86 / 114
学園編
83.”魔物使役組合”
しおりを挟む
あっという間に目的地に着き、俺はルダン様の手を借りて馬車を降りる。
シュウセツはまだ馬車の中で待っててもらう。
「うわぁ……」
感嘆の声を上げるほど、目の前の両開きの門が大きく圧倒される。門は塀と繋がっており、中の建物を囲っていた。
門には火を吹くドラゴンが書かれており、塀には穏やかそうなうさぎが草原にいる様子が書かれていた、。
その門の前に、ルダン様と同じくらい背が高くて、金髪で化粧が濃い、いわゆるオネエ系の人がいた。服はフリルの多いスーツ。服の色は淡いピンク色を基調としていて、フリルが白っぽい色をしていた。
「いらっしゃいませ。公爵閣下」
彼?彼女?は、頭を深々と下げた。俺も釣られて頭を下げようとすると、隣にいたルダン様が俺の肩を抱いて阻止したので、頭を下げられなかった。
「そちらの方が今日のご契約者様ですか?」
「あぁ、ウェインと言う。私の大事な人だ」
大事な人と言われて嬉しくもあり、人前だから恥ずかしくもある。ルダン様の背中に隠れたくなったが、肩を抱かれている為、出来ず、俯いて顔を隠した。
はたから見ると、恥ずかしくてモジモジとしている様子は変人に見えるんだろうな。
「初めまして、ウェイン様。私はドラン。魔物使役組合の組合長をしております。どうぞ、お見知りおきを」
「ハ、ハイ。よろしくお願いシマス!」
「可愛らしい子ですわ」
緊張しながらも元気に挨拶すると、微笑まれた。
「それでは、挨拶も済んだことですし、契約する魔物にお会いさせて下さいな?」
ドランさんに言われて、俺は馬車の中のシュウセツを呼ぶ。シュウセツは大きなあくびをしながら、しなやかに降りてくる。
「ニャアオン」
シュウセツは、まとわりつくように俺の回りをグルグルと回る。
「なんと可愛らしい子なの」
ドランさんが触ろうと手を伸ばすと、シュウセツは「シャーッ」と牙を見せて威嚇した。俺は慌ててシュウセツの顔を隠して、後ろに下がらせる。
シュウセツは遊んでくれると勘違いしたのか、じゃれついてきた。ゴロゴロニャンニャンして、俺の手をハムハムと甘噛みする。
「あらあら、いきなり触ろうとしてごめんなさいね。さて、立ち話もなんですし、中にどうぞ」
ドランさんがそういって、大きな門を両手で押して開ける。ドランさんは軽そうに開けるが、ギィーッという音はすごく重そうだった。
じゃれつくシュウセツをルダン様が首根っこを捕まえて、奥に進む。シュウセツは不機嫌だと言うことを「グーッ」と喉を鳴らして表していた。
シュウセツを掴む反対の手は俺の手を繋いでくれていた。
シュウセツはまだ馬車の中で待っててもらう。
「うわぁ……」
感嘆の声を上げるほど、目の前の両開きの門が大きく圧倒される。門は塀と繋がっており、中の建物を囲っていた。
門には火を吹くドラゴンが書かれており、塀には穏やかそうなうさぎが草原にいる様子が書かれていた、。
その門の前に、ルダン様と同じくらい背が高くて、金髪で化粧が濃い、いわゆるオネエ系の人がいた。服はフリルの多いスーツ。服の色は淡いピンク色を基調としていて、フリルが白っぽい色をしていた。
「いらっしゃいませ。公爵閣下」
彼?彼女?は、頭を深々と下げた。俺も釣られて頭を下げようとすると、隣にいたルダン様が俺の肩を抱いて阻止したので、頭を下げられなかった。
「そちらの方が今日のご契約者様ですか?」
「あぁ、ウェインと言う。私の大事な人だ」
大事な人と言われて嬉しくもあり、人前だから恥ずかしくもある。ルダン様の背中に隠れたくなったが、肩を抱かれている為、出来ず、俯いて顔を隠した。
はたから見ると、恥ずかしくてモジモジとしている様子は変人に見えるんだろうな。
「初めまして、ウェイン様。私はドラン。魔物使役組合の組合長をしております。どうぞ、お見知りおきを」
「ハ、ハイ。よろしくお願いシマス!」
「可愛らしい子ですわ」
緊張しながらも元気に挨拶すると、微笑まれた。
「それでは、挨拶も済んだことですし、契約する魔物にお会いさせて下さいな?」
ドランさんに言われて、俺は馬車の中のシュウセツを呼ぶ。シュウセツは大きなあくびをしながら、しなやかに降りてくる。
「ニャアオン」
シュウセツは、まとわりつくように俺の回りをグルグルと回る。
「なんと可愛らしい子なの」
ドランさんが触ろうと手を伸ばすと、シュウセツは「シャーッ」と牙を見せて威嚇した。俺は慌ててシュウセツの顔を隠して、後ろに下がらせる。
シュウセツは遊んでくれると勘違いしたのか、じゃれついてきた。ゴロゴロニャンニャンして、俺の手をハムハムと甘噛みする。
「あらあら、いきなり触ろうとしてごめんなさいね。さて、立ち話もなんですし、中にどうぞ」
ドランさんがそういって、大きな門を両手で押して開ける。ドランさんは軽そうに開けるが、ギィーッという音はすごく重そうだった。
じゃれつくシュウセツをルダン様が首根っこを捕まえて、奥に進む。シュウセツは不機嫌だと言うことを「グーッ」と喉を鳴らして表していた。
シュウセツを掴む反対の手は俺の手を繋いでくれていた。
15
お気に入りに追加
334
あなたにおすすめの小説
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
日本で死んだ無自覚美少年が異世界に転生してまったり?生きる話
りお
BL
自分が平凡だと思ってる海野 咲(うみの
さき)は16歳に交通事故で死んだ…………
と思ったら転生?!チート付きだし!しかも転生先は森からスタート?!
