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最終話
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自分の腕の中、疲れ果てて寝ている真に顔中に、直樹は何度もキスを落とした。
かわいい真。
やっと全部手に入れた。
汗のせいで顔に張り付いた柔らかい真の髪を、直樹は優しく手で梳いてやった。
「ん……なお……き、く……」
すーすーという寝息の合間に真が漏らしたその寝言に、夢の中でも自分と一緒にいるのかと、直樹の胸が喜びで温かくなる。
「好きだよ、マコ。世界一好きだ。愛してる。それにしても……」
セックスの時の真のあまりの乱れ様に、つい苦笑せずにはいられない。
どうやら、あまりに小さな頃から性の喜びを知ってしまうと、かなりの淫乱体質になってしまうらしい。
まあいいか、と直樹は思う。
恋人が自分にだけ淫乱なことは、男として喜ばしいことである。これから更なる快楽を教え込んで、もっともっと淫らでいやらしく真の身体を育てていくつもりだった。
勿論、肉体だけではなく精神的にも、もっと自分に依存させ、もっと自分だけに執着するようコントロールしていくつもりである。
そのために、直樹は大学で心理学を学ぶことにしたのだ。
今後、なにがあっても真が他の人間を好きにならないように。直樹だけを好きでい続けるように、真に気付かれることなく完全に精神を支配する術を学ぶために、直樹は大学へ行くのだ。
「マコ、一生俺のものだ」
真が目を覚ましたら、まずはなんて言おう。
やはり最初は謝罪するべきだろう。
ごめんな、マコ。まだ小学生のマコに、あんなひどいことをして。
許してくれ。そして、できれば誰にも内緒にして欲しい。
こう言えば、きっと真は喜ぶだろう。
自分の計画通りに事が進んでいると思い、直樹を自分に縛り付けることができると思い、ほくそ笑むことだろう。
だから、次は真剣な表情でこう言ってやるのだ。
「でもマコを抱いたことは後悔していない。だって、心から愛しているから。そのままのマコが好きだ。ずっと傍にいて欲しい」
真は涙を流して感激するだろう。
そして、直樹のことをもっともっと好きになる。
幼い頃、寂しく辛い時に親からその苦しさに気付いてもらえなかった真は、包容力があり、頼りになる年上の人間を無意識に求めてしまう。そういう人に自分を守ってもらいたい、ずっと一緒にいてもらいたいと願っている。
だから、言ってやるのだ。
一緒にいて欲しいと。なにがあっても傍にいて欲しいと。
真の欲しい言葉を、逆にこちらから請いねだってやるのだ。
その言葉の持つ麻薬のような心地良さと中毒性から、真は絶対に逃れられない。
真が欲しがるものは、今後、どんなものでも自分の手で与えてやろうと直樹は思っている。そして、直樹と一緒にいなければ自分は幸せになれないと、そう信じ込むように上手に躾けていくつもりだ。
とりあえず。
真の小学校の卒業式まで、あと一週間ばかり。
卒業してしまえば、一日中一緒にいられる。
そうなったら、真の母親の許可をもらって、色々なところに遊びに連れて行こう。博物館に水族館、遊園地に動物園、映画もいいし、スケートリンクに行くのもいい。
自分にできることなら、どんなことでも真にしてやりたい。楽しませてやりたい。
そして、これまで以上に肉体的快楽も与えるつもりでいる。
男同士のセックスは挿入される側に肉体的な負担が多い。だから、毎日抱いてやるわけにはいかないけれど、その分、他の手段を用いて喜ばせてやればいい。
十八才を過ぎ、高校を卒業した直樹には、大人の玩具の購入も可能になっている。色々な種類のものをたくさん買って、それを使って真を喜ばせようと思う。そのためにも、今後はアルバイトにも励まなければならない。
大学への通学にこれまで以上に時間を使うし、アルバイトもするとなれば真と会える時間はかなり減る。真は寂しがるだろうが、そうやって会えない時間がまた、真を自分に執着させることを考えると、それはそれで悪くないと直樹は思った。
ふふ、とつい直樹がほくそ笑んでいると、眠っていた真が目を覚ましたらしく、ゆっくりと瞼が開いた。
「ん……あれ、直樹くん……?」
「マコ、良かった。やっと目を覚ましたな」
「あれ、僕……?」
「ごめんな、マコ。まだ小さいマコに、あんなひどいことをして。許してくれ。そして、できれば誰にも内緒にして欲しい」
心から申し訳なさそうな顔で直樹がそう言うと、真は輝くような笑顔で直樹に抱きついた。
「だったら、ひどいことしたった思うなら、責任取って僕とずっと一緒にいてよ」
「…………」
「直樹くん?」
笑ってはいけないと思うのに、真がかわいすぎて、直樹はついつい口角があがりそうになってしまうのを手で隠した。
素直でかわいい真。
「ああ、勿論だよ、マコ。責任は取らせてもらうし、俺からもお願いしたい。ずっと俺の傍にいてくれないか」
そう言うと、真は直樹の胸から顔を上げた。感極まったように目を潤ませ、幸せそうに頬を赤く染めている。
「うん、うん、いいよ。ずっと直樹くんと一緒にいてあげる」
「ありがとう、マコ」
かわいくて堪らず、直樹は真にキスをした。
もう一生離さない。なにがあっても逃がさない。
そう思いながら、直樹は真の口内に舌を滑り込ませると、思う存分そこの甘さを貪ったのだった。
end
※いつか気が向いたら、大人になった二人のエロ話を書きたいと思います。
読んで下さってありがとうございました!! m(_ _)m
一旦完結します。
かわいい真。
やっと全部手に入れた。
汗のせいで顔に張り付いた柔らかい真の髪を、直樹は優しく手で梳いてやった。
「ん……なお……き、く……」
すーすーという寝息の合間に真が漏らしたその寝言に、夢の中でも自分と一緒にいるのかと、直樹の胸が喜びで温かくなる。
「好きだよ、マコ。世界一好きだ。愛してる。それにしても……」
セックスの時の真のあまりの乱れ様に、つい苦笑せずにはいられない。
どうやら、あまりに小さな頃から性の喜びを知ってしまうと、かなりの淫乱体質になってしまうらしい。
まあいいか、と直樹は思う。
恋人が自分にだけ淫乱なことは、男として喜ばしいことである。これから更なる快楽を教え込んで、もっともっと淫らでいやらしく真の身体を育てていくつもりだった。
勿論、肉体だけではなく精神的にも、もっと自分に依存させ、もっと自分だけに執着するようコントロールしていくつもりである。
そのために、直樹は大学で心理学を学ぶことにしたのだ。
今後、なにがあっても真が他の人間を好きにならないように。直樹だけを好きでい続けるように、真に気付かれることなく完全に精神を支配する術を学ぶために、直樹は大学へ行くのだ。
「マコ、一生俺のものだ」
真が目を覚ましたら、まずはなんて言おう。
やはり最初は謝罪するべきだろう。
ごめんな、マコ。まだ小学生のマコに、あんなひどいことをして。
許してくれ。そして、できれば誰にも内緒にして欲しい。
こう言えば、きっと真は喜ぶだろう。
自分の計画通りに事が進んでいると思い、直樹を自分に縛り付けることができると思い、ほくそ笑むことだろう。
だから、次は真剣な表情でこう言ってやるのだ。
「でもマコを抱いたことは後悔していない。だって、心から愛しているから。そのままのマコが好きだ。ずっと傍にいて欲しい」
真は涙を流して感激するだろう。
そして、直樹のことをもっともっと好きになる。
幼い頃、寂しく辛い時に親からその苦しさに気付いてもらえなかった真は、包容力があり、頼りになる年上の人間を無意識に求めてしまう。そういう人に自分を守ってもらいたい、ずっと一緒にいてもらいたいと願っている。
だから、言ってやるのだ。
一緒にいて欲しいと。なにがあっても傍にいて欲しいと。
真の欲しい言葉を、逆にこちらから請いねだってやるのだ。
その言葉の持つ麻薬のような心地良さと中毒性から、真は絶対に逃れられない。
真が欲しがるものは、今後、どんなものでも自分の手で与えてやろうと直樹は思っている。そして、直樹と一緒にいなければ自分は幸せになれないと、そう信じ込むように上手に躾けていくつもりだ。
とりあえず。
真の小学校の卒業式まで、あと一週間ばかり。
卒業してしまえば、一日中一緒にいられる。
そうなったら、真の母親の許可をもらって、色々なところに遊びに連れて行こう。博物館に水族館、遊園地に動物園、映画もいいし、スケートリンクに行くのもいい。
自分にできることなら、どんなことでも真にしてやりたい。楽しませてやりたい。
そして、これまで以上に肉体的快楽も与えるつもりでいる。
男同士のセックスは挿入される側に肉体的な負担が多い。だから、毎日抱いてやるわけにはいかないけれど、その分、他の手段を用いて喜ばせてやればいい。
十八才を過ぎ、高校を卒業した直樹には、大人の玩具の購入も可能になっている。色々な種類のものをたくさん買って、それを使って真を喜ばせようと思う。そのためにも、今後はアルバイトにも励まなければならない。
大学への通学にこれまで以上に時間を使うし、アルバイトもするとなれば真と会える時間はかなり減る。真は寂しがるだろうが、そうやって会えない時間がまた、真を自分に執着させることを考えると、それはそれで悪くないと直樹は思った。
ふふ、とつい直樹がほくそ笑んでいると、眠っていた真が目を覚ましたらしく、ゆっくりと瞼が開いた。
「ん……あれ、直樹くん……?」
「マコ、良かった。やっと目を覚ましたな」
「あれ、僕……?」
「ごめんな、マコ。まだ小さいマコに、あんなひどいことをして。許してくれ。そして、できれば誰にも内緒にして欲しい」
心から申し訳なさそうな顔で直樹がそう言うと、真は輝くような笑顔で直樹に抱きついた。
「だったら、ひどいことしたった思うなら、責任取って僕とずっと一緒にいてよ」
「…………」
「直樹くん?」
笑ってはいけないと思うのに、真がかわいすぎて、直樹はついつい口角があがりそうになってしまうのを手で隠した。
素直でかわいい真。
「ああ、勿論だよ、マコ。責任は取らせてもらうし、俺からもお願いしたい。ずっと俺の傍にいてくれないか」
そう言うと、真は直樹の胸から顔を上げた。感極まったように目を潤ませ、幸せそうに頬を赤く染めている。
「うん、うん、いいよ。ずっと直樹くんと一緒にいてあげる」
「ありがとう、マコ」
かわいくて堪らず、直樹は真にキスをした。
もう一生離さない。なにがあっても逃がさない。
そう思いながら、直樹は真の口内に舌を滑り込ませると、思う存分そこの甘さを貪ったのだった。
end
※いつか気が向いたら、大人になった二人のエロ話を書きたいと思います。
読んで下さってありがとうございました!! m(_ _)m
一旦完結します。
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