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公爵家編
9.お風呂
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俺はルダンさんからグレイさんに受け渡され、人が消えていく扉の先の部屋に連れて行かれた。
その部屋は、壁や床がタイルになっていて、モクモクと湯気が立っていて、ここがお風呂場なのだと分かる。
「今からお風呂に入りましょうね」
グレイさんは器用に巻いていたシーツと下着を剥がして、床に落とす。その落としたものは別の執事さんが拾って、部屋を出ていく。
俺は猫足バスタブにゆっくりと降ろされる。バスタブは、俺が横になって寝れるくらい大きい。
猫足バスタブなんて初めて見た!マジでこういうのあるんだと、俺はビックリしていた。
お湯は俺の腰までしか入っておらず、白く濁っている。それと、ミルクとは別の甘い香りがする。なんの匂いだろ?
パシャパシャとお湯を確認していると、グレイさんが
「熱くありませんか?」
と聞いてきたので、俺は頷いて大丈夫だと伝える。
「良かったです。では御身体を洗うので、少し横になりましょうね」
グレイさんの言う通り、身体を横にすると首を支えて、頭がお湯につかないようにしてくれた。
「大丈夫ですよ。怖くないですよ」
グレイさんは俺に声を掛けながら、空いている手でお湯を掬って少しずつ髪にかける。顔にかからないように気遣ってくれて、丁寧な手つきだった。
俺がお湯の温かさをぬくぬくと堪能している間に、数人の使用人達によって、全身を洗われていた。それに気づいたのは、身体を洗ったタオルがバスタブから取り出され、回収された時だった。
「大丈夫ですよ」
俺がタオルの行方を目で追っていると、今度は、グレイさんが頭を洗い始めた。
もこもこの泡で髪を洗い、マッサージもしてくれて、まるで美容院にいるかのような感覚になる。
それが止むと、俺の身体に大きなバスタオルをかけて、お湯を抜く。バスタオルをかけたのは、身体が冷えないようにするための処置だ。
顔にもホットタオルを当ててくれて、まさに至れり尽くせりだった。
バスタブのお湯が無くなると、今度は新しいお湯を入れバスタブに貯めて、そのお湯を身体にかけて泡を落としていく。その後はまたお湯を抜き、完全に泡が無くなるまで、何度か繰り返した。
十分に泡が取り切れると、俺はバスタブから出され椅子に座らせられ、ふかふかのバスタオルで身体全体の水滴を優しく拭き取ってくれた。
綺麗になった身体に、白いクリームを薄く塗っていく。塗った場所から艶が出てきたような気がした。
濡れた髪は、身体に塗ったクリームとはまた別のクリームをつけて梳かす。
綺麗になった俺に下着を穿かせて、またシーツで包み、抱えてお風呂場から出る。みのむしみたいな状態で、俺はグレイさんからルダンさんに受け渡された。
『少しは暖かくなったな』
膝の上で抱えられて、マグカップに入ったミルクを飲ませられる。ミルクは人肌並みに温かく、たっぷりの蜂蜜が入っていて美味しい。
飲み終わるとルダンさんは、俺を片手で抱えあげて、背中をトントンと軽く叩く。
俺は安心しきって身体を預け、欠伸をした。もう不満なんてない。だって、こんなにも心地が良いのだから。
その部屋は、壁や床がタイルになっていて、モクモクと湯気が立っていて、ここがお風呂場なのだと分かる。
「今からお風呂に入りましょうね」
グレイさんは器用に巻いていたシーツと下着を剥がして、床に落とす。その落としたものは別の執事さんが拾って、部屋を出ていく。
俺は猫足バスタブにゆっくりと降ろされる。バスタブは、俺が横になって寝れるくらい大きい。
猫足バスタブなんて初めて見た!マジでこういうのあるんだと、俺はビックリしていた。
お湯は俺の腰までしか入っておらず、白く濁っている。それと、ミルクとは別の甘い香りがする。なんの匂いだろ?
パシャパシャとお湯を確認していると、グレイさんが
「熱くありませんか?」
と聞いてきたので、俺は頷いて大丈夫だと伝える。
「良かったです。では御身体を洗うので、少し横になりましょうね」
グレイさんの言う通り、身体を横にすると首を支えて、頭がお湯につかないようにしてくれた。
「大丈夫ですよ。怖くないですよ」
グレイさんは俺に声を掛けながら、空いている手でお湯を掬って少しずつ髪にかける。顔にかからないように気遣ってくれて、丁寧な手つきだった。
俺がお湯の温かさをぬくぬくと堪能している間に、数人の使用人達によって、全身を洗われていた。それに気づいたのは、身体を洗ったタオルがバスタブから取り出され、回収された時だった。
「大丈夫ですよ」
俺がタオルの行方を目で追っていると、今度は、グレイさんが頭を洗い始めた。
もこもこの泡で髪を洗い、マッサージもしてくれて、まるで美容院にいるかのような感覚になる。
それが止むと、俺の身体に大きなバスタオルをかけて、お湯を抜く。バスタオルをかけたのは、身体が冷えないようにするための処置だ。
顔にもホットタオルを当ててくれて、まさに至れり尽くせりだった。
バスタブのお湯が無くなると、今度は新しいお湯を入れバスタブに貯めて、そのお湯を身体にかけて泡を落としていく。その後はまたお湯を抜き、完全に泡が無くなるまで、何度か繰り返した。
十分に泡が取り切れると、俺はバスタブから出され椅子に座らせられ、ふかふかのバスタオルで身体全体の水滴を優しく拭き取ってくれた。
綺麗になった身体に、白いクリームを薄く塗っていく。塗った場所から艶が出てきたような気がした。
濡れた髪は、身体に塗ったクリームとはまた別のクリームをつけて梳かす。
綺麗になった俺に下着を穿かせて、またシーツで包み、抱えてお風呂場から出る。みのむしみたいな状態で、俺はグレイさんからルダンさんに受け渡された。
『少しは暖かくなったな』
膝の上で抱えられて、マグカップに入ったミルクを飲ませられる。ミルクは人肌並みに温かく、たっぷりの蜂蜜が入っていて美味しい。
飲み終わるとルダンさんは、俺を片手で抱えあげて、背中をトントンと軽く叩く。
俺は安心しきって身体を預け、欠伸をした。もう不満なんてない。だって、こんなにも心地が良いのだから。
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