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第三章 植物という名の命 石という名の子供
緑石の誕生②
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書斎から出てきたルーカスを呼び止めたのは、主にフォルガイアの部屋を担当している侍女のリサだった。
「何かあったのか?」
「あの・・・変なんです。」
「何が?」
「姫様の様子が変なのです。気になって、声をかけさせて頂いても、具合は悪くないとは仰るのですが、うたた寝というか、傾眠されてる様子をよくみかけるようになりました。」
「いつから?」
ルーカスの心がざわざわし始める。
「ライア様の騒ぎの後辺りからです。仕事も勉強もされていて、その間はいつもと同じなのですが、皆様と離れた時や、ちょっとした時間はほとんど目を閉じられてるように感じられます。」
「今どこにいるかわかるか?」
「先程小さい庭の方へ行かれました。」
「わかった、俺からフォリーに確認してみるよ。心配かけさせて悪かった。」
ルーカスはフォリーのいる方へ向かうが心のざわざわした感じはおさまらなかった。
小さい庭の可愛らしいテーブル席にいるフォリーの姿はすぐわかった。
ルーカスが近寄ってみると、確かにウトウトしている。
「フォリー?眠いのか?」
声をかけると微かに眼を開ける。
「お兄様?・・ごめんなさい、何か約束してましたっけ?」
何とか大きく眼を開ける。その様子にルーカスはリサの言う不安を理解できた。確かに、様子が違う。
「いや、いい。眠いのなら、ここではなく、中に入りなさい。」
ルーカスは妹を抱き抱える。
「ふふ。小さい時みたい・・・。」
言いながら、安心したかのようにすーっと眠りに入る。
ルーカスの不安は継続している。そのまま妹を抱えて、妹の部屋ではなく、父親のところへ向かう。
「あれ?つい最近、似たような光景をみたような・・・。大丈夫か、ルーカス?お前の顔色があまり良くないぞ。フォリーは寝てるだけでは?」
西王が息子に言う。アレックスが心配してふたりの側に行き、フォリーの顔を覗き込む。
「ルーカス?フォリーがどうかしたのか?」
「侍女のリサが、フォリーの様子が気になると報告してきました。我々の目が離れてる時や、時間が空いた時にフォリーが傾眠してると。ライアの件の後辺りからだと。」
「まさか、まだ戻ってきて体調が万全でなく、元気なフリをしていたのか?」
西王が言う。
ルーカスがある考えにたどり着き、アレックスに声をかける。
「アレックス、お前は大丈夫なの?」
「え?俺?今は別に・・。」
「父上、もしかするともっと前なのかもしれません。眠りが目立ってきたのがここ数日というだけてあって、本当は隠し部屋でテーブルに臥せってる時からではないかと・・・。」
「なるほど。セステオがあちらの世界の講義を受け、倒れたときか。届いた連絡によると、あの時はアレックスもふらつきがでていたのではなかったか?」
「確かにあの時俺は不調だったけど、今は・・・あ!」
「「あ?」」
ふたりが突っ込む。
「あっちの自分の声がそういえば聞こえてた。」
「「何て?」」
「『元に戻る準備は、心構えはできてるよね?』って。」
「「・・・元に・・・戻る準備」」
ルーカスの不安が大きくなる。
「父上、まさかフォリーはまた生きる人形みたいに・・。」
西王が声を出すより先にアレックスが噛みつく。
「やめてよね、ルーカス。縁起でもない。それに元に戻るのなら人形みたいになる理由はないよ。」
「アレックス、お前も元に戻るということは力のコントロールを再確認しなくてはならないぞ?少なくとも今のお前は転移するのもかなり疲れるはずだ。元に戻るということは、力加減確認しなくてはならない。今のお前なら大きな力もコントロールできるだろうがな。」
西王が真剣な表情で話した。
「何かあったのか?」
「あの・・・変なんです。」
「何が?」
「姫様の様子が変なのです。気になって、声をかけさせて頂いても、具合は悪くないとは仰るのですが、うたた寝というか、傾眠されてる様子をよくみかけるようになりました。」
「いつから?」
ルーカスの心がざわざわし始める。
「ライア様の騒ぎの後辺りからです。仕事も勉強もされていて、その間はいつもと同じなのですが、皆様と離れた時や、ちょっとした時間はほとんど目を閉じられてるように感じられます。」
「今どこにいるかわかるか?」
「先程小さい庭の方へ行かれました。」
「わかった、俺からフォリーに確認してみるよ。心配かけさせて悪かった。」
ルーカスはフォリーのいる方へ向かうが心のざわざわした感じはおさまらなかった。
小さい庭の可愛らしいテーブル席にいるフォリーの姿はすぐわかった。
ルーカスが近寄ってみると、確かにウトウトしている。
「フォリー?眠いのか?」
声をかけると微かに眼を開ける。
「お兄様?・・ごめんなさい、何か約束してましたっけ?」
何とか大きく眼を開ける。その様子にルーカスはリサの言う不安を理解できた。確かに、様子が違う。
「いや、いい。眠いのなら、ここではなく、中に入りなさい。」
ルーカスは妹を抱き抱える。
「ふふ。小さい時みたい・・・。」
言いながら、安心したかのようにすーっと眠りに入る。
ルーカスの不安は継続している。そのまま妹を抱えて、妹の部屋ではなく、父親のところへ向かう。
「あれ?つい最近、似たような光景をみたような・・・。大丈夫か、ルーカス?お前の顔色があまり良くないぞ。フォリーは寝てるだけでは?」
西王が息子に言う。アレックスが心配してふたりの側に行き、フォリーの顔を覗き込む。
「ルーカス?フォリーがどうかしたのか?」
「侍女のリサが、フォリーの様子が気になると報告してきました。我々の目が離れてる時や、時間が空いた時にフォリーが傾眠してると。ライアの件の後辺りからだと。」
「まさか、まだ戻ってきて体調が万全でなく、元気なフリをしていたのか?」
西王が言う。
ルーカスがある考えにたどり着き、アレックスに声をかける。
「アレックス、お前は大丈夫なの?」
「え?俺?今は別に・・。」
「父上、もしかするともっと前なのかもしれません。眠りが目立ってきたのがここ数日というだけてあって、本当は隠し部屋でテーブルに臥せってる時からではないかと・・・。」
「なるほど。セステオがあちらの世界の講義を受け、倒れたときか。届いた連絡によると、あの時はアレックスもふらつきがでていたのではなかったか?」
「確かにあの時俺は不調だったけど、今は・・・あ!」
「「あ?」」
ふたりが突っ込む。
「あっちの自分の声がそういえば聞こえてた。」
「「何て?」」
「『元に戻る準備は、心構えはできてるよね?』って。」
「「・・・元に・・・戻る準備」」
ルーカスの不安が大きくなる。
「父上、まさかフォリーはまた生きる人形みたいに・・。」
西王が声を出すより先にアレックスが噛みつく。
「やめてよね、ルーカス。縁起でもない。それに元に戻るのなら人形みたいになる理由はないよ。」
「アレックス、お前も元に戻るということは力のコントロールを再確認しなくてはならないぞ?少なくとも今のお前は転移するのもかなり疲れるはずだ。元に戻るということは、力加減確認しなくてはならない。今のお前なら大きな力もコントロールできるだろうがな。」
西王が真剣な表情で話した。
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