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③ラッキースター(馴れ初め話)
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いつもなら煩く付き纏ってくる結城が、休み前なのに珍しく飲みに誘って来ないのを不思議に思って吉良は柴に訳を訊ねた。
「見合い!?」
「二機捜の隊長が結城を気に入ってな。知り合いの娘さんを紹介してきた」
「へぇ~、あいつが見合いねぇ」
警察官ならば見合いも紹介も珍しい事ではないが、まさか結城に話が持ち込まれるとは思っていなかったので吉良は軽く驚いた。
「何を他人事みたいに言ってる。お前だって話はあるんだぞ?」
「いや、俺はいいですよ。忙しくてちゃんと相手を出来そうもないし」
「なに言ってんだ。恋愛と結婚は別だろうが」
「うわ、柴さんからそんな台詞を聞くなんて、意外」
「お前だって、結城に見合いを受けるのも仕事のうちだって言ったそうじゃねぇか」
「え? そんな事を言ったかな」
吉良は身に覚えが無くて首を傾げた。
多分、雑談をしている時に結城がまた好みの女の話を始めて、それを適当にあしらっている内に一般論として言ったのだろう。
「まあ振られるにしたって、見合いさえしておけば紹介者の顔は立ちますからね。これも独身警察官のお務めって奴でしょう」
吉良はどうせ結城が振られるだろうと高を括っていた。
幾ら見た目と顔が良くても言動で台無しだったし、結城の良さが一緒に働いてもいない女に分かるとは思わなかった。
だから見合いが上手く行って、二回目があると聞いて吉良は焦った。
「え? 断られなかったんですか!?」
「それがな、たまたま見合い中に近くで暴れ出した奴がいて、結城がそれを鮮やかに取り押さえたんだと。その姿を見て相手がすっかりのぼせ上っちまったそうだ」
「それはまた、運が良いと言うかなんと言うか……」
一歩間違えれば乱暴だ、危ない仕事だと敬遠されただろうに、格好良いと思ってしまうのは相手が幼いからかそれとも警察官の妻に向いているのか。
「結城の方はどうなんです?」
「さぁな。断らないんだから、満更でもないんだろ」
「へぇ……」
言葉少なに俯いた吉良を見て、柴がバチンと吉良の背中を叩いた。
「いってぇ!」
「お前が直接結城に訊いてみりゃいいだろう! 何を遠慮してるんだ!」
「遠慮してる訳じゃありませんよ」
別に興味も無いし、あっちから言って来ないものをこちらから聞くのもなんだし、とブツブツと口の中で唱える吉良に柴が少し優しい声を出す。
「寂しいか?」
「……まさか。清々しますよ」
「無理すんな。相棒に大事な人が出来たら寂しく思うのは当然だ」
「だから違いますって!」
犬みたいに懐いて付き纏っていた奴が他に尻尾を振ったからといって、寂しく思う理由なんてない。
「そう恥ずかしがるな。刑事の絆って奴はちょっと特殊だからな。誰しも仲間の言動には一喜一憂しちまうもんだ」
(本当にそうなのか?)
吉良は自分の感情に戸惑った。
他人は信用しない。仲間だからって不必要に仲良くなる必要も慣れ合うつもりもない。その自分が結城の事は特別に思っている?
「確かに、俺はあいつを買っています」
自分にはないものを持っている刑事として結城を尊敬しているし、信頼もしている。
隣に並んで走れるのは結城しかいないと思っている。
それでも、見合いを喜ばない理由になんてなるのだろうか。
「一度二人で飲みに行ったらどうだ? じっくりと腹を割って話し合ってみろ」
「……考えておきます」
吉良は随分と迷って、暫く経ってから結城を飲みに誘った。
***
「吉良から飲みに誘ってくれるなんて、雪でも降るんじゃね?」
バーのカウンターではしゃぐ結城を苦笑しながら見つめ、吉良は静かに口を開いた。
「見合い、上手くいってるんだって?」
「あー……うん」
「このまま結婚すんの?」
「ん~、どうだろ? 相手の人次第かな」
まるで他人事のようにそう言った結城に吉良は呆れる。
「なんだそれは。お前には主体性ってものがないのか?」
「シュタイセイ? なにそれ。俺にはそんなもんねぇよ。どうせ、一番欲しいもんは手に入らねぇし」
(一番欲しいもの? こいつにもそんなものがあったのか?)
