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最愛の夫だった義理の兄に再び溺愛される 10
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羅漢と過ごした時間は、本当に夢みたいで幸せな時間だった。あっという間に羅漢と泊まった2日は過ぎて日常に戻る。また行こうなって、言ってくれた。それだけで頑張れる気がする。
「…………。ううーん……。決まらないなあ。」
とはいえ、結構深刻な問題がある。進路の事だ。決まってないのはオレくらい。まあ、他にもいるけど。
4月も決まってないから白紙で出したんだ。もちろん、白紙で出した理由も先生に言った。行きたい学校もやりたい仕事も無かった。
どうしても大学は出ないといけないものかなあ。先生からパンフレット貰ったけど今一つ行きたい大学だとか学校が無い。もう悩みまくってあっという間に2回目の進路調査票を提出しないといけない時期になった。もう行き詰まって進路調査票を提出した光晴に相談したら
「行きたい学校とか会社とか無いヤツは結構いたりするよ。アインは夢無いの?」
「ある、けど。羅漢の夢潰したくないから、良いんだよ。」
羅漢はオレと違ってしっかりした夢があった。羅漢はどうして大学に行かないで就職したのか聞いたら。
将来やりたい事があるって。仕事してるのは資金を貯める為にしてるって。
オレは夢はあるのはあるけど。その夢は羅漢と田舎に住んで、農業する事だから。羅漢は今の仕事も辞めなきゃいけない、羅漢の夢だって邪魔しちゃうから諦めないといけない。そう思ってたのに。
「それ、アイツに言ったの?」
「ううん……。」
「言ってもいないのに諦めるなよ。話すだけ話してみろよ。やらないで後悔するよりさ。やって後悔する方が良いって。」
「…………光晴。ありがと。」
言うだけ言ってみよう。そう思って羅漢に話してみた。羅漢は
「何か隠してるなって思ってたらそういう事か。確かにオレは夢あるって言ったけど。アインの夢を犠牲にしてまで叶えたいと思わない。今のオレの夢はアインと幸せに過ごしたい。アインが田舎で暮らしたいなら仕事だって辞める。」
「だけど……!オレ……。」
羅漢はそう言ってるけど、オレはその優しい言葉に甘えていいの?良いわけが無いって思ってたら羅漢は何か考えたら
「……。なら。家庭菜園するか?」
羅漢が言うにはこうだった。今の仕事を続けながらオレは羅漢と暮らして家の事しながら家庭菜園する。
「そうしたらアインも農業とまではいかないけど野菜作れるし、オレも生活を変えないといけないって事も無くなるだろ?両方叶えたって良いじゃないか。オレはトレーナーになれる。アインは野菜作れる。どっちか我慢しないといけないなんて考えなくていい。」
「………………。うん…………。」
羅漢に話してみて良かった。羅漢には夢があるから。だからオレは邪魔しないように我慢しないといけないって、自分の夢は諦めないといけないって思ってたから。
それで考えた進路は農業大学にしようと思った。父さんがどうしても大学の卒業資格はあった方が良いって言ってたから。
それでオレと羅漢と父さん母さん揃っての家族会議することに。オレたちの言い分に父さんは
「なるほどな。」
「正也さんとしてはどうかしら。家庭菜園すると言っててもちゃんと大学も進学するって言ってるし。」
「もちろん大学出たら仕事を何もしないとか考えてないよ。ちゃんとパートもするし。」
羅漢としては専業主夫として家にいてほしいと思ってる事とか話すと父さんと母さんは。
「お前たちの人生なんだ。自由にしなさい。」
「そうよ。私たちの再婚も私たちの人生だからって許してくれたしね。」
「「ありがと。」」
それで今度は作物の栽培に向いてる大学を探して見学した。ただ都内にはあったけど全寮制だった。他県にもあったけどやっぱりどこも全寮制。
「ううーん、全寮制かぁ……。」
基本入学してからの在学中は寮で暮らす決まりみたい。理由は休みの日でも交代で野菜の管理をしないといけないから。問題はお金ではなくて平日は羅漢と会えない。
「……………………。」
大学生になったら羅漢と暮らせると思ってたから。ちょっと残念。まあそれも2年間だけど。大学の事を話してみたら羅漢は
「そうか。オレもちょっと残念だな。アインが進学したら暮らせるって思ってたし。」
「羅漢……。オレ、嬉しいな。」
羅漢も高校卒業したら暮らせると思ってたのに。平日だけど一緒に暮らせないのが残念って思っててくれて嬉しかった。オレと同じこと考えてくれてたって。
「オレと同じこと考えてくれてたって、嬉しくて。オレ、休みになったら羅漢の部屋に泊まりにくるから!」
「ああ。待ってる。ビデオ通話もしような。」
「うん!そしたら寂しくないよね。」
そうだよ、今はスマホさえあればビデオ通話できるもん。そう半ば無理やり納得した。
