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66.嫌な予感は大抵当たる−2
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「この国の国王は人は悪くないが、偉人ではない。大した志も信念もなく、暗愚とまでは言えないのが唯一の救いという人物だ。お前だって、彼が自分の楽しみを優先したのを知っているだろう? 貴重な生産職にならば、他に頼むことは沢山あったのに」
「うぅぅ、まぁそれはそうだけどさぁ」
エーリリテ姫を介して顔を合わせた時に、この国の君主ならば俺に頼むことは楽しい道具なんかじゃなくてもっと他にあった筈だ。
それこそ自分が暗殺されない為の道具とか、他国に抜きん出る事の出来る兵力増強の道具とか、呪い物とかさ。
まぁ、頼まれたところでなんだかんだと理由を付けて断ったと思うから、もしもそれを見越しての注文なら大した人だと感心するけど、多分違うよな。
「そういう権勢欲のない人だからお前みたいな人材を抱えていられるのかもしれないけどな」
ぽふん、と頭を撫でられて思わず口許が弛む。
「俺もこの国を出る事にならなくて嬉しい。あんたとこの国にいられて嬉しい」
「お前が出ていくなら俺も付いて行ったぞ?」
「そうかもしれないけど、そうならなくて嬉しい」
だって安心して暮らせる場所ってやっぱり必要じゃん?
俺には放浪の暮らしなんて向いてないし、居場所があるって凄く嬉しいよ。
「ユウ、まだ熱が下がってないようだな? ほら、ベッドに入れ」
俺はリッドに強引に寝かしつけられてしまい、どうやら熱の所為で甘えたになっていると思われたようだ。
まあ、そういう事にしておこう。
「ユート、王城を出ていくのか?」
カイト先輩に不安そうに訊かれてちょっとだけ申し訳ない気持ちになった。
残された先輩が煩わしい立場に立たされるのは想像がつく。
「先輩も一緒に戻る? 王城にいてもそれ程手掛かりが無いなら――」
「いや、俺は残るよ。もう少し調べたい事がある」
俺は先輩が意地になってるのではないか、俺への償いの為に自己犠牲の精神に駆られているのではないかとじっと見つめた。でも先輩の意思は固いみたいだった。
「それじゃあ城の中はマズイだろうから、王都に定期的に転移して様子を見に来るよ。そこで情報を擦り合わせよう」
「だったらわたしの別邸を使ってくれ。カイトの後見もわたしに任せろ」
張り切ってバーナビー卿が名乗り出たが、カイト先輩は絶対に嫌だと断った。
「どうして?」
「こいつ、は……」
先輩は彼を嫌っている理由となると口を噤む。
よっぽど言い辛いんだな。
「バーナビー卿は先輩に何をしたんだ? もしもDVとかだったら許さないからね」
先輩はリッドに指導を受けていたから、相当にキツイ訓練だって音を上げたりしない筈だ。
それがここまで嫌がっているんだから、立場を利用した虐めとしか思えない。
バーナビー卿はそんな人には見えなかったけど、“まさかあの人が” ってのはよく聞く台詞だ。
「痛いことはしていないぞ」
「ブルースッ! それ以上言ったら殺す!」
先輩の口から『殺す』なんて言葉が出てきて本当に吃驚した。
身体はマッチョになったけど、決して猛々しい人じゃないのに。
「……ブルースの後見を受ける。だから俺のことは心配するな」
カイト先輩が歯軋りでもするようにそう言ったので、俺はそれ以上詮索するのを止めた。
意に染まない関係を強要されてるって感じでもないし、先輩が知られたくないなら仕方がない。
俺たちは今後の打ち合わせをしてから解散した。
「あ、先輩。ちょっと待って」
部屋を出る間際に俺はコッソリと先輩だけを枕元に呼んで、小声で確認した。
「媚薬入りの軟膏とか、弛緩剤とかは持ってる?」
「……何の話だ?」
「ほら、いくら先輩が勇者でも、こっちの人のアレなんて簡単には入んないからさ。自衛の為に用意しておいた方がいいんじゃない?」
「ユートッ!」
何のことだか理解して、眉を釣り上げて怒る先輩に俺は冷静に訊ねる。
「だって絶対にそうならないって言い切れんの? ちょっとくらい、そういう雰囲気になったりしない?」
「……俺にだって、好みはある」
「それは知ってるよ。でも好みじゃなくたって、絆されたり流されるって事はあるでしょう? あいつは悪い奴には見えないし、押しも強いしフレンドリーだし、一緒にいたら魔が差すって事だってあるかもしれないじゃん」
少なくとも先輩は男が性的対象になるんだから、うっかり間違いが起きないとは言い切れない。
向こうだって先輩が相手なら躊躇する理由は無さそうに見える。
「悪いことは言わないから、念の為に用意しておいた方がいいって。あと、ケツにアレを嵌められんのもキツイけど、中出しされんのはすっごいすっごいショックだから……覚悟しとけよ」
俺の言葉にカイト先輩の顔からザーッと血の気が引き、真っ青になった。
先輩がどれくらい男性経験があるのか知らないけど、あれだけは絶対に体験したことがない筈だ。
だから出来れば本当に好きな人として欲しい。
「ユート、安心しろ。俺がブルースに絆される事は絶対にない。それにブルースだって……男色の趣味はない」
苦い顔ながらもキッパリと言い切った先輩を見て首を傾げる。
あれ? 俺の勇み足だった? でもあの近さは躊躇いなんてない距離だと思うんだけどな。
バーナビー卿は明らかに他人の距離を超えて先輩に近付いていた。
あれはそっちの趣味がなくたってチャンスさえあればいつでも手を出すと思うぜ?
