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⑭油断大敵!−1
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「タンサンスイってなんだ?」
「炭酸水じゃなくて炭酸泉。俺の世界にはよくある温泉って奴だな」
「オンセン?」
頭の上に?マークをいっぱい浮かべているレオポルトを見て苦笑する。
「つまり、お前の国には聖水が溢れているんだな?」
ロクに訊かれて俺は慎重に頷いた。
「全く同じものかはわからないけど、ナトリウムとかカリウムとか炭酸ガスが含まれていて、適量を飲むと身体に良いって言われている。俺の国では大体が熱湯だから、それを溜めておいて浸かる習慣がある。腰痛とか冷え性なんかに効くんだよ」
「浸かるのか。贅沢だな」
「温泉――あんたたちの言う聖水が豊富に湧いている国なんだ」
「素晴らしい国だな」
確かに、温泉が全部聖水だと考えたら凄いよね。
「あ、こっちの世界では温泉で卵を茹でたり野菜を洗ったりもするんだぜ。温泉の流れ込んだ濠に魚が泳いでいるのを見たこともある」
「それは王族に供されるのか?」
「いやいや、普通のおっちゃん・おばちゃんが食べてるよ」
「凄まじく豊かだな」
「んー、かもね」
この世界にはない甘味も溢れているし、見方によってはとても豊かな国だろう。
そこに獣人も神霊もいないけれど。
「お前の国でその温泉が湧く理由はなんだ?」
「俺も詳しい仕組みはわからないけれど、地面に染み込んだ雨水が地下に溜まって、それが温められて地表に噴き出してくるんだって。蓄えられた水にはミネラルが溶け込んでいるから、人には薬になったり毒になったりする」
物凄くざっくりと適当な説明をした。
だって突っ込まれても俺には答えられないしね。
「つまり、長い年月を掛けて地下に蓄えられた水。自然物なんだな?」
「うん。呪術とか神秘の力とかじゃない」
「そうか。では私たちの参考にもならないな」
落胆するロクに待ったを掛ける。
「いや、そうとばかりも言えない。俺が飲んだ時、ちょっとだけ甘味を感じたんだ。ロクも飲んでみてよ」
俺が手で水を掬って差し出したら、猫のようにべろりと舌を出して舐めた。
ちょっと可愛いと思ったのは内緒だ。
「む……。確かに少し甘いな」
「俺もっ! 俺にも飲ませて!」
シャキッと手を上げたレオポルトを軽く睨む。
「あんたは今まで何処にいたんだ? 話が難しすぎて電源を切っていたの? どうせならその便利なスイッチをずっと切ってなよ」
「イチヤ、早く早く!」
全く人の話を聞かないレオポルトに溜め息を吐いてから聖水を飲ませた。
レオポルトは甘い甘いと大はしゃぎをして、ついでに俺の手をベロベロと舐めた。
それを見たロクがレオポルトに詰め寄る。
「レオポルト、腕を切り落とされたいのか?」
「聖水を舐めただけだって!」
凄んだロクの前でレオポルトがキュンキュンと頭を縮めた。
どうやら地位と権力を抜きにしても、レオポルトはロクに敵わないようだ。
「じゃあ今度は自分たちの手で掬って飲んでみて」
二人が俺の指示に従って飲んでみたが甘くないと言う。
「ん~、やっぱり俺からこう何かエキスが出てるって事?」
「そうだな。聖水が変化したのではなく、単にお前から移っただけだろう」
それでは大量に確保出来ないので意味がない。
「ところで、温泉についてはモリスに報告しても構わないのか?」
「え、全然構わないけど?」
わざわざ断る必要なんて無いのに、と思ったら小さく笑われた。
「聖水が湧く謎を解き明かしたのは結構な大事なんだが、全くわかっていないな」
「解き明かしたって程では……」
「少なくとも呪術ではない、単なる自然現象だと判明した事は大きい」
「そうかな?」
「そうとも」
ロクの宝石みたいな目で見つめられて俺は少し恥ずかしい。
「あのさぁ、ここが空振りだった時のことって考えて無かったんだけど……」
「まずはレオポルトを帰す。それから侯爵領に行って――」
「え? まだ調査は終わってないじゃないか。本命はハヌマーンだろう?」
「ハヌマーン?」
レオポルトの言葉にロクの顔を見上げたら、見事なポーカーフェイスで黙り込んだので騙されるところだったと気付いた。
「ロク、聖なる泉は最初からフェイクだね?」
「フェイクではない。伝説は本当だし、聖水も湧いていただろう」
「でも危険だって言ってたのに、ここはちっとも危険じゃなかった」