そうと決まったら進路調査票を書いて提出したら受け入れられた。進路先は都内の農業大学の野菜専攻。
それからは受験に本腰入れた毎日。先生はオレの成績なら問題ないって言ってたけど。
ちゃんと勉強はしておいた。オレが受験する野菜専攻は理系に詳しくないといけないから。オレ、理系苦手なんだよな。羅漢は理系得意だったみたいで仕事で忙しいのに教えてくれた。野菜の三大栄養の窒素リン酸カリウムの影響も頭に叩き込んだし。アルバイトを辞めて勉強の毎日。食事とかは母さんと父さんが用意してくれた。受験の時くらい甘えなさいって。
あっという間に一般入試の時期になって受験した。合格できるようにお参りだってしてきたし。
受験が終わって、合格発表の日。オレは。
「……………………。あった……。」
やったーーー!!とメチャクチャ喜んだ。早速写メを羅漢と父さんと母さんに送ったら最初に返信してくれたのは羅漢だった。
《おめでとう。アインが頑張ったから合格できたんだ。》
そう書いてくれた。次は父さんで。たった一行だけど。
《おめでとう。よく頑張った。》
父さんらしい返信だった。母さんからは。
《本当におめでとう。これから頑張るのよ。》
合格発表が終えてすぐ卒業式になってオレたちは晴れて大学生になったり就職したりした。光晴は
「頑張れよ。どこに行っても俺はアインの親友だし味方だからな。」
「うん。今までありがと。」
小学生の時から一緒だった光晴は都内の有名大学に進学した。将来海外留学もするって。これからはバラバラの、別の道を歩いていくけど。オレたちが親友なのは変わらない。
春休みになって早速寮に荷物を運んだり、作業着とかを用意することになった。
寮にはちゃんとベッドがあって勉強に集中出来るように個室になってる。だからオレはこの大学を選んだ。他の農業大学の寮は二人一組だとかの部屋だから。
まあ、これに慣れたけど。新入生にオレが入ってきて
「え!?女の子!?」
「やば、俺好み。」
農業大学って全体的に男多いみたいだから数少ない女が入学してきて喜んでるけど。
「悪いけどオレ男だから。」
驚かれたけどそれでも構わないって言ってきたら。
「オレの彼氏さ。ボクシングしてて結構強いよ?オレに手を出されたって知ったら男だったらヤバイからね。」
おかげでオレに手を出すヤツはいなかった。
寮生活は楽しかった。すぐ他の専攻でも友達もできたし。一緒に食堂でご飯食べたり風呂も入ったりした。もちろん羅漢とのメールとかビデオ通話も欠かしてない。だけど
5日もしないのはキツかった。オレは個室なのを良いことに毎晩アナニーした。高校の卒業式の後、羅漢の部屋での事を思い出しながら。
「…………。ううーん……。決まらないなあ。」
とはいえ、結構深刻な問題がある。進路の事だ。決まってないのはオレくらい。まあ、他にもいるけど。
4月も決まってないから白紙で出したんだ。もちろん、白紙で出した理由も先生に言った。行きたい学校もやりたい仕事も無かった。
どうしても大学は出ないといけないものかなあ。先生からパンフレット貰ったけど今一つ行きたい大学だとか学校が無い。もう悩みまくってあっという間に2回目の進路調査票を提出しないといけない時期になった。もう行き詰まって進路調査票を提出した光晴に相談したら
「行きたい学校とか会社とか無いヤツは結構いたりするよ。アインは夢無いの?」
「ある、けど。羅漢の夢潰したくないから、良いんだよ。」
羅漢はオレと違ってしっかりした夢があった。羅漢はどうして大学に行かないで就職したのか聞いたら。
将来やりたい事があるって。仕事してるのは資金を貯める為にしてるって。
オレは夢はあるのはあるけど。その夢は羅漢と田舎に住んで、農業する事だから。羅漢は今の仕事も辞めなきゃいけない、羅漢の夢だって邪魔しちゃうから諦めないといけない。そう思ってたのに。
「それ、アイツに言ったの?」
「ううん……。」
「言ってもいないのに諦めるなよ。話すだけ話してみろよ。やらないで後悔するよりさ。やって後悔する方が良いって。」
「…………光晴。ありがと。」
言うだけ言ってみよう。そう思って羅漢に話してみた。羅漢は
「何か隠してるなって思ってたらそういう事か。確かにオレは夢あるって言ったけど。アインの夢を犠牲にしてまで叶えたいと思わない。今のオレの夢はアインと幸せに過ごしたい。アインが田舎で暮らしたいなら仕事だって辞める。」
「だけど……!オレ……。」
羅漢はそう言ってるけど、オレはその優しい言葉に甘えていいの?良いわけが無いって思ってたら羅漢は何か考えたら
「……。なら。家庭菜園するか?」
羅漢が言うにはこうだった。今の仕事を続けながらオレは羅漢と暮らして家の事しながら家庭菜園する。
「そうしたらアインも農業とまではいかないけど野菜作れるし、オレも生活を変えないといけないって事も無くなるだろ?両方叶えたって良いじゃないか。オレはトレーナーになれる。アインは野菜作れる。どっちか我慢しないといけないなんて考えなくていい。」
