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第一章
沈黙の森
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翌日
「え?東王家へ?」
クルーが不思議そうに聞いた。
「そう。貴方が娘に質問したいのはわかったわ。でも、娘の話だけではおそらく解決しないの。貴方のお母様は私の文通友達って知ってました?最近連絡がないから忙しいのかしらと思っていたのですが、症状が悪化していたのね。娘の見たものは情報としては必要かもしれない。でも、東王の息子のディラン王子の『ある力』もおそらく必要。力が発動するかは不明だけど。ルーカスが取り次いでくれるから一緒に行ってらっしゃい。」
西の王妃がそう説明をした。優しい顔立ちで、栗色が混ざったような金髪の女性である。ただし、服装が学校の教師みたいだが。
「ああ、これ?私、一応教鞭とってるの。今休みの期間でしょう?色々その間に準備があってね。」
クルーの心の中のツッコミに気付いていたらしい。
「ルーカス、クルー王子とフーリーさんをよろしくね。それからフォルガイアも連れていきなさい。それからアレックスとセステオの様子も見てきてね。」
「あのー、王妃様・・・。」
恐る恐る手をあげながら、側に使えていた侍女長のジュリエッタが声をあげた。
「あら、どうしたの?ジュリエッタ。」
「その、姫様、先程外に出掛けていくご様子が。慌ててジョーンズが追いかけていきました。」
「あら、どこへ出かけちゃったのかしら、お転婆さんは。調子よくないだろうに。それを理由に止めてもどうせ無理だけど。仕方ない、ルーカス、道中でフォリー見かけたら取っ捕まえなさい。」
*
「ようこそクルー王子。最後にお会いした時よりすいぶん大きくなられた。」
玉座の間ではなく、東王も、西王のように待合室に自分からやって来た。
「王、膝。膝です、膝。」
付き添う形で入室した者が東王に小声で話しかける。
「おお、うっかり。失礼した。早朝腰を痛めた料理人の変わりに届いた小麦を運んで、それでだな、この白い粉は。」
と手で粉を払う様子にデジャブを感じ、クルーは
この国って、本当に授業で習った通り、王も一般に紛れ込んてるってことなの?!マジですか。
と呆気に取られていた。隣のフーリーは面白そうに眼をキラキラさせている。
「いや、本当だよ。この粉、小麦粉。」
突っ込みはそこですか?と思った2人。
「それよりダイス、ディランを呼んできてくれ。」
王に言われ、付き添いのダイスがその場を離れた。
数分後金髪、グレーの瞳のディランが姿を見せ、クルーの話と西の王妃の言伝を聞いた。
「何故私の持つ能力が必要かを説明するには、セステオの話もしなくてはなりません。フォリーの話に沿う形で。よろしいのですか?陛下。」
「とりあえずこの件はセステオを関わらせないようにしなければいけないな。」
王はため息をついた。
「発言してもよろしいですか?」
「どうぞ、クルー王子。」
「西にはテオ王子がいたはずです。ですがある時を堺にテオ王子ではなく、東にセステオ王子の存在が。普通に考えても同一人物ですよね?」
「うん、そうだね。」と王。
軽っ・・・
軽すぎて逆に理由聞くのが怖い。やめておこう。
クルーの勘がそう告げた。なぜなら、あの時のルーカスのように目の前のディランから突然冷たいオーラがでていたから。
「ところでルーカス。フォリーは?無事だったの?姿見えないけど。」
ディランの質問にルーカスがなんとも言えない表情になる。
「無事といえば無事だよ。本人が大丈夫アピールした。作り笑いだったけどな。俺を騙すのはまだまだ早い。姿が見えないのは寝込んでるわけではなくて、どこかへジョーンズ連れて出掛けたようだ。」
「連絡すればいいのに。」
「したよ。珍しく無視しやがった。居場所は探知した。どうせ探知されたのも本人わかってる。」
*
「ちょっと待って、ルーカス。フォリーがここに居るだって?」
東の城の近くの森の入り口でディランが言った。
「ああ。しかもあまり移動してないみたいだ。」
ディランが少し集中すると、確かに気配を感じる。
「よりにもよって『沈黙の森』だなんて。フォリーが生きる人形のようになった場所だぞ。アレックスが意識を失い、テオがあんなことになった場所。何故?」
「今だからだろ。隣国の王妃を回復させるためにはここに寄って、記憶を再確認しようとしたかと思うけど。どのみち、隣国のクリスタル状のものを何とかするのならばディランだって関係者だよ。」
