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第二章 転生するにしても、これは無いだろ!
第三十話
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さて、ここ最近の日常はおおむね順調だったと言ってもいいだろう。あの母親からの監視や洗脳行為は相変わらずだが、その気配を感じるたびに平〇進の力を借りて何とか凌いでいる。
そして、どんな方法を使ってか、外で絵を描いていると必ずジルラッドが俺のことを見つけて構ってくるようになった。
俺はそれをいいことにあの子をデッサンモデルとして採用したため、俺が絵を描いている時はおおむね静かにしてくれるようになった。いい被写体を手に入れて結果オーライ(と言うことにしている)ってワケ。
本末転倒だって? うるせぇやい! あんな天使みたいな超絶美少年に、純真な笑顔でグイグイ来られてさ、拒絶できるってんならやってみせてくれよ!! 言っとくけど、絶対無理だからな!
閑話休題、あの母親の目をかいくぐり、最近は一日に何時間か、毎日薬師資格取得のために必要な知識を勉強している。
蔵書室でずっと勉強するのは無理があるため、羊皮紙に記憶が必要な薬草などをまとめて魔法の暗記シートを作って自室に持ち帰り、暇があればそれで勉強している。
やはり薬師は国家資格が必要なだけあり、覚えなければならないものが多い。しかし、それだけに、やりがいがあって楽しいものだ。
魔法の練習も一応、欠かさずやっている。どう頑張っても上級魔法は使えないため、中級魔法の錬度や速度を底上げしているのだ。魔導書なんかを頼りに調合の練習もやってみたりな。
光魔法は怪我人が居ないと発動しないのでどうしようもないが、たまに画材で指を切ってしまった時だとか、ジルラッドが剣の鍛錬でこさえたかすり傷なんかは、光魔法を使ったりしている。
絵のモデルのコンディションをよりよく整えるのも絵描きとして当然の欲求だし? ……なにか、文句あるなら聞きますよ。きっと俺も同じ意見だよ。
そういえば、最近、ジルラッドはいじめを受けることが無くなったみたいだ。何やらメキメキと剣の腕を上げているらしく、俺の元取り巻きの奴ら(俺はもうこいつらと関わってない。どうせ王にならないから意味無いし)はもう寄ってたかってもこの子に敵わないのだとか。
俺も、ジルラッドの絵をかくときに、自分用に作ってもらったサンドイッチやらお菓子なんかをどんどん横流ししている。おかげか、体がしっかりできてきたみたいだ。
ちびっ子はいっぱい食べて動くべきだし、いいことだ。怪我したら俺が治せるし。なんかもうジルラッドに近づかないっていう当初の作戦が全く機能していないが、少なくとも現状恨まれてはいないと思うし、結果オーライ!!
と、思っていた時期が、俺にもありました。
何も大丈夫じゃなかったよ。何って、俺がバカすぎて。
ジルラッドと仲良くなることで、引き起こされる大問題について、俺は完全に失念していた。だってあの子かわいいし。いやキモいこと言ってごめんやんって感じだけど。
違う、あの子は本当にいい子なんだ。俺が集中してスケッチブックと向き合っている時は絶対に邪魔しないし、完成した絵を渡してやればなんかこっちが引く勢いで喜んでくれる。毎回だぞ?
俺の描いた絵でそんなに喜んでくれる子、可愛くない筈がない。可愛がりたくならない筈があろうか反語。
まあ、そんなわけで、普通にあの子と過ごす時間が愉快で、好きになってしまって、俺は間違いなく浮かれていた。
「これは、どういうことか。説明してちょうだい」
あの母親の部屋に呼び出され、カウチに座らされ。目の前のテーブルに並べられた様々なものが、俺の脳をジクジクと苛む。
「貴方の部屋にあったスケッチブックと、ジルラッドの部屋に飾ってあった絵よ。それと、これもね、貴方の部屋にあった羊皮紙の束。オリヴィア……蔵書室で貴方の監督にあたっている侍女ね。あの子の似顔絵とか、魔獣のスケッチに見えるけれど……魔法をかけて本当の姿を隠しているわよね」
母は、対面のカウチでゆったりと足を組み、しかして全く隙の無い冷笑を湛えて俺をじっと見ている。
羊皮紙を手に取り、手のひらでスッと表面を撫でれば、それは俺謹製の暗記シートという本来の姿を現した。母はそれを見て鼻で笑い、バサッとテーブルの上に投げる。
「あの日……貴方が階段から落ちて頭を打った日からよ。貴方の様子はおかしかった。急にジルラッドを庇うようなことを言うし、あの愚王に自分から会おうとするし。今まで興味もなかった絵を描きたい、絵の勉強がしたいから蔵書室に入らせてほしい、なんて言いだして。おかしいと思ったから、お母さまね、オリヴィアの髪飾りに映像記録用の魔道具を忍ばせたの」
ああ、最初から泳がされていたのか。俺の本当の目的を探るため、あえて好きにさせたんだ。
この母親は予想以上に「馬鹿王子」な俺相手にも油断しない慎重さがあったし、俺の考えなんて全く及ばないくらい狡猾だった。
「貴方、薬草に興味があるのね。おかしいわ。お母さま、貴方にずっと言ってきたわよね。貴方はこの国の王になるのだと。どうして薬師になるための方法を調べて、勉強なんてしているのかしら。しかも、これ。貴方、最近、随分ジルラッドと仲良くしているみたいじゃない。お母さま、貴方をそんな風に育てた覚えはなくてよ。王室の不純物、卑しい邪魔者に、目をかけてやれなんて、一言でも言ったかしら。ジルラッドの絵をこんなに沢山描いて、出来の良いものはあの子に渡して。随分、入れあげているのね」
息が浅くなる。じっとりとかいた冷や汗が背中を伝い、怖気が体中を這いまわる。何もかも順調だと勘違いしていた自分が憎い。
この母親の手のひらで踊らされて、この母親の意に沿わないことをすれば、握りつぶされるだけなのだ、ベルラッドの存在なんてもの。
「いいわ、あなたがどうしたいかなんて、知らない。好きになさい。でも、これだけは覚えておいて。貴方の意思がどうあれ、貴方は王になるの。それ以外の未来なんて、私は認めないし、許さない。絵も好きに描けばいい、ジルラッドとも仲良くするといいわ。私が貴方を王にするのだから。貴方がどう頑張ろうと、無駄なのよ。これから存分に思い知るといいわ」
母は、そう言って指を鳴らし、テーブルの上にあった全てのものを一瞬にして塵芥にした。俺の努力の結晶も、今まで俺が描いていた絵も、ジルラッドにあげた自信作も。
ああ、ハハハ。やっぱり、この人……息子のことなんか、どうでもいいんだな。自分の息子が王になって、裏で国を牛耳ることにしか興味が無い。
なら、もう、いいや。全部バレたし、もう、俺も、この母親に、従順な顔なんてしない。間違っても、絶対に王になんてなるもんか。
「あんたの言う通りだ。俺は王になんてなりたくない。あんたの操り人形になるために生まれたんじゃないからな。お人形遊びがしたいなら他をあたってくれ。俺やこの国の人たちを巻き込むな。いいか、これだけは断言する。あんたは国母になんてなれない。なれたとしても、数年と持たずテメェの首が胴体と泣き別れになっておしまいだ、クソッタレ」
「いいえ、違うわ、ベルラッド。貴方がどんなつもりでも、傀儡にするために、貴方を産んだのよ、私。だから、それ以外ありえないわ」
ああ、この母親を相手にすると、頭がおかしくなる。これ以上はもうたくさんだ。
俺は暇を請うことすらせず、無言で踵を返して部屋から出ていったのだった。
あの母親が何を企んでいるかなんて知りもせずに。
この時、嘘でもあの母親に媚びを売っていれば良かったのかな、と思う時がある。
変に意地を張って決別の意思なんてかっこつけたものを振りかざして。やっぱり俺は絵が好きなだけの一般人だから、いい考えなんか浮かびやしないのだ。
内心、主人公に嫌われてさえなければなんとかなるだろっていう慢心もあったと思う。
あの母親に道具としか思われてないとしても、替えが効かない道具であることに変わりはないから、もしジルラッドと仲良くしていることが露見しても、滅多なことはされないだろうって。
完全に、侮っていた。
俺は、この期に及んで、何も知らなかったのだ。
この母親が、どんなに恐ろしい人かを。
そして、どんな方法を使ってか、外で絵を描いていると必ずジルラッドが俺のことを見つけて構ってくるようになった。
俺はそれをいいことにあの子をデッサンモデルとして採用したため、俺が絵を描いている時はおおむね静かにしてくれるようになった。いい被写体を手に入れて結果オーライ(と言うことにしている)ってワケ。
本末転倒だって? うるせぇやい! あんな天使みたいな超絶美少年に、純真な笑顔でグイグイ来られてさ、拒絶できるってんならやってみせてくれよ!! 言っとくけど、絶対無理だからな!
閑話休題、あの母親の目をかいくぐり、最近は一日に何時間か、毎日薬師資格取得のために必要な知識を勉強している。
蔵書室でずっと勉強するのは無理があるため、羊皮紙に記憶が必要な薬草などをまとめて魔法の暗記シートを作って自室に持ち帰り、暇があればそれで勉強している。
やはり薬師は国家資格が必要なだけあり、覚えなければならないものが多い。しかし、それだけに、やりがいがあって楽しいものだ。
魔法の練習も一応、欠かさずやっている。どう頑張っても上級魔法は使えないため、中級魔法の錬度や速度を底上げしているのだ。魔導書なんかを頼りに調合の練習もやってみたりな。
光魔法は怪我人が居ないと発動しないのでどうしようもないが、たまに画材で指を切ってしまった時だとか、ジルラッドが剣の鍛錬でこさえたかすり傷なんかは、光魔法を使ったりしている。
絵のモデルのコンディションをよりよく整えるのも絵描きとして当然の欲求だし? ……なにか、文句あるなら聞きますよ。きっと俺も同じ意見だよ。
そういえば、最近、ジルラッドはいじめを受けることが無くなったみたいだ。何やらメキメキと剣の腕を上げているらしく、俺の元取り巻きの奴ら(俺はもうこいつらと関わってない。どうせ王にならないから意味無いし)はもう寄ってたかってもこの子に敵わないのだとか。
俺も、ジルラッドの絵をかくときに、自分用に作ってもらったサンドイッチやらお菓子なんかをどんどん横流ししている。おかげか、体がしっかりできてきたみたいだ。
ちびっ子はいっぱい食べて動くべきだし、いいことだ。怪我したら俺が治せるし。なんかもうジルラッドに近づかないっていう当初の作戦が全く機能していないが、少なくとも現状恨まれてはいないと思うし、結果オーライ!!
と、思っていた時期が、俺にもありました。
何も大丈夫じゃなかったよ。何って、俺がバカすぎて。
ジルラッドと仲良くなることで、引き起こされる大問題について、俺は完全に失念していた。だってあの子かわいいし。いやキモいこと言ってごめんやんって感じだけど。
違う、あの子は本当にいい子なんだ。俺が集中してスケッチブックと向き合っている時は絶対に邪魔しないし、完成した絵を渡してやればなんかこっちが引く勢いで喜んでくれる。毎回だぞ?
俺の描いた絵でそんなに喜んでくれる子、可愛くない筈がない。可愛がりたくならない筈があろうか反語。
まあ、そんなわけで、普通にあの子と過ごす時間が愉快で、好きになってしまって、俺は間違いなく浮かれていた。
「これは、どういうことか。説明してちょうだい」
あの母親の部屋に呼び出され、カウチに座らされ。目の前のテーブルに並べられた様々なものが、俺の脳をジクジクと苛む。
「貴方の部屋にあったスケッチブックと、ジルラッドの部屋に飾ってあった絵よ。それと、これもね、貴方の部屋にあった羊皮紙の束。オリヴィア……蔵書室で貴方の監督にあたっている侍女ね。あの子の似顔絵とか、魔獣のスケッチに見えるけれど……魔法をかけて本当の姿を隠しているわよね」
母は、対面のカウチでゆったりと足を組み、しかして全く隙の無い冷笑を湛えて俺をじっと見ている。
羊皮紙を手に取り、手のひらでスッと表面を撫でれば、それは俺謹製の暗記シートという本来の姿を現した。母はそれを見て鼻で笑い、バサッとテーブルの上に投げる。
「あの日……貴方が階段から落ちて頭を打った日からよ。貴方の様子はおかしかった。急にジルラッドを庇うようなことを言うし、あの愚王に自分から会おうとするし。今まで興味もなかった絵を描きたい、絵の勉強がしたいから蔵書室に入らせてほしい、なんて言いだして。おかしいと思ったから、お母さまね、オリヴィアの髪飾りに映像記録用の魔道具を忍ばせたの」
ああ、最初から泳がされていたのか。俺の本当の目的を探るため、あえて好きにさせたんだ。
この母親は予想以上に「馬鹿王子」な俺相手にも油断しない慎重さがあったし、俺の考えなんて全く及ばないくらい狡猾だった。
「貴方、薬草に興味があるのね。おかしいわ。お母さま、貴方にずっと言ってきたわよね。貴方はこの国の王になるのだと。どうして薬師になるための方法を調べて、勉強なんてしているのかしら。しかも、これ。貴方、最近、随分ジルラッドと仲良くしているみたいじゃない。お母さま、貴方をそんな風に育てた覚えはなくてよ。王室の不純物、卑しい邪魔者に、目をかけてやれなんて、一言でも言ったかしら。ジルラッドの絵をこんなに沢山描いて、出来の良いものはあの子に渡して。随分、入れあげているのね」
息が浅くなる。じっとりとかいた冷や汗が背中を伝い、怖気が体中を這いまわる。何もかも順調だと勘違いしていた自分が憎い。
この母親の手のひらで踊らされて、この母親の意に沿わないことをすれば、握りつぶされるだけなのだ、ベルラッドの存在なんてもの。
「いいわ、あなたがどうしたいかなんて、知らない。好きになさい。でも、これだけは覚えておいて。貴方の意思がどうあれ、貴方は王になるの。それ以外の未来なんて、私は認めないし、許さない。絵も好きに描けばいい、ジルラッドとも仲良くするといいわ。私が貴方を王にするのだから。貴方がどう頑張ろうと、無駄なのよ。これから存分に思い知るといいわ」
母は、そう言って指を鳴らし、テーブルの上にあった全てのものを一瞬にして塵芥にした。俺の努力の結晶も、今まで俺が描いていた絵も、ジルラッドにあげた自信作も。
ああ、ハハハ。やっぱり、この人……息子のことなんか、どうでもいいんだな。自分の息子が王になって、裏で国を牛耳ることにしか興味が無い。
なら、もう、いいや。全部バレたし、もう、俺も、この母親に、従順な顔なんてしない。間違っても、絶対に王になんてなるもんか。
「あんたの言う通りだ。俺は王になんてなりたくない。あんたの操り人形になるために生まれたんじゃないからな。お人形遊びがしたいなら他をあたってくれ。俺やこの国の人たちを巻き込むな。いいか、これだけは断言する。あんたは国母になんてなれない。なれたとしても、数年と持たずテメェの首が胴体と泣き別れになっておしまいだ、クソッタレ」
「いいえ、違うわ、ベルラッド。貴方がどんなつもりでも、傀儡にするために、貴方を産んだのよ、私。だから、それ以外ありえないわ」
ああ、この母親を相手にすると、頭がおかしくなる。これ以上はもうたくさんだ。
俺は暇を請うことすらせず、無言で踵を返して部屋から出ていったのだった。
あの母親が何を企んでいるかなんて知りもせずに。
この時、嘘でもあの母親に媚びを売っていれば良かったのかな、と思う時がある。
変に意地を張って決別の意思なんてかっこつけたものを振りかざして。やっぱり俺は絵が好きなだけの一般人だから、いい考えなんか浮かびやしないのだ。
内心、主人公に嫌われてさえなければなんとかなるだろっていう慢心もあったと思う。
あの母親に道具としか思われてないとしても、替えが効かない道具であることに変わりはないから、もしジルラッドと仲良くしていることが露見しても、滅多なことはされないだろうって。
完全に、侮っていた。
俺は、この期に及んで、何も知らなかったのだ。
この母親が、どんなに恐ろしい人かを。
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