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私の心情を述べよ
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夏休みとはいえど、部活はある。
部活動自体もだが、メンバーについても好感の持てる人間ばかりだったため、梔子は、この部活を結構気に入っていた。
昼前の時間から部室に集合して、ルーティンの発声練習をし、次の大会の課題図書に目を通す。
既に自分で抜粋している部分なので、何度も見返した部分ではあるのだが、読み込み方で読み方だって変わってくる。
部内の仲間に、一通り呼んで聞かせみて反応を窺う。前のほうが良いとのことだったので、自分でも一考してから、やはり昔の読み方に戻す。
余った時間に、もう一度課題図書の全体を読み返していたのだが、イマイチ主人公の心理描写がすとんと落ちてこない。
ああでもない、こうでもないと考えているうちに、いつの間にか思考は課題図書の主人公ではなく、自分自身に向けられていた。
どうしてあんなことを言ってしまったのか…。
鍵谷に悪いところなんてまるでなかった。それなのに、彼女が自分を他の友達よりも大事に、特別扱いしてくれなかったことで、見苦しく立腹してしまった。
夏休み前に勇気を出して聞いた連絡先だって、感情のままに消してしまって、連絡の取りようがなくなっていた。
いや、その気になれば他のクラスメイトから聞けないこともないのだろうが、そっちの勇気はない。
そうこうしている間に、部室の隣室にあたる視聴覚室からチャイムが響いてくる。下校時刻ではないものの、部活終了の時刻だ。
明日の予定を確認しながら、全員揃って帰宅の準備をする。そもそもがインドア派の集まりなので、帰りにどこか寄る、ということは少ない。
副部長である自分が、鍵の管理は行っている。そのため、みんなが部屋から出る準備が整うまで様子を見ていたのだが、先に出ていった後輩部員が困惑した表情で戻ってきた。
あの、と自分を探し出した後輩は、視聴覚室の出入り口をちらちら振り返りながら、客が来ている、と伝えてくれた。
部活の顧問でも来ているのだろうか。
だが、そんな予定はなかったはず…。
小首を傾げながら出入り口のほうへと向かうと、二階へと登る階段の三段目に腰掛ける彼女の姿があった。
「か…」
花音ちゃん、と声をかけそうになって、慌てて口をつぐむ。気のせいならいいが、顔もにやけかけているような気がするので、意識して表情筋を引き締める。
スカートを短くしているせいで、少し股を開いて階段に座っているだけで、太腿の辺りまで肌が露出している。
それを何となく見つめていたのがばれたのか、鍵谷は軽く裾を引っ張って、際どいラインを守った。
「どうしたの」
部活なんてしていないはずなのに、どうして今日、ここに。
「絢香に用事」
ぶっきらぼうに告げた彼女は、バックの中からプリントの束を取り出した。おそらく、夏休みの宿題だ。
「一人じゃ、解けないから」
そんなの、嘘に決まっている。
ちゃんと考えれば、地頭の良い彼女は宿題程度の難易度なら解けてしまえるはずだ。一週間、彼女に勉強を教えていた自分が言うのだから、間違いない。
鍵谷が宿題を理由に出したのは、それこそ、ただの口実に過ぎないと、いくら鈍感な自分でも分かっていた。
だから、嬉しくて、つい頬が緩みそうになったのだ。
あえて少しだけ悩むフリをして、梔子は相手と目を合わせずに軽く頷いた。
「分かった、みんなに先に帰るよう言ってくるから。ちょっと、待ってて」
「りょーかい」
視聴覚室に戻って、部活のメンバーにこれから少しこの部屋で友達と勉強してから帰ることを伝える。
すると、誰も彼もがやや不安げな顔つきになり、大丈夫か、と尋ねてきた。
見た目も、つるむ仲間も派手な鍵谷だったから、変な誤解をされているのだろう。
前回のテストのときも、こうして教えてあげたという話をすると、みんなも多少安心した様子で、部屋を出ていった。
途中、軽口の多い後輩が、「ギャルと地味系って、王道ですよね」とにやけ面でからかってきたため、思い切り背中を叩いて送り出す。
地味で悪かったな。
自分で地味だと分かっていても、それを他人に言われるのはまた違うというものだ。
みんなが出ていった後、珍しく緊張した雰囲気で鍵谷が入室してきた。その借りてきた猫のような彼女を、近くの席に導き、隣り合うように座る。
早速本題に入るべきだろうか、しかし、すぐには出来そうにもない。
結局、自分も彼女も、言いたいことをはっきり言えないのか、無言のまま宿題の束を机に並べる有様だった。
視聴覚室の椅子は、椅子同士の間隔がゼロに等しく、人の重みで座面が開閉するタイプのものであったせいで、二人は十席ほどある一列の中の、中心に隣り合って座っていた。
前後の列で高低差があったことも、仲違いしている二人を親友か、恋人のように密着させた原因の一つだろう。
幸いクーラーもしっかりと効いているこの部屋では、互いの熱量は気にならなかった。
もしも、クーラーが点いていなかったら、二人は互いの熱に驚いて、すぐに離れたかもしれない。
一言も話さないまま、紙をめくる音だけが流れていたわけだが、十分もすると、ようやく鍵谷のほうから口火を切った。
「絢香」
普段どおりを心がけているのがはっきりと分かるその口調に、逆に緊張する。
「何?」
こちらも、平常心を保ったフリをしたまま応じた。
「分からないところがあるんだけど、聞いていい?」
「…もちろん」
本題に移るのではなかったようだ。もしや、彼女は本当に宿題を進めに来ただけなのだろうか…。
どこ、と尋ねながら覗き込むと、鍵谷が、ここ、と頬杖をついたままプリントの端のほうを指差した。
そこはプリントの余白にあたる部分で、問題なんて印字してあるはずがない部分だ。
白とも灰色ともいえない用紙の上に、鍵谷の印象らしくない細く、丁寧な文字で言葉が綴られていた。
『大好きな友達と喧嘩したままの、「私」の心情を答えよ』
「…ふ」
その一文を見て、内容を理解したとき、思わず笑ってしまった。
さらさらと問題文の隣に答えを記入する。
『寂しい』
解答を見た鍵谷が、何故か赤のボールペンで丸をつけた。
これ、提出するときどうするのだろう。
無言のまま頁をめくった鍵谷は、また紙面上の角を指し示すと、こんこんと何度か指先で叩いた。
『少しだけ、難しい問題を出します』
何だ、改まって。
こくりと頷き、続きを促す。
鍵谷が、ゆっくりと頁をめくる。
彼女は先程までとは違い、問題集を両手に持って掲げてみせると、それで顔を隠すようにしながら、ぐっと問題集を梔子の顔に近づけた。
初めのうちは、距離が近すぎて、どこに問題が書いてあるのか分からなかったが、少し探せば、紙の余白ではなく、問題文と解答欄の間に小さい書き込みがあるのを発見できた。
梔子は、わずかに震えて綴られたことで崩れた、丁寧な文字を見て目を丸くした。
『先程の私の「好き」の意味は、どういう類のものでしょうか』
私は、自分で言うのも何だが、馬鹿でもないし、察しが悪いわけでもない。
文字から滲み出た、彼女の真剣さと覚悟が、はっきりと伝わってくる。
一先ず、落ち着かなければ。
空から落下するみたいに、一気に加速していく心臓の音に耳を澄ましているうちに、段々と冷静さを取り戻す。
彼女の、『好き』が何なのか。
問題集を持った白い両手が、小刻みに震えている。
私はそれを見て、今すぐ安心させてあげたいと思った。
…ああ、こんなの、簡単な問題じゃないか。
冷房が効いていても、炎天下の最中にいるみたいに熱くなる体と心が、全てを物語っている。
鍵谷が机の上に置いている赤のボールペンを手に取り、さらさらと自分の問題集に書き込んでいく。
そこに書き込むのは、解答なんかじゃない。
花音ちゃんばかり問題を出すのは、少し不公平じゃないか。
問題を書き終えた梔子は、未だに顔を隠している鍵谷の肩を叩いた。
花音ちゃんは、どんな顔をするだろう。
これからのことを考えて胸を踊らせる梔子の問題集には、書きたてのため、赤いインクでてらてらと光を放つ一文が綴られていた。
『このキスの意味は、何でしょうか』
解答は、彼女と、自分だけが知っていればいい。
そうでしょ、花音ちゃん。
――…しまった、これ、先生に提出するとき、どうしよう。
部活動自体もだが、メンバーについても好感の持てる人間ばかりだったため、梔子は、この部活を結構気に入っていた。
昼前の時間から部室に集合して、ルーティンの発声練習をし、次の大会の課題図書に目を通す。
既に自分で抜粋している部分なので、何度も見返した部分ではあるのだが、読み込み方で読み方だって変わってくる。
部内の仲間に、一通り呼んで聞かせみて反応を窺う。前のほうが良いとのことだったので、自分でも一考してから、やはり昔の読み方に戻す。
余った時間に、もう一度課題図書の全体を読み返していたのだが、イマイチ主人公の心理描写がすとんと落ちてこない。
ああでもない、こうでもないと考えているうちに、いつの間にか思考は課題図書の主人公ではなく、自分自身に向けられていた。
どうしてあんなことを言ってしまったのか…。
鍵谷に悪いところなんてまるでなかった。それなのに、彼女が自分を他の友達よりも大事に、特別扱いしてくれなかったことで、見苦しく立腹してしまった。
夏休み前に勇気を出して聞いた連絡先だって、感情のままに消してしまって、連絡の取りようがなくなっていた。
いや、その気になれば他のクラスメイトから聞けないこともないのだろうが、そっちの勇気はない。
そうこうしている間に、部室の隣室にあたる視聴覚室からチャイムが響いてくる。下校時刻ではないものの、部活終了の時刻だ。
明日の予定を確認しながら、全員揃って帰宅の準備をする。そもそもがインドア派の集まりなので、帰りにどこか寄る、ということは少ない。
副部長である自分が、鍵の管理は行っている。そのため、みんなが部屋から出る準備が整うまで様子を見ていたのだが、先に出ていった後輩部員が困惑した表情で戻ってきた。
あの、と自分を探し出した後輩は、視聴覚室の出入り口をちらちら振り返りながら、客が来ている、と伝えてくれた。
部活の顧問でも来ているのだろうか。
だが、そんな予定はなかったはず…。
小首を傾げながら出入り口のほうへと向かうと、二階へと登る階段の三段目に腰掛ける彼女の姿があった。
「か…」
花音ちゃん、と声をかけそうになって、慌てて口をつぐむ。気のせいならいいが、顔もにやけかけているような気がするので、意識して表情筋を引き締める。
スカートを短くしているせいで、少し股を開いて階段に座っているだけで、太腿の辺りまで肌が露出している。
それを何となく見つめていたのがばれたのか、鍵谷は軽く裾を引っ張って、際どいラインを守った。
「どうしたの」
部活なんてしていないはずなのに、どうして今日、ここに。
「絢香に用事」
ぶっきらぼうに告げた彼女は、バックの中からプリントの束を取り出した。おそらく、夏休みの宿題だ。
「一人じゃ、解けないから」
そんなの、嘘に決まっている。
ちゃんと考えれば、地頭の良い彼女は宿題程度の難易度なら解けてしまえるはずだ。一週間、彼女に勉強を教えていた自分が言うのだから、間違いない。
鍵谷が宿題を理由に出したのは、それこそ、ただの口実に過ぎないと、いくら鈍感な自分でも分かっていた。
だから、嬉しくて、つい頬が緩みそうになったのだ。
あえて少しだけ悩むフリをして、梔子は相手と目を合わせずに軽く頷いた。
「分かった、みんなに先に帰るよう言ってくるから。ちょっと、待ってて」
「りょーかい」
視聴覚室に戻って、部活のメンバーにこれから少しこの部屋で友達と勉強してから帰ることを伝える。
すると、誰も彼もがやや不安げな顔つきになり、大丈夫か、と尋ねてきた。
見た目も、つるむ仲間も派手な鍵谷だったから、変な誤解をされているのだろう。
前回のテストのときも、こうして教えてあげたという話をすると、みんなも多少安心した様子で、部屋を出ていった。
途中、軽口の多い後輩が、「ギャルと地味系って、王道ですよね」とにやけ面でからかってきたため、思い切り背中を叩いて送り出す。
地味で悪かったな。
自分で地味だと分かっていても、それを他人に言われるのはまた違うというものだ。