ディランは難しい顔になる。あの時どうやって力を使ったのかわからない。わからないのに自分は同じことがまたやれるのか自信はない。
「とりあえず中に入ろう。」
ルーカスの言葉に反応してディランが歩き出すと、フーリーが慌てて話しかけた。
「ちょっ…ちょっと待って下さい!」
「「何?」」
2人は同時に返事をする。
「何?じゃないでしょう、何?って!アレが目に入らないんですか?気付いてますよね?!それこそ何普通に通り過ぎようとされてるんです?!」
「確かにねぇ、アレは気になる。」
クルーが呟いた。
入り口の右隅に気絶してるのか寝てるのかよくわからない状態の男が木を背もたれにし、地面に座っていた。縄の変わりに植物のツルのようなもので縛られている。その体には大きめのメモが貼り付けられていた。
〘この人、痴漢、変態です。〙
「多分これやったのフォリーだし。」とルーカスが呟くと
「うん、フォリーだね。」とディランが呟いた。
「姫が?もしそうなら姫に危険があったということではないのですか?」
「まぁ、フォリーの顔を見たことがないやつだろうな。知ってたら王家のものに痴漢しようとしないだろう。流れてきた者かな。このツル、フォリーの魔法で強化されてるから縄同様に強度はある。」
ディランがそう言うとルーカスが少し眉間にシワをよせて呟いた。
「痛かっただろうな、こいつ。多分、これでまずは変なことする戦闘意欲は失せたんだろう。その後は手刀でおそらくジョーンズが気絶させてんだろうなぁ。」
「痛かった?意欲が失せた?」
クルーが聞き返す。
「フォリーの足跡が着いてる。そこに。」
目を向けると、男のズボンの股の辺にしっかり女の足跡が着いていた。
「うわー・・・・・撃退か。」
「放っておこうよ、ルーカス。巡回の警備員がそのうち来る時間だろ。そのまま見つけて回収してくれるよ。」
クルーとフーリーはフォルガイアの可憐なイメージから撃退する動きが想像出来なかった。身を守る方法を学んでいることについては驚かないが。
「ところで、ルーカス。堅っ苦しいからそろそろ態度崩そうよ。だってこの件、短期間で終わるとは思えないし、より知り合うのはいい機会だよ?」
「そうだな。クルー王子、今後はクルーって、呼んでもいいかな?年齢も近いし、隣国に友人が増えるのは嬉しいのだけど。」
数日前、あれだけ怖い顔したルーカスからの、気が抜けるかのような突然の申し出にクルーは一瞬固まった。
*
「げっ・・・!」
見た瞬間声を出したのはルーカスだった。
4人は森の中の湖の方へ進んでいた。
そこへ火を炊き、捕まえたと思われる魚を焼きながら、ウジウジと暗いオーラを出して体育座りしているフォリーがいた。
「ちょっとフォリー、怖いんだけど。オバケかと思っちゃうよ。」
ディランが声をかける。
その声に振り返り、ジーッとディランを見つめる。
「こわい、こわい、怖いってば。」
「・・・だって、道を聞いてきた人がいきなり抱きついてきたのよ。そしてこんなか弱そうな娘ならチョロいって言われたの。虫ケラを潰す位チョロいって。私、そんなにチョロいの?」
つまり、襲われて気持ち悪いとかではなく、チョロいと言われたことが心外だったということですか?チョロいより変なちょっかいを出されたほうが問題かと思うのですが。と、男性陣が心の中で突っ込みを入れてる時にガサガサと音が聞こえてきた。
「ああ、皆様来られましたか。」
ジョーンズが何かを抱えながら姿を見せた。
「ちょっと待て、ジョーンズ。お前今度は何を抱えてきた・・・。」
ルーカスがドン引きしながら質問した。
「いや、何、湖来たら鳴き声が聞こえまして。どうやら母鳥が死んだようで、側にこの子が。」
ジョーンズが抱えていたのはモーセという名の若鶏。モーセは怪鳥の類いで、大きい。育て方で人に懐く。
「いや、あのねジョーンズ。お前がそうやって何かを拾ってくるの何度目?うちを動物園にでもする気?」
「大抵の子たちは育ったら野生に帰ってるではありませんか。」
「いや、暇があれば遊びに戻ってきてるだろうがあいつら。」
ルーカスとジョーンズが言い合ってる間に魚が焼けた。フォリーが手招きをし、2人以外は黙々と魚を食べていた。2人が我に返った時には焼けた魚達の姿は骨だけになっていた。
「さて、行きましょうか。」
フォリーが森の奥を見つめる。
森は以前と変わらず相変わらず静かだった。
