53 / 181
㉒反省だけなら猿でも出来る−1
しおりを挟む
城から迎えが来て、お支度を手伝いますと言われて女官達に着せられた服に俺は絶叫した。
「なんじゃこりゃあああっ!」
「どうした? 恐ろしく似合っているが……何かされたか?」
着替えさせられた俺を熱心に見つめたり周囲に警戒の視線を送ったりと忙しいリッドに俺は必死に訴える。
「ドレスを着せられるなんて聞いてないんだけどっ!」
「だがサイズも丁度良いようだし、よく似合っているし、何も問題はないだろう?」
「このっ、アホウ! 男がドレスなんか着せられておかしいに決まってるだろっ!」
「いや、男は寵姫に近付けられないと言っていたから、女として近付くのはおかしくない」
「えっ、本当にそれしかないの?」
俺は自分の格好を見下ろして情けなく眉を下げた。
ドレスは胴の部分を縛り上げるように編み上げ紐で締められ、胸元から覗く可憐な白いレースとふんわりとした紫色のスカートの対比がスミレの花のように可憐だった。
元の世界では茶色に染めていた俺の髪もこちらで過ごすうちにすっかり黒くなり、何故かそのままがいいとリッドが強固に主張するので染め直さないでいたらドレスの色にぴったりだった。
こちらには髪の短い女の人も普通にいるから、飾りでも付けてそれらしくしたら女に見えない事もないだろう。
悔しい事に俺は童顔だし女顔だとよく言われるし。
「でも似合うって言われても嬉しくねぇんだよっ!」
「そうか? 捲りやすくて便利だが」
「捲るなっ!」
俺はブレないリッドを見て怒りがシュルシュルと消えていった。
こいつにとっては着るものなんて大した問題じゃないんだろう。
まあいい。城に入れるんだから俺だってこのくらいは我慢しよう。
それでも俺は往生際悪く、成人男性が女装って無理がないかと訊いてみた。
「「いえっ、お嬢様にしか見えませんっ!」」
何故か女官達にまでいい笑顔で否定されてしまった。
ふん、どうせ俺はこっちの女の人より小さいよ。
「リッドは俺の付き添いか護衛ってところか?」
「そうだ。貴族の令嬢の護衛なんて面倒臭くて引き受けないが、お前の護衛ならば引き受けよう」
「だから別にいらないって――」
「お前に断る権利はない」
「無いのかよっ!」
いっそ清々しいくらい俺の意思を無視されて、それでも逆らえないのはこのアホウが思ったよりも心配性だと知っているからだ。
だって置いていこうとすると、捨てられた犬みたいな目で見るんだぜ?
二メートル超えの大男がなんて様だよ、と思うんだが俺はそれをどうにも見捨てられない。
わかったから早く来いと言ってしまう。
「付いてくるなら仕事の邪魔はするなよ?」
俺はそう言うに止め、迎えの馬車に乗って城へと向かった。
***
俺は寵姫の話相手としてコッソリと城に上がった筈なのに、何故かあちこちから視線を感じて居心地が悪い。
「なあ、なんで見られてる訳? 俺ってば、どっか変かな?」
そりゃあ男が女の格好をしているんだから違和感があってもしようがないけどさ。でもこんなにあからさまに見られるもん? 遠くからもわざわざ見に来る人がいるんだけど。
不審がる俺にネルソン卿が苦々しげに言った。
「姫の相手をさせるのだからと、些か張り切り過ぎましたな」
「どゆこと?」
「ですから見かけぬ令嬢が城にいたら、若い者は気になるでしょう」
「令嬢……若いお嬢さんだと思われてるのかぁ……」
「袖を引かれぬように気をつける事です」
