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公爵家編
55.グラス
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応接間のソファにルダン様とメル様が座り、俺はルダン様の上に座らせられる。
メイドなのにその場所で良いのかと、疑問に思うがルダン様が離してくれないからしょうがないと諦めている。
正面のソファには客人2人が座っていた。彼らは街のガラス職人らしい。片方は髭を生やした筋肉モリモリのおっさんで、もう一人はまだ若く、十代後半の青年だ。どこか見たことあるなぁ。思い出そうと、不躾にジッと見てしまう。
「今日はグラスの試作品が出来たので、お持ちしました」
そう言ったのはおっさんの方で、青年は持ってきた木箱からグラスをテーブルに置く。
「そうか、ご苦労」
「ウェイン、これはあなたのよ。手にとってみて?」
ルダン様が労いの言葉をかけ、メル様は俺にグラスを渡す。これが俺の?
涼し気な水色のグラスには、緑のツルが伸びたフラガの赤い花が色がついたガラスで描かれ、鉄のような金属で縁取りされていた。
よくよく見ると、絵が描かれていない所にはヒビが入っていて、照明に透かしながら見ると雪の結晶が浮かび上がる。
「どう?」
「キレイデス!」
「私も見て良い?」
「ドウゾ!」
メル様は両手で受け取ると、底を見るために持ち上げたり、クルクルと左右に回して確認する。最後に中指で弾いて音を鳴らした。
「デザインも強度も良いわ。これで作って頂戴」
「ありがとうございます」
メル様がテーブルにグラスを戻すと、青年が木箱にしまい、グレイさんに渡した。
今度はさっきの木箱よりも小さい白い箱をテーブルに乗せた。
「それとこちらがガラス細工品です」
蝶番で止めてある蓋の部分はガラスで出来ていて中身が見え、赤い色のクッションの上にアクセサリーが乗っていた。青年が箱の蓋を開けると、下の引き出しのような部分が一緒に動いて階段のような形になった。
「こちらはネックレスで、こちらがイヤリング。髪留めとブレスレット、アンクレットです」
メル様が一つ一つ手に取ってチェックする。メル様の目は真剣で、いつもの笑顔は無くなっていた。
「デザインに統一感があって良いわ。お父様、ウェインに着けて上げてください」
「あぁ」
メル様が言われて、俺の髪を弄っていたルダン様は動き出す。
綺麗なアクセサリーだったので、メル様の物だと勘違いしていた。そもそも何で俺の?
頭にハテナで一杯だったが、ルダン様はどんどん着けていく。アンクレットなんか、メル様が直々に靴を脱がして足首に着けてくれた。
こんなにアクセサリーを着けたら重いかと思ったがそうでもなかった。
メイドなのにその場所で良いのかと、疑問に思うがルダン様が離してくれないからしょうがないと諦めている。
正面のソファには客人2人が座っていた。彼らは街のガラス職人らしい。片方は髭を生やした筋肉モリモリのおっさんで、もう一人はまだ若く、十代後半の青年だ。どこか見たことあるなぁ。思い出そうと、不躾にジッと見てしまう。
「今日はグラスの試作品が出来たので、お持ちしました」
そう言ったのはおっさんの方で、青年は持ってきた木箱からグラスをテーブルに置く。
「そうか、ご苦労」
「ウェイン、これはあなたのよ。手にとってみて?」
ルダン様が労いの言葉をかけ、メル様は俺にグラスを渡す。これが俺の?
涼し気な水色のグラスには、緑のツルが伸びたフラガの赤い花が色がついたガラスで描かれ、鉄のような金属で縁取りされていた。
よくよく見ると、絵が描かれていない所にはヒビが入っていて、照明に透かしながら見ると雪の結晶が浮かび上がる。
「どう?」
「キレイデス!」
「私も見て良い?」
「ドウゾ!」
メル様は両手で受け取ると、底を見るために持ち上げたり、クルクルと左右に回して確認する。最後に中指で弾いて音を鳴らした。
「デザインも強度も良いわ。これで作って頂戴」
「ありがとうございます」
メル様がテーブルにグラスを戻すと、青年が木箱にしまい、グレイさんに渡した。
今度はさっきの木箱よりも小さい白い箱をテーブルに乗せた。
「それとこちらがガラス細工品です」
蝶番で止めてある蓋の部分はガラスで出来ていて中身が見え、赤い色のクッションの上にアクセサリーが乗っていた。青年が箱の蓋を開けると、下の引き出しのような部分が一緒に動いて階段のような形になった。
「こちらはネックレスで、こちらがイヤリング。髪留めとブレスレット、アンクレットです」
メル様が一つ一つ手に取ってチェックする。メル様の目は真剣で、いつもの笑顔は無くなっていた。
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「あぁ」
メル様が言われて、俺の髪を弄っていたルダン様は動き出す。
綺麗なアクセサリーだったので、メル様の物だと勘違いしていた。そもそも何で俺の?
頭にハテナで一杯だったが、ルダン様はどんどん着けていく。アンクレットなんか、メル様が直々に靴を脱がして足首に着けてくれた。
こんなにアクセサリーを着けたら重いかと思ったがそうでもなかった。
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