吉良は結城の事を物欲の薄い男だと思っていた。
靴やサングラスには金を掛けているようだがそんなものはたかが知れているし、派手に遊ぶ訳でも散財する訳でもない。
結城は意外と堅実に慎ましく暮らしていた。
「お前が欲しい物は金じゃ買えない?」
「うん。絶対にムリ」
言い切った結城に吉良は黙って頷いた。
世の中にはどうしたって手に入らないものもある。
それを諦める事も生きて行く上では必要だろう。
「それより吉良はどうなんだよ?」
「どうって?」
「俺を見て羨ましいな~とか、自分も相手が欲しいっ! とか思わないの?」
結城に訊ねられて、吉良は結城の事を全く羨ましいと思っていない事に気付いた。
「俺には結婚願望が無いみたいだな」
「……そうなの? 子供、可愛くない?」
確かに子供は可愛い。懐かれれば悪い気はしない。それでも。
「見てるだけでいいだろ」
「なにそれ。吉良ちゃん欲がなーい」
「ない訳じゃないけど、そっちに働かない」
「ええー? ほんとにぃ?」
「ああ」
(多分、俺は自分一人の事で手一杯な器のちっさい男なんだろう)
吉良はとてもじゃないけれど自分の時間や労力や情熱を仕事以外にまで振り分けられるとは思えない。
仕事と、仕事で組んでいる相棒の世話で手一杯だ。
(ああ、でもこれからは結城の面倒は他の人が見てくれるのか。そうしたら、俺は仕事だけ結城に教えればいい)
「吉良? どうした?」
急に口元を手で覆い隠すように押さえた吉良を見て、結城が声を掛けたが吉良はそれどころじゃない。
結城を誰かと分け合う、と考えたら物凄く気分が悪くなった。
「おい、吉良! まさか一杯で酔ったのかよ!?」
(そうじゃない。酒に酔ったのでも、思い違いでもない。俺はこの男が――)
「結城、悪いけどこれで帰らせてくれ」
「えぇえ? 吉良から誘って来た癖に――」
「悪い」
吉良は結城を振り切るように店を出た。
一人になってちゃんとゆっくりと考えたかった。
吉良は夜の街を当ても無いまま足早に歩きながら考える。
何故結城を独り占めにしたいと思うのか、結城を奪おうとする他人の存在を疎ましく思うのか。
(結城が仕事とセットになっているから、それで俺にとっては重要なだけだ。長時間一緒にいるから、生き死にの瞬間に立ち会う事が多いから、多くの困難を乗り越えた同志として大事に思っているだけだ。それだけで、きっとおかしな事なんかじゃない。一緒にいたって性欲とか情動は感じないし、何かしたいとも思わない。でも……)
「多分、キスをされたら拒まない」
吉良は結城にじっと見つめられて、顔を寄せてくる場面を想像した。
薄い色をした唇が触れ、吉良が口を開くと舌が忍び寄り、濡れた感触が絡み合って目を閉じる。
その途端、ゾクリと背中に走った感覚は畏れと期待に満ちていた。
(ああ、そうか。俺は結城に抱かれたいのかもしれない)
これまで “そっち側” を考えた事がないので気付かなかった。
吉良は結城を抱きたいのではなく、抱かれたいと思っている。
結城に求められ、強請られ、貪り食われたい。
(ハァ……マジかよ)
どう考えたって吉良の願望が叶う事は無い。
結城はノーマルだし、何よりこれから結婚しようとしている。
(俺に出来るのは、結城が上手くいくように応援してやる事だけだよな)
吉良は寧ろ自分の気持ちに気付いた事で焼き餅を抑えられる、醜い嫉妬を見せずに済むと安心した。
柴に見破られた様に、無自覚なまま寂しがったり邪魔をしないで済む。
「気付いて良かった」
吉良はそう呟いて、何処だか分からない場所からタクシーを拾って家に帰った。
***
結城の身の回りに洒落た小物だの花だのが増えた。
吉良は奇跡的に見合い相手と上手くいっているようで良かったと思いつつ、結城の表情が沈んでいる事だけが気になった。
「結城、ちゃんと睡眠時間を取ってるか? デートが楽しくて無理をしてんじゃないか?」
「……楽しい? あー、うん。フワフワした話を聞いてるのは楽しいかな」
吉良は自分から話を振っておいてチクリと胸が痛んだ。
結城が砂糖菓子のような可愛い女の子を好んでいるのは知っている。
「余り色ボケて仕事でミスをすんなよ」
「わかってるよ」
吉良はつい当て擦りのような事を言ってしまったが、結城が仕事に浮ついた気分を持ち込んでいない事はちゃんとわかっていた。
結城の事を恋愛至上主義なんじゃないか、恋をしたら他の全てが疎かになるんじゃないかと思っていたがどうやら違ったらしい。
そして同時に、自分が結城にそういう風に全身全霊で愛されたいと願っていると気付いて暗い気持ちになった。
そんな発想をする自分の事が物凄く気持ち悪い。
「吉良? 苦い物でも食ったような顔をしてどうした?」
「いや、何でもない」
「ああ~、どうせ俺の事を信用してないんでしょ。大丈夫だよ、それより吉良は結婚式で言うことでも考えておいて」
「もうそこまで話が進んだのか……」
虚を突かれて呆然とした表情を晒す吉良に結城が苦笑する。
「まだだけど、柴さんがあっという間だって言うからさ。スピーチは早めに頼んどけって」
「スピーチは、普通はもっと偉い人に頼むもんだ」
「そんなのだりぃよ。だったら結婚式なんてしねぇ」
「そういう訳にはいかないだろう。女性にしたら一世一代の晴れ舞台って奴だろうし」
「だったら結婚自体をやーめーるー」
軽々しくそう言った結城の言葉を聞いて、吉良のコメカミがピクリと動いた。
「お前にとって結婚ってのはその程度のものなのか?」
「そうだよ」
声のトーンを落として訊ねた吉良に、結城があっさりと頷いて二人はちょっと険悪な雰囲気で見つめ合った。
「だったら最初から結婚なんて止めとけ」
「止めない。止める理由がない」
「はっ! 言ってることが滅茶苦茶だな」
「吉良がスピーチしてくれればいいだけだろ? 相棒なんだから、そのくらいしてくれよ」
妙に挑戦的に言われて吉良の中で怒りが込み上げた。
相棒だから何でもしてやる。でも好きだから、スピーチなんてしたくない。
「……出来ない」
「なんで?」
「どうしても。お前の為にスピーチなんてしたくない」
「……ふはっ! 冷てぇの。でもまぁ安心した。吉良が乗り気だったら気持ち悪ぃもんな」
詰めていた息を吐き出すように噴き出して、結城が茶化すように笑った。
結城に落胆されたのかもしれない、と思ったら吉良は胸が苦しくなって言い訳のように呟く。
「祝わないとは言ってない」
「オメデトウって、言ってくれんの?」
「気が早ぇよ。まだプロポーズもしてないんだろ」
「プロポーズ……した事になってるかも」
「はぁ!? なんだそのあやふやな物言いは」
吉良は結城の言葉に俄かに焦る。
結婚の話をしていたって、結城から積極的に動いている訳ではないと安心していたのに。
「だって俺はそんなつもりじゃ無かったんだけど、暖かい家庭を築きたいって言われて、良い夢ですねって答えたら協力して下さいねって言われちゃってさ。暖かい家庭なんて、俺にはどっか遠い国の出来事みたいなんだけどなぁ~」
遠い国。決して身近ではないそのビジョンが、普通の人が普通に手に入れられると思っている幸せが結城の手に入るならば引き留めるべきじゃない。
(ああ、本当にこれでお別れなんだ)
そう思ったら吉良は最後に欲が出た。
「結城。最後に、記念に、キスでもしとく?」
唐突な吉良の言葉に結城が滑稽なくらい慌てた。
「……最後って、別に離れる訳じゃないし。これまで通り吉良とは一緒に仕事して――」
「一緒じゃねぇよ」
「え?」
優しく笑う吉良の瞳に目をまん丸くした結城の顔が映る。
「お前には帰る場所が出来るんだ。もう辛い時に一人で耐えなくていいし、待っていてくれる人の為に今迄みたいな無茶は出来なくなる」
「んな訳ねぇだろ!」
結城が不機嫌そうに唸った。
何だか予想とは違う成り行きに慌てているようにも見える。
「可愛い女の子は和むけど、俺は今までと何も変わんねえ!」
「バカ、女の子って、奥さんになる人をそんな――」
「相棒みたいに語んなよ! 俺のツレは吉良だろ? どんな時でも、隣に並んで走るのは吉良だけだ!」
「……それだけじゃ足りないから、結婚をするんだろ」
「足りない? どうしてっ!」
急に聞き分けの悪くなった結城を見て、吉良はどうしてわからないのだと苛ついた。
「そんなのこっちが訊きてぇよ! お前は仕事だけの人生が嫌になったから結婚しようって思ったんだろうが!?」
「吉良が仕事だって言ったんだろっ!」
「はぁあ? 何を言って――」
「吉良が上司が持ってくる縁談を受けるのも仕事だって言ったから、だから受けたらトントン拍子に進むし、吉良も喜んでくれるし……そうしたら結婚するしかないじゃん!」
結城の泣きそうな顔を見て、吉良は雷に打たれたように理解した。
「お前……もしかして、結婚したくないのか?」
「しなくていいなら、こんなメンドクセーこと誰がするかよっ!」
(……クソッ!)
吉良はやっと思い違いに気付いた。
ずっと自分は結城が望んだ事だからと我慢して、結婚を祝福しようと思っていたけれど、結城はそもそも自分の意思ではなく吉良や周りの人に言われたから結婚をしようとしていた。
仕事だと言われ、家庭を持つのが当たり前だという空気に流され、皆に祝福されて気持ちに水を差さないように、期待を裏切らないように。
「……結城、結婚は止めろ」
「え?」
「お前が幸せになれないなら――どうしてもその人じゃなきゃ駄目だって言うんじゃなきゃ、俺にしとけ」
「吉良?」
吃驚し過ぎて思考の止まった結城を見て、吉良は真剣に告げる。
「俺が、お前を支える。お前の一番になる」
愛とか恋でなくてもいい。結城の一番になれるなら、誰よりも一番近くにいられるなら他には何も望まない。
そう固く決意した吉良に、けれど結城がほろ苦く笑って首を横に振る。
「吉良、ダメだよ」
結城の一言で吉良の心が絶望に染まっていく。
目の前が暗くなり、心が闇に閉ざされていく。
そうかやはり駄目か、と吉良が諦めかけたところで結城が思いも掛けない事を言った。
「だって、一番大事な吉良に、俺は触りたいって思うんだ。傷付けたくないのに、俺は吉良を抱きたいとか滅茶苦茶に啼かせたいって思うんだ。こんなのって酷い裏切りだろ? 気持ち悪ぃだろ?」
だから離れる、と言った結城の胸倉を吉良が掴んで引き寄せた。
「結城、俺はお前を抱きたいとは思わない。でも食ってくれたら、多分、凄く嬉しい」
「えっ? はっ? なに? 言ってること、ムズいよ」
「バカ。俺を抱けって言ってる」
「ッ!」
カッと目を見開いて固まる結城に吉良は自分から口付けた。
誰かのモノになる前に、結城がまだ誰のモノでもない内に最初で最後のキスをしておきたかった。
でも、もしも自分のモノになってくれるなら遠慮なんてしない。一度と言わず、何度でもこちらからしてやる。
吉良に熱心に口付けられ、ちろりと舌で唇の間を舐められて結城が我に返った。
主導権を取り戻すように慌ただしく食らい付いてきた結城を吉良は嬉しいと思う。
長いキスを終えて、吉良は囁くように結城に言った。
「これから謝って歩くのが大変だぞ」
「そんなこと、今は言わないでよ」
「じゃあ明日までは……忘れるか」
「ん。吉良を手に入れたことだけ考えてたい」
「たっぷりと甘やかしてくれ」
そう言って吉良が結城の首に両腕を回したら、蕩けるような唇が降りてきた。
(多分、沢山の人に迷惑を掛ける。何の非も無いのに傷付けてしまう人もいる。それでも)
それでも幸せになろう、と吉良は強く決意した。
自分達が幸せを諦めるのではなく、ちゃんと幸せになって認めて貰おう。
「結城、一緒に暮らそう。結婚の代わりに、ずっと共にいると誓ってくれ」
「……うん。吉良と離れない。永遠に側にいる」
抱き付いて来た結城を抱き締め返しながら、吉良はやっと手に入れたと思った。
本当に欲しいものを、生涯の伴侶を見つけた。
仕事よりも夢中になれるものを見つけた。
(間違ったまま離れないで良かった……)
吉良は自分の幸運に感謝し、天に祈りを捧げた。
END
「見合い!?」
「二機捜の隊長が結城を気に入ってな。知り合いの娘さんを紹介してきた」
「へぇ~、あいつが見合いねぇ」
警察官ならば見合いも紹介も珍しい事ではないが、まさか結城に話が持ち込まれるとは思っていなかったので吉良は軽く驚いた。
「何を他人事みたいに言ってる。お前だって話はあるんだぞ?」
「いや、俺はいいですよ。忙しくてちゃんと相手を出来そうもないし」
「なに言ってんだ。恋愛と結婚は別だろうが」
「うわ、柴さんからそんな台詞を聞くなんて、意外」
「お前だって、結城に見合いを受けるのも仕事のうちだって言ったそうじゃねぇか」
「え? そんな事を言ったかな」
吉良は身に覚えが無くて首を傾げた。
多分、雑談をしている時に結城がまた好みの女の話を始めて、それを適当にあしらっている内に一般論として言ったのだろう。
「まあ振られるにしたって、見合いさえしておけば紹介者の顔は立ちますからね。これも独身警察官のお務めって奴でしょう」
吉良はどうせ結城が振られるだろうと高を括っていた。
幾ら見た目と顔が良くても言動で台無しだったし、結城の良さが一緒に働いてもいない女に分かるとは思わなかった。
だから見合いが上手く行って、二回目があると聞いて吉良は焦った。
「え? 断られなかったんですか!?」
「それがな、たまたま見合い中に近くで暴れ出した奴がいて、結城がそれを鮮やかに取り押さえたんだと。その姿を見て相手がすっかりのぼせ上っちまったそうだ」
「それはまた、運が良いと言うかなんと言うか……」
一歩間違えれば乱暴だ、危ない仕事だと敬遠されただろうに、格好良いと思ってしまうのは相手が幼いからかそれとも警察官の妻に向いているのか。
「結城の方はどうなんです?」
「さぁな。断らないんだから、満更でもないんだろ」
「へぇ……」
言葉少なに俯いた吉良を見て、柴がバチンと吉良の背中を叩いた。
「いってぇ!」
「お前が直接結城に訊いてみりゃいいだろう! 何を遠慮してるんだ!」
「遠慮してる訳じゃありませんよ」
別に興味も無いし、あっちから言って来ないものをこちらから聞くのもなんだし、とブツブツと口の中で唱える吉良に柴が少し優しい声を出す。
「寂しいか?」
「……まさか。清々しますよ」
「無理すんな。相棒に大事な人が出来たら寂しく思うのは当然だ」
「だから違いますって!」
犬みたいに懐いて付き纏っていた奴が他に尻尾を振ったからといって、寂しく思う理由なんてない。
「そう恥ずかしがるな。刑事の絆って奴はちょっと特殊だからな。誰しも仲間の言動には一喜一憂しちまうもんだ」
(本当にそうなのか?)
吉良は自分の感情に戸惑った。
他人は信用しない。仲間だからって不必要に仲良くなる必要も慣れ合うつもりもない。その自分が結城の事は特別に思っている?
「確かに、俺はあいつを買っています」
自分にはないものを持っている刑事として結城を尊敬しているし、信頼もしている。
隣に並んで走れるのは結城しかいないと思っている。
それでも、見合いを喜ばない理由になんてなるのだろうか。
「一度二人で飲みに行ったらどうだ? じっくりと腹を割って話し合ってみろ」
「……考えておきます」
吉良は随分と迷って、暫く経ってから結城を飲みに誘った。
***
「吉良から飲みに誘ってくれるなんて、雪でも降るんじゃね?」
バーのカウンターではしゃぐ結城を苦笑しながら見つめ、吉良は静かに口を開いた。
「見合い、上手くいってるんだって?」
「あー……うん」
「このまま結婚すんの?」
「ん~、どうだろ? 相手の人次第かな」
まるで他人事のようにそう言った結城に吉良は呆れる。
「なんだそれは。お前には主体性ってものがないのか?」
「シュタイセイ? なにそれ。俺にはそんなもんねぇよ。どうせ、一番欲しいもんは手に入らねぇし」
(一番欲しいもの? こいつにもそんなものがあったのか?)
吉良は結城の事を物欲の薄い男だと思っていた。
靴やサングラスには金を掛けているようだがそんなものはたかが知れているし、派手に遊ぶ訳でも散財する訳でもない。
結城は意外と堅実に慎ましく暮らしていた。
「お前が欲しい物は金じゃ買えない?」
「うん。絶対にムリ」
言い切った結城に吉良は黙って頷いた。
世の中にはどうしたって手に入らないものもある。
それを諦める事も生きて行く上では必要だろう。
「それより吉良はどうなんだよ?」
「どうって?」
「俺を見て羨ましいな~とか、自分も相手が欲しいっ! とか思わないの?」
結城に訊ねられて、吉良は結城の事を全く羨ましいと思っていない事に気付いた。
「俺には結婚願望が無いみたいだな」
「……そうなの? 子供、可愛くない?」
確かに子供は可愛い。懐かれれば悪い気はしない。それでも。
「見てるだけでいいだろ」
「なにそれ。吉良ちゃん欲がなーい」
「ない訳じゃないけど、そっちに働かない」
「ええー? ほんとにぃ?」
「ああ」
(多分、俺は自分一人の事で手一杯な器のちっさい男なんだろう)
吉良はとてもじゃないけれど自分の時間や労力や情熱を仕事以外にまで振り分けられるとは思えない。
仕事と、仕事で組んでいる相棒の世話で手一杯だ。
(ああ、でもこれからは結城の面倒は他の人が見てくれるのか。そうしたら、俺は仕事だけ結城に教えればいい)
「吉良? どうした?」
急に口元を手で覆い隠すように押さえた吉良を見て、結城が声を掛けたが吉良はそれどころじゃない。
結城を誰かと分け合う、と考えたら物凄く気分が悪くなった。
「おい、吉良! まさか一杯で酔ったのかよ!?」
(そうじゃない。酒に酔ったのでも、思い違いでもない。俺はこの男が――)
「結城、悪いけどこれで帰らせてくれ」
「えぇえ? 吉良から誘って来た癖に――」
「悪い」
吉良は結城を振り切るように店を出た。
一人になってちゃんとゆっくりと考えたかった。
吉良は夜の街を当ても無いまま足早に歩きながら考える。
何故結城を独り占めにしたいと思うのか、結城を奪おうとする他人の存在を疎ましく思うのか。
(結城が仕事とセットになっているから、それで俺にとっては重要なだけだ。長時間一緒にいるから、生き死にの瞬間に立ち会う事が多いから、多くの困難を乗り越えた同志として大事に思っているだけだ。それだけで、きっとおかしな事なんかじゃない。一緒にいたって性欲とか情動は感じないし、何かしたいとも思わない。でも……)
「多分、キスをされたら拒まない」
吉良は結城にじっと見つめられて、顔を寄せてくる場面を想像した。
薄い色をした唇が触れ、吉良が口を開くと舌が忍び寄り、濡れた感触が絡み合って目を閉じる。
その途端、ゾクリと背中に走った感覚は畏れと期待に満ちていた。
(ああ、そうか。俺は結城に抱かれたいのかもしれない)
これまで “そっち側” を考えた事がないので気付かなかった。
吉良は結城を抱きたいのではなく、抱かれたいと思っている。
結城に求められ、強請られ、貪り食われたい。
(ハァ……マジかよ)
どう考えたって吉良の願望が叶う事は無い。
結城はノーマルだし、何よりこれから結婚しようとしている。
(俺に出来るのは、結城が上手くいくように応援してやる事だけだよな)
吉良は寧ろ自分の気持ちに気付いた事で焼き餅を抑えられる、醜い嫉妬を見せずに済むと安心した。
柴に見破られた様に、無自覚なまま寂しがったり邪魔をしないで済む。
「気付いて良かった」
吉良はそう呟いて、何処だか分からない場所からタクシーを拾って家に帰った。
***
結城の身の回りに洒落た小物だの花だのが増えた。
吉良は奇跡的に見合い相手と上手くいっているようで良かったと思いつつ、結城の表情が沈んでいる事だけが気になった。
「結城、ちゃんと睡眠時間を取ってるか? デートが楽しくて無理をしてんじゃないか?」
「……楽しい? あー、うん。フワフワした話を聞いてるのは楽しいかな」
吉良は自分から話を振っておいてチクリと胸が痛んだ。
結城が砂糖菓子のような可愛い女の子を好んでいるのは知っている。
「余り色ボケて仕事でミスをすんなよ」
「わかってるよ」
吉良はつい当て擦りのような事を言ってしまったが、結城が仕事に浮ついた気分を持ち込んでいない事はちゃんとわかっていた。
結城の事を恋愛至上主義なんじゃないか、恋をしたら他の全てが疎かになるんじゃないかと思っていたがどうやら違ったらしい。
そして同時に、自分が結城にそういう風に全身全霊で愛されたいと願っていると気付いて暗い気持ちになった。
そんな発想をする自分の事が物凄く気持ち悪い。
「吉良? 苦い物でも食ったような顔をしてどうした?」
「いや、何でもない」
「ああ~、どうせ俺の事を信用してないんでしょ。大丈夫だよ、それより吉良は結婚式で言うことでも考えておいて」
「もうそこまで話が進んだのか……」
虚を突かれて呆然とした表情を晒す吉良に結城が苦笑する。
「まだだけど、柴さんがあっという間だって言うからさ。スピーチは早めに頼んどけって」
「スピーチは、普通はもっと偉い人に頼むもんだ」
「そんなのだりぃよ。だったら結婚式なんてしねぇ」
「そういう訳にはいかないだろう。女性にしたら一世一代の晴れ舞台って奴だろうし」
「だったら結婚自体をやーめーるー」
軽々しくそう言った結城の言葉を聞いて、吉良のコメカミがピクリと動いた。
「お前にとって結婚ってのはその程度のものなのか?」
「そうだよ」
声のトーンを落として訊ねた吉良に、結城があっさりと頷いて二人はちょっと険悪な雰囲気で見つめ合った。
「だったら最初から結婚なんて止めとけ」
「止めない。止める理由がない」
「はっ! 言ってることが滅茶苦茶だな」
「吉良がスピーチしてくれればいいだけだろ? 相棒なんだから、そのくらいしてくれよ」
妙に挑戦的に言われて吉良の中で怒りが込み上げた。
相棒だから何でもしてやる。でも好きだから、スピーチなんてしたくない。
「……出来ない」
「なんで?」
「どうしても。お前の為にスピーチなんてしたくない」
「……ふはっ! 冷てぇの。でもまぁ安心した。吉良が乗り気だったら気持ち悪ぃもんな」
詰めていた息を吐き出すように噴き出して、結城が茶化すように笑った。
結城に落胆されたのかもしれない、と思ったら吉良は胸が苦しくなって言い訳のように呟く。
「祝わないとは言ってない」
「オメデトウって、言ってくれんの?」
「気が早ぇよ。まだプロポーズもしてないんだろ」
「プロポーズ……した事になってるかも」
「はぁ!? なんだそのあやふやな物言いは」
吉良は結城の言葉に俄かに焦る。
結婚の話をしていたって、結城から積極的に動いている訳ではないと安心していたのに。
「だって俺はそんなつもりじゃ無かったんだけど、暖かい家庭を築きたいって言われて、良い夢ですねって答えたら協力して下さいねって言われちゃってさ。暖かい家庭なんて、俺にはどっか遠い国の出来事みたいなんだけどなぁ~」
遠い国。決して身近ではないそのビジョンが、普通の人が普通に手に入れられると思っている幸せが結城の手に入るならば引き留めるべきじゃない。
(ああ、本当にこれでお別れなんだ)
そう思ったら吉良は最後に欲が出た。
「結城。最後に、記念に、キスでもしとく?」
唐突な吉良の言葉に結城が滑稽なくらい慌てた。
「……最後って、別に離れる訳じゃないし。これまで通り吉良とは一緒に仕事して――」
「一緒じゃねぇよ」
「え?」
優しく笑う吉良の瞳に目をまん丸くした結城の顔が映る。
「お前には帰る場所が出来るんだ。もう辛い時に一人で耐えなくていいし、待っていてくれる人の為に今迄みたいな無茶は出来なくなる」
「んな訳ねぇだろ!」
結城が不機嫌そうに唸った。
何だか予想とは違う成り行きに慌てているようにも見える。
「可愛い女の子は和むけど、俺は今までと何も変わんねえ!」
「バカ、女の子って、奥さんになる人をそんな――」
「相棒みたいに語んなよ! 俺のツレは吉良だろ? どんな時でも、隣に並んで走るのは吉良だけだ!」
「……それだけじゃ足りないから、結婚をするんだろ」
「足りない? どうしてっ!」
急に聞き分けの悪くなった結城を見て、吉良はどうしてわからないのだと苛ついた。
「そんなのこっちが訊きてぇよ! お前は仕事だけの人生が嫌になったから結婚しようって思ったんだろうが!?」
「吉良が仕事だって言ったんだろっ!」
「はぁあ? 何を言って――」
「吉良が上司が持ってくる縁談を受けるのも仕事だって言ったから、だから受けたらトントン拍子に進むし、吉良も喜んでくれるし……そうしたら結婚するしかないじゃん!」
結城の泣きそうな顔を見て、吉良は雷に打たれたように理解した。
「お前……もしかして、結婚したくないのか?」
「しなくていいなら、こんなメンドクセーこと誰がするかよっ!」
(……クソッ!)
吉良はやっと思い違いに気付いた。
ずっと自分は結城が望んだ事だからと我慢して、結婚を祝福しようと思っていたけれど、結城はそもそも自分の意思ではなく吉良や周りの人に言われたから結婚をしようとしていた。
仕事だと言われ、家庭を持つのが当たり前だという空気に流され、皆に祝福されて気持ちに水を差さないように、期待を裏切らないように。
「……結城、結婚は止めろ」
「え?」
「お前が幸せになれないなら――どうしてもその人じゃなきゃ駄目だって言うんじゃなきゃ、俺にしとけ」
「吉良?」
吃驚し過ぎて思考の止まった結城を見て、吉良は真剣に告げる。
「俺が、お前を支える。お前の一番になる」
愛とか恋でなくてもいい。結城の一番になれるなら、誰よりも一番近くにいられるなら他には何も望まない。
そう固く決意した吉良に、けれど結城がほろ苦く笑って首を横に振る。
「吉良、ダメだよ」
結城の一言で吉良の心が絶望に染まっていく。
目の前が暗くなり、心が闇に閉ざされていく。
そうかやはり駄目か、と吉良が諦めかけたところで結城が思いも掛けない事を言った。
「だって、一番大事な吉良に、俺は触りたいって思うんだ。傷付けたくないのに、俺は吉良を抱きたいとか滅茶苦茶に啼かせたいって思うんだ。こんなのって酷い裏切りだろ? 気持ち悪ぃだろ?」
だから離れる、と言った結城の胸倉を吉良が掴んで引き寄せた。
「結城、俺はお前を抱きたいとは思わない。でも食ってくれたら、多分、凄く嬉しい」
「えっ? はっ? なに? 言ってること、ムズいよ」
「バカ。俺を抱けって言ってる」
「ッ!」
カッと目を見開いて固まる結城に吉良は自分から口付けた。
誰かのモノになる前に、結城がまだ誰のモノでもない内に最初で最後のキスをしておきたかった。
でも、もしも自分のモノになってくれるなら遠慮なんてしない。一度と言わず、何度でもこちらからしてやる。
吉良に熱心に口付けられ、ちろりと舌で唇の間を舐められて結城が我に返った。
主導権を取り戻すように慌ただしく食らい付いてきた結城を吉良は嬉しいと思う。
長いキスを終えて、吉良は囁くように結城に言った。
「これから謝って歩くのが大変だぞ」
「そんなこと、今は言わないでよ」
「じゃあ明日までは……忘れるか」
「ん。吉良を手に入れたことだけ考えてたい」
「たっぷりと甘やかしてくれ」
そう言って吉良が結城の首に両腕を回したら、蕩けるような唇が降りてきた。
(多分、沢山の人に迷惑を掛ける。何の非も無いのに傷付けてしまう人もいる。それでも)
それでも幸せになろう、と吉良は強く決意した。
自分達が幸せを諦めるのではなく、ちゃんと幸せになって認めて貰おう。
「結城、一緒に暮らそう。結婚の代わりに、ずっと共にいると誓ってくれ」
「……うん。吉良と離れない。永遠に側にいる」
抱き付いて来た結城を抱き締め返しながら、吉良はやっと手に入れたと思った。
本当に欲しいものを、生涯の伴侶を見つけた。
仕事よりも夢中になれるものを見つけた。
(間違ったまま離れないで良かった……)
吉良は自分の幸運に感謝し、天に祈りを捧げた。
END
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ケンカップルな上に若干の依存傾向…はァ…好き…。
いいですねぇ~。
連載中ということは、続きがあるということでしょうか?
もし思いついたらまた書いてください!
ソーダ割りロック様、ご感想をありがとうございます!
こちらは同じ設定で幾つか書いた元ネタがあり、殆どエロばかりなので載せなくてもいいかな……と放置してしまいました。
そのうちに修正したものをupしますね。
ありがとうございましたm(__)m