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3章 旅立ち
17話
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§
『お前ら、プレミアム入ったか?』
『愚問』
『愚問』
『愚問』
『金払ってないのが悪いくらいだったからな』
『間違いない』
『それじゃあ冒険に』
『レッツゴー!!』
――『おい、まさかノエルちゃん、風呂にカメラ持ってく気か?』
『何も問題ない。日本はそういう文化だ』
『そうだぞノエルちゃん。何も問題ない』
『ガンガン持ってこう』
『クズしかいねぇ……』
『ん?おい待てカオナシさん。何でノエルちゃんと一緒にいる!?』
『まさかこいつ、一緒に入る気じゃ!?』
『女!?』
『な訳あるか!!あ、余計な事言うんじゃねぇ!!』
『カメラが!?』
『許さねぇぞカオナシ!!テメェだけは絶対に許さねぇ!!』
『ああああぁぁぁあああ』
『……クズしかいねぇ』
――『何だあの生物。尻尾振ってるぞ?』
『めっちゃ可愛い』
『モンスターなのか?』
『凶暴なのばっかじゃないんだな』
『奥が深い』
『次は女子大?』
『なぜ?』
『……成程。この動画を金稼ぎに使うなら、生存者を助けた方が好感度が上がる』
『あーなる』
『お前頭いいな』
『そこで女子大を選ぶカオナシさんは分かってる』
『さあJDを救いに行こう!』
『おー』
――『……おー……』
『すげぇ緑だな』
『まぁ人が集まる場所は、必然的にモンスターも集まりやすいからな』
『かと言って人探しの為に歩くなんて二人はしないだろうし』
『大きな避難場所にいる人以外は彼等の施し受けれそうにないな』
『なむ』
『南無』
『ん?スピーカー?』
――『ノエルちゃん頭いい子』
『才色兼備』
『将来有望』
『焼肉定食』
『見た感じ人いなそうだが』
『スピーカーめっちゃ囲まれてるw』
『見せてくれカオナシさん!』
『あんたの力を俺達に!』
『いっけーーー!』
『はぇえええええ!』
『体感速度やべぇ!』
『一撃で蜥蜴吹っ飛んだぞ!』
『やっぱこの人バケモンだ』
『次どこ行くと思う?』
『方向からして帝大かと』
『あー。日本一の学生だし、何人か機転きかせて生きてそうだな』
『そう願うよ』
――「――!!」
『!?』
『!?』
『!?』
『!?』
『電柱!?』
『地面吹き飛んだぞおい!?』
『こいつは……』
『牛頭の怪物。ミノタウロス』
『見るからにやべぇ』
『勝てんのか?』
『あ、逃げた』
『マジかよカオナシさんに追いつくのかよ!?』
『ヤバくねぇか?』
『落ち着け。この動画が上がってるってことはそういうことだ』
『確かに』
――「無理っぽい。使うぜ?それともお前がやるか?」
「よろ。じゃあ倒しちゃお」
『余裕だな』
『使うって何をだ?』
『ノエルちゃん驚いてるけど、何が起こってんだ⁉』
『主観だからよく分かんねぇ‼』
『お、おい、突っ込んでくるぞ⁉』
『死……』
『…………ミノさん殴ってるよな?』
『普通に会話してるし、マジでわけわかめ』
『わ、手黒』
『解析班!』
『あの黒いのが武装の一種だと見るのが妥当。全身に纏ってると予想。他は情報不足』
『ミノさん疲れちゃったよ』
『どうなるんだ』
――「……んじゃ、終わらせるか」
『……ふぇ』
『ふぇ』
『ふぇぇ』
『……いい景色だ』
『……風景が消えて、ミノが打ちあがって、ジャンプして、蹴り殺した?合ってる?』
『たぶん』
『今の一瞬で?』
『ヤバすぎるって』
『鳥肌凄すぎて鳥になったわ』
『ははははははhhhh』
『興奮しすぎて狂った奴いるぞ』
『これは仕方ない』
『マジでカッコよすぎる』
――「あの、あなた方は人ですか?」
『無理もない』
『人だ』
『カオナシさんって結構礼儀正しいよな』
『見かけによらずな』
――『強化?』
『まさか肉体強化か⁉』
『解析班!』
『不明。聞く限り魔法の一種か?二人にはそれが分かるみたいだな。カオナシさんの異常な身体能力もそれが理由か?結構デカいニュースだろこれ』
『荒れるぞこれは』
『覇気も使えるみたいだな』
『やっぱ別格だわこの人達』
――「皆リーダー、快人さんに助けられて今の拠点に入りました。初めはもの静かな人でしたが、段々と周りの者に厳しくなり、今では一人を除いて扱いが酷くなりました」
『あーやっぱあんのかそーゆーとこも』
『強さに溺れたか』
『厳しい世界だな』
『まったくだ』
『お願いだってよ』
『カオナシさん見るからに嫌そうなだな』
『顔見えないのに分かりやすい』
――『わー……すっげ』
『土魔法かな』
『城だな』
『ミノさんよりは弱いらしいぞ』
『やっぱ強いんだなミノさん』
『それを一撃で殺すカオナシさんのヤバさよ』
――『何者だ?何処から来た?何をしに来た?』
『なんだこいつ偉そうに』
『日本に住んでて敬語も使えないのか』
『これは完全にイキってるな』
『カオナシさん怒ったなこれ』
『ぶっ飛ばしちまえ!』
――『……お前を中に入れることはできない』
『は?』
『あ?』
『何様だこいつ』
『一理ある、のか?』
『ねぇよ!全部ノエルちゃんが正しいんだ!』
『カオナシさんだって優しいんだぞ!ちょっと怖いけど』
『そうだそうだ!ちょっと怖いけど』
――『……なるほど…………。とんだお人好しだな。……分かった。少し待っててくれ』
『は?』
『あ?』
『こいつ記憶力鶏か?』
『結局自分の為か』
『めっちゃ笑ってる』
『俺達も笑おうぜ』
『ははははは』
『ははははは』
『ははははは』
『ははははは』
――『……痩せてるな』
『荒れるぞ、これは』
『わ、一瞬で壁が』
『言うだけあって強いんだろうな』
『ミノさん以下だけどな』
――「何もできないし、何もしないし、何もしようとしてないんだろ?じゃあ戦える人間優先に飯配んの当然だろ」
「同感」
『ドライだな』
『ほんと媚び売らないよな』
『そこがいい』
『間違いない』
――「機会があれば」
『……』
『……』
『……』
『……行く気ないだろ』
『言うな』
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『お前ら、プレミアム入ったか?』
『愚問』
『愚問』
『愚問』
『金払ってないのが悪いくらいだったからな』
『間違いない』
『それじゃあ冒険に』
『レッツゴー!!』
――『おい、まさかノエルちゃん、風呂にカメラ持ってく気か?』
『何も問題ない。日本はそういう文化だ』
『そうだぞノエルちゃん。何も問題ない』
『ガンガン持ってこう』
『クズしかいねぇ……』
『ん?おい待てカオナシさん。何でノエルちゃんと一緒にいる!?』
『まさかこいつ、一緒に入る気じゃ!?』
『女!?』
『な訳あるか!!あ、余計な事言うんじゃねぇ!!』
『カメラが!?』
『許さねぇぞカオナシ!!テメェだけは絶対に許さねぇ!!』
『ああああぁぁぁあああ』
『……クズしかいねぇ』
――『何だあの生物。尻尾振ってるぞ?』
『めっちゃ可愛い』
『モンスターなのか?』
『凶暴なのばっかじゃないんだな』
『奥が深い』
『次は女子大?』
『なぜ?』
『……成程。この動画を金稼ぎに使うなら、生存者を助けた方が好感度が上がる』
『あーなる』
『お前頭いいな』
『そこで女子大を選ぶカオナシさんは分かってる』
『さあJDを救いに行こう!』
『おー』
――『……おー……』
『すげぇ緑だな』
『まぁ人が集まる場所は、必然的にモンスターも集まりやすいからな』
『かと言って人探しの為に歩くなんて二人はしないだろうし』
『大きな避難場所にいる人以外は彼等の施し受けれそうにないな』
『なむ』
『南無』
『ん?スピーカー?』
――『ノエルちゃん頭いい子』
『才色兼備』
『将来有望』
『焼肉定食』
『見た感じ人いなそうだが』
『スピーカーめっちゃ囲まれてるw』
『見せてくれカオナシさん!』
『あんたの力を俺達に!』
『いっけーーー!』
『はぇえええええ!』
『体感速度やべぇ!』
『一撃で蜥蜴吹っ飛んだぞ!』
『やっぱこの人バケモンだ』
『次どこ行くと思う?』
『方向からして帝大かと』
『あー。日本一の学生だし、何人か機転きかせて生きてそうだな』
『そう願うよ』
――「――!!」
『!?』
『!?』
『!?』
『!?』
『電柱!?』
『地面吹き飛んだぞおい!?』
『こいつは……』
『牛頭の怪物。ミノタウロス』
『見るからにやべぇ』
『勝てんのか?』
『あ、逃げた』
『マジかよカオナシさんに追いつくのかよ!?』
『ヤバくねぇか?』
『落ち着け。この動画が上がってるってことはそういうことだ』
『確かに』
――「無理っぽい。使うぜ?それともお前がやるか?」
「よろ。じゃあ倒しちゃお」
『余裕だな』
『使うって何をだ?』
『ノエルちゃん驚いてるけど、何が起こってんだ⁉』
『主観だからよく分かんねぇ‼』
『お、おい、突っ込んでくるぞ⁉』
『死……』
『…………ミノさん殴ってるよな?』
『普通に会話してるし、マジでわけわかめ』
『わ、手黒』
『解析班!』
『あの黒いのが武装の一種だと見るのが妥当。全身に纏ってると予想。他は情報不足』
『ミノさん疲れちゃったよ』
『どうなるんだ』
――「……んじゃ、終わらせるか」
『……ふぇ』
『ふぇ』
『ふぇぇ』
『……いい景色だ』
『……風景が消えて、ミノが打ちあがって、ジャンプして、蹴り殺した?合ってる?』
『たぶん』
『今の一瞬で?』
『ヤバすぎるって』
『鳥肌凄すぎて鳥になったわ』
『ははははははhhhh』
『興奮しすぎて狂った奴いるぞ』
『これは仕方ない』
『マジでカッコよすぎる』
――「あの、あなた方は人ですか?」
『無理もない』
『人だ』
『カオナシさんって結構礼儀正しいよな』
『見かけによらずな』
――『強化?』
『まさか肉体強化か⁉』
『解析班!』
『不明。聞く限り魔法の一種か?二人にはそれが分かるみたいだな。カオナシさんの異常な身体能力もそれが理由か?結構デカいニュースだろこれ』
『荒れるぞこれは』
『覇気も使えるみたいだな』
『やっぱ別格だわこの人達』
――「皆リーダー、快人さんに助けられて今の拠点に入りました。初めはもの静かな人でしたが、段々と周りの者に厳しくなり、今では一人を除いて扱いが酷くなりました」
『あーやっぱあんのかそーゆーとこも』
『強さに溺れたか』
『厳しい世界だな』
『まったくだ』
『お願いだってよ』
『カオナシさん見るからに嫌そうなだな』
『顔見えないのに分かりやすい』
――『わー……すっげ』
『土魔法かな』
『城だな』
『ミノさんよりは弱いらしいぞ』
『やっぱ強いんだなミノさん』
『それを一撃で殺すカオナシさんのヤバさよ』
――『何者だ?何処から来た?何をしに来た?』
『なんだこいつ偉そうに』
『日本に住んでて敬語も使えないのか』
『これは完全にイキってるな』
『カオナシさん怒ったなこれ』
『ぶっ飛ばしちまえ!』
――『……お前を中に入れることはできない』
『は?』
『あ?』
『何様だこいつ』
『一理ある、のか?』
『ねぇよ!全部ノエルちゃんが正しいんだ!』
『カオナシさんだって優しいんだぞ!ちょっと怖いけど』
『そうだそうだ!ちょっと怖いけど』
――『……なるほど…………。とんだお人好しだな。……分かった。少し待っててくれ』
『は?』
『あ?』
『こいつ記憶力鶏か?』
『結局自分の為か』
『めっちゃ笑ってる』
『俺達も笑おうぜ』
『ははははは』
『ははははは』
『ははははは』
『ははははは』
――『……痩せてるな』
『荒れるぞ、これは』
『わ、一瞬で壁が』
『言うだけあって強いんだろうな』
『ミノさん以下だけどな』
――「何もできないし、何もしないし、何もしようとしてないんだろ?じゃあ戦える人間優先に飯配んの当然だろ」
「同感」
『ドライだな』
『ほんと媚び売らないよな』
『そこがいい』
『間違いない』
――「機会があれば」
『……』
『……』
『……』
『……行く気ないだろ』
『言うな』
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