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学園編
106.考えられない
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それからたくさんの贈り物を貰い、雪で遊ぶ姿やグリフを真似た小さな雪像も見たり、ルダン様と一緒に踊ったりして夕方まで楽しみ、領民達と別れて馬車に乗った。雪を呼ぶグリフは祭りが終わった後にルダン様が破壊するらしい。
「誰も雪を嫌っていなかっただろう?」
「ハイ」
ルダン様の言葉に雪祭をしていた彼らの姿を思い出して頷く。ルダン様の言う通りだった。あの国で聞いたような憎しみや怒りなんてものはあそこには無かった。皆、楽しそうで嬉しそうだったし、俺も楽しかった。
良かった。俺のせいで誰も苦しいことが無くて……。もし、俺のせいでルダン様や他の人達に迷惑をかけていたらと思うと、考えるだけでも恐ろしくなる。
「ウェイン、領民達に雪を見せてくれてありがとう」
「えっ」
感謝されるなんて思いもしなかったから戸惑ってしまう。
「そんな、こと、言わないでください。ありがとうなんて、そんな」
感謝されたくてしたわけじゃない。俺は運命を変えたくて、結果的にそうなっただけで。しかもなんなら、周りの人に迷惑をかけてしまったようなものだ。身勝手だと非難される事はあっても、感謝されるいわれはない。
「運命を変えたんだ」
その言葉にドキリとする。ルダン様に全部説明する時に、俺は運命を変えると言った。
「君はメルの運命だけじゃない。彼らの運命も変えたんだ。ゲームの中ではきっと彼らは永遠に雪なんて知らなかっただろうから、彼らの代わりに感謝を」
ぎゅっと力を入れて手を握られ、頭を下げられて、更にどうしたら良いか分からなくなる。確かに、ゲームではディゾルの領民達のことは書かれていないから、雪を見る機会は無かったかもしれない。けれど、俺が知らないだけかも知れないし。喜んでくれたのは俺のお陰?そんなわけない。もしかしたら、ゲームの中のリラさんだって、事情を知れば雪なんてすぐに見せてくれたはずだ。
何かを言わなきゃ、しかし、声は出せない。理由は分かっている。最近になって思ったことだ。もし、リラさんとルダン様が会ってしまったら、俺なんて見向きもしなくなるんじゃないか、そう思い始めた。うんめいだって、おれじゃなくても、おれがいなくても、きっとメルさまならかえられる。それなら、おれがいきているりゆうってなに?
更にルダン様は話を続ける。
「ウェイン、ご褒美は何が良い?」
ごほうび?
理解出来ない状況が続き、その言葉がグルグルと回り始めた。
ごほうび、ごほうびって何だっけ?何が良いっどういう事?
「ウェイン?」
ルダン様がせっかく声をかけてくれたのに、俺は固まったままだった。
「誰も雪を嫌っていなかっただろう?」
「ハイ」
ルダン様の言葉に雪祭をしていた彼らの姿を思い出して頷く。ルダン様の言う通りだった。あの国で聞いたような憎しみや怒りなんてものはあそこには無かった。皆、楽しそうで嬉しそうだったし、俺も楽しかった。
良かった。俺のせいで誰も苦しいことが無くて……。もし、俺のせいでルダン様や他の人達に迷惑をかけていたらと思うと、考えるだけでも恐ろしくなる。
「ウェイン、領民達に雪を見せてくれてありがとう」
「えっ」
感謝されるなんて思いもしなかったから戸惑ってしまう。
「そんな、こと、言わないでください。ありがとうなんて、そんな」
感謝されたくてしたわけじゃない。俺は運命を変えたくて、結果的にそうなっただけで。しかもなんなら、周りの人に迷惑をかけてしまったようなものだ。身勝手だと非難される事はあっても、感謝されるいわれはない。
「運命を変えたんだ」
その言葉にドキリとする。ルダン様に全部説明する時に、俺は運命を変えると言った。
「君はメルの運命だけじゃない。彼らの運命も変えたんだ。ゲームの中ではきっと彼らは永遠に雪なんて知らなかっただろうから、彼らの代わりに感謝を」
ぎゅっと力を入れて手を握られ、頭を下げられて、更にどうしたら良いか分からなくなる。確かに、ゲームではディゾルの領民達のことは書かれていないから、雪を見る機会は無かったかもしれない。けれど、俺が知らないだけかも知れないし。喜んでくれたのは俺のお陰?そんなわけない。もしかしたら、ゲームの中のリラさんだって、事情を知れば雪なんてすぐに見せてくれたはずだ。
何かを言わなきゃ、しかし、声は出せない。理由は分かっている。最近になって思ったことだ。もし、リラさんとルダン様が会ってしまったら、俺なんて見向きもしなくなるんじゃないか、そう思い始めた。うんめいだって、おれじゃなくても、おれがいなくても、きっとメルさまならかえられる。それなら、おれがいきているりゆうってなに?
更にルダン様は話を続ける。
「ウェイン、ご褒美は何が良い?」
ごほうび?
理解出来ない状況が続き、その言葉がグルグルと回り始めた。
ごほうび、ごほうびって何だっけ?何が良いっどういう事?
「ウェイン?」
ルダン様がせっかく声をかけてくれたのに、俺は固まったままだった。
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