貴方への恋は死にました

蜜柑マル

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「くそっ、なんだって言うんだ!」

あの後怒鳴り込んだ国王の執務室で、先ほどの叔父と同じ冷たい瞳の父に書類を見せられた。

サーシャとの離縁が成立したこと。

サーシャと叔父の婚姻が成立したこと。

「ついさっきまで俺の妻だったんですよ!」

「おまえは初夜以外サーシャを抱いていないだろう。子どもができている心配はないから問題ない」

「そんなバカな、」

すると国王が、机を叩いた。ものすごい音に、思わずカラダが跳ねる。

「おまえは俺に意見するのか?おまえの言葉は俺より正しいと?」

国王の、今までついぞ聞いたことのない怒りに満ち満ちた声に、知らず頭が下がっていく。恐ろしい圧をかけられ、足元が震え始めた。

「今日からサーシャは王弟妃だ。間違っても何かするなよ。暴言を吐いた、暴力を振るった、唾を吐きかけた、どんなことでも、どんなささいなことでも許されない」

ユアンは震える足でなんとか執務室を出た。国王の言葉を、きちんと飲み込めていなかった。
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