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71.勇者とか聖女とかいい加減にしろよっ!−2
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「いきなり渦中かよ」
嬉しそうにそう言った男が無造作に剣を振るい、風圧で悪魔と俺たちの距離が開く。
「ギルマスッ! 今のうちにポーションを!」
「おうっ!」
ギルマスが急遽築いた防衛ラインまで下がり、ポーションの補給を受けている間に突然現れた男に話し掛ける。
「バーナビー卿。あんたがあんな風に先輩を追い詰めたのか?」
「そうだ」
「わかっててやったの?」
「……ああ」
答えるのに僅かに間は空いたけど、嘘を吐いている感じじゃない。
「だったらもう二度と面を見せんな、って言いたいところだけど、こんな事態なんで手を貸せ」
「カイトは?」
「気を失ってる。先輩が気付くまでは俺が戦う」
「わかった」
これだけのやりとりで直ぐに戦闘に入ってくれるんだから、バーナビー卿も随分と変わっている。
それに魔剣持ちの加勢は助かる。
「大悪魔は複数の剣で刺し殺さないと呪われる」
「タイミングが重要って事か」
「あんたは気にしなくていい。俺たちが合わせる」
こんな台詞を戦闘職じゃない俺に言われてさぞ気分を害しているかと思いきや、バーナビー卿は嬉しそうにニタリと笑って頷いた。
「それは助かる。わたしも全力で戦ってみたかったんだ」
前にリッドとやった時は余りの力量差に稽古みたいになってしまった。
かと言って魔剣も持っていない普通の武人から見たらこの人も十分に化け物じみて強いんだろうし、これまで活躍する場もなくて力を持て余していたのかもしれない。
まあ、だからって先輩にした事は許さないけど。
「それじゃ精々その全力とやらで頑張ってよ」
「承知」
バーナビー卿は奮い立って飛び出していき、大悪魔に力技で挑むという無謀な戦法を嬉々として取っていた。
リッドがフォローするように動き、俺はひたすら打ち込めるところに打ち込む。
「面白いな! 死霊の癖に聖剣で削れるのか!」
そうなんだよ、俺の攻撃だけが目に見えて大悪魔の形を変えていく。
リッドやバーナビー卿の攻撃は通ってない訳じゃないんだけど、それほど効いてはいないみたいで足止めにしかならない。
「それが俺たちの間違えた理由だ」
リッドの言葉に軽く唇を噛む。
勇者の聖剣でしか世界の脅威を倒せなくて、聖剣は勇者にしか使えない。
だから勇者を頼む。前線に押し出す。
自分達の事なのに他人任せで、俺の目にはそれが何処かお気楽に見えた。
でもそれを良しとしない人だって沢山いたんだ。
「間違えた……。そうだな、俺も間違えた」
バーナビー卿がポツリと言って、先輩がいる背後を振り返った隙に肩を持っていかれた。
「ブルース!」
吃驚したけど慣れているのか、卿は咄嗟に手で押さえて止血魔法を使った。
こいつも詠唱魔法が使えるのか、とホッとしたのも束の間、集中攻撃が襲ってきて俺たちは立ち往生をしてしまう。
そして剣を逆手に持ち替えたバーナビー卿はニヤニヤ笑いを消して俺に言った。
「カイトに謝っておいてくれ。おかしいのはお前ではなくわたしだったと。本当は違うやり方があったと気付いた」
「ちょ、あんた本当に何をしたんだよ~っ!」
こいつ、死ぬ気か? 死ぬ気で自分が足止めをしようと思ってんのか?
俺は決意を固めたバーナビー卿を見て気が付いた。
ああ、今までも勇者の影で死んでいった人たちはきっと沢山いた。
最初から表舞台に立てないとわかっていて、ただ捨て石になって死んでいった人は沢山いたんだ。
俺は勘違いをしていた。
「嫌だね、自分で謝れよ。俺は先輩が落ち込んでても病んでても力になれないし、先輩だって俺に格好悪いところなんて見せたくないだろ。そういうのは恋人の役目なんだよ」
「わたしは死ぬほど怖がられている」
本当に何をしたんだか聞き出さねーとなっ!
その為にもこの男に死んで貰っては困る。
「リッド、俺が九尾になって大悪魔を押さえる」
「しかし聖剣は――」
「俺が使う」
先輩が歩み寄ってきて俺の手からそっと聖剣を取り上げた。
「怪我は?」
「ポーションで治った」
「でも魔力をごっそりと持っていかれただろう?」
「それも休んでる間に回復したよ」
そう言うとカイト先輩はバーナビー卿を見て静かに言った。
「あんたは俺に、勇者なんだから倒されても立ち上がれって言ったよな? ピンチになったら力が引き出されるんだろうと、ただの人間なんかに蹂躙されて悔しくはないのかと言ったな?」
「ああ」
「殺されるかもって、凄く怖かった。俺だってただの人なのに、なんで勇者には何をしてもいいなんて思うんだろうと不思議だった。プライドを打ち砕かれて、泣いても叫んでも許して貰えなくて、惨めで……俺は勇者なんかじゃないって何度も思った」
「……ああ。そんなお前を見てわたしは興奮していた。勇者の力を見せてみろと、こんなものじゃない筈だと苛つきながら……いつしか弱いお前の姿を見る事に悦びを覚えていた。可哀想にと寄り添う気持ちと、そんなお前に縋られたい、頼られたいという気持ちがこみ上げてきて堪らえきれなくなった」
「だから動けない俺を犯したのか?」
「……カイトをわたしのものにしたかった」
「最低だな。あんたはやはり最低だよ」
そう言うと先輩はもう興味はないとばかりに大悪魔に向き直った。
「ユート、押さえてくれたら俺がトドメを刺す」
「先輩!? ちょ、情報が整理しきれないんだけどっ!」
「後にしろ。まずは死霊を地獄に戻して、それから気が済むまでお前に謝る」
「いや謝っていらないから! そうじゃなくて、バーナビー卿との詳細をプリーズ!」
「却下だ」
ちゃきっと眼鏡のブリッジを押し上げる仕草をして、先輩が大悪魔に向かって突っ込んでいった。
俺は仕方がないので完全変態をして九尾となり、天候を操作して大悪魔を雷雨で閉じ込める。
リッドやギルマスが大悪魔に攻撃していたので彼らには当てないようにしなくては。
バーナビー卿には……一発くらい、当ててもいいかな?
そう思ったけれど、死にそうな顔で戦っているのを見ると哀れになったので勘弁してやった。
怪獣大戦争みたいな絵面の中、先輩だけが勇者みたいで狡いなぁと思いながら大悪魔の繰り出す攻撃を九尾の爪で防いだ。
嬉しそうにそう言った男が無造作に剣を振るい、風圧で悪魔と俺たちの距離が開く。
「ギルマスッ! 今のうちにポーションを!」
「おうっ!」
ギルマスが急遽築いた防衛ラインまで下がり、ポーションの補給を受けている間に突然現れた男に話し掛ける。
「バーナビー卿。あんたがあんな風に先輩を追い詰めたのか?」
「そうだ」
「わかっててやったの?」
「……ああ」
答えるのに僅かに間は空いたけど、嘘を吐いている感じじゃない。
「だったらもう二度と面を見せんな、って言いたいところだけど、こんな事態なんで手を貸せ」
「カイトは?」
「気を失ってる。先輩が気付くまでは俺が戦う」
「わかった」
これだけのやりとりで直ぐに戦闘に入ってくれるんだから、バーナビー卿も随分と変わっている。
それに魔剣持ちの加勢は助かる。
「大悪魔は複数の剣で刺し殺さないと呪われる」
「タイミングが重要って事か」
「あんたは気にしなくていい。俺たちが合わせる」
こんな台詞を戦闘職じゃない俺に言われてさぞ気分を害しているかと思いきや、バーナビー卿は嬉しそうにニタリと笑って頷いた。
「それは助かる。わたしも全力で戦ってみたかったんだ」
前にリッドとやった時は余りの力量差に稽古みたいになってしまった。
かと言って魔剣も持っていない普通の武人から見たらこの人も十分に化け物じみて強いんだろうし、これまで活躍する場もなくて力を持て余していたのかもしれない。
まあ、だからって先輩にした事は許さないけど。
「それじゃ精々その全力とやらで頑張ってよ」
「承知」
バーナビー卿は奮い立って飛び出していき、大悪魔に力技で挑むという無謀な戦法を嬉々として取っていた。
リッドがフォローするように動き、俺はひたすら打ち込めるところに打ち込む。
「面白いな! 死霊の癖に聖剣で削れるのか!」
