罪の風~忘却の言葉~

夏の地蔵

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不思議な体験

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私はあの日のことを忘れない

あれは二十年前だろうか


私は中学生になったばかりで

とある村に転校した来たばかりだった

都市出身ではないが市内だったので田舎の風習など慣れなかった

挨拶はしていたのでお年寄りや年配の人から好かれた

そこまで辛くなかったが

市内から来たので

同級生の男の子達にはからかわれた

女の子達は止めてくれたけどよそよそしい

早く高校生になりたいと思った

そんな時少し離れた近くの村には立派な山森川があった

そこへの自然学習があった

ゴミ拾いに写生などだ

うんざりだった

生徒のゴミ拾いは先生が見回りながら監視はしてくれていた

私は一人だ

そんなときある場所で転んでしまった

ゴミ拾いに夢中で

奥まで来てしまったらしい

子供一人が入れるくらいの穴の中に慰霊碑?があった

ふとお花が枯れていた

川もあるし水をくみ今までのゴミは一端回収場所に捨ててこよう

新しい花もそこらのお花だけどで飾った

ついつい綺麗に慰霊碑まで拭いてしまった

綺麗になった良かったと思った瞬間

風と共に

ーありがとうー

女の子の声?が聞こえた気がした

空耳よねとその時は気にしなかった

そんなときあのからかってきた男子達が

私のゴミが少ないことを良いことに

サボってるのかと言ってきた

そんなとき強い風が吹いて

男子達の目に枝が刺さり

苦しみだした

きゃああと私は悲鳴で腰を抜かし駆けつけた先生に言うと

理解しすぐ病院に男子生徒たちを連れて行った

あの後大事にはならなかったが

私のゴミが少ないことを先生に言ったらしいが反対に説教されたらしい

あの子はもう2回もゴミを回収し

慰霊碑まで拭いたんだと

お前らは四人でたったそれだけかと

言ってくれたのだ

女子達も心配してくれた少し友達の輪に入ることが出来た

帰る前に慰霊碑に手を合わせ

騒がせてごめんねといって自然学習は終わった


あの男子達が私に難癖つけるまで時間はかからず

あの件を根に持ち私の持ち物を壊そうとしたその時

バリンと窓硝子が不自然に彼らの頭に刺さりバタバタと倒れてしまった

私は二回目の悲鳴で

あの理解をしてくれた先生がまた病院へ

先生はまた話すとすぐ理解してくれた

怪我の回復後男の子達は一人一人違う場所へ転校していった

女子達や他の男子達は心配と優しく対応してくれたが

どこか震えててとよそよそしい

なぜだろう?


三年間はあっという間に過ぎ

あの不思議な体験が気になり卒業の日いつも理解が早かった先生に聞いた

先生はうつむきながら話した


先生も昔やんちゃでなあの男子達みたいにふざけていた

昔から続く自然学習もやったんだよ

俺の友達がある女の子を気に入らなくていじってたんだ

そしたら持病が不自然に悪化して死んだんだ

俺も足を怪我して好きだったサッカー辞めた

あの慰霊碑は昔酷いいじめにあった女の子が死んだとされる場所なんだ

それから酷いいじめや加担した子や先生とその家族達は全滅した

死因が追いかけ回されたらしいそこで運悪くあの場所で亡くなったらしい

君は慰霊碑を綺麗にしただろ?だからお礼と自分の境遇と照らし合わせて

あの男子達をあんな目にしたんだと思う

当時先生もばーちゃんから聞いて怖くて泣いてしまったよ

ばーちゃんは俺と一緒に祠に行って一緒に謝ってくれたんだ

ばーちゃんはそこの村出身でばーちゃんのひいばーちゃんが雑貨屋でいつも花を供えてたんだって

ばーちゃんはすみませんすみませんうちの孫が

ちゃんと言い聞かせますからもうさせませんからって何度も毎日謝りにいって

俺は生かされたんだと思う。運良く大人になれたんだ

人に嫌なことをすると男女ともに何らの罰が来るんだと思う


特に昔の俺やあの男子みたいな人には特に容赦がない


ここの周辺の村人や学校の人達は慰霊碑の知ってる人はいるが君の件で再認識したんだ

よそよそしかったり、震えて怖かったんだよ

先生は罪共に償いながら生きていくらしい

その後先生の話を聞きお礼をいい卒業した

もうこの村へは戻ることはない高校は市内だ

出て行く前にあの祠へご冥福を祈った


ーあなたみたいな人だらけなら良かったのにー

少し涙を浮かべ優しそうな白い服を着る少女が見えた

すぐ消えてしまった

あの日のことは誰にも言ってない

あの少女がただ安らかな日々を思う
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