「袖を引かれる?」
何のことだと聞き返したらネルソン卿に可哀想なものを見る目で見られた。
「城内では余り不埒な行いをする者はいないでしょうが、あなたは与し易しと見られやすいので気を付けて下さい」
「え? それって小さくて簡単に連れ去れちゃうってこと?」
ネルソン卿の言葉を平たく言って確認したら、リッドが重々しく「俺がいるから大丈夫だ」と言ってくれた。
但し勝手に何処かへ行ったり、迷子になるなとも言われたけどな。
「城の中を勝手にうろついたりしねぇよ」
「ユーリ、言葉遣い」
「はぁ~い」
ユーリというのは俺の女装用の偽名だ。
俺が男だという事は寵姫にも内緒らしい。
幾つもの回廊を通って落ち着いた中庭へと通される。
丈の長いドレスは歩きにくいけど、座っちまえばこっちのもんだ。
俺はお姫様に会えるのを楽しみにしていたんだけど――。
「詐欺だ……」
双子を身籠った身長百八十センチの姫様は綺麗だけれど迫力満点で、俺のイメージとは大分かけ離れていた。
それでも心配そうな面持ちで手を握られたらちょっとドキッとしてしまった。
「陛下のお子にご加護を与えて下さると聞きました」
「あ、はい。おれ――わたしは防御系の魔法陣が得意なので、結界とか呪詛返しを――」
「呪詛! やはりこの子らを呪っている者がいるのですねっ!」
「いえ、例え話なんで! そんな事実はないので、興奮しないで下さいっ!」
姫様が力んだらぶるんっと腹が揺れて、このまま産まれちまいそうで凄く怖かった。
やっぱり母は強しだね。
「あの、お腹に触らせて貰ってもいいですか?」
「無礼者ッ!」
姫よりもお付きの人たちの方が色めき立ったけど俺はじっと姫の様子を見ていた。
そうしたら姫が俺の手を取って自分の腹に当てたので、そのまま目を瞑ってじっと感覚を集中する。
(たぷたぷと、波の音が聴こえる)
「凄い、この子たち、水魔法が得意そうですね」
「わかるのですか?」
「何となく」
俺には魔力が全くないのでそんな事わかる訳はないんだけど、今はまだリッドの魔力が体内に残っているからそれと反発してわかった。
その事に気付かれるのは恥ずかしいので、リッドが遠くに離れていて良かったと思った。
「魔力の多い王族は驚異となります。この子たちはきっと殺されてしまう!」
わぁっとテーブルに泣き伏せる姫を周りが慰める。
何ていうか、感情の起伏の激しい人だよね。
「姫様」
「エーリリテと読んで下さい」
「えーと、エーリリテ姫。お――わたしの作る産着は魔力を持つ者をより強固に守ってくれます。ですからきっと大丈夫。任せて下さい」
そう言ってニコリと笑ったらエーリリテ姫の顔が少し明るくなった。
本来ならもっと朗らかな人なのかもしれない。
「この子たちを守る為ならば何でもします。どうかお子を守って下さい」
再び手を握られて俺はしっかりと頷いた。
そして何を作るかも決めた。
タオル地で出来たドーナツ型のガラガラと、鏡の付いた半月型のボールを作る。
きっとそれが双子を守ってくれる。
よし、直ぐに帰って試作品を作るぞ!
「エーリリテ姫、お子が産まれるまでにきっとお届けします! ではこれで失礼します!」
俺は挨拶もそこそこにスカートをがばっとたくし上げて走った。
「んまぁああ!」
という声が後ろで聴こえたが気にしない。
だってこのままじゃスカートの裾が脚に絡んで走れね-んだもん。しようがないだろ?
(イメージが鮮明なうちに素材を選びたい! 急がなくっちゃ!)
俺はリッドの事もネルソン卿の事も頭からすっぽりと抜け落ちていたんだけど、衛兵らしき男二人に行く手を阻まれてやっと一人で走っている事に気付いた。
「なんじゃこりゃあああっ!」
「どうした? 恐ろしく似合っているが……何かされたか?」
着替えさせられた俺を熱心に見つめたり周囲に警戒の視線を送ったりと忙しいリッドに俺は必死に訴える。
「ドレスを着せられるなんて聞いてないんだけどっ!」
「だがサイズも丁度良いようだし、よく似合っているし、何も問題はないだろう?」
「このっ、アホウ! 男がドレスなんか着せられておかしいに決まってるだろっ!」
「いや、男は寵姫に近付けられないと言っていたから、女として近付くのはおかしくない」
「えっ、本当にそれしかないの?」
俺は自分の格好を見下ろして情けなく眉を下げた。
ドレスは胴の部分を縛り上げるように編み上げ紐で締められ、胸元から覗く可憐な白いレースとふんわりとした紫色のスカートの対比がスミレの花のように可憐だった。
元の世界では茶色に染めていた俺の髪もこちらで過ごすうちにすっかり黒くなり、何故かそのままがいいとリッドが強固に主張するので染め直さないでいたらドレスの色にぴったりだった。
こちらには髪の短い女の人も普通にいるから、飾りでも付けてそれらしくしたら女に見えない事もないだろう。
悔しい事に俺は童顔だし女顔だとよく言われるし。
「でも似合うって言われても嬉しくねぇんだよっ!」
「そうか? 捲りやすくて便利だが」
「捲るなっ!」
俺はブレないリッドを見て怒りがシュルシュルと消えていった。
こいつにとっては着るものなんて大した問題じゃないんだろう。
まあいい。城に入れるんだから俺だってこのくらいは我慢しよう。
それでも俺は往生際悪く、成人男性が女装って無理がないかと訊いてみた。
「「いえっ、お嬢様にしか見えませんっ!」」
何故か女官達にまでいい笑顔で否定されてしまった。
ふん、どうせ俺はこっちの女の人より小さいよ。
「リッドは俺の付き添いか護衛ってところか?」
「そうだ。貴族の令嬢の護衛なんて面倒臭くて引き受けないが、お前の護衛ならば引き受けよう」
「だから別にいらないって――」
「お前に断る権利はない」
「無いのかよっ!」
いっそ清々しいくらい俺の意思を無視されて、それでも逆らえないのはこのアホウが思ったよりも心配性だと知っているからだ。
だって置いていこうとすると、捨てられた犬みたいな目で見るんだぜ?
二メートル超えの大男がなんて様だよ、と思うんだが俺はそれをどうにも見捨てられない。
わかったから早く来いと言ってしまう。
「付いてくるなら仕事の邪魔はするなよ?」
俺はそう言うに止め、迎えの馬車に乗って城へと向かった。
***
俺は寵姫の話相手としてコッソリと城に上がった筈なのに、何故かあちこちから視線を感じて居心地が悪い。
「なあ、なんで見られてる訳? 俺ってば、どっか変かな?」
そりゃあ男が女の格好をしているんだから違和感があってもしようがないけどさ。でもこんなにあからさまに見られるもん? 遠くからもわざわざ見に来る人がいるんだけど。
不審がる俺にネルソン卿が苦々しげに言った。
「姫の相手をさせるのだからと、些か張り切り過ぎましたな」
「どゆこと?」
「ですから見かけぬ令嬢が城にいたら、若い者は気になるでしょう」
「令嬢……若いお嬢さんだと思われてるのかぁ……」
「袖を引かれぬように気をつける事です」
「袖を引かれる?」
何のことだと聞き返したらネルソン卿に可哀想なものを見る目で見られた。
「城内では余り不埒な行いをする者はいないでしょうが、あなたは与し易しと見られやすいので気を付けて下さい」
「え? それって小さくて簡単に連れ去れちゃうってこと?」
ネルソン卿の言葉を平たく言って確認したら、リッドが重々しく「俺がいるから大丈夫だ」と言ってくれた。
但し勝手に何処かへ行ったり、迷子になるなとも言われたけどな。
「城の中を勝手にうろついたりしねぇよ」
「ユーリ、言葉遣い」
「はぁ~い」
ユーリというのは俺の女装用の偽名だ。
俺が男だという事は寵姫にも内緒らしい。
幾つもの回廊を通って落ち着いた中庭へと通される。
丈の長いドレスは歩きにくいけど、座っちまえばこっちのもんだ。
俺はお姫様に会えるのを楽しみにしていたんだけど――。
「詐欺だ……」
