87 / 161
指輪という愛の証を
7
しおりを挟む
悪魔はカラダを起こすと、私を抱き上げベッドの端に座り懐からなにかを取り出した。
「わたくしも、フィーとお揃いで指輪を作ってもらったのです。これは、フィーのです」
取り出した指輪は、青い石がダイヤモンドに挟まれていた。もうひとつは、緑の石がダイヤモンドに挟まれている。
「…わたくしも、フィーの指に嵌めてもいいですか」
悪魔はそっと手を取ると、私の左手の薬指に嵌めた。
「キレイだね」
「これは、フィーがわたくしに嵌めてください。これは、フィーの瞳の色です。いつも一緒にいるつもりですが、ジャポン皇国から帰ったらフィーは公務の補佐が始まりますし…でも離れていても、フィーの色を見たら寂しくなくなると思います」
悪魔は私が嵌めた指輪を見て嬉しそうに笑った。なんか、悪魔のほうが乙女みたいだよね、ロマンチックで。
「フィー、好きです。わたくしの側にいてください。わたくしを好きにならなくても、…そんなに、激しく好きにならなかったとしても、この国のご夫婦のように、わたくしを少しずつ好きになってください。いいところを見つけてもらえるように努力します」
「ギデオンさん、私は確かに恋愛対象でギデオンさんを好きになってないけど、ギデオンさんをキライではなくなったよ。初めは何この人!?って思ったけど。でも、一緒に過ごすうちに、めんどくさいしめんどくさいしめんどくさい男だとは思うけど、」
「そんなに!?」
自覚ないのかな、自分がめんどくさい男だって。
「うん。だけど、それでもキライではないよ。触られてもイヤじゃないし、キスしても嫌悪感とかないし、気持ちいいよ」
「そうですか?気持ちいいのですか、フィーも?わたくしだけではないのですね」
悪魔はまた嬉しそうに笑った。
「…たくさん勉強はしたものの、フィーに対する負い目があって、でもカラダは熱くなるばかりで、悶々としていました」
悪魔はムッツリなんだね。
「でも、今日からはもう負い目も捨てます。フィーの話を改めて聞いて、フィーを抱くことに躊躇がなくなりました。フィーを、わたくしのものにします。全部、全部、わたくしのものにします。フィーが離縁が成立するまでは子どもは作りません。それだけは約束します」
…子どもを作ることも確定なのか。
悪魔は左手同士を重ねて嬉しそうに笑うと、私の頬にチュッとした。
「フィー、あの、…ジャポン皇国にいる間は我慢します。陛下にも他所の国で盛ってくんなよ、ってキツく釘をさされましたし。ソルマーレに帰ったら、わたくしとフィーの初夜を迎えましょう」
「ギデオンさん、結婚してないんだから初夜じゃないんじゃない」
「でも!わたくしとフィーが初めて性交するわけですから!初夜です!」
やっぱり乙女、で、やっぱりめんどくさい。まあでも、私は中身が40歳だからこんなふうにどこか醒めた部分があるだけで、初めての恋愛の時には悪魔みたいに乙女だった…かも…しれない…?
「フィー。ありがとうございます。お揃いの指輪をつけて、わたくしとフィーも夫婦になったみたいです。ああ、嬉しい。さて、フィー、すべて解決したので早速寝ましょう。あ、お風呂が先ですね。今日からはたくさん触れてもいいですもんね。フフ」
「ギデオンさん、妄想に走ってるところ悪いけど、ご飯が先だよ」
このムッツリ悪魔が。
「わたくしも、フィーとお揃いで指輪を作ってもらったのです。これは、フィーのです」
取り出した指輪は、青い石がダイヤモンドに挟まれていた。もうひとつは、緑の石がダイヤモンドに挟まれている。
「…わたくしも、フィーの指に嵌めてもいいですか」
悪魔はそっと手を取ると、私の左手の薬指に嵌めた。
「キレイだね」
「これは、フィーがわたくしに嵌めてください。これは、フィーの瞳の色です。いつも一緒にいるつもりですが、ジャポン皇国から帰ったらフィーは公務の補佐が始まりますし…でも離れていても、フィーの色を見たら寂しくなくなると思います」
悪魔は私が嵌めた指輪を見て嬉しそうに笑った。なんか、悪魔のほうが乙女みたいだよね、ロマンチックで。
「フィー、好きです。わたくしの側にいてください。わたくしを好きにならなくても、…そんなに、激しく好きにならなかったとしても、この国のご夫婦のように、わたくしを少しずつ好きになってください。いいところを見つけてもらえるように努力します」
「ギデオンさん、私は確かに恋愛対象でギデオンさんを好きになってないけど、ギデオンさんをキライではなくなったよ。初めは何この人!?って思ったけど。でも、一緒に過ごすうちに、めんどくさいしめんどくさいしめんどくさい男だとは思うけど、」
「そんなに!?」
自覚ないのかな、自分がめんどくさい男だって。
「うん。だけど、それでもキライではないよ。触られてもイヤじゃないし、キスしても嫌悪感とかないし、気持ちいいよ」
「そうですか?気持ちいいのですか、フィーも?わたくしだけではないのですね」
悪魔はまた嬉しそうに笑った。
「…たくさん勉強はしたものの、フィーに対する負い目があって、でもカラダは熱くなるばかりで、悶々としていました」
悪魔はムッツリなんだね。
「でも、今日からはもう負い目も捨てます。フィーの話を改めて聞いて、フィーを抱くことに躊躇がなくなりました。フィーを、わたくしのものにします。全部、全部、わたくしのものにします。フィーが離縁が成立するまでは子どもは作りません。それだけは約束します」
…子どもを作ることも確定なのか。
悪魔は左手同士を重ねて嬉しそうに笑うと、私の頬にチュッとした。
「フィー、あの、…ジャポン皇国にいる間は我慢します。陛下にも他所の国で盛ってくんなよ、ってキツく釘をさされましたし。ソルマーレに帰ったら、わたくしとフィーの初夜を迎えましょう」
「ギデオンさん、結婚してないんだから初夜じゃないんじゃない」
「でも!わたくしとフィーが初めて性交するわけですから!初夜です!」
やっぱり乙女、で、やっぱりめんどくさい。まあでも、私は中身が40歳だからこんなふうにどこか醒めた部分があるだけで、初めての恋愛の時には悪魔みたいに乙女だった…かも…しれない…?
「フィー。ありがとうございます。お揃いの指輪をつけて、わたくしとフィーも夫婦になったみたいです。ああ、嬉しい。さて、フィー、すべて解決したので早速寝ましょう。あ、お風呂が先ですね。今日からはたくさん触れてもいいですもんね。フフ」
「ギデオンさん、妄想に走ってるところ悪いけど、ご飯が先だよ」
このムッツリ悪魔が。
37
お気に入りに追加
5,689
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる