雪も積もれば冬となる~悪役公爵家に愛されちゃった!?~

コータ

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公爵家編

47.ガッコ、イキタイ

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 早速、俺は学校に行きたい事をルダン様達に伝えた。

「アノネ、メル様ト、イッショニ、ガッコ、イキタイ!」
「学校に行きたい?メルと一緒に?」
「良いわね!」

 ルダン様は、口を抑えて悩んでいるようだった。メル様は喜んでくれた。
 今日も天気が良いので、お外でお茶会中だ。俺はルダン様が口を開くまで紅茶を飲んでおく。

「学校、か。今の状態では無理だな」
「まぁ、そうですわねぇ。編入させるにも学力が足りません」
「ベンキョ、ガンバル、カラ!」

 声を出して、俺の本気度を伝えると、メル様はヨシヨシと頭を撫でてくれた。

「そうよね。勉強を頑張れば、学校に入れるわ。でも、すぐは無理よ。それは分かってくれる?」
「ゥンッ」

 その答えは想定内だったので、頷く。目指すのは最長でも4年後、最短で1年後。
 俺とメル様が会話している間、何故か、ルダン様の表情は暗い。そんなルダン様をニヤニヤと笑うメル様。

「学園に行けば、お父様はウェインと離れてしまいますわねぇ」

 メル様は当たり前のことを言っている。意味が分からなくて、俺は首を傾げる。

「それに沢山の出会いがありますわよぉ」

 オホホホとまるでお嬢様のように高笑いする。いや、メル様はお嬢様だったな。あまりにも俺に気さくに接してくれるから忘れてた。

「ウェインも学校でお友達たくさん出来たら嬉しわよね?」
「オトモダチ?タクサン?」
「そうよ」
「ウレシイ!」

 確かに、学校に行けばたくさん友達が出来るかも。別に青春しちゃいけないわけでも無いし、それにメル様がいれば安心だし、楽しいはず!前世で出来なかったことを俺はやり直せるんだ。

「オトモダチ!」
「グッ」
ざまは無いですわ、お父様!オホホホ!」

 ルダン様は何かダメージを受けたように、顔を俯いて胸を押えた。メル様は更に笑う。

「ドシタノ?ルダン様」

 体調でも悪くなったのだろうか?でも、メル様が笑っているし、深刻なことじゃないと思うんだけど。
 俺はルダン様の顔を覗き込む。途端に顔を赤らめる。やっぱり体調悪いのかな、ルダン様。

「ダイジョブ?」
「あぁ……」

 ルダン様の膝の上に乗せられて、後ろから両腕ごと抱きしめられ、肩に顔を埋める。苦しくないが身動きは取れない。

「ルダン様?」
「お父様、ウェインが心配していますわよ」

 すぅと大きく息を吸って、はぁ、と吐いて、ルダン様は顔を上げた。

「大丈夫だ」

 隣に俺を下ろして、ルダン様の顔色は元に戻っていて、体調も悪くなさそうだった。
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