これからどうなるの?!
と思ったら拾われました
サフィリス・ミリナスとして生きることになったけど、やっぱり異世界といったら魔法使いながらまったりすることでしょ!
※これは無自覚美少年が周りの人達に愛されつつまったり?するはなしです
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
転生当て馬召喚士が攻め度MAXの白銀騎士に抗えません
雪平
BL
不幸体質大学生の青年が転生したのは魔術師ファンタジーBLゲームの世界だった。
当て馬として生まれたからには攻略キャラの恋の後押しをする事にした。
しかし、この世界…何処か可笑しい。
受け主人公が攻めに、攻め攻略キャラが受けになっていた世界だった。
童顔だった主人公は立派な攻めに育っていた。
受け達に愛されている主人公は何故か当て馬に執着している。
傍観者で良かったのに、攻めポジも危ぶまれていく。
究極の鉄壁一途な白銀騎士×転生当て馬召喚士
ゲームを忠実にするためには、絶対に受けとしてときめいてはいけない。
「君といられるなら、俺は邪魔する奴を排除する」
「俺はただの当て馬でいい!」
※脇CP、リバキャラはいません、メインCPのみです。
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
目覚めたそこはBLゲームの中だった。
慎
BL
ーーパッパー!!
キキーッ! …ドンッ!!
鳴り響くトラックのクラクションと闇夜を一点だけ照らすヘッドライト‥
身体が曲線を描いて宙に浮く…
全ての景色がスローモーションで… 全身を襲う痛みと共に訪れた闇は変に心地よくて、目を開けたらそこは――‥
『ぇ゙ッ・・・ ここ、どこ!?』
異世界だった。
否、
腐女子だった姉ちゃんが愛用していた『ファンタジア王国と精霊の愛し子』とかいう… なんとも最悪なことに乙女ゲームは乙女ゲームでも… BLゲームの世界だった。
攻略対象者やメインキャラクター達がモブの僕に構うせいでゲーム主人公(ユーザー)達から目の敵にされています。
慎
BL
───…ログインしました。
無機質な音声と共に目を開けると、未知なる世界… 否、何度も見たことがある乙女ゲームの世界にいた。
そもそも何故こうなったのか…。経緯は人工頭脳とそのテクノロジー技術を使った仮想現実アトラクション体感型MMORPGのV Rゲームを開発し、ユーザーに提供していたのだけど、ある日バグが起きる───。それも、ウィルスに侵されバグが起きた人工頭脳により、ゲームのユーザーが現実世界に戻れなくなった。否、人質となってしまい、会社の命運と彼らの解放を掛けてゲームを作りストーリーと設定、筋書きを熟知している僕が中からバグを見つけ対応することになったけど…
ゲームさながら主人公を楽しんでもらってるユーザーたちに変に見つかって騒がれるのも面倒だからと、ゲーム案内人を使って、モブの配役に着いたはずが・・・
『これはなかなか… 面白い方ですね。正直、悪魔が勇者とか神子とか聖女とかを狙うだなんてベタすぎてつまらないと思っていましたが、案外、貴方のほうが楽しめそうですね』
「は…!?いや、待って待って!!僕、モブだからッッそれ、主人公とかヒロインの役目!!」
本来、主人公や聖女、ヒロインを襲撃するはずの上級悪魔が… なぜに、モブの僕に構う!?そこは絡まないでくださいっっ!!
『……また、お一人なんですか?』
なぜ、人間族を毛嫌いしているエルフ族の先代魔王様と会うんですかね…!?
『ハァ、子供が… 無茶をしないでください』
なぜ、隠しキャラのあなたが目の前にいるんですか!!!っていうか、こう見えて既に成人してるんですがッ!
「…ちょっと待って!!なんか、おかしい!主人公たちはあっっち!!!僕、モブなんで…!!」
ただでさえ、コミュ症で人と関わりたくないのに、バグを見つけてサクッと直す否、倒したら終わりだと思ってたのに… 自分でも気づかないうちにメインキャラクターたちに囲われ、ユーザー否、主人公たちからは睨まれ…
「僕、モブなんだけど」
ん゙ん゙ッ!?……あれ?もしかして、バレてる!?待って待って!!!ちょっ、と…待ってッ!?僕、モブ!!主人公あっち!!!
───だけど、これはまだ… ほんの序の口に過ぎなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる