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まさかのリアルBL
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馬車で城門から中に入るとチンピラが、
「ソフィア、今夜は王宮に泊まれ。一緒に飯食うぞ。双子もおまえの帰りを首を長くして待ってたんだ、ジャポン皇国の話をしてやってくれ」
「わかりました、ええと、」
「夜はわたくしと寝ますよ、フィー。ディーン王子とゼイン王子と話すのは20時までです」
いや、そうじゃなくて、
「私はどこに泊まれば、」
「国賓用のゲストルームがあるから、そちらに泊まって、ソフィアちゃん。警護も万全だから、変な輩が入り込む心配もないからね」
そんなVIPルームに私が泊まっていいのか…いや、もう言うのはやめよう。せっかく準備してもらえるんだから。
馬車から降りると、また悪魔に抱き抱えられる。こちらももう諦めるしかない。そっと見上げると、悪魔はニコニコしている。
「ギデオンさん、嬉しそうだね」
「当たり前です。フィーを抱っこして歩けるなんて…長い長い半年でした。これからは存分にフィーと触れ合えます」
すると前方から、
「陛下!」
と声がした。見ると、側妃と皇太子がこちらに向かってくる。
「お帰りなさいませ、」
しかしチンピラは、チラリと見ることもなくふたりの脇を通りすぎ、その後思い出したように「そうだ」と言って振り返った。
「リチャード、おめえの住まいをここから移す」
「…え?」
「おめえの恋人がいるだろ。俺は何度も言ったな、あいつを王宮に入れるな、と。理由も説明したな。だがおめえは何の対策もしねえどころか、止めに入ったエリオットに暴言吐いたらしいじゃねえか」
皇太子は顔を歪めると、「父上に言いつけるような真似を…」と呟いたが、とたんにチンピラに殴られた。
「おい。エリオットはおめえみたいに卑怯な男じゃねえんだよ。おめえは何にもわかってねえな。俺に報告をあげてきたのはおめえを監視してる影だ。…エリオットに謝罪しろ」
「陛下、そんな」
止めに入ろうとした側妃をチンピラは睨み付けると、
「おい。今おまえに発言を赦したか?リチャードの母君よ」
と冷酷に吐き捨て、もう一度皇太子に視線を移した。
「謝罪しろ、ボンクラ」
皇太子はグッ、と詰まったように息を飲み、
「…申し訳ありませんでした」
と小さく呟いた。
「3ヶ月後に移す。その後は、公的な理由がない限りおめえは王宮に立ち入り禁止だ。いいな」
チンピラは返事も待たず、「行くぞ。早く休ませてやれ」と私を見た。
「あの…っ!父上、そちらのレディは」
皇太子の視線が向いているのは…私?レディ?
「おめえの書類上の妻だよ」
「…え?」
呆けたような顔になる皇太子を見て私も茫然とする。この人、ソフィアを認識してないの…?
「ま、まさか、ご冗談を!ソフィアが、」
「おい。いくら書類上はおまえの妻でも、おまえが名前を呼び捨てる権利はない。ソフィア嬢と呼べ」
…人妻なのに、「嬢」とかありなの?
たぶん側妃も皇太子も同じように思っているのだろう。しかし口応えできるような雰囲気ではない。
「…そんなに、いつの間に変わったのです。まるで別人ではないですか!」
「おめえに何の関係がある?ソフィアは自分の意思でおめえと離縁するために努力してるんだ。今回、ジャポン皇国との貿易協定だって、ソフィアのお陰でかなりうちが有利に結べた。おめえみたいに、王族だって立場にふんぞり返ってるボンクラとは違うんだよ。おめえも、てめえの意思でソフィアと離縁すると決めただろ。そのための離縁誓約書だ。今は書類上おめえと夫婦だが、現実には夫婦じゃねえ。ソフィアに関わりは持たない、それにおめえはサインしたんだ。忘れたとは言わせねえぞ」
「そんなにキレイになったのは僕のためなんだろ!?」
あー…。まさかのデジャブ…。
「ギデオンさん、降ろして」
「フィー、ダメです」
「降ろして。それとも無理矢理降りて更にケガしたほうがいい?」
悪魔は一瞬目を見開くと、皇太子に向かって「何かしたら殺す」と威圧を放った。…あなた、近衛って立場で、…いや。国のトップにすら不敬を働く悪魔だ。そんな常識は通用しないのだ。
私は悪魔から離れると、皇太子の前に立った。なんで嬉しそうな顔をする?
「ソフィア、」
「ソフィア嬢だ!」
「…ソフィア嬢、僕のためにそんなにキレイになってくれたんだろう?このまま君が正妃でいい」
「まっぴらです。貴方のためにキレイになる?どこの世界に、浮気して離縁すると言う男のために努力する女性がいるんですか?バカも休み休み言ってください。私は貴方がだいっきらい。言ったでしょう。私は浮気男は無理なんです。愛するミューズと仲良く生きて行ってください」
皇太子は目を見開くと、その後イヤらしい嗤いを浮かべた。
「しかし、父上が認めなければ君は僕の正妃のままだ、」
「いや。もう決まりだ。ソフィアの離縁は認める」
…え?
チンピラの言葉にしばし反応できずにいると、悪魔にスッと抱き上げられた。
「良かったですね、フィー。離縁が認められましたよ。期日までは仕方ありませんがあの方とはあくまで書類上の関係です。これで心置きなく、わたくしと子作りができますね。たくさん作りましょう、蘇芳さんたちが最低4人作るのですから負けていられませんよ」
…え?
今度は悪魔の言葉に衝撃を受ける。…子作り?
「ふざけるなっ、まだ結婚しているのに、」
「誓約書で認めています。あなたはそれを承諾した。書類上の関係のくせに、夫面はやめてください。フィーにはわたくしの子どもをたくさん生んでもらいます。期限が来たら、あなたと離縁して、フィーはわたくしと結婚するのです」
「ちょ、ちょっと、ギデオンさん、」
勝手に決めないで!と叫ぼうとした口を悪魔の唇で塞がれた。
「き、きさま、なんの真似だ…っ」
喚く皇太子をモノともせず、執拗に私の唇を貪る悪魔は、ようやく離すと息絶え絶えの私を愛おしそうに見つめ、その後打って変わって冷酷な笑みをうっすらと浮かべ皇太子を見据えた。
「見た目が変わったからと態度を変える貴方を、フィーが受け入れるとでも思っているのだとしたら、よほどおめでたい頭ですね。まあ、わかっていたことですが。…万が一にもフィーに何かしようとしたらあなた方は処刑ですよ。それを覚悟するというならおやりなさい。わたくしが阻止しますけどね」
悪魔は私をもう一度嬉しそうに見て、スタスタ歩き出した。
「へ、陛下っ、まさか、ご冗談ですよね!?いくらなんでも、」
「今言った通りだ。…赦してないのに発言するな、ボンクラの母君」
すがり付くようにする側妃を無情に払いのけ、チンピラは早足で追い付いてくると、
「ちっ。予定が狂っちまったぜ。もう少しおまえに頑張らせるつもりだったのによぉ」
とニヤリとした。
「ソフィア、今夜は王宮に泊まれ。一緒に飯食うぞ。双子もおまえの帰りを首を長くして待ってたんだ、ジャポン皇国の話をしてやってくれ」
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「夜はわたくしと寝ますよ、フィー。ディーン王子とゼイン王子と話すのは20時までです」
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馬車から降りると、また悪魔に抱き抱えられる。こちらももう諦めるしかない。そっと見上げると、悪魔はニコニコしている。
「ギデオンさん、嬉しそうだね」
「当たり前です。フィーを抱っこして歩けるなんて…長い長い半年でした。これからは存分にフィーと触れ合えます」
すると前方から、
「陛下!」
と声がした。見ると、側妃と皇太子がこちらに向かってくる。
「お帰りなさいませ、」
しかしチンピラは、チラリと見ることもなくふたりの脇を通りすぎ、その後思い出したように「そうだ」と言って振り返った。
「リチャード、おめえの住まいをここから移す」
「…え?」
「おめえの恋人がいるだろ。俺は何度も言ったな、あいつを王宮に入れるな、と。理由も説明したな。だがおめえは何の対策もしねえどころか、止めに入ったエリオットに暴言吐いたらしいじゃねえか」
皇太子は顔を歪めると、「父上に言いつけるような真似を…」と呟いたが、とたんにチンピラに殴られた。
「おい。エリオットはおめえみたいに卑怯な男じゃねえんだよ。おめえは何にもわかってねえな。俺に報告をあげてきたのはおめえを監視してる影だ。…エリオットに謝罪しろ」
「陛下、そんな」
止めに入ろうとした側妃をチンピラは睨み付けると、
「おい。今おまえに発言を赦したか?リチャードの母君よ」
と冷酷に吐き捨て、もう一度皇太子に視線を移した。
「謝罪しろ、ボンクラ」
皇太子はグッ、と詰まったように息を飲み、
「…申し訳ありませんでした」
と小さく呟いた。
「3ヶ月後に移す。その後は、公的な理由がない限りおめえは王宮に立ち入り禁止だ。いいな」
チンピラは返事も待たず、「行くぞ。早く休ませてやれ」と私を見た。
「あの…っ!父上、そちらのレディは」
皇太子の視線が向いているのは…私?レディ?
「おめえの書類上の妻だよ」
「…え?」
呆けたような顔になる皇太子を見て私も茫然とする。この人、ソフィアを認識してないの…?
「ま、まさか、ご冗談を!ソフィアが、」
「おい。いくら書類上はおまえの妻でも、おまえが名前を呼び捨てる権利はない。ソフィア嬢と呼べ」
…人妻なのに、「嬢」とかありなの?
たぶん側妃も皇太子も同じように思っているのだろう。しかし口応えできるような雰囲気ではない。
「…そんなに、いつの間に変わったのです。まるで別人ではないですか!」
「おめえに何の関係がある?ソフィアは自分の意思でおめえと離縁するために努力してるんだ。今回、ジャポン皇国との貿易協定だって、ソフィアのお陰でかなりうちが有利に結べた。おめえみたいに、王族だって立場にふんぞり返ってるボンクラとは違うんだよ。おめえも、てめえの意思でソフィアと離縁すると決めただろ。そのための離縁誓約書だ。今は書類上おめえと夫婦だが、現実には夫婦じゃねえ。ソフィアに関わりは持たない、それにおめえはサインしたんだ。忘れたとは言わせねえぞ」
「そんなにキレイになったのは僕のためなんだろ!?」
あー…。まさかのデジャブ…。
「ギデオンさん、降ろして」
「フィー、ダメです」
「降ろして。それとも無理矢理降りて更にケガしたほうがいい?」
悪魔は一瞬目を見開くと、皇太子に向かって「何かしたら殺す」と威圧を放った。…あなた、近衛って立場で、…いや。国のトップにすら不敬を働く悪魔だ。そんな常識は通用しないのだ。
私は悪魔から離れると、皇太子の前に立った。なんで嬉しそうな顔をする?
「ソフィア、」
「ソフィア嬢だ!」
「…ソフィア嬢、僕のためにそんなにキレイになってくれたんだろう?このまま君が正妃でいい」
「まっぴらです。貴方のためにキレイになる?どこの世界に、浮気して離縁すると言う男のために努力する女性がいるんですか?バカも休み休み言ってください。私は貴方がだいっきらい。言ったでしょう。私は浮気男は無理なんです。愛するミューズと仲良く生きて行ってください」
皇太子は目を見開くと、その後イヤらしい嗤いを浮かべた。
「しかし、父上が認めなければ君は僕の正妃のままだ、」
「いや。もう決まりだ。ソフィアの離縁は認める」
…え?
チンピラの言葉にしばし反応できずにいると、悪魔にスッと抱き上げられた。
「良かったですね、フィー。離縁が認められましたよ。期日までは仕方ありませんがあの方とはあくまで書類上の関係です。これで心置きなく、わたくしと子作りができますね。たくさん作りましょう、蘇芳さんたちが最低4人作るのですから負けていられませんよ」
…え?
今度は悪魔の言葉に衝撃を受ける。…子作り?
「ふざけるなっ、まだ結婚しているのに、」
「誓約書で認めています。あなたはそれを承諾した。書類上の関係のくせに、夫面はやめてください。フィーにはわたくしの子どもをたくさん生んでもらいます。期限が来たら、あなたと離縁して、フィーはわたくしと結婚するのです」
「ちょ、ちょっと、ギデオンさん、」
勝手に決めないで!と叫ぼうとした口を悪魔の唇で塞がれた。
「き、きさま、なんの真似だ…っ」
喚く皇太子をモノともせず、執拗に私の唇を貪る悪魔は、ようやく離すと息絶え絶えの私を愛おしそうに見つめ、その後打って変わって冷酷な笑みをうっすらと浮かべ皇太子を見据えた。
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悪魔は私をもう一度嬉しそうに見て、スタスタ歩き出した。
「へ、陛下っ、まさか、ご冗談ですよね!?いくらなんでも、」
「今言った通りだ。…赦してないのに発言するな、ボンクラの母君」
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