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ここはどこ、わたしはだれ
離縁誓約書
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1. 王太子リチャード・エヴァンスと王太子妃ソフィア・エヴァンスは、ソルマーレ暦1583年の3月末日を持って双方の合意の元に離縁する。
いかなる理由があろうとも、この決定が覆ることはない。
ただし、ソフィア・エヴァンスがラインハルト・エヴァンスの出した案件をクリア出来なかった場合は、ラインハルト・エヴァンスの存命中は離縁は認めない。
上記の案件の内容についてリチャード・エヴァンスには知る権利はない。このことについてソフィア・エヴァンスに脅迫等卑劣な行為を行った場合、その真偽の如何に関わらず処刑する。他の人間にやらせた場合も同様とし、手を貸した人間も処刑する。
2. 王太子妃ソフィア・エヴァンスが、1580年以降、王太子妃を外れた後も、命を落とす、もしくは意識不明の重体、もしくは体の欠損があった場合、いかなる理由であろうとも、王太子リチャード・エヴァンス及びその恋人であるライラ・ボールドウィン、並びにボールドウィン伯爵家に連なる一族すべてを国王ラインハルト・エヴァンスの名の元に処刑する。
ソフィア妃に危害が加えられた場合も同様である。
3. 離縁の際、慰謝料の支払いは双方ともになし。後から請求することも無効とする。
4. ソフィア・エヴァンス王太子妃には王族費が毎月支払われる。この額は王太子と同等の額とし、何人たりとも使い途に対して口を出すことは許さない。
5. リチャード・エヴァンスは、ソフィア・エヴァンスとの離縁が成立した場合、ソルマーレ暦1583年4月1日に恋人ライラ・ボールドウィン伯爵令嬢と再婚する。
6. ソフィア・エヴァンスは、離縁後、ソルマーレ国に縛られることはない。もちろん、ソルマーレ国で生活することも権利として認める。このことについては、項目1と同様とする。
7. ソフィア・エヴァンス王太子妃が私的に稼いだ金銭は、すべてソフィア妃自身に権利が帰するものとする。リチャード王太子には夫と言えどもなんの権利も発生しない。
8. ソフィア妃がソルマーレ暦1583年に離縁するまでの間、リチャード王太子以外と恋愛及び肉体関係をもったとしても不貞行為には当たらない。ただし、白い結婚という契約なのだからリチャード王太子がソフィア妃と性交することは許されない。
9. ソフィア妃は三年後離縁することが決まっているため、王族としての執務並びに外交等はすべて免除とする。
国内の舞踏会、パーティー、並びに個人的なお茶会への誘いもすべて免除とする。
王太子は、国内に限り恋人ライラ・ボールドウィンのエスコートを認める。国外へ伴うことはいかなる理由があろうとも容認しない。
10. ソフィア妃は、国王に指示、決定を仰ぐこととする。王太子リチャードは、ソフィア妃のすべてに口を出すことは許さない。基本的に交渉はなし。
ソフィア妃は離宮にて生活するが、王宮に出入りすることも当然の権利として認める。このことについても項目1と同様とする。
11. 今後、ソフィア妃に付ける近衛及び使用人についてリチャード王太子は口を出す権利はない。
12. リチャード・エヴァンスの母、マリアンヌ・エヴァンスも、上記いずれかの項目に反した場合、同様の処罰を与える。
以上を、離縁誓約書として承認する。
ソルマーレ暦1580年4月4日
ソルマーレ国 第23代国王 ラインハルト・エヴァンス
いかなる理由があろうとも、この決定が覆ることはない。
ただし、ソフィア・エヴァンスがラインハルト・エヴァンスの出した案件をクリア出来なかった場合は、ラインハルト・エヴァンスの存命中は離縁は認めない。
上記の案件の内容についてリチャード・エヴァンスには知る権利はない。このことについてソフィア・エヴァンスに脅迫等卑劣な行為を行った場合、その真偽の如何に関わらず処刑する。他の人間にやらせた場合も同様とし、手を貸した人間も処刑する。
2. 王太子妃ソフィア・エヴァンスが、1580年以降、王太子妃を外れた後も、命を落とす、もしくは意識不明の重体、もしくは体の欠損があった場合、いかなる理由であろうとも、王太子リチャード・エヴァンス及びその恋人であるライラ・ボールドウィン、並びにボールドウィン伯爵家に連なる一族すべてを国王ラインハルト・エヴァンスの名の元に処刑する。
ソフィア妃に危害が加えられた場合も同様である。
3. 離縁の際、慰謝料の支払いは双方ともになし。後から請求することも無効とする。
4. ソフィア・エヴァンス王太子妃には王族費が毎月支払われる。この額は王太子と同等の額とし、何人たりとも使い途に対して口を出すことは許さない。
5. リチャード・エヴァンスは、ソフィア・エヴァンスとの離縁が成立した場合、ソルマーレ暦1583年4月1日に恋人ライラ・ボールドウィン伯爵令嬢と再婚する。
6. ソフィア・エヴァンスは、離縁後、ソルマーレ国に縛られることはない。もちろん、ソルマーレ国で生活することも権利として認める。このことについては、項目1と同様とする。
7. ソフィア・エヴァンス王太子妃が私的に稼いだ金銭は、すべてソフィア妃自身に権利が帰するものとする。リチャード王太子には夫と言えどもなんの権利も発生しない。
8. ソフィア妃がソルマーレ暦1583年に離縁するまでの間、リチャード王太子以外と恋愛及び肉体関係をもったとしても不貞行為には当たらない。ただし、白い結婚という契約なのだからリチャード王太子がソフィア妃と性交することは許されない。
9. ソフィア妃は三年後離縁することが決まっているため、王族としての執務並びに外交等はすべて免除とする。
国内の舞踏会、パーティー、並びに個人的なお茶会への誘いもすべて免除とする。
王太子は、国内に限り恋人ライラ・ボールドウィンのエスコートを認める。国外へ伴うことはいかなる理由があろうとも容認しない。
10. ソフィア妃は、国王に指示、決定を仰ぐこととする。王太子リチャードは、ソフィア妃のすべてに口を出すことは許さない。基本的に交渉はなし。
ソフィア妃は離宮にて生活するが、王宮に出入りすることも当然の権利として認める。このことについても項目1と同様とする。
11. 今後、ソフィア妃に付ける近衛及び使用人についてリチャード王太子は口を出す権利はない。
12. リチャード・エヴァンスの母、マリアンヌ・エヴァンスも、上記いずれかの項目に反した場合、同様の処罰を与える。
以上を、離縁誓約書として承認する。
ソルマーレ暦1580年4月4日
ソルマーレ国 第23代国王 ラインハルト・エヴァンス
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