16 / 161
ここはどこ、わたしはだれ
離縁誓約書
しおりを挟む
1. 王太子リチャード・エヴァンスと王太子妃ソフィア・エヴァンスは、ソルマーレ暦1583年の3月末日を持って双方の合意の元に離縁する。
いかなる理由があろうとも、この決定が覆ることはない。
ただし、ソフィア・エヴァンスがラインハルト・エヴァンスの出した案件をクリア出来なかった場合は、ラインハルト・エヴァンスの存命中は離縁は認めない。
上記の案件の内容についてリチャード・エヴァンスには知る権利はない。このことについてソフィア・エヴァンスに脅迫等卑劣な行為を行った場合、その真偽の如何に関わらず処刑する。他の人間にやらせた場合も同様とし、手を貸した人間も処刑する。
2. 王太子妃ソフィア・エヴァンスが、1580年以降、王太子妃を外れた後も、命を落とす、もしくは意識不明の重体、もしくは体の欠損があった場合、いかなる理由であろうとも、王太子リチャード・エヴァンス及びその恋人であるライラ・ボールドウィン、並びにボールドウィン伯爵家に連なる一族すべてを国王ラインハルト・エヴァンスの名の元に処刑する。
ソフィア妃に危害が加えられた場合も同様である。
3. 離縁の際、慰謝料の支払いは双方ともになし。後から請求することも無効とする。
4. ソフィア・エヴァンス王太子妃には王族費が毎月支払われる。この額は王太子と同等の額とし、何人たりとも使い途に対して口を出すことは許さない。
5. リチャード・エヴァンスは、ソフィア・エヴァンスとの離縁が成立した場合、ソルマーレ暦1583年4月1日に恋人ライラ・ボールドウィン伯爵令嬢と再婚する。
6. ソフィア・エヴァンスは、離縁後、ソルマーレ国に縛られることはない。もちろん、ソルマーレ国で生活することも権利として認める。このことについては、項目1と同様とする。
7. ソフィア・エヴァンス王太子妃が私的に稼いだ金銭は、すべてソフィア妃自身に権利が帰するものとする。リチャード王太子には夫と言えどもなんの権利も発生しない。
8. ソフィア妃がソルマーレ暦1583年に離縁するまでの間、リチャード王太子以外と恋愛及び肉体関係をもったとしても不貞行為には当たらない。ただし、白い結婚という契約なのだからリチャード王太子がソフィア妃と性交することは許されない。
9. ソフィア妃は三年後離縁することが決まっているため、王族としての執務並びに外交等はすべて免除とする。
国内の舞踏会、パーティー、並びに個人的なお茶会への誘いもすべて免除とする。
王太子は、国内に限り恋人ライラ・ボールドウィンのエスコートを認める。国外へ伴うことはいかなる理由があろうとも容認しない。
10. ソフィア妃は、国王に指示、決定を仰ぐこととする。王太子リチャードは、ソフィア妃のすべてに口を出すことは許さない。基本的に交渉はなし。
ソフィア妃は離宮にて生活するが、王宮に出入りすることも当然の権利として認める。このことについても項目1と同様とする。
11. 今後、ソフィア妃に付ける近衛及び使用人についてリチャード王太子は口を出す権利はない。
12. リチャード・エヴァンスの母、マリアンヌ・エヴァンスも、上記いずれかの項目に反した場合、同様の処罰を与える。
以上を、離縁誓約書として承認する。
ソルマーレ暦1580年4月4日
ソルマーレ国 第23代国王 ラインハルト・エヴァンス
いかなる理由があろうとも、この決定が覆ることはない。
ただし、ソフィア・エヴァンスがラインハルト・エヴァンスの出した案件をクリア出来なかった場合は、ラインハルト・エヴァンスの存命中は離縁は認めない。
上記の案件の内容についてリチャード・エヴァンスには知る権利はない。このことについてソフィア・エヴァンスに脅迫等卑劣な行為を行った場合、その真偽の如何に関わらず処刑する。他の人間にやらせた場合も同様とし、手を貸した人間も処刑する。
2. 王太子妃ソフィア・エヴァンスが、1580年以降、王太子妃を外れた後も、命を落とす、もしくは意識不明の重体、もしくは体の欠損があった場合、いかなる理由であろうとも、王太子リチャード・エヴァンス及びその恋人であるライラ・ボールドウィン、並びにボールドウィン伯爵家に連なる一族すべてを国王ラインハルト・エヴァンスの名の元に処刑する。
ソフィア妃に危害が加えられた場合も同様である。
3. 離縁の際、慰謝料の支払いは双方ともになし。後から請求することも無効とする。
4. ソフィア・エヴァンス王太子妃には王族費が毎月支払われる。この額は王太子と同等の額とし、何人たりとも使い途に対して口を出すことは許さない。
5. リチャード・エヴァンスは、ソフィア・エヴァンスとの離縁が成立した場合、ソルマーレ暦1583年4月1日に恋人ライラ・ボールドウィン伯爵令嬢と再婚する。
6. ソフィア・エヴァンスは、離縁後、ソルマーレ国に縛られることはない。もちろん、ソルマーレ国で生活することも権利として認める。このことについては、項目1と同様とする。
7. ソフィア・エヴァンス王太子妃が私的に稼いだ金銭は、すべてソフィア妃自身に権利が帰するものとする。リチャード王太子には夫と言えどもなんの権利も発生しない。
8. ソフィア妃がソルマーレ暦1583年に離縁するまでの間、リチャード王太子以外と恋愛及び肉体関係をもったとしても不貞行為には当たらない。ただし、白い結婚という契約なのだからリチャード王太子がソフィア妃と性交することは許されない。
9. ソフィア妃は三年後離縁することが決まっているため、王族としての執務並びに外交等はすべて免除とする。
国内の舞踏会、パーティー、並びに個人的なお茶会への誘いもすべて免除とする。
王太子は、国内に限り恋人ライラ・ボールドウィンのエスコートを認める。国外へ伴うことはいかなる理由があろうとも容認しない。
10. ソフィア妃は、国王に指示、決定を仰ぐこととする。王太子リチャードは、ソフィア妃のすべてに口を出すことは許さない。基本的に交渉はなし。
ソフィア妃は離宮にて生活するが、王宮に出入りすることも当然の権利として認める。このことについても項目1と同様とする。
11. 今後、ソフィア妃に付ける近衛及び使用人についてリチャード王太子は口を出す権利はない。
12. リチャード・エヴァンスの母、マリアンヌ・エヴァンスも、上記いずれかの項目に反した場合、同様の処罰を与える。
以上を、離縁誓約書として承認する。
ソルマーレ暦1580年4月4日
ソルマーレ国 第23代国王 ラインハルト・エヴァンス
61
お気に入りに追加
5,689
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
さよなら、皆さん。今宵、私はここを出ていきます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【復讐の為、今夜私は偽の家族と婚約者に別れを告げる―】
私は伯爵令嬢フィーネ・アドラー。優しい両親と18歳になったら結婚する予定の婚約者がいた。しかし、幸せな生活は両親の突然の死により、もろくも崩れ去る。私の後見人になると言って城に上がり込んできた叔父夫婦とその娘。私は彼らによって全てを奪われてしまった。愛する婚約者までも。
もうこれ以上は限界だった。復讐する為、私は今夜皆に別れを告げる決意をした―。
※マークは残酷シーン有り
※(他サイトでも投稿中)

助けた青年は私から全てを奪った隣国の王族でした
Karamimi
恋愛
15歳のフローラは、ドミスティナ王国で平和に暮らしていた。そんなフローラは元公爵令嬢。
約9年半前、フェザー公爵に嵌められ国家反逆罪で家族ともども捕まったフローラ。
必死に無実を訴えるフローラの父親だったが、国王はフローラの父親の言葉を一切聞き入れず、両親と兄を処刑。フローラと2歳年上の姉は、国外追放になった。身一つで放り出された幼い姉妹。特に体の弱かった姉は、寒さと飢えに耐えられず命を落とす。
そんな中1人生き残ったフローラは、運よく近くに住む女性の助けを受け、何とか平民として生活していた。
そんなある日、大けがを負った青年を森の中で見つけたフローラ。家に連れて帰りすぐに医者に診せたおかげで、青年は一命を取り留めたのだが…
「どうして俺を助けた!俺はあの場で死にたかったのに!」
そうフローラを怒鳴りつける青年。そんな青年にフローラは
「あなた様がどんな辛い目に合ったのかは分かりません。でも、せっかく助かったこの命、無駄にしてはいけません!」
そう伝え、大けがをしている青年を献身的に看護するのだった。一緒に生活する中で、いつしか2人の間に、恋心が芽生え始めるのだが…
甘く切ない異世界ラブストーリーです。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる