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㊹S級ダンジョン攻略-1(4/5)
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先輩の戦い方が荒くなっている。それは素人の俺にだってわかった。
「参ったな。一旦下げるか」
ギルマスが迷いつつそう言ったが、それはちょっと待ってくれと俺が頼んだ。
「今下げられたら、先輩はきっともう立てなくなる。もう自分が立つ必要はないんだって諦めちゃう」
「う~ん、だけどな? このままじゃいずれ大怪我をする。勇者だけでなく、周りの人間も危ない」
「わかってる。わかってるけど……先輩には、何か切欠が必要なんだよ」
人間はそういつまでも悩み続ける事は出来ない。
何処かで打開するか諦めるのだ。
そしてその切欠はきっとある。
「お前にそれが与えられるのか? どんなものだかわかるのか?」
「……わからない」
「じゃあ駄目だ。俺は今回のダンジョン攻略の責任者として、全体を見る必要がある」
「でも先輩を下げたからって、そんなの一時しのぎだろっ! どうせ最後にはあの人が必要になるんだ」
「それはどうかな。俺はダンジョンボスを倒すのはリッドでも良いと思ってる。リッドが戦って、討伐して、最後に仕留める役目だけを勇者が担えば良い」
「……本気で言ってんの?」
「そういうのもアリだって話だ」
ギルマスの作り物じみた表情に急に背筋が寒くなる。
彼が一個人としてはどんなに気の好い男でも、ギルドマスターとして下す判断は時として重く厳しい。
大多数を活かすために個を切り捨てる、なんてことはこれまでにもしてきたんだろう。
そういう役目だって理解してる。でも――。
「勇者は、勇者としてやってきただけで十分だって言ったじゃん。もっと信じてくれよぉ」
「泣くな。お前を泣かせたとリッドに知られたら俺が殺される」
「泣いてねえよ」
俺はオロオロとしたギルマスの声を聞きながら、そうだ泣いている場合ではないと思った。
泣いて哀れんで、それで誰かがどうにかしてくれる。そんな甘えが許される状況じゃねえ。
オーケーわかった、俺がどうにかする。切欠が無ければ作ればいい。
“わからない” も “出来ない” もナシ。俺がやる。
「ギルマス、九尾化の完全変態って見たことある?」
「いや、ないな。そもそも九尾が少ないし――って、何を考えてる?」
「俺も一緒に戦うよ。それだけの力はある」
「バカ野郎! お前は戦えないって――」
「戦える。誰かの為なら戦えるんだよ」
そう言うと俺はギルマスが止めるのを無視してリッドたちの所へ転移した。
***
「ユウッ、どうした!?」
戦いの最中だと言うのに駆け寄ってこようとするリッドを手で止め、俺はその場で九尾へと姿を変える。
九本の尾がおどろおどろしく空にたなびき、辺りに暗雲が立ち籠めパチパチと火花が散り不吉な放電現象が起きる。
俺は宙に浮いたまま悠然と辺りを見回し、先輩が苦戦していた小型の悪魔を前足で踏み押さえる。
そしてケーンと一声鳴いて妖気を放出し、濃い妖気に悪魔たちが固まって動けなくなったのを機に、リッドが次々と悪魔を魔剣で斬り捨てていった。
「おいっ、呆けてねえで俺らも仕留めるぞっ!」
B級三人が声を掛け合って残りの悪魔を片付けていく。
間もなく一匹も悪魔がいなくなったのを確認して、俺は変態を解いた。
「ユウッ、これを羽織れ」
素っ裸の俺にリッドがマントを掛けてくれる。
変態を解いた後は服が消えているので困る。
「ユートも加勢に来たのか?」
B級冒険者に訊かれて頷く。
「勇者が不調みたいだからね。戦えない俺でも九尾に変態すれば、それなりに戦力になるだろう?」
「ああ、心強いよ」
歓迎ムードなのは階が下がって戦いが厳しくなってきたからだろう。
九尾は魔物の中でも妖術を使う変わり種で、俺に妖術は使えないけど妖気の方はある程度操作出来る。
広いダンジョン内をみんなを乗せて駆ける事も出来るし、一チームに一匹いると便利だ。
「ユウ、どうして来たんだ?」
リッドに訊かれて俺は単なる気まぐれだと答えた。
「そんな筈はない」
「断言するなよ。俺はただ逃げるのを止めただけ。戦うのは好きじゃないけど、戦う事にした。それだけだよ」
それ以上ごちゃごちゃ言うなとピシャリと態度で示したら珍しく空気を読んで黙った。
それから九尾になるなら服をちゃんと持って来いと叱られた。
「まさか裸で歩き回るつもりじゃないだろうな」
「変態する度に脱ぐのは面倒だからそれでもいいんだけど……女性もいるし、マントくらいは身に着けるよ」
「駄目だ! 襲われたらどうする!?」
「お前、それは他の人に失礼だぞ?」
ホイホイと九尾になるような男をお前以外に誰が襲うって言うんだよ。
呆れてそう言ったら、何故かB級たちが揃って頬を染めた。
「襲わねえけど、尻尾を見ちゃったら……なあ?」
「プリンとしてるのに尻尾が付いてて可愛かった……。俺、今回の依頼に参加して本っ当に良かった」
「俺も襲う気はねえ。ただちょっと四つん這いになって尻尾をぴんと上げてくれれば……」
なんかおかしな事を言い出した奴らを見て、俺は黙って卵の密室に戻りシャツとパンツを身に着けて来た。
面倒だけど九尾になる前に服を脱ごう。
それから尻尾は隠しておこう。
「参ったな。一旦下げるか」
ギルマスが迷いつつそう言ったが、それはちょっと待ってくれと俺が頼んだ。
「今下げられたら、先輩はきっともう立てなくなる。もう自分が立つ必要はないんだって諦めちゃう」
「う~ん、だけどな? このままじゃいずれ大怪我をする。勇者だけでなく、周りの人間も危ない」
「わかってる。わかってるけど……先輩には、何か切欠が必要なんだよ」
人間はそういつまでも悩み続ける事は出来ない。
何処かで打開するか諦めるのだ。
そしてその切欠はきっとある。
「お前にそれが与えられるのか? どんなものだかわかるのか?」
「……わからない」
「じゃあ駄目だ。俺は今回のダンジョン攻略の責任者として、全体を見る必要がある」
「でも先輩を下げたからって、そんなの一時しのぎだろっ! どうせ最後にはあの人が必要になるんだ」
「それはどうかな。俺はダンジョンボスを倒すのはリッドでも良いと思ってる。リッドが戦って、討伐して、最後に仕留める役目だけを勇者が担えば良い」
「……本気で言ってんの?」
「そういうのもアリだって話だ」
ギルマスの作り物じみた表情に急に背筋が寒くなる。
彼が一個人としてはどんなに気の好い男でも、ギルドマスターとして下す判断は時として重く厳しい。
大多数を活かすために個を切り捨てる、なんてことはこれまでにもしてきたんだろう。
そういう役目だって理解してる。でも――。
「勇者は、勇者としてやってきただけで十分だって言ったじゃん。もっと信じてくれよぉ」
「泣くな。お前を泣かせたとリッドに知られたら俺が殺される」
「泣いてねえよ」
俺はオロオロとしたギルマスの声を聞きながら、そうだ泣いている場合ではないと思った。
泣いて哀れんで、それで誰かがどうにかしてくれる。そんな甘えが許される状況じゃねえ。
オーケーわかった、俺がどうにかする。切欠が無ければ作ればいい。
“わからない” も “出来ない” もナシ。俺がやる。
「ギルマス、九尾化の完全変態って見たことある?」
「いや、ないな。そもそも九尾が少ないし――って、何を考えてる?」
「俺も一緒に戦うよ。それだけの力はある」
「バカ野郎! お前は戦えないって――」
「戦える。誰かの為なら戦えるんだよ」
そう言うと俺はギルマスが止めるのを無視してリッドたちの所へ転移した。
***
「ユウッ、どうした!?」
戦いの最中だと言うのに駆け寄ってこようとするリッドを手で止め、俺はその場で九尾へと姿を変える。
九本の尾がおどろおどろしく空にたなびき、辺りに暗雲が立ち籠めパチパチと火花が散り不吉な放電現象が起きる。
俺は宙に浮いたまま悠然と辺りを見回し、先輩が苦戦していた小型の悪魔を前足で踏み押さえる。
そしてケーンと一声鳴いて妖気を放出し、濃い妖気に悪魔たちが固まって動けなくなったのを機に、リッドが次々と悪魔を魔剣で斬り捨てていった。
「おいっ、呆けてねえで俺らも仕留めるぞっ!」
B級三人が声を掛け合って残りの悪魔を片付けていく。
間もなく一匹も悪魔がいなくなったのを確認して、俺は変態を解いた。
「ユウッ、これを羽織れ」
素っ裸の俺にリッドがマントを掛けてくれる。
変態を解いた後は服が消えているので困る。
「ユートも加勢に来たのか?」
B級冒険者に訊かれて頷く。
「勇者が不調みたいだからね。戦えない俺でも九尾に変態すれば、それなりに戦力になるだろう?」
「ああ、心強いよ」
歓迎ムードなのは階が下がって戦いが厳しくなってきたからだろう。
九尾は魔物の中でも妖術を使う変わり種で、俺に妖術は使えないけど妖気の方はある程度操作出来る。
広いダンジョン内をみんなを乗せて駆ける事も出来るし、一チームに一匹いると便利だ。
「ユウ、どうして来たんだ?」
リッドに訊かれて俺は単なる気まぐれだと答えた。
「そんな筈はない」
「断言するなよ。俺はただ逃げるのを止めただけ。戦うのは好きじゃないけど、戦う事にした。それだけだよ」
それ以上ごちゃごちゃ言うなとピシャリと態度で示したら珍しく空気を読んで黙った。
それから九尾になるなら服をちゃんと持って来いと叱られた。
「まさか裸で歩き回るつもりじゃないだろうな」
「変態する度に脱ぐのは面倒だからそれでもいいんだけど……女性もいるし、マントくらいは身に着けるよ」
「駄目だ! 襲われたらどうする!?」
「お前、それは他の人に失礼だぞ?」
ホイホイと九尾になるような男をお前以外に誰が襲うって言うんだよ。
呆れてそう言ったら、何故かB級たちが揃って頬を染めた。
「襲わねえけど、尻尾を見ちゃったら……なあ?」
「プリンとしてるのに尻尾が付いてて可愛かった……。俺、今回の依頼に参加して本っ当に良かった」
「俺も襲う気はねえ。ただちょっと四つん這いになって尻尾をぴんと上げてくれれば……」
なんかおかしな事を言い出した奴らを見て、俺は黙って卵の密室に戻りシャツとパンツを身に着けて来た。
面倒だけど九尾になる前に服を脱ごう。
それから尻尾は隠しておこう。
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