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二章 流刑地にて
流刑地にて.2
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「ストレリチア…!」
私は忘れかけていた怒りを、沸騰する激情を思い出し、鉄格子に飛びかかった。
「よくも、貴方…!私の前にこうものこのこと現れることができたわね!」
「まあ、怖い顔ですね。アカーシャ様」
私の煮えたぎる激情を浴びてなお、ふふっ、とストレリチアは笑った。そう、嘲笑ったのだ。この女は。
「ストレリチアっ!」
獣の如く叫び声を上げて相手を睨むも、彼女は何が嬉しいのか理解に苦しむ様を私に見せつけるばかりだ。
「せっかくのお綺麗な顔が台無しです。アカーシャ様。貴方様のような高貴で、美しい方に、そのような激情は不似合いですよ」
鉄格子に顔を寄せて、子どもを諭すみたいに、あるいは、女が相手をかどわかすときみたいに甘い声を出すストレリチアに、私の堪忍袋の緒ははち切れる。
「だ、誰のせいだとっ!」
優雅な微笑をたたえた巫女の頬を張るべく、手を伸ばす。だが、ギリギリ、本当にギリギリのところで指先は届かずに終わる。
見えていたのだ。この距離なら自分には届かないと。
彼女は結局、どこまでいっても本物の預言者だ。特に、自分の身に振りかかる危険については。
「…初めに私の命を狙ったのは、アカーシャ様です」
「くっ…」
「私は、きちんとこの国のために尽くしました。考えてもみて下さい、アカーシャ様が私のことを殺そうとしなければ、私は貴方が王妃となった後、誰よりも役に立つ存在になったはずですよ」
「何が役に立つよ…そのときは、王族なんて飾りものの、貴方が頂点に立つ独裁国家の出来上がりでしょうが!」
「ふふっ」
彼女はこの期に及んで、まだ笑い声を発した。
いちいち癇に障る、この笑い方、口調、態度、眼差し。
これだ、これである。これが、私がストレリチアに従えなかった大きな理由の一つ。
ストレリチアは、私にだけこの顔を見せた。私にだけ、侮蔑の態度を見せたのだ。
他の人間には、聖女然として、あるいは汚れを知らぬ童女のように接するくせに、私にだけは悪魔みたいな面をするのだ。
つまり、この愛らしく献身的な聖女の仮面を被った悪魔の本性を暴けるのは、私だけだったのだ。
だから、殺そうと思った。
絶対に失敗するだろう、というジレンマを抱えてでも。
「これでこの国はめでたく貴方のものね。どう?お望みが叶って。唯一の邪魔者である私も、もはや風前の灯火。今にも消える命。きっと国王は、貴方が『今日、アカーシャ様を処刑されたほうがいいと思われます。明後日にはあの方が脱走を試みますから』とでも言えば、躊躇いなくそうなさるでしょうからね!」
私は無数の言葉の弾丸をストレリチアに浴びせかけた。全てを知っているぞ、と彼女に知らしめることが、私にできる唯一の抵抗だと思ったからだ。
しかし、彼女はそのことごとくを浴びてもなお、ふふっ、と笑った。
「望み?私の望みとは、一体何ですか、アカーシャ様」
「決まっているわ、この国を支配することよ!」
すると、ストレリチアは急に真顔になった。
「この国を支配して、私に何の得があるのですか?」
「え…」
意外な返答に言葉が詰まりかけるが、これは図星を突いたからだ、と考え直し、堂々とそれに答える。
「無限の富を、権力を、賞賛を、人望を、その手に得ることができるわ!」
私の金切り声が天井に昇りきると、静寂が広がった。
ストレリチアの感情が読めない面持ち。不気味だと思った。この女には、心がないのではないかと思うほどだった。
「それは、貴方が王妃になって欲しかったものではないですか?アカーシャ様」
「っ…!?」
「私は別に、そんなものに興味ありません。信じてもらえないでしょうが、本当にどうでもいいんですよ」
「う、嘘よ」
「私は未だに小さな民宿に住んでいます。報酬だって、私が生活を維持できるぶんだけを頂いて、残りは全額色んなところに寄付してきました。ジャン王子が…」
ちらり、と彼女は私の瞳を覗いた。それから、ポケットから指輪を取り出して、それを私に見えるように掲げた。
「貴方様の代わりとして、私と添い遂げたいとおっしゃりましたが…きっぱりと断りました。あの方、ショックで部屋から出られないそうですよ」
「じゃ、ジャンが…貴方と…」
なんとなく、彼がストレリチアを想っていることは察していた。私も深い愛情があったわけではなかったから、問題を先送りにしていたが、彼はずっと前からこうすることを決めていたようだ。
ずるずる、と鉄格子を掴んだままで座り込む。ぺたんとついた床は酷く冷たかった。
「だから受け取れないと伝えましたが…男の意地ですかね?指輪、貰ってほしいと」
キラキラ光る、銀の指輪。王妃の証。
あれは、本来私のものになるはずだった。
この女さえいなければ…!
私は顔を上げて彼女を睨んだ。あふれんばかりの憎しみを込めて。
「ふふっ、傷つきましたか?」
「外道が…」
自分でも驚くくらい、放った呪詛に力はなかった。
ストレリチアは私と同じように座り込んだ。彼女用に仕立て上げられた白と青の衣装の隙間から、白い肌が覗いた。
じっ、と彼女は私を見ている。
気持ちが悪いくらい、私を無言で観察している。
感情が読めない。
青い瞳の水底に沈んだ何かを、私は掴むことができず、ただその深淵を探るべく見返し続けた。
なぜ、彼女はこんなにも私を敵視しているのか。
もしも、ストレリチアが…もしも、私にも優しく、慈悲深かったのであれば、殺そうとまではしなかっただろうに。
彼女もまた、私の赤い瞳を覗き込んでいたが、そのうち、「ふふっ」と一際楽しそうに笑うと、カナリアも裸足で逃げ出すほど美しい声で告げた。
「アカーシャ様に残ったものは、もはやその美しい体と魂だけ。その他のものは、私が全て取り上げました」
「あ、貴方…ッ!」
「ジャン王子も、ご友人のルピナス様も、仲間であるサリア様やマルグリット様も…とうとう、アカーシャ様を助けには来ませんでしたね」
「あんな薄情者たちのことなんて、どうでもいいっ!」
「ふふっ」
「何がおかしいの、ストレリチア…!」
「いえ、かわいそうなお方だと思っただけです」
その言葉を聞いて、何かが弾けた。
「ストレリチアぁ!」
ガシャン、と鉄格子を力いっぱい前後に揺する。
「私を、私を憐れむつもり!?ふざけないで!私は、貴方なんかにっ…!」
悔しさで歯を食いしばっていたせいか、唇が切れていた。つぅ、と流れる赤い血は、私の紅蓮の怒りでもあった。
ストレリチアは悪趣味にも、そんな私の顔をじっと観察していた。そして、やがて幸せそうに笑うと、前傾を倒し、下から覗き込むような姿勢で言った。
「悔しいですか、アカーシャ様」
悪魔だ。
「死にたくないですか、アカーシャ様」
青い目をした、悪魔。
「そこを出て、私に復讐したいですか、アカーシャ・オルトリンデ様…!」
「このっ、腐れ外道が…!」
すると、血涙が出ないことが不思議なくらい怒りと悔しさで頭に血が昇っていた私に、ストレリチアが無邪気な顔で微笑みかけてきた。
「そんなアカーシャ様にとっておきの提案があります」
「…提案?」
「そうです。いくつかの条件を飲んで頂ければ、ここから出る算段を私がつけてあげます」
ふふっ。
悪魔は再び、吐息を漏らす。
私は忘れかけていた怒りを、沸騰する激情を思い出し、鉄格子に飛びかかった。
「よくも、貴方…!私の前にこうものこのこと現れることができたわね!」
「まあ、怖い顔ですね。アカーシャ様」
私の煮えたぎる激情を浴びてなお、ふふっ、とストレリチアは笑った。そう、嘲笑ったのだ。この女は。
「ストレリチアっ!」
獣の如く叫び声を上げて相手を睨むも、彼女は何が嬉しいのか理解に苦しむ様を私に見せつけるばかりだ。
「せっかくのお綺麗な顔が台無しです。アカーシャ様。貴方様のような高貴で、美しい方に、そのような激情は不似合いですよ」
鉄格子に顔を寄せて、子どもを諭すみたいに、あるいは、女が相手をかどわかすときみたいに甘い声を出すストレリチアに、私の堪忍袋の緒ははち切れる。
「だ、誰のせいだとっ!」
優雅な微笑をたたえた巫女の頬を張るべく、手を伸ばす。だが、ギリギリ、本当にギリギリのところで指先は届かずに終わる。
見えていたのだ。この距離なら自分には届かないと。
彼女は結局、どこまでいっても本物の預言者だ。特に、自分の身に振りかかる危険については。
「…初めに私の命を狙ったのは、アカーシャ様です」
「くっ…」
「私は、きちんとこの国のために尽くしました。考えてもみて下さい、アカーシャ様が私のことを殺そうとしなければ、私は貴方が王妃となった後、誰よりも役に立つ存在になったはずですよ」
「何が役に立つよ…そのときは、王族なんて飾りものの、貴方が頂点に立つ独裁国家の出来上がりでしょうが!」
「ふふっ」
彼女はこの期に及んで、まだ笑い声を発した。
いちいち癇に障る、この笑い方、口調、態度、眼差し。
これだ、これである。これが、私がストレリチアに従えなかった大きな理由の一つ。
ストレリチアは、私にだけこの顔を見せた。私にだけ、侮蔑の態度を見せたのだ。
他の人間には、聖女然として、あるいは汚れを知らぬ童女のように接するくせに、私にだけは悪魔みたいな面をするのだ。
つまり、この愛らしく献身的な聖女の仮面を被った悪魔の本性を暴けるのは、私だけだったのだ。
だから、殺そうと思った。
絶対に失敗するだろう、というジレンマを抱えてでも。
「これでこの国はめでたく貴方のものね。どう?お望みが叶って。唯一の邪魔者である私も、もはや風前の灯火。今にも消える命。きっと国王は、貴方が『今日、アカーシャ様を処刑されたほうがいいと思われます。明後日にはあの方が脱走を試みますから』とでも言えば、躊躇いなくそうなさるでしょうからね!」
私は無数の言葉の弾丸をストレリチアに浴びせかけた。全てを知っているぞ、と彼女に知らしめることが、私にできる唯一の抵抗だと思ったからだ。
しかし、彼女はそのことごとくを浴びてもなお、ふふっ、と笑った。
「望み?私の望みとは、一体何ですか、アカーシャ様」
「決まっているわ、この国を支配することよ!」
すると、ストレリチアは急に真顔になった。
「この国を支配して、私に何の得があるのですか?」
「え…」
意外な返答に言葉が詰まりかけるが、これは図星を突いたからだ、と考え直し、堂々とそれに答える。
「無限の富を、権力を、賞賛を、人望を、その手に得ることができるわ!」
私の金切り声が天井に昇りきると、静寂が広がった。
ストレリチアの感情が読めない面持ち。不気味だと思った。この女には、心がないのではないかと思うほどだった。
「それは、貴方が王妃になって欲しかったものではないですか?アカーシャ様」
「っ…!?」
「私は別に、そんなものに興味ありません。信じてもらえないでしょうが、本当にどうでもいいんですよ」
「う、嘘よ」
「私は未だに小さな民宿に住んでいます。報酬だって、私が生活を維持できるぶんだけを頂いて、残りは全額色んなところに寄付してきました。ジャン王子が…」
ちらり、と彼女は私の瞳を覗いた。それから、ポケットから指輪を取り出して、それを私に見えるように掲げた。
「貴方様の代わりとして、私と添い遂げたいとおっしゃりましたが…きっぱりと断りました。あの方、ショックで部屋から出られないそうですよ」
「じゃ、ジャンが…貴方と…」
なんとなく、彼がストレリチアを想っていることは察していた。私も深い愛情があったわけではなかったから、問題を先送りにしていたが、彼はずっと前からこうすることを決めていたようだ。
ずるずる、と鉄格子を掴んだままで座り込む。ぺたんとついた床は酷く冷たかった。
「だから受け取れないと伝えましたが…男の意地ですかね?指輪、貰ってほしいと」
キラキラ光る、銀の指輪。王妃の証。
あれは、本来私のものになるはずだった。
この女さえいなければ…!
私は顔を上げて彼女を睨んだ。あふれんばかりの憎しみを込めて。
「ふふっ、傷つきましたか?」
「外道が…」
自分でも驚くくらい、放った呪詛に力はなかった。
ストレリチアは私と同じように座り込んだ。彼女用に仕立て上げられた白と青の衣装の隙間から、白い肌が覗いた。
じっ、と彼女は私を見ている。
気持ちが悪いくらい、私を無言で観察している。
感情が読めない。
青い瞳の水底に沈んだ何かを、私は掴むことができず、ただその深淵を探るべく見返し続けた。
なぜ、彼女はこんなにも私を敵視しているのか。
もしも、ストレリチアが…もしも、私にも優しく、慈悲深かったのであれば、殺そうとまではしなかっただろうに。
彼女もまた、私の赤い瞳を覗き込んでいたが、そのうち、「ふふっ」と一際楽しそうに笑うと、カナリアも裸足で逃げ出すほど美しい声で告げた。
「アカーシャ様に残ったものは、もはやその美しい体と魂だけ。その他のものは、私が全て取り上げました」
「あ、貴方…ッ!」
「ジャン王子も、ご友人のルピナス様も、仲間であるサリア様やマルグリット様も…とうとう、アカーシャ様を助けには来ませんでしたね」
「あんな薄情者たちのことなんて、どうでもいいっ!」
「ふふっ」
「何がおかしいの、ストレリチア…!」
「いえ、かわいそうなお方だと思っただけです」
その言葉を聞いて、何かが弾けた。
「ストレリチアぁ!」
ガシャン、と鉄格子を力いっぱい前後に揺する。
「私を、私を憐れむつもり!?ふざけないで!私は、貴方なんかにっ…!」
悔しさで歯を食いしばっていたせいか、唇が切れていた。つぅ、と流れる赤い血は、私の紅蓮の怒りでもあった。
ストレリチアは悪趣味にも、そんな私の顔をじっと観察していた。そして、やがて幸せそうに笑うと、前傾を倒し、下から覗き込むような姿勢で言った。
「悔しいですか、アカーシャ様」
悪魔だ。
「死にたくないですか、アカーシャ様」
青い目をした、悪魔。
「そこを出て、私に復讐したいですか、アカーシャ・オルトリンデ様…!」
「このっ、腐れ外道が…!」
すると、血涙が出ないことが不思議なくらい怒りと悔しさで頭に血が昇っていた私に、ストレリチアが無邪気な顔で微笑みかけてきた。
「そんなアカーシャ様にとっておきの提案があります」
「…提案?」
「そうです。いくつかの条件を飲んで頂ければ、ここから出る算段を私がつけてあげます」
ふふっ。
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