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学園編
77.仕返しはダメ
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授業終わり、クラスメイト達が奮闘して、リラさんのお世話は別の人が担当することになり、メル様にはよくよく聞かせると頭を下げていた。
怒りが不完全燃焼のメル様を引き連れて、温室に向かう。
クラスメイトには、攻略対象はいない。確か、彼らは全員、隣の教室だ。俺の覚えている限りは。
本当なら、彼らもこの教室で一緒になるはずだったが、ルダン様が接点少ないほうが良いだろうと、クラス編成してくれた。メリットとして主人公が攻略対象と接触する機会は少なくなり、俺達は彼女達を確認しやすくなる。
けれど、主人公であるリラさんは、俺を見て驚き、挙動不審になった。これはつまり、彼女も転生者の可能性が出てきた。接触する方が良いのか、我関せずと見知らぬフリをしたほうがいいのか。
メル様が敵視している人かどうか確認した方が良いのかも?でも、もし、メル様を傷付ける気があるならどうしよう?
「あっ!」
バシャンッ
考え込みながら、紅茶を入れたせいでこぼしてしまった。メル様は慌てて拭こうとする俺を、止めて椅子に座らせた。近くにあった布巾でメル様が拭いていく。
「かかってない?大丈夫?」
「だ、大丈夫です。メル様にはかかりませんでしたか?」
「かかってないわ」
あぁ、メイド失格だ。主人であるメル様に後始末をさせるなんて!
あっという間に自己嫌悪に陥る。自分を責める癖はいつまで経っても治らない。グルグルと胸の中に澱みがたまる。
「私がいるのに気もそぞろになって、いけない子ね?」
「ごめんなさい」
落ち込んでいる俺を見かねて、メル様は顎を掬いメル様の方を向かせる。メル様と目が合うだけで気持ちが晴れていく。俺を大切に思っている事が伝わってくるから。
「あのこの事を考えていたの?傷ついた?ならやっぱり、あの子に仕返しでもしようかしら?」
「いえ、俺が考えていたのは、メル様の事です!」
メル様は、不敵な笑みを浮かべながら提案する。それじゃあ、メル様が悪役令嬢になってしまうと考えた俺は慌てて、メル様の戦意を下げる。メル様のことを考えていたのは確かだし。仕返しなんて絶対ダメ!
俺の予想通りにメル様は機嫌を直してくれた。良かったと胸を撫で下ろす。
「……あら、そうなの?うれしいわ!でも、手元を疎かにしては駄目よ?火傷したら大変な事よ?」
「ハイ。ごめんなさい」
「分かればよろしい。さぁ、お茶会の続きをしましょうか」
俺は今度こそ、紅茶を入れてテーブルに置いた。不安な事は今は置いておいてお茶会を楽しもう。
怒りが不完全燃焼のメル様を引き連れて、温室に向かう。
クラスメイトには、攻略対象はいない。確か、彼らは全員、隣の教室だ。俺の覚えている限りは。
本当なら、彼らもこの教室で一緒になるはずだったが、ルダン様が接点少ないほうが良いだろうと、クラス編成してくれた。メリットとして主人公が攻略対象と接触する機会は少なくなり、俺達は彼女達を確認しやすくなる。
けれど、主人公であるリラさんは、俺を見て驚き、挙動不審になった。これはつまり、彼女も転生者の可能性が出てきた。接触する方が良いのか、我関せずと見知らぬフリをしたほうがいいのか。
メル様が敵視している人かどうか確認した方が良いのかも?でも、もし、メル様を傷付ける気があるならどうしよう?
「あっ!」
バシャンッ
考え込みながら、紅茶を入れたせいでこぼしてしまった。メル様は慌てて拭こうとする俺を、止めて椅子に座らせた。近くにあった布巾でメル様が拭いていく。
「かかってない?大丈夫?」
「だ、大丈夫です。メル様にはかかりませんでしたか?」
「かかってないわ」
あぁ、メイド失格だ。主人であるメル様に後始末をさせるなんて!
あっという間に自己嫌悪に陥る。自分を責める癖はいつまで経っても治らない。グルグルと胸の中に澱みがたまる。
「私がいるのに気もそぞろになって、いけない子ね?」
「ごめんなさい」
落ち込んでいる俺を見かねて、メル様は顎を掬いメル様の方を向かせる。メル様と目が合うだけで気持ちが晴れていく。俺を大切に思っている事が伝わってくるから。
「あのこの事を考えていたの?傷ついた?ならやっぱり、あの子に仕返しでもしようかしら?」
「いえ、俺が考えていたのは、メル様の事です!」
メル様は、不敵な笑みを浮かべながら提案する。それじゃあ、メル様が悪役令嬢になってしまうと考えた俺は慌てて、メル様の戦意を下げる。メル様のことを考えていたのは確かだし。仕返しなんて絶対ダメ!
俺の予想通りにメル様は機嫌を直してくれた。良かったと胸を撫で下ろす。
「……あら、そうなの?うれしいわ!でも、手元を疎かにしては駄目よ?火傷したら大変な事よ?」
「ハイ。ごめんなさい」
「分かればよろしい。さぁ、お茶会の続きをしましょうか」
俺は今度こそ、紅茶を入れてテーブルに置いた。不安な事は今は置いておいてお茶会を楽しもう。
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