君と繋がる糸の色

椎名 凛

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プロローグ

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卯月うづき?何ぼうっとしてんの?」


見つめていた窓の外の景色が、友達───園田そのだ絵里えりの顔で遮られた。


『んー、もうすぐ桜の季節だなあって』
「もう3月だもんねー、早いわあ」


言いながら近くの机に腰かける絵里。
小さく笑って返して、正面に揺れる木の枝を見つめた。

この時期になると、いつもよみがえってくる。


君と出会ったのも、春だったよね。

……直人なおと
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