双子を身籠った身長百八十センチの姫様は綺麗だけれど迫力満点で、俺のイメージとは大分かけ離れていた。
それでも心配そうな面持ちで手を握られたらちょっとドキッとしてしまった。
「陛下のお子にご加護を与えて下さると聞きました」
「あ、はい。おれ――わたしは防御系の魔法陣が得意なので、結界とか呪詛返しを――」
「呪詛! やはりこの子らを呪っている者がいるのですねっ!」
「いえ、例え話なんで! そんな事実はないので、興奮しないで下さいっ!」
姫様が力んだらぶるんっと腹が揺れて、このまま産まれちまいそうで凄く怖かった。
やっぱり母は強しだね。
「あの、お腹に触らせて貰ってもいいですか?」
「無礼者ッ!」
姫よりもお付きの人たちの方が色めき立ったけど俺はじっと姫の様子を見ていた。
そうしたら姫が俺の手を取って自分の腹に当てたので、そのまま目を瞑ってじっと感覚を集中する。
(たぷたぷと、波の音が聴こえる)
「凄い、この子たち、水魔法が得意そうですね」
「わかるのですか?」
「何となく」
俺には魔力が全くないのでそんな事わかる訳はないんだけど、今はまだリッドの魔力が体内に残っているからそれと反発してわかった。
その事に気付かれるのは恥ずかしいので、リッドが遠くに離れていて良かったと思った。
「魔力の多い王族は驚異となります。この子たちはきっと殺されてしまう!」
わぁっとテーブルに泣き伏せる姫を周りが慰める。
何ていうか、感情の起伏の激しい人だよね。
「姫様」
「エーリリテと読んで下さい」
「えーと、エーリリテ姫。お――わたしの作る産着は魔力を持つ者をより強固に守ってくれます。ですからきっと大丈夫。任せて下さい」
そう言ってニコリと笑ったらエーリリテ姫の顔が少し明るくなった。
本来ならもっと朗らかな人なのかもしれない。
「この子たちを守る為ならば何でもします。どうかお子を守って下さい」
再び手を握られて俺はしっかりと頷いた。
そして何を作るかも決めた。
タオル地で出来たドーナツ型のガラガラと、鏡の付いた半月型のボールを作る。
きっとそれが双子を守ってくれる。
よし、直ぐに帰って試作品を作るぞ!
「エーリリテ姫、お子が産まれるまでにきっとお届けします! ではこれで失礼します!」
俺は挨拶もそこそこにスカートをがばっとたくし上げて走った。
「んまぁああ!」
という声が後ろで聴こえたが気にしない。
だってこのままじゃスカートの裾が脚に絡んで走れね-んだもん。しようがないだろ?
(イメージが鮮明なうちに素材を選びたい! 急がなくっちゃ!)
俺はリッドの事もネルソン卿の事も頭からすっぽりと抜け落ちていたんだけど、衛兵らしき男二人に行く手を阻まれてやっと一人で走っている事に気付いた。
32
お気に入りに追加
1,979
あなたにおすすめの小説
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。
【完結】僕はキミ専属の魔力付与能力者
みやこ嬢
BL
【2025/01/24 完結、ファンタジーBL】
リアンはウラガヌス伯爵家の養い子。魔力がないという理由で貴族教育を受けさせてもらえないまま18の成人を迎えた。伯爵家の兄妹に良いように使われてきたリアンにとって唯一安らげる場所は月に数度訪れる孤児院だけ。その孤児院でたまに会う友人『サイ』と一緒に子どもたちと遊んでいる間は嫌なことを全て忘れられた。
ある日、リアンに魔力付与能力があることが判明する。能力を見抜いた魔法省職員ドロテアがウラガヌス伯爵家にリアンの今後について話に行くが、何故か軟禁されてしまう。ウラガヌス伯爵はリアンの能力を利用して高位貴族に娘を嫁がせようと画策していた。
そして見合いの日、リアンは初めて孤児院以外の場所で友人『サイ』に出会う。彼はレイディエーレ侯爵家の跡取り息子サイラスだったのだ。明らかな身分の違いや彼を騙す片棒を担いだ負い目からサイラスを拒絶してしまうリアン。
「君とは対等な友人だと思っていた」
素直になれない魔力付与能力者リアンと、無自覚なままリアンをそばに置こうとするサイラス。両片想い状態の二人が様々な障害を乗り越えて幸せを掴むまでの物語です。
【独占欲強め侯爵家跡取り×ワケあり魔力付与能力者】
* * *
2024/11/15 一瞬ホトラン入ってました。感謝!
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる