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第二章 光でも闇でもなく
それはプラスかマイナスか
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「何をやってるのですか、この人はもう!」
東の屋敷では別の意味で忙しい事態が起きていた。
王妃がぶち切れ、王は床に体育座りで背中からどよ~んとしたオーラを出している。
間違いなく、必要最低限を次男に説明したはずだった。いや、そこまでは流れは順調だったのだ。
話の終了後小声とはいえ、うっかり「いつ目覚めるか、それだけだな・・・」と呟いてしまったのだ。勿論独り言のつもりで。
しっかりアレックスの耳に届いてしまっていた。
ばれたと同時に皆の動きは早かった。まずジョシュアがアレックスの背後にまわり、母は
落ち着きなさい、ほら、フォリーも疲れていて横になってるということよ
と、聞こえてきた内容に対してまだ一言も言ってない息子をなだめはじめる。しかし、息子の様子が変化してきていることに気付き、母は息子の後方のジョシュアに“今だ、早く”と視線で合図を送る。
ジョシュアが後方からアレックスを気絶させる。
どれかの力が暴れても耐えられる、いや、力を抑え込む専用の特殊部屋のベッドに寝かせる。
トドメに母は痺れの香を焚いた。
そして今に至る。
ブランドンがやっぱり忙しいと呟く。その声に反応して王妃が睨み、申し訳無さそうに謝罪のお辞儀をブランドンがする。
*
フォリーは夢の中を走っていた。助けたくて手を伸ばそうとするが届かず、目の前の人が倒れる。
そこへ『堕ちて来い。』という声が聞こえてくる。
何度か繰り返される場面。
堕ちてたまるもんですか!とその度自分の意識を確認する。
場面は変わる。テオが殺される夢。アレックスが殺される夢。これも何度か繰り返される。
墜ちてたまるもんですか!と、ここでも思う。だが、精神は疲れてくる。
場面が変わる。
どうすれば君を悪夢から助けられる?と、幼いクルーが姿をみせ、その後クルーは今現在の姿に変わり、困ったような顔になる。
これも繰り返される場面。
クルーの姿が出てくると、必ず私は何か忘れてることがあるような気がしてくる。これはちびのフォリーがその記憶を持ってるのだろうか?
*
「悪夢をコントロールする?」
ディランが質問すると、コミヒは首を横にふった。
「いいえ。悪夢をコントロールではないの。悪夢を消す・・・喰らう事ができ、逆に悪夢の力を増やすこともできる。力を持ってる当の本人が忘れてしまってるけど。善にも悪にもなれる力。」
「・・・悪夢に苦しむ人の夢を消せば助けられ、よりひどい悪夢になれば兇器になるということか。」
「王妃様の許可は頂いたわ。これからクルー王子にも説明しなくてはならない。でも、そこにはおそらくルーカスが必要。」
「理解できました。俺はクリスタルを解除する役目をとりあえず終えたので、後ろ髪ひかれはしますが、ルーカスが到着したら一旦国へ戻ります。」
東の屋敷では別の意味で忙しい事態が起きていた。
王妃がぶち切れ、王は床に体育座りで背中からどよ~んとしたオーラを出している。
間違いなく、必要最低限を次男に説明したはずだった。いや、そこまでは流れは順調だったのだ。
話の終了後小声とはいえ、うっかり「いつ目覚めるか、それだけだな・・・」と呟いてしまったのだ。勿論独り言のつもりで。
しっかりアレックスの耳に届いてしまっていた。
ばれたと同時に皆の動きは早かった。まずジョシュアがアレックスの背後にまわり、母は
落ち着きなさい、ほら、フォリーも疲れていて横になってるということよ
と、聞こえてきた内容に対してまだ一言も言ってない息子をなだめはじめる。しかし、息子の様子が変化してきていることに気付き、母は息子の後方のジョシュアに“今だ、早く”と視線で合図を送る。
ジョシュアが後方からアレックスを気絶させる。
どれかの力が暴れても耐えられる、いや、力を抑え込む専用の特殊部屋のベッドに寝かせる。
トドメに母は痺れの香を焚いた。
そして今に至る。
ブランドンがやっぱり忙しいと呟く。その声に反応して王妃が睨み、申し訳無さそうに謝罪のお辞儀をブランドンがする。
*
フォリーは夢の中を走っていた。助けたくて手を伸ばそうとするが届かず、目の前の人が倒れる。
そこへ『堕ちて来い。』という声が聞こえてくる。
何度か繰り返される場面。
堕ちてたまるもんですか!とその度自分の意識を確認する。
場面は変わる。テオが殺される夢。アレックスが殺される夢。これも何度か繰り返される。
墜ちてたまるもんですか!と、ここでも思う。だが、精神は疲れてくる。
場面が変わる。
どうすれば君を悪夢から助けられる?と、幼いクルーが姿をみせ、その後クルーは今現在の姿に変わり、困ったような顔になる。
これも繰り返される場面。
クルーの姿が出てくると、必ず私は何か忘れてることがあるような気がしてくる。これはちびのフォリーがその記憶を持ってるのだろうか?
*
「悪夢をコントロールする?」
ディランが質問すると、コミヒは首を横にふった。
「いいえ。悪夢をコントロールではないの。悪夢を消す・・・喰らう事ができ、逆に悪夢の力を増やすこともできる。力を持ってる当の本人が忘れてしまってるけど。善にも悪にもなれる力。」
「・・・悪夢に苦しむ人の夢を消せば助けられ、よりひどい悪夢になれば兇器になるということか。」
「王妃様の許可は頂いたわ。これからクルー王子にも説明しなくてはならない。でも、そこにはおそらくルーカスが必要。」
「理解できました。俺はクリスタルを解除する役目をとりあえず終えたので、後ろ髪ひかれはしますが、ルーカスが到着したら一旦国へ戻ります。」
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