雪も積もれば冬となる~悪役公爵家に愛されちゃった!?~

コータ

文字の大きさ
上 下
64 / 114
公爵家編

61.???視点

しおりを挟む
「グレイ、君はその名のまま役目を交代してくれ。その後、ウェインの教育を名目として護衛を頼みたい」
「承知いたしました」

 ルダンの言葉に頭を下げるグレイ。それに不服な男が1人いた。

「待ってください!俺の立場はどうなるんですか!?」
「名はそのままでグレイの立場を引き継ぐことになる」
「そ、そんな!俺がここまで頑張ったのはグレイの名を受け継げるからですよ!?外聞も悪くなります!」
「だからどうした。それが何が関係するのか?」

 冷たいルダンの言葉に男はグッと歯を食いしばった。自分の努力を無碍にされた気分になった。

「そもそも何で立場が無いのにグレイの名が必要なんですか!?」
「名を変えれば、ウェインが混乱するだろう?」
「その程度で!」

 ルダンは掴みかからんばかりの勢いの男を鼻で笑って冷たい目で見る。

「グレイ。お前の後継者は、不義の子だったな」
「はい」
「こういう時に変わってくるのか。血の繋がりなどどうでも良かったが、考えを改める必要があるな」

 男はカッと顔に血がのぼる。その事で見下されぬように生きてきたつもりだった。しかし、自分の主人が蔑むとは思わなかった。
 血の滲む人生を歩んできた。父に、主人に、認めて貰えるよう努力してきた。男は怒りで言葉に出来なかった。

「グレイ。引き継ぎを頼む」
「承知いたしました」

 ルダンは颯爽と部屋を出た。彼は愛しき者に会うために。
 部屋に残された男はグレイに詰め寄った。

「どうして!あんな子供の為に俺がこんな目に合わなきゃいけないんですか!?」

 胸ぐらを掴まれたグレイは、男の手をふり解き、服装を直した。男の気持ちも十分理解出来たが、グレイは主人の方に重きを置いている為、彼に賛同する事は無かった。

「落ち着け。確かにお前は理解出来ないだろうな。ディゾル家の一族には、炎の魔神の血が流れているのは、知っているだろう?」

 グレイは男に言い聞かせるように淡々と話す。男はグレイの話を黙って聞いていた。

「魔神の血により、炎の性質が強い為、ほんの些細な感情でその性質が表に出てきてしまうそれゆえ、ディゾル家の一族は産まれてすぐに必ず感情を制御する魔導具を着ける。炎が外に逃げない代わりに、デメリットとして、焼けるような痛みが付きまとう。性質が強ければ強いほど、比例して、その痛みは強くなる。そんな痛みが無くせる者がいれば、欲するのは必然だろう。そして、ウェイン様の雪の魔力は炎の性質を弱らせ、痛みを引かせる。この私でさえ、ウェイン様の傍を望むほどなのだ。歴代最強と言われるルダン様とその御子であるメル様のお心は、どれほどか、察するに余りある」

 男にとって、理解出来なかった。そもそも、感情を制御する魔導具など父から聞いたことも無い。今聞かされた話は、自分が相容れぬ存在だと、言われているような気分だった。


※分かりにくいと思うので、簡潔に説明します。
 
 魔力暴走→自身、外部共に影響し損傷させる。自身では操作することは出来ない。
 魔力不足→生命維持が出来なくなる。
 感情による性質の表面化→外部に影響があるが、自身には無い。自身が落ち着けば収まる。

 というような感じです。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

伯爵令嬢の秘密の知識

シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のグランディア王国ルナリス伯爵家のミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。

処理中です...