると、悪魔は泣きそうな顔になっていた。
「おはようごじゃいましゅ、ショフィアしゃまっ」
「アリスちゃん、オリヴィアちゃん、おはようございます。今日もふたりともとってもとっても可愛いね。だいすき」
「わたしもー」
「ヴィアもっ」
ギュウッと抱きついてきてくれるふたりは、悪魔の妹。アリスちゃんは5歳、オリヴィアちゃんは3歳。どちらもふわふわの金髪でアリスちゃんは青、オリヴィアちゃんはピンクの瞳だ。柔らかくて、甘い匂いがする。
ふたりはまだ幼いため、時間を合わせるのが難しいだろうと食事も別にしていたそうだが、オリヴィアちゃんが3歳になった6月から一緒に食卓に着くようになった。ふたりとも、本当に可愛らしい。「お兄様をとった泥棒猫」なんて思われていたらどうしようかと思ったが、ふたりともすぐに懐いてくれて嬉しかった。
「ソフィアさま、きょうからいっしょにねれるとききましたっ」
「おかあしゃま、いってた」
「うん、今日から、何日か、ふたりのお部屋にお邪魔するね」
「わーい!ほん、よんでくれますか?」
「ヴィアは、おえかきしたいっ」
「いいよ、しようね」
「わーいっ」
「…おにいたま、こわい。あっちいって」
オリヴィアちゃんの視線を辿ると、不機嫌さを隠そうともしない悪魔が立っていた。
「だから会わせたくなかったんです。フィーはわたくしのものなのに!」
「あのさ、ギデオンさん、」
「ソフィアさま、いきましょう、おにいさまはついてきちゃダメですわ」
「しょうでしゅ!ついてきちゃ、ダメでしゅ!」
ふたりに手を引かれて歩きながら振り向くと、悪魔は眉をしかめてこちらを睨み付けていた。幼児相手に大人気ない…。
そもそも、こうなったのは自分のせいなのに自覚がないのだろうか。
事の発端は先月。生理になった私は、とにかく眠気がひどく早目に横になった。悪魔にも「生理になったからエッチはできない」と伝えたのだが、とりあえず隣で寝ます、と布団に入ってきた。はじめはよかったのだが、ウトウトし始めると悪魔が口づけてきて、しまいには「挿入はしませんから、それだけは我慢しますから、」と私を下着だけにしてあちこち舐めたり触ったりし始めてしまった。結局思うように眠ることができず、そんな日が3日も続いた朝、貧血で倒れてしまった。しかも食堂で。経緯を聞いた王妃様は、たいそうお怒りになり…。
「ギデオン。ソフィアちゃんの月のものが始まったら、ソフィアちゃんはアリス、オリヴィアと一緒に寝させます。貴方は入ってきちゃダメよ」
「なぜ!?なぜですか!?フィーはわたくしの妻なんですよ!アリスとオリヴィアは母上の子どもであって、フィーとわたくしの子どもではありません!」
「言ってる意味がわからないけれど、とにかく女性のカラダに配慮できない大バカ者はひとりで寝なさい。なんならずーっとソフィアちゃんを取り上げたってかまわないのよ。夜だけじゃなく、基本的には月の触りの間はソフィアちゃんと二人きりになるのは禁止よ。わかったわね」
悪魔は「卑怯な…っ」なんて怒っていた。まったく自分のせいだとは思っていないようだった。
カラダを重ねてからまもなく4ヶ月になろうとするが、悪魔は落ち着くどころか隙あらば求めてくる。まだ若い盛りだし仕方ないのかな、と思ってはいたものの、先月貧血を起こした時点で考えないといけなかったんだな。一方的に「したくない」、これだけはやってはダメだから…きちんと話し合わないとならない。これから先も長いのだし。悪魔の盛りがいつまで続くのかはわからないけれど。
課題として出されたアミノフィア国、ジレッタ共和国の言語習得もまだまだ完璧とは言えないし、私自身勉強しなくてはならないことがたくさんある。悪魔は今まで教育を受けてきて、憎らしいくらいにすべてが完璧だからこそ、これから先隣に立つつもりなら少しでも悪魔に近づきたい。手助けができるように。
手を引かれ、食堂に着く。ふたりは後ろを振り返ると、
「なんでおにいさまいるのですか」
「わたくしもご飯を食べるからです。みんなで食べる決まりです」
「じゃああっちにすわってくだしゃい」
「わたくしの席は、フィーの隣と決まっているのです!」
「兄上、おはようございます。学園の課題でご相談したいことがあるので、食べながら聞いていただけませんか。僕たちふたりではなかなかいい答えがでなくて。な、ディーン」
「そうなのです。さ、参りましょう兄上」
後ろから来た双子王子が悪魔をテーブルの反対側に引き摺って行ってくれる。どちらが兄上なのかわからない。
悪魔はふたりに挟まれ恨めしそうにこちらを見ていたが、食事が始まると真剣に討論し始めた。せっかくの能力をきちんと活かしてもらいたい。
「ソフィアさま、おいしいですね」
「うん、おいしいね」
「ショフィアしゃま、これもたべてくだしゃいっ」
菜緒子の時には子どもがいなかったのであまり幼児と触れ合う機会もなかったのだが、自分の子どもが生まれたらこんな感じなのかなぁとほっこりする。本当に可愛らしい。お人形みたいにキラキラしている。悪魔も幼い時はこんな感じだったのだろうか。
「ふたりともソフィアちゃんのこと大好きなのね」
王妃様が言うと、ふたり揃って「だいすき」と言ってくれる。なんて嬉しいことを…。
「ソフィア、そう言えばおまえにロイドから手紙がきてたぞ」
チンピラはそう言うと、懐から取り出した封筒をテーブルの上に滑らせた。相変わらず豪快というか…給仕の方に頼むという考えはないのだろうか。
「ありがとうございます」
元ボールドウィン伯爵は、ライラさんが新しく作ってもらった戸籍上の父、『ロイド・クリスタ』になってソルマーレ国を出て行った。ボールドウィン家では除籍の必要などないと止めたらしいが、男性と付き合うことで何かしら迷惑がかかることもあるからと事情もきちんと説明した上でジャポン皇国に移住した。ご両親は、いつでも戻ってきていいと言ったそうだ。販路の拡大についてもかなり感謝してくれて、一年は遊んで暮らせるような大金を頂いてしまったと恐縮していた。今まで領地経営を頑張ってきたご褒美だと思えばいいと思う。
中を確認すると、「時間ができたらこちらに遊びにきませんか」というお誘いだった。佐々木さんも楽しみにしてくれているらしい。私もふたりの話が聞きたい。自分の萌えのために。
チンピラはそれを聞くと、「じゃあ行って来たらどうだ?ついでに、ディーンとゼインも連れて行って、英樹さんに紹介してきてくれよ。来年から世話になるわけだし」
それを聞いて向かいに座る3人から同時に「え!?」と声が上がった。
「父上、僕たちもソフィア様とご一緒していいのですか!?」
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「ありがとうございますっ!」
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「もちろんで」
「ダメです!なぜわたくしたちと一緒にディーンとゼインまで行くんですか!」
「おい、ギデオン、おめえは行かせねえぞ」
「え!?」
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「フィーが行くのに、なぜわたくしが留守番だなんて、」
「おめえは王太子になったんだぞ。それに、おめえに招待は来てねえだろ。あくまでソフィアに来たのであって、ふたりは来年の留学に向けて前準備で行かせてやりてえんだよ。おめえも去年行ってきただろ」
「そんな…。じゃあフィーも行かないでください!」
「おにいさま、だだっこみたいです。ソフィアさまにきらわれますよ」
アリスちゃんに冷たく言われ、悪魔は私に視線を向けた。
「…フィー、あの、」
「ギデオンさん、私、ジャポン皇国に行ってくるね。佐々木さん、ロイドさんはもちろんだけど、伽藍さんと藤乃さんの様子も見てきたいし。指輪もどのくらい浸透してきてるか、実際に見に行きたいの」
悪魔はガタンッと椅子を倒すと、こちらに駆け寄ってきて私を抱き上げた。
「フィー、イヤです、離れるなんてイヤです、わたくしを置いて行くなんて、」
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ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
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