天使のデリヘル嬢

うずみどり

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天使のデリヘル嬢(後編)

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 身体を洗っていたらシックスナインを始めた愛土達が浴室を占拠したので亮九郎とKは場所を移した。

「あの、見えない方がいいならスカートを穿くから。それとも後ろに挿れるのは嫌?」
 居間で裸を持て余したようにモジモジしたKに訊かれて亮九郎は首を横に振った。

「ヤじゃないけど、本当に入るのか不安だから見せて貰ってもいい?」
「え!?見せるの?」
 吃驚したKを見て、亮九郎はおかしかったかなと首を傾げた。

「い……けど……嫌になったら言って」
 そう言うとKはその場に仰向けに寝て、膝裏を自分で抱えて後孔を白熱灯の下に曝した。

「赤ちゃんみたいな恰好だね」
「言わないでよ……」
 好きでしてるんじゃないもん、と言い訳をしたKの赤い蕾に亮九郎がそっと指先を当てた。

「ここ、触っていいの?」
「ん……洗ってきたから」
 自分の為にキレイにしてきたのだ、と聞いて亮九郎はKがとても愛しくなった。女の子よりもずっと可愛いと思った。
 からかうようにそこを爪先でくすぐってからつぷりと指を沈めた。柔らかな蕾はつぷつぷと指を飲み込んでナカの複雑な襞が絡んだ。

「ゆび……長いね」
「ごめん、奥まで挿れ過ぎちゃった?」
「平気。そのまま抜き差しして」
 亮九郎はKに言われるままに指を動かしてみた。指を出し入れする度にくちゅくちゅと音が立って、濡れたナカからとろりとしたものが溢れてきた。

「ナカ、凄い濡れてるね」
「ん……ローション、仕込んできたから」
「こんなにぐちゅぐちゅにしていやらしい」
「ん……。ごめんなさい」
 Kは恥ずかしそうに謝り、触れられないのに完勃ちした性器から透明なツユを零した。
 亮九郎は指を二本に増やし、お尻を掻き回されて気持ち良さそうなKの顔をじっくりと眺めた。

「こんなところを弄られて、そんなに気持ちいいの?」
「うん。スーちゃんがいっぱい掻き回してくれるから……気持ちくて、お尻の穴がパクパクしちゃう」
 Kの言葉に亮九郎がごくりと唾を飲み込んだ。

「どうしたら、いい?」
「スーちゃんのを俺に挿れて、穴を拡げて、奥までズコズコ犯して――気持ちいいとこいっぱい擦って」
 両脚を拡げて尻穴を喘がせ、男の起立を欲しがるKは綺麗でいやらしかった。
 亮九郎は男とするのは初めてだったが少しも躊躇わずにKの蕾に勃起したものを付けた。

「挿れるね」
 亮九郎はKの真っ赤な薔薇のように綻んだ蕾が、自分の亀頭を飲み込むところを睨むように見詰めた。
 クプクプと、何度か浅く出し入れしてからゆっくりと肉棒を沈めて行く。

「ん……あ……」
 ゆっくりとされるのがじれったいのか、Kのナカが引き込むように亮九郎の肉に絡み付いた。

「もっとぉ……」
「もっと何?」
「おちんちんを、奥まで下さい」
「けーちゃんは欲張りだね」
 くすりと笑ってから、亮九郎はずぷん、と一息に根元まで押し込んだ。

「んあっ!」
 いやらしい穴をいっぱいにされてKが喘ぐ。
「スーちゃん、お尻、気持ちい……奥まで、来てる……」
「凄い……けぇちゃんのナカ、温かくて気持ちい……」
「もっと、もっと……!」
 Kは自分で尻朶を掴んで左右に開き、亮九郎に奥を強請った。
 全体を包み込むそこが僅かに緩まり、亮九郎は息を一つ吐くと腰を前後に動かし始めた。

「あんっ、あンッ! 擦れるぅ……気持ちいいとこ、当たってる」
 亮九郎はキュンキュンと分身を締め付けられながらKの肉を散らすように抉った。

「ここ、コリコリしてる」
「そこ、前立腺……俺の、いいとこ……」
「こっちは?」
「アンッ、知らな……そんなとこ、知らないぃ……」
 泣きながら腕を伸ばして抱き付いてきたKを亮九郎はしっかりと抱き締めてやる。

「こんなにえっちな身体なのに、知らないの?」
「知らない。スーちゃんが、ハジメテ」
 そんな筈は無いと知っていながら、亮九郎はKの言葉に舞い上がった。

「初めてなら、覚えるまで続けないとね」
「ヤダ、もうおかしくなっちゃぅ……」
「なっていいよ。けったんの無防備なところを俺に見せて」
「だめぇ……」
 Kは首を横に振って嫌がりながらもその感覚から逃げられないようだった。未知の快感に捕まって乱れて行くKが妖しい。まるで咲いた薔薇の花弁が散り落ちるまで開き切るように暴かれる姿が艶やかだった。

「あ゛っ、ぁ……だめ、いや……」
 嫌だ嫌だと言いながら、Kは自分の腹が先走りでびしょびしょになるくらい濡らして身悶えた。

「けーちゃん、この辺……襞の集まってるところを散らすと、ナカが凄い締まる」
「も、イク…………!」
 Kは声も無く後ろで空イキして、痙攣した後ろが勝手に亮九郎の怒張を締め上げた。
「あっ、俺も、イッちゃう……」
 亮九郎が我慢出来ずにKのナカでイッた。構わないからとゴムを付けずにしたので塞き止められる感じが無くて、解放されるような気持ちの良い射精だった。

「けーちゃん、俺の感じてる?」
「ん……とろとろしてる」
 くすん、と笑われて亮九郎の頬が赤く染まった。二発目なのに濃いのを出してしまったようで恥ずかしい。

「じゃあ、ピオと交代するね」
 するりと腕から抜け出そうとしたKを亮九郎は慌てて抱き止めた。

「待って、どうして……?」
「だってどっちも味わいたいでしょ?ピオのナカ、気持ちいいよ?」
「挿れた事あるの?」
「他の子と一緒にね」
 ここにはいないデリヘルの仲間と一緒に戯れているうちにあの人を攻めていた、と聞いて亮九郎の胸に妬心が湧き上がる。

「そっちもしたいの?」
 所謂タチもしたいのかと聞かれてKは首を横に振った。
「んーん、ピオは特別。天使だからね、誰でも包み込んで癒してくれるんだよ」
「それ、俺じゃダメなの?」
「ふぇ?」
 吃驚して変な声をあげたKに、亮九郎が真面目な顔で囁く。

「俺は天使じゃないけど、けーちゃんが癒されるなら何でもするよ?だから俺を君の特別にして欲しい」
「スーちゃん……」
 Kは自分よりも背の高い青年をじっと見詰めた。
 デリヘル嬢に熱を上げる男なら幾らでもいるが、彼は他の人とは違う気がした。

「俺、プライベートでは結構我が儘だよ? 重たいのに上に乗せて眠らせてとか、挿入しないでタマだけマッサージしてとか、耳を噛ませてとか変な癖もあるし……」
「俺はそのくらいじゃ音を上げないけど、耐えられないくらいのお願いをされても一緒にいたいと思う」
「……スーちゃんって、マゾっ気があるよね」
 そう言いつつKは苦笑して、それから気を取り直したように笑った。

「取り敢えず今日はお客さんだから、スーちゃんのしたい事をするよ。何でも言って?」
「このまま……挿れたまま、少し眠ってもいい?」
「いいよ」
 Kは一瞬も躊躇わずに頷いた。そんな事をしたら後がとても辛いのだけど、この大きな青年に甘えられると何でも聞いてやりたくなった。

「あとね、キスをさせて?」
「……うん」
 本当はキスは断っても良い事になっている。だって肛交をしていても唇を許すのは特別だから、どんなに金を積まれてもお断りなのだ。
 Kは顔中に降ってくる口付けに甘ったるい気持ちになりながら心の中でPioに語り掛けた。

(ピオが言った通り、俺にも卒業の時期がやってきたみたい)
 いつか卒業出来るから悩まなくていいんだよ、と憂いを取り除いてくれた優しい同僚の笑顔を思い浮かべた。

(やっぱりピオは本当の天使だったね)
 Kは口腔内に入ってきた舌を吸いながら、心の中で大好きな人にありがとうとさようならを言った。

(あなたにも何か返せる日が来ると良いんだけど)
 Pioの幸せを願いながら、Kは腕の中の愛しい身体をそっと抱き締めたのだった。

 Fin 
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