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王宮に呼ばれました
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「私の趣味です。放っておいてください」
「ダメです。趣味、なんて一言でごまかさないでキチンと説明をするべきです」
なんで!そんなこと、求める権利ないでしょ、悪魔!
ベッドから降りたギデオンさんはスタスタ近づいてくると、私の手を取り本棚に引き摺って行く。
「フィー、いいですか、こんな明からさまな絵ばかり並んでいるんですよ。淑女がこんな…しかも、男性同士の性交の本を何冊も揃えているなんて、今以上におかしな女だと認定されてもいいんですか?」
「いいです!別に恥ずかしくないし!」
いや、恥ずかしいけどさ。もうやだこの悪魔。出ていって欲しい。
「説明してください。なぜ、男女の性交ではダメなのですか」
「…私は、ここに来る前、40歳だったって聞いてましたよね」
頷く悪魔から本を取り上げる。私の大事な本を触ってほしくない。
「10年結婚してました。でも、結婚して2年でセックスレスになった」
「セックスレスとはなんです」
「さっきからギデオンさんが言ってる、性交をしなくなる、ということです!」
無表情の悪魔はまた頷いた。
「それで?」
「夫婦なのにセックスレスで、でも私は性欲がある女だったんです。旦那はいつの間にか浮気して他の女とエッチして、でも、私は旦那のように浮気してまでエッチしたいとは思えなかった。セックスって、その場限りでいくらでもできるでしょうけど、気持ちが通じてる相手と…お互いに信頼、尊敬、愛情を持っている相手となら、すべてをさらけ出すことができる相手となら、もっと気持ちいいセックスができると思うんです」
職場の同僚の受け売りでしかないが。彼女は、私より少し上の45歳だが、旦那さんと今もセックスする…昔より、かなり良くなってきてお互いに求めてしまうのだと恥ずかしそうに話したことがある。
30代は、子どもも小さく、自分がイライラしてばかりいて、旦那さんにもイライラして、誘われても拒否し、ギスギスしていたそうだ。でもある日、セックスについて旦那さんと真剣に話し合う機会があり、そこから関係が変わったのだという。
羨ましいと思った。会話すらない私たちは、もうそんな関係修復すらできないと早々に諦めたが。
「私は、そんな相手をまた一から探す根気もなくて。でも、男女の性交を読んだら虚しいでしょ、自分は挿入してもらえないのに、本の中とは言えその女性は抱いてもらえてるんだから!
…だから、ってわけじゃないけど。男性同士の恋愛は、キュンキュンするんですよ。読んでて、なんか幸せになるんです。うまく言えないけど。セックスの描写も結構激しいし、まあ、自分の欲求不満を解消する手段というか…。
たくさん揃えているのは、その都度好きな攻めが変わるからです」
悪魔はクビを傾げている。別にわかってもらわなくていい。説明しろというからしただけだし。ああ。辱しめばかり。
「もういいですか。勝手に人の持ち物を見ないでください。いくら私がブタでバカでも、一応プライベートは認められてもいいと、」
「申し訳ありません。そうですね。フィーのことを知りたくて、勝手に見てしまったことはお詫びします。これからはキチンと許可を取ってから見ます」
予想外に謝られてポカンとなる。え、今、悪魔が謝罪した?私に?
「フィーは、性交したいのですか」
しかし更なる斜め上発言が飛んできて、謝られてホワリと温かくなった気持ちが霧散した。
「ギデオンさん!?」
「質問に答えてください。フィーは性交したいのですか、まさか、あの名ばかり夫である腐れ王太子としたいのですか?」
掴まれている手をギリギリと握られる。見下ろす瞳の威圧感が凄すぎる。恐怖しかない。
「陛下にも言いましたけど、王太子には一回も会ってないんです、私になってから!浮気男は私は受け入れられないんです!あんな男とエッチなんてしたくない!それ以上に、このカラダでエッチしたいと思いませんよ!自慰行為すらしたくない、おっぱい触ったところで気持ちいいどころか萎えますよ!別に、モデル並みのカラダになりたいわけじゃないけど、人並みには痩せたいんです!痩せなければ性欲もない!今は睡眠欲しかありません!」
ハーハー息があがりながら捲し立てる私を見て、悪魔はニッコリした。なぜ笑う?
「そうですか。それなら構いません。今のところ、性交をしたいとは思っていない、ということですね。痩せたらわからないけれど」
「痩せても王太子とはエッチしません。子作りしろって言われてもしません」
とたんに残念そうな顔をした悪魔は大きなため息をついた。わざとらしい…!!
「本当にフィーはバカですね。陛下が作ってくださった離縁誓約書に、『王太子とソフィア妃の性交は認めない』と記載してあったでしょう。もし万が一フィーが王太子とエッチしたいと思ってもできません。公的に認めないと宣言してあるんです」
したいとなんて思わないよ!バカで悪かったな!そもそもあんたが「王太子と性交したいのか」って言ったんじゃん!罠だったの?私を貶めるための?悪魔め…!!
「アネットさんが、王宮から夕飯を持ってきてくれましたから、いただきましょう。お風呂はわたくしが準備しておきました。フィーがだらしなく寝ている間に。さ、行きますよ」
悪魔に手を引かれる私は、本当に躾を受けているペットのようだ…早く人間になりたい…。
「ダメです。趣味、なんて一言でごまかさないでキチンと説明をするべきです」
なんで!そんなこと、求める権利ないでしょ、悪魔!
ベッドから降りたギデオンさんはスタスタ近づいてくると、私の手を取り本棚に引き摺って行く。
「フィー、いいですか、こんな明からさまな絵ばかり並んでいるんですよ。淑女がこんな…しかも、男性同士の性交の本を何冊も揃えているなんて、今以上におかしな女だと認定されてもいいんですか?」
「いいです!別に恥ずかしくないし!」
いや、恥ずかしいけどさ。もうやだこの悪魔。出ていって欲しい。
「説明してください。なぜ、男女の性交ではダメなのですか」
「…私は、ここに来る前、40歳だったって聞いてましたよね」
頷く悪魔から本を取り上げる。私の大事な本を触ってほしくない。
「10年結婚してました。でも、結婚して2年でセックスレスになった」
「セックスレスとはなんです」
「さっきからギデオンさんが言ってる、性交をしなくなる、ということです!」
無表情の悪魔はまた頷いた。
「それで?」
「夫婦なのにセックスレスで、でも私は性欲がある女だったんです。旦那はいつの間にか浮気して他の女とエッチして、でも、私は旦那のように浮気してまでエッチしたいとは思えなかった。セックスって、その場限りでいくらでもできるでしょうけど、気持ちが通じてる相手と…お互いに信頼、尊敬、愛情を持っている相手となら、すべてをさらけ出すことができる相手となら、もっと気持ちいいセックスができると思うんです」
職場の同僚の受け売りでしかないが。彼女は、私より少し上の45歳だが、旦那さんと今もセックスする…昔より、かなり良くなってきてお互いに求めてしまうのだと恥ずかしそうに話したことがある。
30代は、子どもも小さく、自分がイライラしてばかりいて、旦那さんにもイライラして、誘われても拒否し、ギスギスしていたそうだ。でもある日、セックスについて旦那さんと真剣に話し合う機会があり、そこから関係が変わったのだという。
羨ましいと思った。会話すらない私たちは、もうそんな関係修復すらできないと早々に諦めたが。
「私は、そんな相手をまた一から探す根気もなくて。でも、男女の性交を読んだら虚しいでしょ、自分は挿入してもらえないのに、本の中とは言えその女性は抱いてもらえてるんだから!
…だから、ってわけじゃないけど。男性同士の恋愛は、キュンキュンするんですよ。読んでて、なんか幸せになるんです。うまく言えないけど。セックスの描写も結構激しいし、まあ、自分の欲求不満を解消する手段というか…。
たくさん揃えているのは、その都度好きな攻めが変わるからです」
悪魔はクビを傾げている。別にわかってもらわなくていい。説明しろというからしただけだし。ああ。辱しめばかり。
「もういいですか。勝手に人の持ち物を見ないでください。いくら私がブタでバカでも、一応プライベートは認められてもいいと、」
「申し訳ありません。そうですね。フィーのことを知りたくて、勝手に見てしまったことはお詫びします。これからはキチンと許可を取ってから見ます」
予想外に謝られてポカンとなる。え、今、悪魔が謝罪した?私に?
「フィーは、性交したいのですか」
しかし更なる斜め上発言が飛んできて、謝られてホワリと温かくなった気持ちが霧散した。
「ギデオンさん!?」
「質問に答えてください。フィーは性交したいのですか、まさか、あの名ばかり夫である腐れ王太子としたいのですか?」
掴まれている手をギリギリと握られる。見下ろす瞳の威圧感が凄すぎる。恐怖しかない。
「陛下にも言いましたけど、王太子には一回も会ってないんです、私になってから!浮気男は私は受け入れられないんです!あんな男とエッチなんてしたくない!それ以上に、このカラダでエッチしたいと思いませんよ!自慰行為すらしたくない、おっぱい触ったところで気持ちいいどころか萎えますよ!別に、モデル並みのカラダになりたいわけじゃないけど、人並みには痩せたいんです!痩せなければ性欲もない!今は睡眠欲しかありません!」
ハーハー息があがりながら捲し立てる私を見て、悪魔はニッコリした。なぜ笑う?
「そうですか。それなら構いません。今のところ、性交をしたいとは思っていない、ということですね。痩せたらわからないけれど」
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「アネットさんが、王宮から夕飯を持ってきてくれましたから、いただきましょう。お風呂はわたくしが準備しておきました。フィーがだらしなく寝ている間に。さ、行きますよ」
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