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公爵家編
21.マチの中
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回りの建物はオレンジの煉瓦を積まれて出来ている。
ルダン様やメル様も赤い服を着ているから、ここの人達は暖色系が好きなのかもしれない。
俺ははっとする。自分の服装を見ると、白のフワフワで統一されていて、傍から見ると浮いている存在だろう。それでなくてもルダン様やメル様は、美形で人の目を集めるというのに!
目立ちたくなくて、フードを被ってギュウギュウとルダン様のスーツの襟を握り、顔を押し付けて隠す。
「何も怖くはないからな」
歩くことでゆらゆらと身体が動く。それはまるで揺りかごのようだった。天気も良くて、眠気を誘う。
ふぁと欠伸をすると、それに気づいたメル様にムニッと頬を引っ張る。
「まだ寝ちゃ駄目よ」
多分、メル様は寝ないように注意してくれてるんだと思う。そうだよ、折角の外なんだから起きてないと。
俺は目を擦って眠気と戦っていると、キラキラ光る物が目についた。その輝きは、青空の下で積もった雪が反射する光に似ていた。
ルダン様が俺の視線に気づいて、立ち止まると、メル様も歩くのを止めた。
「これが欲しいのか?」
ルダン様は、軒先にぶら下がるガラスで出来ているボールを触る。
ルダン様が触ったボールの大きさは、直径10センチくらいで、ガラスで出来ているから透明なんだけど、金属、多分鉄が線になっていて、それが百合の花を描 いていた。花の部分も色付けされたガラスで出来ている。
ゲームでは、この百合の花を祝福花と呼んでいて、攻略対象に渡すと好感度が上がるアイテムだった。
他にも、そのボールより小さいものや大きいもの、模様が違うものもあった。
俺が考えていると、ルダン様とメル様は店の中に入っていく。中には色とりどりのガラスの商品が並んでいた。上から吊るしてあったりして、陽の光でキラキラと宝石のように輝いていた。
店員さんは、2人を見ると驚きで声を上げて、バックヤードに駆け、何やら声が響いて聞こえてきた。でも、ルダン様とメル様は何も気にしていないから、大した事じゃ無さそうだ。
後ろから静かに付いてきていたグレイさんは、店の外で待っているようだ。
それから少し経つと、店員さんとオレンジの髪色のガタイの良いおっさんが出てきた。
店員さんが商品を片付けて、テーブルが綺麗になると俺達は用意してもらった椅子に座った。向かいの席にはおっさんが。俺は何時ものルダン様の膝の上の定位置。
メル様とおっさんが喋っていると、急にルダン様が俺のフードを下げてしまった。
視界が開かれて、おっさんだけじゃなく店員さんやバックヤードの入口で屯している人達とも目が合ってしまう。
目がっ!目がっ!目が合った!
店員さん達はポカンと口開けて呆けている。俺はひぃと慄きながら、慌ててフードを被る。だって、こんななんの変哲もない顔で、ルダン様達に抱えられてるって何様だよって感じだよね!?ごめんなさい!!
ルダン様が悪い顔をしてまたフードを取ろうとしたので、俺は「ィヤ!」と拒否した。
ルダン様やメル様も赤い服を着ているから、ここの人達は暖色系が好きなのかもしれない。
俺ははっとする。自分の服装を見ると、白のフワフワで統一されていて、傍から見ると浮いている存在だろう。それでなくてもルダン様やメル様は、美形で人の目を集めるというのに!
目立ちたくなくて、フードを被ってギュウギュウとルダン様のスーツの襟を握り、顔を押し付けて隠す。
「何も怖くはないからな」
歩くことでゆらゆらと身体が動く。それはまるで揺りかごのようだった。天気も良くて、眠気を誘う。
ふぁと欠伸をすると、それに気づいたメル様にムニッと頬を引っ張る。
「まだ寝ちゃ駄目よ」
多分、メル様は寝ないように注意してくれてるんだと思う。そうだよ、折角の外なんだから起きてないと。
俺は目を擦って眠気と戦っていると、キラキラ光る物が目についた。その輝きは、青空の下で積もった雪が反射する光に似ていた。
ルダン様が俺の視線に気づいて、立ち止まると、メル様も歩くのを止めた。
「これが欲しいのか?」
ルダン様は、軒先にぶら下がるガラスで出来ているボールを触る。
ルダン様が触ったボールの大きさは、直径10センチくらいで、ガラスで出来ているから透明なんだけど、金属、多分鉄が線になっていて、それが百合の花を描 いていた。花の部分も色付けされたガラスで出来ている。
ゲームでは、この百合の花を祝福花と呼んでいて、攻略対象に渡すと好感度が上がるアイテムだった。
他にも、そのボールより小さいものや大きいもの、模様が違うものもあった。
俺が考えていると、ルダン様とメル様は店の中に入っていく。中には色とりどりのガラスの商品が並んでいた。上から吊るしてあったりして、陽の光でキラキラと宝石のように輝いていた。
店員さんは、2人を見ると驚きで声を上げて、バックヤードに駆け、何やら声が響いて聞こえてきた。でも、ルダン様とメル様は何も気にしていないから、大した事じゃ無さそうだ。
後ろから静かに付いてきていたグレイさんは、店の外で待っているようだ。
それから少し経つと、店員さんとオレンジの髪色のガタイの良いおっさんが出てきた。
店員さんが商品を片付けて、テーブルが綺麗になると俺達は用意してもらった椅子に座った。向かいの席にはおっさんが。俺は何時ものルダン様の膝の上の定位置。
メル様とおっさんが喋っていると、急にルダン様が俺のフードを下げてしまった。
視界が開かれて、おっさんだけじゃなく店員さんやバックヤードの入口で屯している人達とも目が合ってしまう。
目がっ!目がっ!目が合った!
店員さん達はポカンと口開けて呆けている。俺はひぃと慄きながら、慌ててフードを被る。だって、こんななんの変哲もない顔で、ルダン様達に抱えられてるって何様だよって感じだよね!?ごめんなさい!!
ルダン様が悪い顔をしてまたフードを取ろうとしたので、俺は「ィヤ!」と拒否した。
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