「そんな事は――」
「なぁなぁ、早くハヌマーンを探しに行こう」
ちっとも空気を読まないレオポルトが無邪気にそう言った。
今はKY大歓迎だぜ。
「ロク、レオポルトもいる今がチャンスじゃん。城の警備をしているくらいだから強いんだろ?」
「……こいつは一つの命令しか聞けないぞ」
「十分だよ」
きっとGoだけ聞けて、Stopが効かないんだろうけどそこはまぁこっちで何とか考えるしかない。
駄目なら逃げてしまえばいい。
「……ハヌマーンの正体は本体が死んでも残った神霊とか、凶暴化した大猿だとか言われているが誰も確かめた者はいない。ただ大猿は不死の薬を持っていて、薬を振る舞われた人の話が幾つか残っている」
「不死の薬ねぇ……」
もしもそんなものが本当にあるなら、俺よりももっと貴重だし味も気になる。
「ただしハヌマーンは邪悪で、大概の人は出会ったら屠られて餌になってしまう」
「え、食べるの?」
流石に食人は想定していなかった。
俺は一気に腰が引けてしまう。
「多分、柔らかくて美味そうなお前が真っ先に狙われるな」
「ヒィィィ! 俺に硬くて棘の付いた鎧を下さい!」
「馬鹿者。そんなものを身に着けたら動けないだろう」
わかってるよ、言ってみただけだもん。
鋼の鎧なんて付けたら重量で俺は動けなくなる。
「それでも行くか?」
「うぅぅ、行く」
きっと逃げていたってネクタルなんて見つからない。
だったら怖いけど行ってみるしかない。
「イチヤのことは俺が守るからなっ!」
レオポルトのわかりやすいアピールに俺は思わず笑ってしまった。
最初は吃驚したけれど、裏がないってのはある意味で楽だし付き合いやすい。
きっといい友達にならなれると思うんだけど、それには食欲と性欲がネックなんだよね。
「チヤ、余り獣人を甘く見ない方が良いぞ」
俺の心を見透かしたようなロクの忠告に肝が冷える。
甘く見てるつもりはないけれど。
「いつまでも構えてんのとか、苦手なんだよ」
確かに前は敵だった。
でも今は違う。違うんじゃないかって思いたい。
「お前のそういう所が心配だ」
「……」
何故だろう。俺はその言葉に傷付いていた。
心配だと言いつつ責められているような気がしたからだろうか。
それともロクにガッカリされたからだろうか。
「平気だよ」
結局そんな風にしか言えなくて、俺はロクから逃げるようにレオポルトのところへ行った。
「炭酸水じゃなくて炭酸泉。俺の世界にはよくある温泉って奴だな」
「オンセン?」
頭の上に?マークをいっぱい浮かべているレオポルトを見て苦笑する。
「つまり、お前の国には聖水が溢れているんだな?」
ロクに訊かれて俺は慎重に頷いた。
「全く同じものかはわからないけど、ナトリウムとかカリウムとか炭酸ガスが含まれていて、適量を飲むと身体に良いって言われている。俺の国では大体が熱湯だから、それを溜めておいて浸かる習慣がある。腰痛とか冷え性なんかに効くんだよ」
「浸かるのか。贅沢だな」
「温泉――あんたたちの言う聖水が豊富に湧いている国なんだ」
「素晴らしい国だな」
確かに、温泉が全部聖水だと考えたら凄いよね。
「あ、こっちの世界では温泉で卵を茹でたり野菜を洗ったりもするんだぜ。温泉の流れ込んだ濠に魚が泳いでいるのを見たこともある」
「それは王族に供されるのか?」
「いやいや、普通のおっちゃん・おばちゃんが食べてるよ」
「凄まじく豊かだな」
「んー、かもね」
この世界にはない甘味も溢れているし、見方によってはとても豊かな国だろう。
そこに獣人も神霊もいないけれど。
「お前の国でその温泉が湧く理由はなんだ?」
「俺も詳しい仕組みはわからないけれど、地面に染み込んだ雨水が地下に溜まって、それが温められて地表に噴き出してくるんだって。蓄えられた水にはミネラルが溶け込んでいるから、人には薬になったり毒になったりする」
物凄くざっくりと適当な説明をした。
だって突っ込まれても俺には答えられないしね。
「つまり、長い年月を掛けて地下に蓄えられた水。自然物なんだな?」
「うん。呪術とか神秘の力とかじゃない」
「そうか。では私たちの参考にもならないな」
落胆するロクに待ったを掛ける。
「いや、そうとばかりも言えない。俺が飲んだ時、ちょっとだけ甘味を感じたんだ。ロクも飲んでみてよ」
俺が手で水を掬って差し出したら、猫のようにべろりと舌を出して舐めた。
ちょっと可愛いと思ったのは内緒だ。
「む……。確かに少し甘いな」
「俺もっ! 俺にも飲ませて!」
シャキッと手を上げたレオポルトを軽く睨む。
「あんたは今まで何処にいたんだ? 話が難しすぎて電源を切っていたの? どうせならその便利なスイッチをずっと切ってなよ」
「イチヤ、早く早く!」
全く人の話を聞かないレオポルトに溜め息を吐いてから聖水を飲ませた。
レオポルトは甘い甘いと大はしゃぎをして、ついでに俺の手をベロベロと舐めた。
それを見たロクがレオポルトに詰め寄る。
「レオポルト、腕を切り落とされたいのか?」
「聖水を舐めただけだって!」
凄んだロクの前でレオポルトがキュンキュンと頭を縮めた。
どうやら地位と権力を抜きにしても、レオポルトはロクに敵わないようだ。
「じゃあ今度は自分たちの手で掬って飲んでみて」
二人が俺の指示に従って飲んでみたが甘くないと言う。
「ん~、やっぱり俺からこう何かエキスが出てるって事?」
「そうだな。聖水が変化したのではなく、単にお前から移っただけだろう」
それでは大量に確保出来ないので意味がない。
「ところで、温泉についてはモリスに報告しても構わないのか?」
「え、全然構わないけど?」
わざわざ断る必要なんて無いのに、と思ったら小さく笑われた。
「聖水が湧く謎を解き明かしたのは結構な大事なんだが、全くわかっていないな」
「解き明かしたって程では……」
「少なくとも呪術ではない、単なる自然現象だと判明した事は大きい」
「そうかな?」
「そうとも」
ロクの宝石みたいな目で見つめられて俺は少し恥ずかしい。
「あのさぁ、ここが空振りだった時のことって考えて無かったんだけど……」
「まずはレオポルトを帰す。それから侯爵領に行って――」
「え? まだ調査は終わってないじゃないか。本命はハヌマーンだろう?」
「ハヌマーン?」
レオポルトの言葉にロクの顔を見上げたら、見事なポーカーフェイスで黙り込んだので騙されるところだったと気付いた。
「ロク、聖なる泉は最初からフェイクだね?」
「フェイクではない。伝説は本当だし、聖水も湧いていただろう」
「でも危険だって言ってたのに、ここはちっとも危険じゃなかった」
「そんな事は――」
「なぁなぁ、早くハヌマーンを探しに行こう」
ちっとも空気を読まないレオポルトが無邪気にそう言った。
今はKY大歓迎だぜ。
「ロク、レオポルトもいる今がチャンスじゃん。城の警備をしているくらいだから強いんだろ?」
「……こいつは一つの命令しか聞けないぞ」
「十分だよ」
きっとGoだけ聞けて、Stopが効かないんだろうけどそこはまぁこっちで何とか考えるしかない。
駄目なら逃げてしまえばいい。
「……ハヌマーンの正体は本体が死んでも残った神霊とか、凶暴化した大猿だとか言われているが誰も確かめた者はいない。ただ大猿は不死の薬を持っていて、薬を振る舞われた人の話が幾つか残っている」
「不死の薬ねぇ……」
もしもそんなものが本当にあるなら、俺よりももっと貴重だし味も気になる。
「ただしハヌマーンは邪悪で、大概の人は出会ったら屠られて餌になってしまう」
「え、食べるの?」
流石に食人は想定していなかった。
俺は一気に腰が引けてしまう。
「多分、柔らかくて美味そうなお前が真っ先に狙われるな」
「ヒィィィ! 俺に硬くて棘の付いた鎧を下さい!」
「馬鹿者。そんなものを身に着けたら動けないだろう」
わかってるよ、言ってみただけだもん。
鋼の鎧なんて付けたら重量で俺は動けなくなる。
「それでも行くか?」
「うぅぅ、行く」
きっと逃げていたってネクタルなんて見つからない。
だったら怖いけど行ってみるしかない。
「イチヤのことは俺が守るからなっ!」
レオポルトのわかりやすいアピールに俺は思わず笑ってしまった。
最初は吃驚したけれど、裏がないってのはある意味で楽だし付き合いやすい。
きっといい友達にならなれると思うんだけど、それには食欲と性欲がネックなんだよね。
「チヤ、余り獣人を甘く見ない方が良いぞ」
俺の心を見透かしたようなロクの忠告に肝が冷える。
甘く見てるつもりはないけれど。
「いつまでも構えてんのとか、苦手なんだよ」
確かに前は敵だった。
でも今は違う。違うんじゃないかって思いたい。
「お前のそういう所が心配だ」
「……」
何故だろう。俺はその言葉に傷付いていた。
心配だと言いつつ責められているような気がしたからだろうか。
それともロクにガッカリされたからだろうか。
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