【完結】俺の身体の半分は糖分で出来ている!? スイーツ男子の異世界紀行

うずみどり

文字の大きさ
上 下
23 / 194

⑪l'm lovin' it−2(R−18)

しおりを挟む
「……え? ロク?」
 戸惑う俺のぽってりと腫れた蕾に、ロクのしっかりとした指が入ってくる。

「んぅうううっ!」
 ズプズプと指で後孔を犯されて思い切り目を見開いた。
 さっきのヌルヌルと滑るのとは違う、もっとはっきりと力強く肉を突く感覚に戸惑う。

(やだ、なに? お尻ズプズプって、出し入れされてんの怖い。女みたいにされてんの怖い。ロク、ロク、怖いよ)

「ロクっ……やっ! 怖いぃぃ……」
 ズプズプされてんのが怖くて振り返ったら、ロクの切羽詰まった余裕のない表情が見えた。

「チヤ……チヤ。済まない、怖がらせて……済まない」
「ロクぅ……ズプズプ、や」
 俺は現金なもんで、ロクの顔を見たらちょっと余裕を取り戻して甘えるようにそう言ってみた。
 そんな事を言ったらロクが煽られるとわかっていたのに、わざと言ってみた。

「や、か……」
「やだよぅ」
 嫌だと言いつつあんあんと喘いで見せる。
 俺ってば性悪でどうしようもない。

「チヤっ!」
 ロクの指の動きが速くなって、尻孔を性器のように穿たれている俺はドキドキしながら高まっていく快感に乗っかった。
 お尻でイッて見せたらロクは満足する? 俺をもっと鳴かせたいと思う? 自分も……そこに入りたいと思う?

「ロクぅ!」
 俺は深々と入り込んだ指をキュウウウウッ! と力一杯締め付けてイッた。
 これでイかされたのだと指に肉襞を絡み付けた。

「チヤ……」
 ロクの苦しそうな声が聞こえ、ちゅぷっと音を立てて指が引き抜かれた。
 指を抜き取られた俺の穴は赤く綻んで、きっと妖しくテラテラと光っている。

「ロク、ちょっとずつ慣らしたら出来るようになるよ?」
「……何を」
「あんたの砲身。俺に突っ込みたいでしょ?」
「……気の所為だ」
 気まずげなロクが物凄く可愛い。

「実験だよ。前も後ろもあんたが飲んで?」
 それでそのついでに後ろを慣らせばいい。
 性行為は必要ないけど、セットにしたら避けられないよね?
 マッ◯のお子様セットについてくるオマケみたいに、あんたもそれを楽しめば良い。

 俺はロクを身体から堕とそうとしている事に疚しさを感じない訳では無かったけれど、時間がなくて焦っていた。
 俺はいずれ帰るし、そうなったら多分二度と会えない。
 貴族のロクは相応しいお嫁さんを貰うだろうし、よく似た黒豹の子供を作るんだろう。
 それは嫌になるくらい鮮明に想像できる未来だったし、壊すつもりもない。
 ただそこにいられない俺が、少しくらいロクを貰ったっていいだろう?

「あんたしか信用できない。甘い物の嫌いなあんたしか、こんな事を頼めない」
 そう言ったらロクがぐらついた。
 よしあとちょっと。

「ねえ、甘いのを食べて貰ってる時って、俺も凄く甘く感じるって知ってるでしょう? もしかしたらそれが代金なのかも。甘い物好きな俺が甘い物と引き換えに甘い物を貰う。その交換が十分に成立したら帰れるのかも」
「チヤが満足するまでと言うことか?」
「多分」
 俺は睫毛を伏せてそう答えた。
 自分でもそれらしい話だとは思ったけど、所詮は何の根拠もない思い付きに過ぎない。
 こんな話に乗ってくれるとしたら、それは帰れなくなってる俺が可哀想だからだろう。

「わかった。俺がお前の甘いのからだを啜る」
「うん。どれだけ甘くても我慢してね」
「辛くはなれないのか?」
「無茶を言うなよ」
 俺は小さく笑って頭の何処かで冷静に考える。

(俺は恐怖を感じたら無味無臭になる。俺が自分の甘い身体を渡す相手は誰でも良い訳じゃなくて、きっとこの黒豹じゃなければ駄目だった)
 甘ったるいまま最後まで食べて貰えたら神々の恩恵を与える事が出来る。けれど甘い物の嫌いなこの男が何処まで耐えられるのかわからない。

「そう言えば、口を濯がなくてもいいの?」
「何のことだ?」
「甘いのが嫌で、俺に口を食わせた後は濯ぎに行ってたじゃん」
 そう言ったらロクが俺の背中に圧し掛かってきて、首の後ろをざらりと舐めながら言った。

「お前に口の中を舐められた後は、無性に牙を突き立てたくなって疼いた。だから獣のように自分の腕に噛み付いていた。どうせお前を啜れば治るしな」
「ッ!」
 思いもよらなかった告白に頭の中が真っ白になった。
 俺が散々舐め回した牙が疼いていただなんて。その牙を振るいたいと思っていただなんて。

「か、むの……?」
「噛まない。少し牙を立てただけでお前の肌は破れてしまう」
 うなじの上を鼻先でなぞられて身体がガクガクと震えた。
 信用はしているけど無条件に怖い。怖いのに……。

「……勃ってる」
 ロクに指摘されて死にたくなった。
 俺ってばなんでこの状況で股間が盛り上がってる訳!? 

「おかしな奴だな」
 クツクツと笑われながらロクの手で分身を扱きたてられる。

「ちょ、やめっ! そんな事はしなくていいからっ!」
「いいから大人しくしていろ。怖がらせた責任を取ってやる」
 耳元で甘ったるく囁かれ、耳を舐られながらロクの手でイかされた。
 それは甘美だけれど、なんだか物凄く悔しかった。

「いつでもイかせてやるからな」
 ロクはそう言うと、何故かご機嫌で手を洗いに行った。
 俺はさっきまで優勢だったのにと、がっかりしながらベッドに沈み込んだ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい

空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。 孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。 竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。 火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜? いやいや、ないでしょ……。 【お知らせ】2018/2/27 完結しました。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~

兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。 そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。 そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。 あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。 自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。 エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。 お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!? 無自覚両片思いのほっこりBL。 前半~当て馬女の出現 後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話 予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。 サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。 アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。 完結保証! このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。 ※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

処理中です...