沈黙の森。例えば金属を鳴らしても音が遠くへ響かない不思議な空間を抱えた森。まるで防音されたかのような太古からの森。
「え?東王家へ?」
クルーが不思議そうに聞いた。
「そう。貴方が娘に質問したいのはわかったわ。でも、娘の話だけではおそらく解決しないの。貴方のお母様は私の文通友達って知ってました?最近連絡がないから忙しいのかしらと思っていたのですが、症状が悪化していたのね。娘の見たものは情報としては必要かもしれない。でも、東王の息子のディラン王子の『ある力』もおそらく必要。力が発動するかは不明だけど。ルーカスが取り次いでくれるから一緒に行ってらっしゃい。」
西の王妃がそう説明をした。優しい顔立ちで、栗色が混ざったような金髪の女性である。ただし、服装が学校の教師みたいだが。
「ああ、これ?私、一応教鞭とってるの。今休みの期間でしょう?色々その間に準備があってね。」
クルーの心の中のツッコミに気付いていたらしい。
「ルーカス、クルー王子とフーリーさんをよろしくね。それからフォルガイアも連れていきなさい。それからアレックスとセステオの様子も見てきてね。」
「あのー、王妃様・・・。」
恐る恐る手をあげながら、側に使えていた侍女長のジュリエッタが声をあげた。
「あら、どうしたの?ジュリエッタ。」
「その、姫様、先程外に出掛けていくご様子が。慌ててジョーンズが追いかけていきました。」
「あら、どこへ出かけちゃったのかしら、お転婆さんは。調子よくないだろうに。それを理由に止めてもどうせ無理だけど。仕方ない、ルーカス、道中でフォリー見かけたら取っ捕まえなさい。」
*
「ようこそクルー王子。最後にお会いした時よりすいぶん大きくなられた。」
玉座の間ではなく、東王も、西王のように待合室に自分からやって来た。
「王、膝。膝です、膝。」
付き添う形で入室した者が東王に小声で話しかける。
「おお、うっかり。失礼した。早朝腰を痛めた料理人の変わりに届いた小麦を運んで、それでだな、この白い粉は。」
と手で粉を払う様子にデジャブを感じ、クルーは
この国って、本当に授業で習った通り、王も一般に紛れ込んてるってことなの?!マジですか。
と呆気に取られていた。隣のフーリーは面白そうに眼をキラキラさせている。
「いや、本当だよ。この粉、小麦粉。」
突っ込みはそこですか?と思った2人。
「それよりダイス、ディランを呼んできてくれ。」
王に言われ、付き添いのダイスがその場を離れた。
数分後金髪、グレーの瞳のディランが姿を見せ、クルーの話と西の王妃の言伝を聞いた。
「何故私の持つ能力が必要かを説明するには、セステオの話もしなくてはなりません。フォリーの話に沿う形で。よろしいのですか?陛下。」
「とりあえずこの件はセステオを関わらせないようにしなければいけないな。」
王はため息をついた。
「発言してもよろしいですか?」
「どうぞ、クルー王子。」
「西にはテオ王子がいたはずです。ですがある時を堺にテオ王子ではなく、東にセステオ王子の存在が。普通に考えても同一人物ですよね?」
「うん、そうだね。」と王。
軽っ・・・
軽すぎて逆に理由聞くのが怖い。やめておこう。
クルーの勘がそう告げた。なぜなら、あの時のルーカスのように目の前のディランから突然冷たいオーラがでていたから。
「ところでルーカス。フォリーは?無事だったの?姿見えないけど。」
ディランの質問にルーカスがなんとも言えない表情になる。
「無事といえば無事だよ。本人が大丈夫アピールした。作り笑いだったけどな。俺を騙すのはまだまだ早い。姿が見えないのは寝込んでるわけではなくて、どこかへジョーンズ連れて出掛けたようだ。」
「連絡すればいいのに。」
「したよ。珍しく無視しやがった。居場所は探知した。どうせ探知されたのも本人わかってる。」
*
「ちょっと待って、ルーカス。フォリーがここに居るだって?」
東の城の近くの森の入り口でディランが言った。
「ああ。しかもあまり移動してないみたいだ。」
ディランが少し集中すると、確かに気配を感じる。
「よりにもよって『沈黙の森』だなんて。フォリーが生きる人形のようになった場所だぞ。アレックスが意識を失い、テオがあんなことになった場所。何故?」
「今だからだろ。隣国の王妃を回復させるためにはここに寄って、記憶を再確認しようとしたかと思うけど。どのみち、隣国のクリスタル状のものを何とかするのならばディランだって関係者だよ。」
ディランは難しい顔になる。あの時どうやって力を使ったのかわからない。わからないのに自分は同じことがまたやれるのか自信はない。
