どうか僕のことを、忘れて

あか

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飛び出す

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どれくらい、そんな日々を続けていただろうか。
部屋の中の授業でも、気が付けば意識を失うことが多くなった気がする。
当てられた時は、無意識に書いてたノートを見ながら答えれば何とかなったけど、先生の顔がますます固くなっていった、気がした。

「最近調子悪いじゃん!先生の話を聞くのも面倒になったのか?」

横からうるさい声がする。そう言えば、前からキャンキャン僕に話しかけてくる子供がいた気がする。僕より少し背が高くて、金髪で色黒の子が、口元を歪めながら話しかけてくる。

「魔法だけはテンでダメだもんな、お前!他のことは出来るのに、残念なやつ!」

僕のことに突っかかっるソレは、前からあったけど。今日に限っては、どうにも流せそうになかった。
これ以上聞いたら、手が出てしまいそうになる。だから、早くその子から離れようとして、その前に耳に入ってしまった。


「お前、そんなんだからいつもひとりぼっちなんだよ。寂しいやつ!可哀想なやつ!!」



気付けば、彼を思いっきり突き飛ばしていて。
大きな音がした気がする。
周りも、騒がしくなった気がする。

でも、いいんだ。
もう、どうでもいい。

気が付けば、僕は部屋から飛び出していた。


建物の外には、森があった。
その森は、おじさんと一緒に住んでいた場所に似ている気がした。


走って、走って、どのくらいだろうか。

気付けば、どこから来たのか分からないぐらい、周りには木しか生えてなかった。
それでいいと思った。

帰る場所なんてとっくにない僕にもう、どこにも行けるところはないんだから。


遠くから、誰かが誰かを呼ぶ声がした。
けれど、きっとそれは。
僕じゃなくて、他の誰かなんだろう。




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