雪も積もれば冬となる~悪役公爵家に愛されちゃった!?~

コータ

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公爵家編

48.メル様に相談

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 最近、ルダン様の様子がおかしい。
 行動はいつも通りなのに、目を合わせてくれなくなった。合わそうとしても、顔をそらされる。でも、傍にはいてくれたり、一緒に寝てくれるから嫌われたんじゃないと思う。いや、そう思いたいだけなのかも知れないけど。
 そう思うと、心がざわざわする。
 だから俺は心配で、心が凍る前に、メル様に相談しようと決めた。ルダン様に拒絶されることが怖くて直接話せないけど、メル様なら話せるから。

 ルダン様がいないお茶会で、笑い話にしてほしくない、ちゃんと聞いてくれるかなという不安を抱え、ドキドキしながらメル様に相談した。

「メル様、アノネ」
「どうしたの?」
「ルダン様、ナンカオカシイノ」
「おかしい?」

 俺は一生懸命に説明した。メル様は茶化すことも無く、真面目に聞いてくれる。

「オカオ、アワセテ、クレナイノ」
「そうなのね」
「キラワレ、チャッタ、カナ?」

 メル様は途切れ途切れの言葉に相槌を打つ。だから、俺はゆっくりと伝えた。

「あぁ、そういう事ね」
「?」

 聞き終わるとメル様は俺の事をムギュッと抱きしめて、話してくれた。彼女の身体はポカポカと温かく、眠くなるが必死に抵抗する。今、寝ちゃダメだ。せっかくメル様が相談に乗ってくれているのに。

「大丈夫よ。お父様はウェインの事を嫌いになったりしないわ」
「ホント?」
「えぇ。お父様は今、自分の心と向き合っているのよ」
「ココロ?」
「そう、心よ。だから待ってあげましょ?ね?」
「デモ……」

 そう言われても、俺は何だかモヤモヤした。ルダン様の目は綺麗だ。ギラギラしている時も、ユラユラしている時も、俺をいつだって見守っている感じがして安心出来るのだ。
 身体を離されると、途端に眠気が消え、メル様と目を合わせる。メル様の赤い目はルダン様に似ているけど、どこか心が寒くて、満たされない。

「寂しい?」

 メル様の言葉に頷いた。言葉にすると、確かにそんな気持ちなのかもしれない。
 俺が頷いたのを見て、メル様は悪い笑顔をする。いたずらっ子の顔だ。やっぱり、俺のあの仮説は外れてないのかも。

「良い事思いついたわ!さぁ!善は急げだわ!大丈夫。問題は一気に解決するわ、ウェイン!」

 メル様は俺を抱っこして、ガーデンから出た。なんでお姫様抱っこでダッシュ出来るの!?俺、メル様と同じくらいの身長だし結構体重増えたよね!?
 時々、楽しそうにスキップするメル様の身体能力に驚愕して、自分がここまで出来るようになれるとは思えなかった。
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