「………………。うん…………。」
羅漢に話してみて良かった。羅漢には夢があるから。だからオレは邪魔しないように我慢しないといけないって、自分の夢は諦めないといけないって思ってたから。
それで考えた進路は農業大学にしようと思った。父さんがどうしても大学の卒業資格はあった方が良いって言ってたから。
それでオレと羅漢と父さん母さん揃っての家族会議することに。オレたちの言い分に父さんは
「なるほどな。」
「正也さんとしてはどうかしら。家庭菜園すると言っててもちゃんと大学も進学するって言ってるし。」
「もちろん大学出たら仕事を何もしないとか考えてないよ。ちゃんとパートもするし。」
羅漢としては専業主夫として家にいてほしいと思ってる事とか話すと父さんと母さんは。
「お前たちの人生なんだ。自由にしなさい。」
「そうよ。私たちの再婚も私たちの人生だからって許してくれたしね。」
「「ありがと。」」
それで今度は作物の栽培に向いてる大学を探して見学した。ただ都内にはあったけど全寮制だった。他県にもあったけどやっぱりどこも全寮制。
「ううーん、全寮制かぁ……。」
基本入学してからの在学中は寮で暮らす決まりみたい。理由は休みの日でも交代で野菜の管理をしないといけないから。問題はお金ではなくて平日は羅漢と会えない。
「……………………。」
大学生になったら羅漢と暮らせると思ってたから。ちょっと残念。まあそれも2年間だけど。大学の事を話してみたら羅漢は
「そうか。オレもちょっと残念だな。アインが進学したら暮らせるって思ってたし。」
「羅漢……。オレ、嬉しいな。」
羅漢も高校卒業したら暮らせると思ってたのに。平日だけど一緒に暮らせないのが残念って思っててくれて嬉しかった。オレと同じこと考えてくれてたって。
「オレと同じこと考えてくれてたって、嬉しくて。オレ、休みになったら羅漢の部屋に泊まりにくるから!」
「ああ。待ってる。ビデオ通話もしような。」
「うん!そしたら寂しくないよね。」
そうだよ、今はスマホさえあればビデオ通話できるもん。そう半ば無理やり納得した。
そうと決まったら進路調査票を書いて提出したら受け入れられた。進路先は都内の農業大学の野菜専攻。
それからは受験に本腰入れた毎日。先生はオレの成績なら問題ないって言ってたけど。
ちゃんと勉強はしておいた。オレが受験する野菜専攻は理系に詳しくないといけないから。オレ、理系苦手なんだよな。羅漢は理系得意だったみたいで仕事で忙しいのに教えてくれた。野菜の三大栄養の窒素リン酸カリウムの影響も頭に叩き込んだし。アルバイトを辞めて勉強の毎日。食事とかは母さんと父さんが用意してくれた。受験の時くらい甘えなさいって。
あっという間に一般入試の時期になって受験した。合格できるようにお参りだってしてきたし。
受験が終わって、合格発表の日。オレは。
「……………………。あった……。」
やったーーー!!とメチャクチャ喜んだ。早速写メを羅漢と父さんと母さんに送ったら最初に返信してくれたのは羅漢だった。
《おめでとう。アインが頑張ったから合格できたんだ。》
そう書いてくれた。次は父さんで。たった一行だけど。
《おめでとう。よく頑張った。》
父さんらしい返信だった。母さんからは。
《本当におめでとう。これから頑張るのよ。》
合格発表が終えてすぐ卒業式になってオレたちは晴れて大学生になったり就職したりした。光晴は
「頑張れよ。どこに行っても俺はアインの親友だし味方だからな。」
「うん。今までありがと。」
小学生の時から一緒だった光晴は都内の有名大学に進学した。将来海外留学もするって。これからはバラバラの、別の道を歩いていくけど。オレたちが親友なのは変わらない。
春休みになって早速寮に荷物を運んだり、作業着とかを用意することになった。
寮にはちゃんとベッドがあって勉強に集中出来るように個室になってる。だからオレはこの大学を選んだ。他の農業大学の寮は二人一組だとかの部屋だから。
まあ、これに慣れたけど。新入生にオレが入ってきて
「え!?女の子!?」
「やば、俺好み。」
農業大学って全体的に男多いみたいだから数少ない女が入学してきて喜んでるけど。
「悪いけどオレ男だから。」
驚かれたけどそれでも構わないって言ってきたら。
「オレの彼氏さ。ボクシングしてて結構強いよ?オレに手を出されたって知ったら男だったらヤバイからね。」
おかげでオレに手を出すヤツはいなかった。
寮生活は楽しかった。すぐ他の専攻でも友達もできたし。一緒に食堂でご飯食べたり風呂も入ったりした。もちろん羅漢とのメールとかビデオ通話も欠かしてない。だけど
5日もしないのはキツかった。オレは個室なのを良いことに毎晩アナニーした。高校の卒業式の後、羅漢の部屋での事を思い出しながら。
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