みんなが出ていった後、珍しく緊張した雰囲気で鍵谷が入室してきた。その借りてきた猫のような彼女を、近くの席に導き、隣り合うように座る。
早速本題に入るべきだろうか、しかし、すぐには出来そうにもない。
結局、自分も彼女も、言いたいことをはっきり言えないのか、無言のまま宿題の束を机に並べる有様だった。
視聴覚室の椅子は、椅子同士の間隔がゼロに等しく、人の重みで座面が開閉するタイプのものであったせいで、二人は十席ほどある一列の中の、中心に隣り合って座っていた。
前後の列で高低差があったことも、仲違いしている二人を親友か、恋人のように密着させた原因の一つだろう。
幸いクーラーもしっかりと効いているこの部屋では、互いの熱量は気にならなかった。
もしも、クーラーが点いていなかったら、二人は互いの熱に驚いて、すぐに離れたかもしれない。
一言も話さないまま、紙をめくる音だけが流れていたわけだが、十分もすると、ようやく鍵谷のほうから口火を切った。
「絢香」
普段どおりを心がけているのがはっきりと分かるその口調に、逆に緊張する。
「何?」
こちらも、平常心を保ったフリをしたまま応じた。
「分からないところがあるんだけど、聞いていい?」
「…もちろん」
本題に移るのではなかったようだ。もしや、彼女は本当に宿題を進めに来ただけなのだろうか…。
どこ、と尋ねながら覗き込むと、鍵谷が、ここ、と頬杖をついたままプリントの端のほうを指差した。
そこはプリントの余白にあたる部分で、問題なんて印字してあるはずがない部分だ。
白とも灰色ともいえない用紙の上に、鍵谷の印象らしくない細く、丁寧な文字で言葉が綴られていた。
『大好きな友達と喧嘩したままの、「私」の心情を答えよ』
「…ふ」
その一文を見て、内容を理解したとき、思わず笑ってしまった。
さらさらと問題文の隣に答えを記入する。
『寂しい』
解答を見た鍵谷が、何故か赤のボールペンで丸をつけた。
これ、提出するときどうするのだろう。
無言のまま頁をめくった鍵谷は、また紙面上の角を指し示すと、こんこんと何度か指先で叩いた。
『少しだけ、難しい問題を出します』
何だ、改まって。
こくりと頷き、続きを促す。
鍵谷が、ゆっくりと頁をめくる。
彼女は先程までとは違い、問題集を両手に持って掲げてみせると、それで顔を隠すようにしながら、ぐっと問題集を梔子の顔に近づけた。
初めのうちは、距離が近すぎて、どこに問題が書いてあるのか分からなかったが、少し探せば、紙の余白ではなく、問題文と解答欄の間に小さい書き込みがあるのを発見できた。
梔子は、わずかに震えて綴られたことで崩れた、丁寧な文字を見て目を丸くした。
『先程の私の「好き」の意味は、どういう類のものでしょうか』
私は、自分で言うのも何だが、馬鹿でもないし、察しが悪いわけでもない。
文字から滲み出た、彼女の真剣さと覚悟が、はっきりと伝わってくる。
一先ず、落ち着かなければ。
空から落下するみたいに、一気に加速していく心臓の音に耳を澄ましているうちに、段々と冷静さを取り戻す。
彼女の、『好き』が何なのか。
問題集を持った白い両手が、小刻みに震えている。
私はそれを見て、今すぐ安心させてあげたいと思った。
…ああ、こんなの、簡単な問題じゃないか。
冷房が効いていても、炎天下の最中にいるみたいに熱くなる体と心が、全てを物語っている。
鍵谷が机の上に置いている赤のボールペンを手に取り、さらさらと自分の問題集に書き込んでいく。
そこに書き込むのは、解答なんかじゃない。
花音ちゃんばかり問題を出すのは、少し不公平じゃないか。
問題を書き終えた梔子は、未だに顔を隠している鍵谷の肩を叩いた。
花音ちゃんは、どんな顔をするだろう。
これからのことを考えて胸を踊らせる梔子の問題集には、書きたてのため、赤いインクでてらてらと光を放つ一文が綴られていた。
『このキスの意味は、何でしょうか』
解答は、彼女と、自分だけが知っていればいい。
そうでしょ、花音ちゃん。
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