ノンケだけどオカマバーで働いてビッチになりましたが彼氏が出来て幸せです

うずみどり

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第一部

②右も左もヒラヒラと

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 アンコ姐さんはとても色っぽい、とケンヂは思う。
 自分はゲイでは無いし、オカマバーだって金の為と割り切ってバイトを始めたのだが予想外に馴染んでいるのはきっとアンコ姐さんに憧れているからだ。

「姐さんて不思議だよね」
「何がぁ?」
「だって女の人より綺麗で女性らしいのに、ちゃんと男の身体を見せてるんだもん」
「えー、何ソレ。真っ平らな胸に詰め物をして、筋肉もつけるなって事? そんなの嫌よぉ」

 アンコはキャラキャラと開けっ広げに笑った。

「あのさぁ、あたし達が幾ら女性のフリをしたところで所詮は紛い物じゃない? シリコンを入れて胸を膨らませたっておっぱいが出る訳じゃ無し、それくらいならこの小さい乳首をいかに魅力的に見せるかを考えた方がいいわよぉ」

 そう言うとアンコはドレスの肩紐をするりと落し、ピンク色をした可愛らしい尖りを露出させた。

「ちょ、姐さんってば、見せないでよ……」

 ケンヂは思わず赤面してアンコから慌てて目を逸らした。

「見せるなって何よ。ブラジャーでもしろって言うのぉ?」

 アンコがほらほら、と胸を反らせてぽっちを突き付けてくるのでケンヂは逃げるように捲し立ててしまう。

「俺だって男の胸なんてどうも思わなかったんだけど、姐さんのはイヤラシイんだってば! 乳首みせ反対!」
「ケンちゃん、言葉遣い」

 アンコはさり気なく窘めながらケンヂの正面に回り込んだ。

「ねぇ、イヤラシイって事は、触ってみたいって事よね? あたしの乳首、吸ってみない?」
「えぇえ?」

 ケンヂは吃驚しながらもついついアンコの乳首を見てしまった。
 既にツンと尖ったピンク色の乳首はふっくらとしていて美味しそうに見える。
 ケンヂはごくりと喉を鳴らし、恐る恐るそこに口付けた。

(あ、冷たいんだ……)

 口に含んだ乳首のひんやりつるりとした感触に、ケンヂは思わずそれをチュ~ッと吸った。

「あンッ!」

 アンコが色付いた声を上げ、ケンヂは誰かに聞かれなかったかと焦った。

「姐さん、ここ、控え室――」
「大丈夫。さっき鍵を掛けて来たから。ね、それよりもう少し続きを頂戴。だって気持ちいいんだもの」
「気持ちいって――」
「ね、お願い。ケンヂ」

 ハスキーボイスで囁かれてケンヂの頭に血が上った。
 確かに男の声なのに、毒々しい程に濡れて逆らえない声だった。

「姐さん、俺――」
「いいの、好きなだけ舐めて」

 許しを得てケンヂは再びアンコの乳首に吸い付いた。膨らんでコリコリと硬くなる乳首を夢中で舌で転がし啜った。

「アンッ、そう、上手……気持ちいいわ」

 アンコはうっとりと目を瞑ってケンヂの後頭部に手を這わせた。
 ケンヂが小さな乳首を舌先でぬるぬると舐めて弾いて転がして、ぷっくりと膨れてきたのを前歯で噛んだら腰を突き上げてきた。

「姐、さん……」

 ケンヂは男としてのその動きがセクシーだと思う。

「ケンちゃん、そのまま……」

 弄っていて、と囁いてアンコはスカートの中に手を入れて自身を擦り始めた。

(アンコ姐さん、俺に弄られながら自分でシてる……)

 ケンヂは興奮してはぁはぁと息を荒げた。
 根元からしこしこと両手で擦り上げる動きがどうしようもなくいらやしい。

(姐さん、ダメだよ。そんなに擦ったらダメ、出ちゃう。ねぇ、俺の前でイクつもり? そんなのイヤラシイ。早く出して)

 ケンヂは鼻息も荒くアンコの乳首を吸い続け、じっとアンコの様子を窺った。
 どうしてもアンコがイクところを見たかった。

「ケンちゃん、ケンちゃん……お願い、乳首、捻って!」

 アンコの切羽詰まった声に操られるようにケンヂは真っ赤に色付いた実を思い切り捻り上げた。

「んぁあああっ!」

 アンコは思い切り胸を反らせて気持ち好さそうに白濁を撒き散らした。
 紫色のドレスが内側からベッタリと汚れ、少し気怠く淫蕩な表情と共に淫靡な姿だった。

「アンコさん、凄い……」
「ん……他のコには内緒よ? 特にノリにはね」

 にっこりと微笑んで釘を刺したアンコにケンヂはしっかりと頷いた。
 けれど歳下の先輩キャストのノリはとても鋭いのだった。


「ねぇ、ケンちゃん。アンコちゃんに手を出したでしょう?」
「えっ!? な、何の事?」

 分かり易くしらばっくれたケンヂにノリが挑戦的な笑みを向ける。

「全く、ノンケだってのに手が早いよね。速水さんに可愛がられて、みーさんに優しくされて、まだ足りないっての?」
「ちが……」

 誤解だ、と言い掛けたケンヂの言葉をノリが塞いだ。

「淫乱。そんなに男に興味があるならワタシが教えてあげるよ」

 そう言うとノリはケンヂの手首を掴んで自分のスカートの中に引き入れた。

「ほら、男同士はココに挿れるんだよ」

 既に解れている後ろに触れさせられて、ケンヂの頬が火で炙られた様に熱くなった。自分とはまるで違う、性器のような孔だった。

「んっ……遠慮しないで、もっと奥まで挿れてよ」

 ノリに促されてケンヂは思い切って指を進めた。柔らかな泥濘のようにぬかるんだそこは、指一本を根元まで難なく受け入れた。

「ここ、掻き回して……んぅっ! そう、指を増やして、拡げて……あっ、あぁ…………三本、入ったら……本物を、挿れていいから」
「えっ?」

 挿れていいって、まさかここで? 自分のイチモツを?
 焦ったケンヂにノリが焦れたように怒鳴る。

「早くしろよ! 他の人が来ちゃうだろ!」

 突っ込んで擦って出すだけだから簡単だろう、と明け透けに言われてケンヂはノリの蜜壷から指を引き抜いた。

「そんなに自棄になっちゃ駄目だよ。折角綺麗な身体をそんな風にぞんざいに扱うなよ」

 優しく言い諭されてノリが一瞬だけ泣きそうに顔を歪めた。

「ワタシ、綺麗なんかじゃないもんっ! ブスだから、身体を使うしか無くて……いっぱい、いっぱい汚れてるもんっ!」

 だから好きな人にだって触れられないんだ、と強情な様子で突っ張るノリの頭をケンヂがそうっと撫でた。

「ノリちんは可愛い。とっても、可愛いよ」
「…………信じない」

 頑固に言い募るノリにケンヂが苦笑する。

「どうしたら信じてくれるのかな?」
「…………キス」
「え?」
「毎日、キスしてくれたら信じてもいいよ」

 真っ赤な顔でキスを強請るノリはまるであどけない少女の様で、ケンヂは笑いながら頷いた。

「いいよ。可愛らしい、優しいキスをしよう」

 ケンヂは兄のような気持ちでそう言った。

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