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2章

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          §


――「準備はいいか?」
「ん」


『はい!』
      『はい!』
『はい!』
      『はい‼』


――「題‼」
「童貞殺し」


『……わり、俺死んだわ』
             『バタ』
『バタ』
          『……お前等童貞だったのか』


――「題!」
「パリジェンヌ」


『あぁ、ここはパリだったか』
              『日本だ』
『幻覚が見える』
              『病院に行くことをお勧めするよ』


――「題‼」
「大人のクリスマス」


『エッ』
      『エッ』
『エッッッ』
      『メリィィィクリスマァァスッ‼』


――「だぁい‼」
「クラシカル」


『やっぱ白黒似合うなぁ』
             『間違いない』
『かぁいい』
             『かぁいいなぁ』



――「んダァイっ‼」


「ノエル」



『――』
      『――天使だ』
『……お姫様』
      『……妖精だ』



――「……あぁ、とても綺麗だ」

「ん。……うれし」



『……尊いな』
            『ああ』
『守りたい。この笑顔』

『その言葉がこれ程似合う存在に、俺達が今後出会う事はないだろうな』




――「着替えたー?」


『カオナシさんスーツとか似合いそうだよな』
                      『軍服だろ』
『迷彩』
       『お前らはこの人に何を求めてるんだ……?』
『出てくるぞ』
         『ドキドキ』
『⁉』
       『⁉』
『ぶはっ⁉』


――「あハハハハハッ、ダメっ、ツボっ、ふふふっ」


『悪魔だ』
                       『化物』
『変態』

『なんてものを生み出したんだノエルちゃん⁉』

『めっちゃ笑ってる』

『これは笑う』

『お』



――「わるぃごはいねがぁってなァ」


『そりゃなまはげだ』
           『逃げてノエルちゃん‼』



――「くっ、トナカイ!殉職いたしましたァッ‼」
「なむ!」


『トナカイィィ‼』
                    『お前はよく頑張ったよ‼』
『あんたの上司ががイカレてるだけだ‼』
                    『パルクールの動画見てるみたいだな』
『迫って来る音が戦場のそれだけどな』
                    『うおっ大ジャンプ』
『え、今の』


――「あ、人。わぷっ」


『生存者発見‼』
          『捕まったな』



――「そんな格好で女子を追いかける奴が、まともなはずがないっ!」


『うあーード正論‼』
                     『ぐうの音も出ねぇ‼』
『大人しくお縄にかかってくれカオナシ‼』
                     『何だ?』
『こいつら二人の事知ってるっぽいな』
                     『特区内でも有名になって来てるのか』

『おお!カオナシさんがカオナシさん公認になったぞ‼』
                           『めでたい‼』
『めでたいぞ‼』



――「まさか新さんが次の目的地の代表だったとは、驚きました」


『代表なのか。若いのに凄いな』
                『あっちのとは大違いだな』
『今頃何してんのかね』
                『藜組?』
『え、あの藜組?』
                『解析班‼』

『藜組は新宿に本拠地を持ってたはず。もしかしたら動画外で接触があったのかもしれない。彼等の言う藜組がヤクザの事なら、動画になっていないのも納得できる』

『動画が空いたの、そういうことか』
                   『怖いもの知らずにも程があるだろ』

『売ってるのが情報だからな。誰でも商売相手になるんだろ』


――「俺は、他人の為にこの危険地帯を歩くあなた方を尊敬しています――


『なんかめっちゃ好感度高いな』
                『いい人だな』
『んーでも……』
          『カオナシさんのこと分かってなくね?』
『それな』



――「っ⁉なんか白いの出てきた!――!」


『ゲへへ、保存保存』
            『……パンパン』
『悪鬼滅殺。悪鬼滅殺』
            『ま、待ってくれ‼まだ何もゲブぅ――』



――「ノエルさんっ、次私の番です。私もやりたいです」


『胡桃ちゃん結構よくね?』
                 『分かる』
『母性がヤバい』
                 『包んで欲しい』


――「……人の女をあまり凝視しないでくれるかな?」
「あ?お前等付き合ってんのかよ⁉滅びろっ」

『⁉』
      『クソが‼』
『滅びろ‼』
      『結局イケメンが勝つ世界なんだ‼』




『なんか植生変わって来たよな』
                     『確かに』
『俺はそっちより三人の能力の方が気になる』
                     『意図的に切り取られてるよな』

『ノエルちゃんの編集、ぶつ切りだから分かりやすいんだよな』

『個人情報に違いはないから、俺らが知る権利は無いんだけどな』
                              『まあな』


――「おぉ、こりゃスゲェな」
「ん。なかなか綺麗」


『なんっじゃこりゃ……』
                    『ファンタジーだ』
『躊躇なく飛び込んでいくノエルちゃんよ』 
                    『尊い』
『ttい』
      『しょっぱいだと?』
『解析班』
      『太平洋沿いの県から海面上昇の報告がちらほら上がっている。海水説が有力』
 
       『うわ、何だあの魚?』
『深海魚か?』
       『俺の知る限り深海にこんな魚類はいない。モンスターだ』

『こいつら何でも知ってるよな』
                    『な』
『それがインターネットのいいところだよ』
                    『間違いない』


          §


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