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学園編
111.おばあ様がやってきた
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おばあ様は、約束の日より1日遅れで屋敷にやってきた。
おばあ様は優雅に馬車から下りる。従者が、傍で日が当たらないように日傘をしていた。
俺とルダン様は、玄関の前で彼女を待った。
「ウェイン、招待してくれてありがとう」
「こちらこそ、来てくださりありがとうございます。おばあ様」
スカートを持ち上げて頭を下げてくれてたので、俺も真似して挨拶を返す。
それが終わると、おばあ様は両手を広げてくれたので、俺はその胸に飛び込む。彼女の懐はふわふわしていて、例えるなら羽毛布団のようなふわふわさだ。
「ふふふ。ウェインはいつもかわいぃわねぇ」
「おばあ様も可愛いです!」
「あら、嬉しいことを言ってくれるわねぇ」
ぎゅうっと抱きしめて、俺と一緒にくるりと回り、遠心力で足がふわりと浮いた。ディゾル家の人って回るのが好きなんだなぁとちょっと可愛く思えた。
徐々におばあ様の力が入っていき、むぎゅうと押すように抱きしめられて、ふわふわに息が止まりそうになる。
「お祖母様。いい加減にして、ウェインを返してください」
「ふふふ。当主というものが嫉妬かしら?まぁ、良いわ。はい、どうぞ」
おばあ様からルダン様に渡され、俺はお人形のように腕に座らせられた。ルダン様より高い目線になり、俺はルダン様の項あたりに手を置いてバランスを取る。
「では、どうぞ。お祖母様、お入りください」
メイドさん達に扉を開けてもらい、ルダン様が先に、そのうしろからおばあ様が中に入る。
「大きくなったわねぇ」
「もっと大きくなりますよ!」
おばあ様が褒めてくれたけど、ルダン様を抱っこできるようになるまで大きくなるつもりだ。身長が伸びなくても、きっと筋肉がつけば持ち上げられるし、きっと頑張れば出来るはずだ。
俺の野心はわきに置いといて、そうこうしているうちにおばあ様の泊まる部屋まで到着した。ストンとルダン様に降ろされ、俺は先に扉を開けておばあ様を招き入れる。おばあ様のお部屋は彼女の好きな花や小物を飾ってみたから、気に入ってくれると嬉しいなぁ。
「ここのお部屋は俺、じゃなかった、私が掃除させてもらいました。部屋の飾りも私がさせてもらいました」
「あらぁ、ありがとうねぇ。とっても気に入ったわ」
「それと、おばあ様の付き人は私が務めさせてもらいます」
とは言っても、直接世話をするわけではないし、おばあ様専属の付き人さん達もいる。なので、俺の役割はおばあ様側とルダン様側の使用人さん達の仲介役みたいな事をするのが仕事だ。
おばあ様にポンポンと頭を優しく撫でられ、嬉しくて顔が緩んでしまう。少しはかっこいい所見せたいなのに!
おばあ様は優雅に馬車から下りる。従者が、傍で日が当たらないように日傘をしていた。
俺とルダン様は、玄関の前で彼女を待った。
「ウェイン、招待してくれてありがとう」
「こちらこそ、来てくださりありがとうございます。おばあ様」
スカートを持ち上げて頭を下げてくれてたので、俺も真似して挨拶を返す。
それが終わると、おばあ様は両手を広げてくれたので、俺はその胸に飛び込む。彼女の懐はふわふわしていて、例えるなら羽毛布団のようなふわふわさだ。
「ふふふ。ウェインはいつもかわいぃわねぇ」
「おばあ様も可愛いです!」
「あら、嬉しいことを言ってくれるわねぇ」
ぎゅうっと抱きしめて、俺と一緒にくるりと回り、遠心力で足がふわりと浮いた。ディゾル家の人って回るのが好きなんだなぁとちょっと可愛く思えた。
徐々におばあ様の力が入っていき、むぎゅうと押すように抱きしめられて、ふわふわに息が止まりそうになる。
「お祖母様。いい加減にして、ウェインを返してください」
「ふふふ。当主というものが嫉妬かしら?まぁ、良いわ。はい、どうぞ」
おばあ様からルダン様に渡され、俺はお人形のように腕に座らせられた。ルダン様より高い目線になり、俺はルダン様の項あたりに手を置いてバランスを取る。
「では、どうぞ。お祖母様、お入りください」
メイドさん達に扉を開けてもらい、ルダン様が先に、そのうしろからおばあ様が中に入る。
「大きくなったわねぇ」
「もっと大きくなりますよ!」
おばあ様が褒めてくれたけど、ルダン様を抱っこできるようになるまで大きくなるつもりだ。身長が伸びなくても、きっと筋肉がつけば持ち上げられるし、きっと頑張れば出来るはずだ。
俺の野心はわきに置いといて、そうこうしているうちにおばあ様の泊まる部屋まで到着した。ストンとルダン様に降ろされ、俺は先に扉を開けておばあ様を招き入れる。おばあ様のお部屋は彼女の好きな花や小物を飾ってみたから、気に入ってくれると嬉しいなぁ。
「ここのお部屋は俺、じゃなかった、私が掃除させてもらいました。部屋の飾りも私がさせてもらいました」
「あらぁ、ありがとうねぇ。とっても気に入ったわ」
「それと、おばあ様の付き人は私が務めさせてもらいます」
とは言っても、直接世話をするわけではないし、おばあ様専属の付き人さん達もいる。なので、俺の役割はおばあ様側とルダン様側の使用人さん達の仲介役みたいな事をするのが仕事だ。
おばあ様にポンポンと頭を優しく撫でられ、嬉しくて顔が緩んでしまう。少しはかっこいい所見せたいなのに!
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※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
コメントありがとうございます。
主人公の年齢ですが、ルダン達に拾われた時点で、18歳です。しかし、本人は塔に閉じ込められていた為、年齢が分かっていませんし、身体も栄養失調で大きくならず身長は130センチくらいです。