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94.愛を知るー2(R-18)
しおりを挟む「んぎゃっ!?」
「クッ、このっ!」
背後から忍び寄った神霊が、俺とロクの繋がったところを舐めたのだ。
「やっ、やめっ!」
神霊が焦る俺たちを無視して繋がりを舐め続ける。
俺は慌てて抜こうとしたんだけど、焦って膝をついた体勢から上手く立ち上がれない。
落ち着いて腰を上げて分身だけを抜けば良かったのに、慌てている所為でつい逃げなきゃと思い込んでしまった。
気ばかり焦ってロクの胸にグイグイ頭を押し付ける俺の尻は無防備で、ロクを飲み込んだまま間をザリザリと神霊に舐められている。
「んんっ、なにこれぇ……」
尾骶骨の下の皮膚の薄いところと鱗を舐められて心許ない気持ちになる。
俺は力が抜けてしまって、ぺたりとロクの上に倒れ込んだ。
「チヤ、ここは――」
ロクが俺の状態を確かめる為に繋がった場所を指で触り、それから自分の外周やら鱗の周りをやたらと執拗な手付きで弄り始めた。
「ちょ、ロクッ! なにやってんだよ!」
俺は先が読めなくてドキドキして、ロクのを既に挿れてんのに周りを刺激されるとパクパクと穴が疼いちゃって、我ながら欲深さと浅ましさに恥じ入るばかりだ。
「チヤ、少しだけ……ほんの、少しだから」
ロクが珍しく弁解するような口調で言い、神霊が舐めている横から指を押し付けるようにしてナカに潜り込ませた。
「ヒッ!」
交尾中の穴の中を触られ、俺の全身の毛が逆立った。
身体がガクガクと震え、未知の感覚に怯えているのにお風呂に入った時みたいに吐息がこぼれ、緩んだ奥からどぷっと蜜が溢れてしまう。
『甘露だ』
神霊が感心したようにそう言い、ゴロゴロと喉を鳴らして俺の背中に擦り寄った。
ロクも感極まったように俺の顔中にキスを降らせて愛してると言った。
「愛してる。私の半身」
「ん……俺も……俺も、愛してる」
もうこのままドロドロに溶けてしまいたい。
ロクと一つになって混じり合いたい。
こんなにも愛せるのはきっとこいつだけだ。こいつだけでいい。他には何もいらない。
「ロク……好きだよ」
囁いたら胸の真ん中が光った。
暖かな光が溢れ、俺は自分が愛を――その欠片だけでも手に入れたことを知る。
『ドラゴンハートだ!』
神霊が叫んだがどうでもいい。
俺に竜の心臓が宿ったって、人外になったってそんなことはどうでもいい。
だって俺は今、とても幸せなんだ。
「ロク、したいことは全部シていいよ?」
そう言ったらロクの指がロクでいっぱいの俺のナカに深く入ってきて、熱くてヌメる襞を撫でた。
「ヒッ、ひぁああああああっ!」
俺は身体をガクガクと痙攣させて恥も外聞もなく叫んだ。
ちょっともう、何をされてるのかわからない。
「いぐっ! いぐっ、やっ、あ゛ぁ゛ぁ゛っ!」
激しく潮を噴いて撒き散らし、ぐっしょりと濡れた身体からは甘い匂いがプンプンと立ち昇っている。
天界でしか手に入らない筈の甘露が俺の身体から出ていて、それがロク一人を潤す為だと思うと恥ずかしいけど嬉しい。
「ろくっ、ろくぅ……」
「はぁっ、はぁっ……なんて柔らかいんだ……」
ロクもテンパってちょっとおかしくなってる気がする。
分身を擦り立てた方が気持ちがいいだろうに、夢中になって俺のナカを触っている。
(やっぱりこいつは変態さんだぁぁぁ……)
俺はロクの手で干からびるくらい射精させられたあと、奴をナカに入れたまま意識を失った。
まさかロクがそのまま寝るとは思わなくて、気が付いたら尻にまだロクのが嵌っていて目が覚めた途端にゾクゾクとしたものが背中を駆け上がった。
「ヒィイイイイッ!」
(酷い! 幾ら神薬があるからって、入れっぱなしとか信じらんない!)
「チヤ、休憩はもう良いのか?」
「はぁあああ!?」
(休憩? 何を言ってんだ?)
俺は当然、全ての工程を終えたと思って最後までやり遂げた自分を称賛していたのに、休憩?
「心配するな。少しくらい休んでもきっと間に合う」
「あの、まさか獣神がくるまでするつもりじゃないよね?」
「何を言っているんだ」
ロクがおかしそうに笑ったので俺もつられたように笑い、そうだよね、良かった……と胸を撫で下ろした。
なのにロクは笑顔のままとんでもないことを言った。
「いつ来るかわからない獣神が来るまでする筈がないだろう? 儀式は三日三晩で終わる」
「……え?」
「飲まず食わずであと二日。しかしチヤから甘露が出ているので問題ない」
(問題あるよっ! ありまくりだよっ!)
俺は断固として反対しようとしたんだけど、後ろに入ったままのロクが身動ぎをした途端に意識を持っていかれる。
「チヤ……チヤ」
穿たれたまま背中に口付けられ、熱烈に名前を呼ばれて嬉しくない訳がない。
でも、俺の体力は一般人より少しマシって程度なんだよっ!
もう気持ちよくなりたくないし、尻からも抜いて欲しいんだよっ!
「ロクッ!」
「チヤ、愛してる」
興奮しきったロクは俺がしんどくて涙を流していることに気付かない。
きっと、儀式をやり遂げなければという思いもあるんだろう。
『お前は涙も甘いな』
神霊が俺の顔をべろりと舐めてそう言い、再び挑んでくる気満々の股間を見て俺は気が遠くなった。
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