【完結】異世界って巨人の国ですか?【番外編だけ少し増えます】

うずみどり

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⑫ちょっとだけがちょっとで済んだ試しはない-2(R-18)

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「断る。護衛はA級でなくても十分だし、大勢と一緒は煩わしい」
 酷く苦い顔でそう言ったリッドに、俺はギルマスに言われた通り指名依頼だと伝えた。

「ギルマスが指名?」
 不審そうな表情を見せるリッドに本当の事を言おうかどうしようか迷う。
 俺が勝手に気を回したなんて言ったら、余計な事をするなと怒られそうだ。
 やっぱり黙っていよう。

「知り合いでもいるんじゃないの? いいじゃん。大勢の方がきっと楽しいよ」
 そう言ったら何とも言えない表情で見つめられた。

「なに?」
「……何でもない。お前がそれでいいならいい」
「うん、楽しみだな」
「ああ」
 何故か言葉少なになってしまったリッドを不思議に思いつつ、俺は着替えと予備の御守りを鞄に詰めた。
 こっちに来てから買った鞄はとにかく丈夫で沢山入る。

「なあ、着替えだけだと鞄がスッカスカだから、何かこっちに入れるものはないか?」
「いや、荷物はマジックバッグに入れるから、着替えも俺が預かる」
「え、やだよ。自分の荷物くらい自分で持つって」
 着替える時に一々出して貰うのも面倒だしな。

「移動が長い時は少しでも身軽な方がいい」
「そうかもしれないけど、どうせ馬車に乗るんだろ?」
「それでもだ」
 どうにも譲らない気配を見て俺は早々に諦めて荷物をリッドに渡した。

「他にやる事がないなら、出発まで暇だから魔方陣の研究をしてる」
 そう言って自分の部屋に引っ込もうとしたら、何故だかリッドも着いてきて後ろ手にパタンとドアを閉めた。

「なんであんたが入ってくんの?」
「商団と一緒に行ったらなかなか二人きりにはなれない」
「だろうね。それで?」
「だから今のうちに抜くのを手伝ってやる」
「はぁ? 結構で――」
 断ろうとしたのに口を塞がれて俺はリッドを叩いた。
 結構本気で抵抗したのに、珍しく強引に押さえ込まれる。
 ベッドまで力士のように寄り切られ、押し倒されて上から唇を覆われて抵抗が弱まる。

(どうしたんだよ、随分と余裕がないじゃないか)
 リッドは深く口付けては角度を変え、何度も何度も口付けて俺の事を切ない目で見つめた。

(畜生、なんだか俺の方が悪いことをしている気分になる。俺は何かお前を傷付けるような事をしたか?)

「ユウ……」
 乞うように名前を囁かれて俺は溜め息を噛み殺した。

「リッド、ちゃんと脱ぐから待って」
 俺は堪え性のない犬から餌を取り上げているような気分でリッドを待たせ、一枚ずつ服を脱いで下着も取った。
 ごくりと喉を鳴らして凝視してくるリッドから逃げるように顔を背け、膝を立ててそろそろと脚を開いた。

「この間、舐めたいって言ってたよな? 舐める、だけなら……他の事をしないなら、いいよ」
「胸は無しか」
「無しだ。嫌ならい――ヒッ!」
 足首と膝を引っ掴まれて中心に食らい付かれた。
 すっぽりと口の中に含まれ、口腔内でクチュクチュと揉まれて一気にそこに血が集中する。
 陰茎にぬるぬると絡み付いてくる舌が器用に括れを抉り、全体を締め上げて口の中で大きく育てた。

「あっ、ああっ!」
 早まったかもしれない。
 俺は喘がされながら自分の放った言葉を後悔していた。
 ちょっと舐めさせてお茶を濁そうだなんて、本当に読みが甘い。
 泣かされるのなんて目に見えていたのに、本当に懲りない。

「んっ、リッド、それ、や……吸っちゃ、やぁぁぁぁ!」
 ジュッと強く吸い上げられる度に何かが滲み出てくる。
 搾り取るように何度も啜られて、俺は泣きながら敢え無く吐精した。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
 全力疾走した後のように激しく息を吐き、それでも放してくれないリッドの髪を震える手で掴む。

「も、離せ――アッ、ダメッ! ダメェェェッ!」
 イッたばかりの先端に舌を当てられ、グリグリと動かされて何かを撒き散らしそうになる。
 穴が痺れて止められない。下半身がバカになったようにゆるゆるでもう感覚がない。

「やだぁっ!」
 泣いて嫌がって。掴んだリッドの頭に縋って背中を丸めて二度目の精を吐き出して、それでも許して貰えなくて。きっともう、本当に出すものが無くなるまで解放して貰えない。

「リッ、ド……んっ、あっ……腰、動いちゃ……」
 腰をカクカクと突き上げるのを尻を支えられてサポートされる。
 その手がナデナデと尻を撫で摩っているのは怒ってもいいだろうか?
 リッドは絶対に調子に乗っている。

「もう、出せないぃぃ……やだ、やだよぅ」
 固さの不十分な分身が射精できるとは思えず、けれどぬるぬると擦れるのは気持ちが好くて、これをどうやったら終わらせられるのか自分でもわからない。
 感じ続ける身体が怖くて、泣きながら首を横に振ったら尻を強く掴まれた。

「ヒァアアアッ!」
 身体の奥深くでゴトリと何かが動くような気配があって、俺は爪先をピンと張ってイッた。
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