「とりあえず中に入ろう。」
ルーカスの言葉に反応してディランが歩き出すと、フーリーが慌てて話しかけた。
「ちょっ…ちょっと待って下さい!」
「「何?」」
2人は同時に返事をする。
「何?じゃないでしょう、何?って!アレが目に入らないんですか?気付いてますよね?!それこそ何普通に通り過ぎようとされてるんです?!」
「確かにねぇ、アレは気になる。」
クルーが呟いた。
入り口の右隅に気絶してるのか寝てるのかよくわからない状態の男が木を背もたれにし、地面に座っていた。縄の変わりに植物のツルのようなもので縛られている。その体には大きめのメモが貼り付けられていた。
〘この人、痴漢、変態です。〙
「多分これやったのフォリーだし。」とルーカスが呟くと
「うん、フォリーだね。」とディランが呟いた。
「姫が?もしそうなら姫に危険があったということではないのですか?」
「まぁ、フォリーの顔を見たことがないやつだろうな。知ってたら王家のものに痴漢しようとしないだろう。流れてきた者かな。このツル、フォリーの魔法で強化されてるから縄同様に強度はある。」
ディランがそう言うとルーカスが少し眉間にシワをよせて呟いた。
「痛かっただろうな、こいつ。多分、これでまずは変なことする戦闘意欲は失せたんだろう。その後は手刀でおそらくジョーンズが気絶させてんだろうなぁ。」
「痛かった?意欲が失せた?」
クルーが聞き返す。
「フォリーの足跡が着いてる。そこに。」
目を向けると、男のズボンの股の辺にしっかり女の足跡が着いていた。
「うわー・・・・・撃退か。」
「放っておこうよ、ルーカス。巡回の警備員がそのうち来る時間だろ。そのまま見つけて回収してくれるよ。」
クルーとフーリーはフォルガイアの可憐なイメージから撃退する動きが想像出来なかった。身を守る方法を学んでいることについては驚かないが。
「ところで、ルーカス。堅っ苦しいからそろそろ態度崩そうよ。だってこの件、短期間で終わるとは思えないし、より知り合うのはいい機会だよ?」
「そうだな。クルー王子、今後はクルーって、呼んでもいいかな?年齢も近いし、隣国に友人が増えるのは嬉しいのだけど。」
数日前、あれだけ怖い顔したルーカスからの、気が抜けるかのような突然の申し出にクルーは一瞬固まった。
*
「げっ・・・!」
見た瞬間声を出したのはルーカスだった。
4人は森の中の湖の方へ進んでいた。
そこへ火を炊き、捕まえたと思われる魚を焼きながら、ウジウジと暗いオーラを出して体育座りしているフォリーがいた。
「ちょっとフォリー、怖いんだけど。オバケかと思っちゃうよ。」
ディランが声をかける。
その声に振り返り、ジーッとディランを見つめる。
「こわい、こわい、怖いってば。」
「・・・だって、道を聞いてきた人がいきなり抱きついてきたのよ。そしてこんなか弱そうな娘ならチョロいって言われたの。虫ケラを潰す位チョロいって。私、そんなにチョロいの?」
つまり、襲われて気持ち悪いとかではなく、チョロいと言われたことが心外だったということですか?チョロいより変なちょっかいを出されたほうが問題かと思うのですが。と、男性陣が心の中で突っ込みを入れてる時にガサガサと音が聞こえてきた。
「ああ、皆様来られましたか。」
ジョーンズが何かを抱えながら姿を見せた。
「ちょっと待て、ジョーンズ。お前今度は何を抱えてきた・・・。」
ルーカスがドン引きしながら質問した。
「いや、何、湖来たら鳴き声が聞こえまして。どうやら母鳥が死んだようで、側にこの子が。」
ジョーンズが抱えていたのはモーセという名の若鶏。モーセは怪鳥の類いで、大きい。育て方で人に懐く。
「いや、あのねジョーンズ。お前がそうやって何かを拾ってくるの何度目?うちを動物園にでもする気?」
「大抵の子たちは育ったら野生に帰ってるではありませんか。」
「いや、暇があれば遊びに戻ってきてるだろうがあいつら。」
ルーカスとジョーンズが言い合ってる間に魚が焼けた。フォリーが手招きをし、2人以外は黙々と魚を食べていた。2人が我に返った時には焼けた魚達の姿は骨だけになっていた。
「さて、行きましょうか。」
フォリーが森の奥を見つめる。
森は以前と変わらず相変わらず静かだった。
沈黙の森。例えば金属を鳴らしても音が遠くへ響かない不思議な空間を抱えた森。まるで防音されたかのような太古からの森。
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