そうは思ったけど先輩の様子は頑なで、これ以上の忠告は難しそうだった。
「そこまで言うならもう口出ししないけど、御守り代わりに軟膏だけ持っていってよ。ちょっとした怪我や切り傷にも使えるから。な?」
「……わかった」
先輩が不本意そうにでも軟膏を受け取ってくれたのでホッとした。
痛み止めと腫れを引かせる成分も入ってるので、何かあっても少しはマシになる筈だ。
使わないで済むならそれに越したことは無いけど……何となく、嫌な予感がするんだよなぁ。
「ユウト? 心配か?」
俺がウンウンと唸っていたらリッドが頬を撫でてきた。
「ん。先輩を、置いていって良いのかなって……くすぐったいよ」
撫でてくる手が優しくて、クスクスと笑っていたら頬を包み込んだまま手のひらが止まった。
俺はその手に頬を擦り付けて目を瞑る。
「ユウ、俺が勇者の代わりに残ってもいいぞ」
リッドの申し出にちょっと面食らって、それから苦笑しながらリッドの手を引いてベッドに引き摺り込む。
「俺にあんた無しで過ごせって?」
「元々はその予定だったろう?」
「そりゃあ、嫁ぐ前の話だ。俺はあんたに貰われたんだから、離れる気はねぇよ。そのくらいなら一緒に残った方がマシだ」
「それは危険だ」
「うん。だから迷ってたんだけど……決めた。先輩に頑張って貰う」
「いいのか?」
「ああ。俺に苦労する権利があるように、先輩にだって意地を張り通して苦労する権利はあるよな」
「なるほど」
俺はゆったりと全身を這い出したリッドの手に身を任せながら、先輩の危険は先輩のものだともう一度思った。
「うぅぅ、まぁそれはそうだけどさぁ」
エーリリテ姫を介して顔を合わせた時に、この国の君主ならば俺に頼むことは楽しい道具なんかじゃなくてもっと他にあった筈だ。
それこそ自分が暗殺されない為の道具とか、他国に抜きん出る事の出来る兵力増強の道具とか、呪い物とかさ。
まぁ、頼まれたところでなんだかんだと理由を付けて断ったと思うから、もしもそれを見越しての注文なら大した人だと感心するけど、多分違うよな。
「そういう権勢欲のない人だからお前みたいな人材を抱えていられるのかもしれないけどな」
ぽふん、と頭を撫でられて思わず口許が弛む。
「俺もこの国を出る事にならなくて嬉しい。あんたとこの国にいられて嬉しい」
「お前が出ていくなら俺も付いて行ったぞ?」
「そうかもしれないけど、そうならなくて嬉しい」
だって安心して暮らせる場所ってやっぱり必要じゃん?
俺には放浪の暮らしなんて向いてないし、居場所があるって凄く嬉しいよ。
「ユウ、まだ熱が下がってないようだな? ほら、ベッドに入れ」
俺はリッドに強引に寝かしつけられてしまい、どうやら熱の所為で甘えたになっていると思われたようだ。
まあ、そういう事にしておこう。
「ユート、王城を出ていくのか?」
カイト先輩に不安そうに訊かれてちょっとだけ申し訳ない気持ちになった。
残された先輩が煩わしい立場に立たされるのは想像がつく。
「先輩も一緒に戻る? 王城にいてもそれ程手掛かりが無いなら――」
「いや、俺は残るよ。もう少し調べたい事がある」
俺は先輩が意地になってるのではないか、俺への償いの為に自己犠牲の精神に駆られているのではないかとじっと見つめた。でも先輩の意思は固いみたいだった。
「それじゃあ城の中はマズイだろうから、王都に定期的に転移して様子を見に来るよ。そこで情報を擦り合わせよう」
「だったらわたしの別邸を使ってくれ。カイトの後見もわたしに任せろ」
張り切ってバーナビー卿が名乗り出たが、カイト先輩は絶対に嫌だと断った。
「どうして?」
「こいつ、は……」
先輩は彼を嫌っている理由となると口を噤む。
よっぽど言い辛いんだな。
「バーナビー卿は先輩に何をしたんだ? もしもDVとかだったら許さないからね」
先輩はリッドに指導を受けていたから、相当にキツイ訓練だって音を上げたりしない筈だ。
それがここまで嫌がっているんだから、立場を利用した虐めとしか思えない。
バーナビー卿はそんな人には見えなかったけど、“まさかあの人が” ってのはよく聞く台詞だ。
「痛いことはしていないぞ」
「ブルースッ! それ以上言ったら殺す!」
先輩の口から『殺す』なんて言葉が出てきて本当に吃驚した。
身体はマッチョになったけど、決して猛々しい人じゃないのに。
「……ブルースの後見を受ける。だから俺のことは心配するな」
カイト先輩が歯軋りでもするようにそう言ったので、俺はそれ以上詮索するのを止めた。
意に染まない関係を強要されてるって感じでもないし、先輩が知られたくないなら仕方がない。
俺たちは今後の打ち合わせをしてから解散した。
「あ、先輩。ちょっと待って」
部屋を出る間際に俺はコッソリと先輩だけを枕元に呼んで、小声で確認した。
「媚薬入りの軟膏とか、弛緩剤とかは持ってる?」
「……何の話だ?」
「ほら、いくら先輩が勇者でも、こっちの人のアレなんて簡単には入んないからさ。自衛の為に用意しておいた方がいいんじゃない?」
「ユートッ!」
何のことだか理解して、眉を釣り上げて怒る先輩に俺は冷静に訊ねる。
「だって絶対にそうならないって言い切れんの? ちょっとくらい、そういう雰囲気になったりしない?」
「……俺にだって、好みはある」
「それは知ってるよ。でも好みじゃなくたって、絆されたり流されるって事はあるでしょう? あいつは悪い奴には見えないし、押しも強いしフレンドリーだし、一緒にいたら魔が差すって事だってあるかもしれないじゃん」
少なくとも先輩は男が性的対象になるんだから、うっかり間違いが起きないとは言い切れない。
向こうだって先輩が相手なら躊躇する理由は無さそうに見える。
「悪いことは言わないから、念の為に用意しておいた方がいいって。あと、ケツにアレを嵌められんのもキツイけど、中出しされんのはすっごいすっごいショックだから……覚悟しとけよ」
俺の言葉にカイト先輩の顔からザーッと血の気が引き、真っ青になった。
先輩がどれくらい男性経験があるのか知らないけど、あれだけは絶対に体験したことがない筈だ。
だから出来れば本当に好きな人として欲しい。
「ユート、安心しろ。俺がブルースに絆される事は絶対にない。それにブルースだって……男色の趣味はない」
苦い顔ながらもキッパリと言い切った先輩を見て首を傾げる。
あれ? 俺の勇み足だった? でもあの近さは躊躇いなんてない距離だと思うんだけどな。
バーナビー卿は明らかに他人の距離を超えて先輩に近付いていた。
あれはそっちの趣味がなくたってチャンスさえあればいつでも手を出すと思うぜ?
そうは思ったけど先輩の様子は頑なで、これ以上の忠告は難しそうだった。
「そこまで言うならもう口出ししないけど、御守り代わりに軟膏だけ持っていってよ。ちょっとした怪我や切り傷にも使えるから。な?」
「……わかった」
先輩が不本意そうにでも軟膏を受け取ってくれたのでホッとした。
痛み止めと腫れを引かせる成分も入ってるので、何かあっても少しはマシになる筈だ。
使わないで済むならそれに越したことは無いけど……何となく、嫌な予感がするんだよなぁ。
「ユウト? 心配か?」
俺がウンウンと唸っていたらリッドが頬を撫でてきた。
「ん。先輩を、置いていって良いのかなって……くすぐったいよ」
撫でてくる手が優しくて、クスクスと笑っていたら頬を包み込んだまま手のひらが止まった。
俺はその手に頬を擦り付けて目を瞑る。
「ユウ、俺が勇者の代わりに残ってもいいぞ」
リッドの申し出にちょっと面食らって、それから苦笑しながらリッドの手を引いてベッドに引き摺り込む。
「俺にあんた無しで過ごせって?」
「元々はその予定だったろう?」
「そりゃあ、嫁ぐ前の話だ。俺はあんたに貰われたんだから、離れる気はねぇよ。そのくらいなら一緒に残った方がマシだ」
「それは危険だ」
「うん。だから迷ってたんだけど……決めた。先輩に頑張って貰う」
「いいのか?」
「ああ。俺に苦労する権利があるように、先輩にだって意地を張り通して苦労する権利はあるよな」
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