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四章 レイブン
レイブン.3
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ニライカナイの拠点に戻った後、私はワダツミに半分説教、半分感謝の言葉を弾丸のように浴びせかけられた。
そして、ひとしきり言い終えたことで満足したらしいワダツミに、「で、お主、何をやった」と問いかけられたが、私は正直に習ったことをやっただけだと答えた。
彼女は全く納得していないふうだったが、それでも私がすぐにでもリリーのところに戻りたいと伝えると、渋面を作った後、承諾してくれた。
「また後で詳しく聞かせてもらうぞ」と背中に声をかけられたが、本当に語った以上のことはやっていないため、解答のしようもないと思った。
リリー・ブラックは、任務終了後、速攻で自分の部屋に戻った。報酬も、賛辞も受け取らずに布団に飛び込んだリリーを誰もが訝しがったが、彼女の落ち込みの深さを目の当たりにしていた私とワダツミだけは違った。
眠る邪魔をしてはならないと夜中まで外をうろついていたが、途中、ニライカナイの人間に見つかって部屋に優しく戻された。
部屋に戻っても、リリーは相変わらず布団の中だった。時折顔を覗かせはするが、すっかり塞ぎ込んでしまっていて、覇気はない。
私は一度夜食を取りに行ってから、部屋へと戻った。
「お嬢様。お食事はどうなされますか」
リリーは微動だにしない。
「一応、ワダツミ様から言われて、おにぎり以外もお持ち致しましたが…」
「いらないわ」
「ですが、帰ってきてからなにも…」
「いらないと言っているでしょう。放っておいて」
冬の水に触れているみたいな反応に、私は息を止め、俯く。どうしたらいいか分からなかったからだ。
思えば、いつだってバックライト夫人は私がどうしたらいいかを明示してくれた。怒っていようと、上機嫌だろうと、忙しかろうと、夜伽のときだろうと…。
そうだ。この人は具体的な道を示さない。だから困るのだ。
しばらくの間、私は黙ってベッドの隣に佇んでいたのだが、それが気に入らなかったらしいリリーは、がばっと身を起こした私を罵った。
「いつまでそこに立っているのよ、奴隷!」
「…申し訳ございません」
「申し訳ございませんじゃなくて…っ!さっさと…」
そこで彼女は言葉を途切れさせた。急に身を起こしたからか、くらくらした様子で頭を押さえた。
鉄格子の内側にリリーが嘔吐した形跡があったから、きっと彼女の胃には今、何も入っていない。一日中、何も食べないというのは食べ慣れている人間にこそきついものだと聞く。
私は、「失礼します」と言ってリリーのそばに腰掛けると、彼女の背中をさすった。夫人の調子が悪いときはいつもこうしてそばにいたことを思い出し、なんだか胸が痛くなった。
始めリリーは、こちらを睨みつけて何か言おうとしていたが、互いに瞳の奥を覗き込みあっているうちに段々と気勢を削がれていたようで、しゅん、と肩を落として静かになってしまった。
少しして、リリーは大人しくご飯を食べ始めた。暖かい味噌汁が残っていてよかった。こういうものは冷えてしまうと、途端に侘びしく思えてしまうものだからだ。
私はリリーがきちんと食事を始めたのを見てそばから離れようとしたが、ぐっ、と何かに引っ張られ、思わず振り返る。
「…どこに行くのかしら」
リリーだった。悄然としていて、弱々しい。奥様に似ているようで、彼女はまるで別物だ。
「外の風を入れようと思いまして。気分が悪い方に、夜風は優しいものです」
「…そう」
解放された私は、宣言したとおりに窓を開けた。
青白い月光が、私の瞳に突き刺さる。
美しく眩しいものほど、瞳を背けたくなるのはどうしてなのだろうか…。
振り返ると、リリーがこちらを真っ直ぐ見ていた。差し込む月明を受けて、柘榴石みたいに赤い瞳がキラキラと瞬き、私は目を逸らした。
彼女の元に戻ろうかとも思った。しかし、戻ってこいとも言われていないし、離れていろとも言われていない。
「窓、開いたわよ」
「え?」
「…え、じゃなくて…そこでなにをしているの」
いっそ、どうすればいいか教えてくれれば、私はそれどおりに動くのに…そこまで考えてから、私はそれをリリーに伝えてはどうだろうかと考えた。しかし、奴隷が主人にそうそう何度もお願いするべきではないのではないか…とも逡巡した。
結果として、私は沈黙をもって応えてしまったのだが、それがいっそう気に入らなかったのか、リリーは責めるような口調で、「なにをしているのと聴いているのだけれど」と言った。
そんなものだから、私も言う他ないと決断した。
「あの、お嬢様」
「なにかしら」
「…その、厚かましいお願いをさせて頂いてもよろしいでしょうか」
「遠回しね…許可など要らないわ。お願いを聞くかどうかは聞いた後に判断するのだから」
「いや、ですから、そのお願いをするための許可を――」
「あぁもう!自分が誰かにお願いすることにまで、いちいち許可を求めないで!」
そんな横暴な、と眉をひそめれば、リリーは吊り目がちな瞳をさらに吊り上がらせて、「命令よ」と一刀両断、斬り捨てた。
命令、と言われれば従うほかはない。私はそれを承諾すると、上目遣いになってお願いを口にした。
「お嬢様、私は、その、奴隷です」
「ええそう。そうね。付き人というより、奴隷ね」
「ですから、その…『どうすればいいか』、具体的に命令を下さい」
けっこう勇気をもって告げたお願いだったが、リリーは釈然としない様子で首を傾げるばかりだった。もっと詳細を伝えなければならないようだ。
「そうですね…お嬢様は、『なにをしているの』とよくお聞きになられますが、厳密に言えばそういうときの私は、『なにもしていない』のです。なぜなら、『なにも命令されていないから』です」
「え?え、ええ…」
分かっているようなそうでないような返答。リリーの思考回路が混乱しているのがなんとなく分かった。
「私は奴隷です」
「ええ」
「奴隷は、命令なしでは動けません」
「ええ…あ、ああ…なるほど」
ようやく腑に落ちたような声を出したが、それでも、リリーはなぜか納得しきれていないような表情で私を見ている。
「ですから、こういうときも、早く寝たほうがいいのか、じっと立っておいたほうがいいのか、それとも、お嬢様のそばにいたほうがいいのか、分からないのです」
「貴方…命令なしでは動けないの?」
だからそう言ったではないか、と言い返したい気持ちもあったが、絶対にそれは許されない。
私は頷きつつも、無意識になにかしていることは多々あるが、それ以外は指示待ちだと説明した。
「ですので、具体的に命令を頂けると幸いです」
私がそう言ってお願いをしめくくれば、リリーはなんだか酷く苦い顔をした。なにかが気に入らなかったのかもしれないと心配に思ったが、そのうち、リリーは自分で折り合いをつけて、「分かったわ」と小さく答えた。
「レイブン」
「はい」
「…そばに来なさい」
「はい」
私は安心してリリーのそばに移動した。
「ベッドにかけなさい」
「はい」
ぎしり、とスプリングが軋んだ。それを聞きつつ、私は次の命令を待つ。
リリーは私を真っ直ぐと見つめると、視線を窓の外、月光の降り注ぐ庭へと向けた。
桜の花びらがひらひらと舞い散っている。だいぶ寂しくなってきたが、これも花の運命なのだろう。
奥様が言っていた。
――花も、命も、ピークを過ぎたら、腐るだけでしょう。私は純で、美しいものだけを見ていたいのよ、と。
ならば、私も腐るだけなのだ。
「そこで、黙って聞いていなさい」美しい赤い瞳が伏せられる。もったいない、となんとなく思ってしまう。「リリー・ブラックが始めた、復讐の話を」
お嬢様が、繰り返し命令を下さっている。命令を放つときの彼女の声は、やはり奥様に似ていた。
私はほんの少し満たされた気持ちになって、小さく頷いた。
「はい」
そして、ひとしきり言い終えたことで満足したらしいワダツミに、「で、お主、何をやった」と問いかけられたが、私は正直に習ったことをやっただけだと答えた。
彼女は全く納得していないふうだったが、それでも私がすぐにでもリリーのところに戻りたいと伝えると、渋面を作った後、承諾してくれた。
「また後で詳しく聞かせてもらうぞ」と背中に声をかけられたが、本当に語った以上のことはやっていないため、解答のしようもないと思った。
リリー・ブラックは、任務終了後、速攻で自分の部屋に戻った。報酬も、賛辞も受け取らずに布団に飛び込んだリリーを誰もが訝しがったが、彼女の落ち込みの深さを目の当たりにしていた私とワダツミだけは違った。
眠る邪魔をしてはならないと夜中まで外をうろついていたが、途中、ニライカナイの人間に見つかって部屋に優しく戻された。
部屋に戻っても、リリーは相変わらず布団の中だった。時折顔を覗かせはするが、すっかり塞ぎ込んでしまっていて、覇気はない。
私は一度夜食を取りに行ってから、部屋へと戻った。
「お嬢様。お食事はどうなされますか」
リリーは微動だにしない。
「一応、ワダツミ様から言われて、おにぎり以外もお持ち致しましたが…」
「いらないわ」
「ですが、帰ってきてからなにも…」
「いらないと言っているでしょう。放っておいて」
冬の水に触れているみたいな反応に、私は息を止め、俯く。どうしたらいいか分からなかったからだ。
思えば、いつだってバックライト夫人は私がどうしたらいいかを明示してくれた。怒っていようと、上機嫌だろうと、忙しかろうと、夜伽のときだろうと…。
そうだ。この人は具体的な道を示さない。だから困るのだ。
しばらくの間、私は黙ってベッドの隣に佇んでいたのだが、それが気に入らなかったらしいリリーは、がばっと身を起こした私を罵った。
「いつまでそこに立っているのよ、奴隷!」
「…申し訳ございません」
「申し訳ございませんじゃなくて…っ!さっさと…」
そこで彼女は言葉を途切れさせた。急に身を起こしたからか、くらくらした様子で頭を押さえた。
鉄格子の内側にリリーが嘔吐した形跡があったから、きっと彼女の胃には今、何も入っていない。一日中、何も食べないというのは食べ慣れている人間にこそきついものだと聞く。
私は、「失礼します」と言ってリリーのそばに腰掛けると、彼女の背中をさすった。夫人の調子が悪いときはいつもこうしてそばにいたことを思い出し、なんだか胸が痛くなった。
始めリリーは、こちらを睨みつけて何か言おうとしていたが、互いに瞳の奥を覗き込みあっているうちに段々と気勢を削がれていたようで、しゅん、と肩を落として静かになってしまった。
少しして、リリーは大人しくご飯を食べ始めた。暖かい味噌汁が残っていてよかった。こういうものは冷えてしまうと、途端に侘びしく思えてしまうものだからだ。
私はリリーがきちんと食事を始めたのを見てそばから離れようとしたが、ぐっ、と何かに引っ張られ、思わず振り返る。
「…どこに行くのかしら」
リリーだった。悄然としていて、弱々しい。奥様に似ているようで、彼女はまるで別物だ。
「外の風を入れようと思いまして。気分が悪い方に、夜風は優しいものです」
「…そう」
解放された私は、宣言したとおりに窓を開けた。
青白い月光が、私の瞳に突き刺さる。
美しく眩しいものほど、瞳を背けたくなるのはどうしてなのだろうか…。
振り返ると、リリーがこちらを真っ直ぐ見ていた。差し込む月明を受けて、柘榴石みたいに赤い瞳がキラキラと瞬き、私は目を逸らした。
彼女の元に戻ろうかとも思った。しかし、戻ってこいとも言われていないし、離れていろとも言われていない。
「窓、開いたわよ」
「え?」
「…え、じゃなくて…そこでなにをしているの」
いっそ、どうすればいいか教えてくれれば、私はそれどおりに動くのに…そこまで考えてから、私はそれをリリーに伝えてはどうだろうかと考えた。しかし、奴隷が主人にそうそう何度もお願いするべきではないのではないか…とも逡巡した。
結果として、私は沈黙をもって応えてしまったのだが、それがいっそう気に入らなかったのか、リリーは責めるような口調で、「なにをしているのと聴いているのだけれど」と言った。
そんなものだから、私も言う他ないと決断した。
「あの、お嬢様」
「なにかしら」
「…その、厚かましいお願いをさせて頂いてもよろしいでしょうか」
「遠回しね…許可など要らないわ。お願いを聞くかどうかは聞いた後に判断するのだから」
「いや、ですから、そのお願いをするための許可を――」
「あぁもう!自分が誰かにお願いすることにまで、いちいち許可を求めないで!」
そんな横暴な、と眉をひそめれば、リリーは吊り目がちな瞳をさらに吊り上がらせて、「命令よ」と一刀両断、斬り捨てた。
命令、と言われれば従うほかはない。私はそれを承諾すると、上目遣いになってお願いを口にした。
「お嬢様、私は、その、奴隷です」
「ええそう。そうね。付き人というより、奴隷ね」
「ですから、その…『どうすればいいか』、具体的に命令を下さい」
けっこう勇気をもって告げたお願いだったが、リリーは釈然としない様子で首を傾げるばかりだった。もっと詳細を伝えなければならないようだ。
「そうですね…お嬢様は、『なにをしているの』とよくお聞きになられますが、厳密に言えばそういうときの私は、『なにもしていない』のです。なぜなら、『なにも命令されていないから』です」
「え?え、ええ…」
分かっているようなそうでないような返答。リリーの思考回路が混乱しているのがなんとなく分かった。
「私は奴隷です」
「ええ」
「奴隷は、命令なしでは動けません」
「ええ…あ、ああ…なるほど」
ようやく腑に落ちたような声を出したが、それでも、リリーはなぜか納得しきれていないような表情で私を見ている。
「ですから、こういうときも、早く寝たほうがいいのか、じっと立っておいたほうがいいのか、それとも、お嬢様のそばにいたほうがいいのか、分からないのです」
「貴方…命令なしでは動けないの?」
だからそう言ったではないか、と言い返したい気持ちもあったが、絶対にそれは許されない。
私は頷きつつも、無意識になにかしていることは多々あるが、それ以外は指示待ちだと説明した。
「ですので、具体的に命令を頂けると幸いです」
私がそう言ってお願いをしめくくれば、リリーはなんだか酷く苦い顔をした。なにかが気に入らなかったのかもしれないと心配に思ったが、そのうち、リリーは自分で折り合いをつけて、「分かったわ」と小さく答えた。
「レイブン」
「はい」
「…そばに来なさい」
「はい」
私は安心してリリーのそばに移動した。
「ベッドにかけなさい」
「はい」
ぎしり、とスプリングが軋んだ。それを聞きつつ、私は次の命令を待つ。
リリーは私を真っ直ぐと見つめると、視線を窓の外、月光の降り注ぐ庭へと向けた。
桜の花びらがひらひらと舞い散っている。だいぶ寂しくなってきたが、これも花の運命なのだろう。
奥様が言っていた。
――花も、命も、ピークを過ぎたら、腐るだけでしょう。私は純で、美しいものだけを見ていたいのよ、と。
ならば、私も腐るだけなのだ。
「そこで、黙って聞いていなさい」美しい赤い瞳が伏せられる。もったいない、となんとなく思ってしまう。「リリー・ブラックが始めた、復讐の話を」
お嬢様が、繰り返し命令を下さっている。命令を放つときの彼女の声は、やはり奥様に似ていた。
私はほんの少し満たされた気持ちになって、小さく頷いた。
「はい」
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