そうなんだよ、俺の攻撃だけが目に見えて大悪魔の形を変えていく。
リッドやバーナビー卿の攻撃は通ってない訳じゃないんだけど、それほど効いてはいないみたいで足止めにしかならない。
「それが俺たちの間違えた理由だ」
リッドの言葉に軽く唇を噛む。
勇者の聖剣でしか世界の脅威を倒せなくて、聖剣は勇者にしか使えない。
だから勇者を頼む。前線に押し出す。
自分達の事なのに他人任せで、俺の目にはそれが何処かお気楽に見えた。
でもそれを良しとしない人だって沢山いたんだ。
「間違えた……。そうだな、俺も間違えた」
バーナビー卿がポツリと言って、先輩がいる背後を振り返った隙に肩を持っていかれた。
「ブルース!」
吃驚したけど慣れているのか、卿は咄嗟に手で押さえて止血魔法を使った。
こいつも詠唱魔法が使えるのか、とホッとしたのも束の間、集中攻撃が襲ってきて俺たちは立ち往生をしてしまう。
そして剣を逆手に持ち替えたバーナビー卿はニヤニヤ笑いを消して俺に言った。
「カイトに謝っておいてくれ。おかしいのはお前ではなくわたしだったと。本当は違うやり方があったと気付いた」
「ちょ、あんた本当に何をしたんだよ~っ!」
こいつ、死ぬ気か? 死ぬ気で自分が足止めをしようと思ってんのか?
俺は決意を固めたバーナビー卿を見て気が付いた。
ああ、今までも勇者の影で死んでいった人たちはきっと沢山いた。
最初から表舞台に立てないとわかっていて、ただ捨て石になって死んでいった人は沢山いたんだ。
俺は勘違いをしていた。
「嫌だね、自分で謝れよ。俺は先輩が落ち込んでても病んでても力になれないし、先輩だって俺に格好悪いところなんて見せたくないだろ。そういうのは恋人の役目なんだよ」
「わたしは死ぬほど怖がられている」
本当に何をしたんだか聞き出さねーとなっ!
その為にもこの男に死んで貰っては困る。
「リッド、俺が九尾になって大悪魔を押さえる」
「しかし聖剣は――」
「俺が使う」
先輩が歩み寄ってきて俺の手からそっと聖剣を取り上げた。
「怪我は?」
「ポーションで治った」
「でも魔力をごっそりと持っていかれただろう?」
「それも休んでる間に回復したよ」
そう言うとカイト先輩はバーナビー卿を見て静かに言った。
「あんたは俺に、勇者なんだから倒されても立ち上がれって言ったよな? ピンチになったら力が引き出されるんだろうと、ただの人間なんかに蹂躙されて悔しくはないのかと言ったな?」
「ああ」
「殺されるかもって、凄く怖かった。俺だってただの人なのに、なんで勇者には何をしてもいいなんて思うんだろうと不思議だった。プライドを打ち砕かれて、泣いても叫んでも許して貰えなくて、惨めで……俺は勇者なんかじゃないって何度も思った」
「……ああ。そんなお前を見てわたしは興奮していた。勇者の力を見せてみろと、こんなものじゃない筈だと苛つきながら……いつしか弱いお前の姿を見る事に悦びを覚えていた。可哀想にと寄り添う気持ちと、そんなお前に縋られたい、頼られたいという気持ちがこみ上げてきて堪らえきれなくなった」
「だから動けない俺を犯したのか?」
「……カイトをわたしのものにしたかった」
「最低だな。あんたはやはり最低だよ」
そう言うと先輩はもう興味はないとばかりに大悪魔に向き直った。
「ユート、押さえてくれたら俺がトドメを刺す」
「先輩!? ちょ、情報が整理しきれないんだけどっ!」
「後にしろ。まずは死霊を地獄に戻して、それから気が済むまでお前に謝る」
「いや謝っていらないから! そうじゃなくて、バーナビー卿との詳細をプリーズ!」
「却下だ」
ちゃきっと眼鏡のブリッジを押し上げる仕草をして、先輩が大悪魔に向かって突っ込んでいった。
俺は仕方がないので完全変態をして九尾となり、天候を操作して大悪魔を雷雨で閉じ込める。
リッドやギルマスが大悪魔に攻撃していたので彼らには当てないようにしなくては。
バーナビー卿には……一発くらい、当ててもいいかな?
そう思ったけれど、死にそうな顔で戦っているのを見ると哀れになったので勘弁してやった。
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