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第一章 死ぬにしたって、これは無いだろ!
第四話
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「捨てられた第二王子の栄光」。
舞台は、剣と魔法が誉れとされる疑似西欧世界。
それなりの歴史と権勢を誇る専制君主国「ガラリア王国」の第二王子に生まれた主人公、ジルラッド・アルケミニス・ガラリア。
国王の寵愛を一身に受ける側妃であった母は、産後の肥立ちが悪く、ジルラッドが生まれてすぐに他界し、後ろ盾のない、所謂孤立無縁状態で幼少期を過ごした。
彼の身元を支えていたのはひとえに父である国王ウルラッドからの格別の寵愛のみ。
しかし、それも、側妃とその子である自身を疎む王妃の反感を買う要素でしかなかったといえよう。
どうしても国王はジルラッドばかりに時間を割くわけにもいかない立場にあることから、ジルラッドの世話を王妃に託すしか無かった。
まともな世話係も付けられず、まともな教育係も付けられず、理不尽なことでいびられ、時に食事に毒を盛られることすらあった。
しかし、ジルラッドは何とか一人の力と、自身に同情し、味方してくれる僅かな人間の力を借りて、眉目秀麗かつ聡明叡智、剣と魔法の才にも恵まれた、非の打ち所がない青年へと成長する。
十分ここまでも不運としか言いようのない彼だが、その不運はここからが本番だった。
国王ウルラッドの覚えも良く、並外れた素養を持っていた彼は、次第に国内の(主に王妃陣営と対立する)諸侯から支持を受け、次なる国王として推されるようになる。
しかし、それを決して良しとしないのが第一王子擁する王妃の一大派閥だ。
ある時、自身に惜しみなく愛を注いでくれた父であるウルラッドが他界。
死因は毒殺だ。
表向き王妃派閥と対立する諸侯からの間者の仕業として処理されたものの、王妃が差し向けたたくらみであることは、火を見るよりも明らかだった。
結果、王妃改め太后が実質的な執政を握る形で、第一王子であるベルラッドが国王として即位。
邪魔者となったジルラッドは太后によって辺境の魔物蔓延る不毛の土地に幽閉されてしまうのである。
さて、敬愛する父を殺され、何もかもを奪われたジルラッドは絶望し、太后とベルラッドへの憎悪を決定的なものにする。
彼はいずれ彼らへ復讐するため、ひたすら力を付けることに尽力した。
辺境の地でただ一人、魔物の大群と戦いながら、ただでさえ比類なき剣と魔法の才覚を自らの実力にしていったのだ。
3年の歳月が過ぎ、無限にも思えた魔物たちの群れがジルラッドによって狩り尽くされてしまったころのこと。
重税にあえぎ近隣の諸侯管理地から逃げてきたガラリア国民が、魔物のいなくなったかつての魔境へと足を踏み入れ、ジルラッドに助けを求めた。
彼らの話によれば、今ガラリアはベルラッドと太后の身勝手な放蕩と圧政によって際限なく傾いているという。
民は重税に苦しみ、時に碌な説明も無く所有地が差し押さえられ、無駄に贅を凝らした劇場の建設が相次いで行われるなど、とにかく大変なことになっていた。
ひとまずジルラッドは、いままでため込むばかりで放置していた魔物から取れる素材で、隣国との取引をし、逃げ出してきた難民たちに生活環境を与えるための資金を調達した。
彼らのような難民を際限なく受け入れ、集落が村に、村が街に、やがて市街へと成長していく。
ジルラッドは、自分と同じ太后とベルラッドの被害者とも言える彼らを決して見捨てず、あらゆる知略と蓄えた私財(殆ど尽きるところを知らぬ魔獣の素材)をふるう。
ジルラッドが辺境の地にて難民たちを擁し、ひとつの市街地を作ったといううわさが、密かにガラリアに流れ出す。
太后派閥と対立していた諸侯がそれを聞き付け、ジルラッドの下を訪ねてきた。曰く、「太后と国王に叛逆し、正しい王権を取り戻さないか」と。
ジルラッドの快進撃はここから始まった。
今の王権に不満を抱く諸侯に協力を仰ぎ、ジルラッドは憎き父の仇を討つために出陣する。
孤軍奮闘にて魔物の大群と戦ってきた、まさに一騎当千のジルラッドにとって、人が率いる人の軍など烏合の衆に過ぎなかった。
間もなく、ジルラッドは太后と愚王ベルラッドを討つことに成功する。健全な国としての形を取り戻すため、ジルラッドは王としてその力を揮っていく——。
——とまあ、俺が覚えている限りのストーリーはこんな感じだ。
死ぬ間際に読んでいただけあり、公開されていたストーリー全話を読了したわけではないし、暇つぶしに駅のホームで軽く読んでいただけなので、詳細なところなど結構抜けも多いだろう。
しかし、確かなのは、俺が主人公に憎まれる悪役であるということ、俺が悪役に然るべき末路を辿るということ。
そして、ここまで成長してしまった以上、おそらくもう何も取り返しがつかないだろうことだ。
あのおじいちゃん先生の話によれば、一応まだ、ジルラッドの父であり、偉大なる賢王ウルラッドの治世が続いているらしいから、ジルラッドが決定的に俺や俺の母である王妃を憎悪し、復讐を決意するきっかけとなった国王毒殺事件は起こっていないのだろう。
「うん、逃亡!」
取れる選択はひとつ、事態が決定的なものになる前に、トンズラするしかない。出来れば国外だ。
顔も知らない俺のオカンには申し訳ないが、権謀術数だとか、策略だとか、巻き込まれるのはゴメンなんだぜ。
俺という操り人形さえいなければ、俺のオカンだという人も何も出来ないわけだし! いい王様の跡は出来の良い王子が継いで万事解決!
まあ、知らない土地で、手元に何一つ無いままゼロから生活を始めるなんて、どんな苦労があるか知れない。もしかしたら野垂れ死にするかもね。
でも、遅かれ早かれ死ぬなら、出来るだけ死ぬ確率の少ない方を選ぶに決まっている。
このままこの国にいたんじゃあ、俺が将来的に若くして主人公に殺されて死ぬのは確実なわけだし、俺が母親の傀儡として国王になったら、沢山の人が苦しむ。
それなら、たとえちゃんとした生活が送れないのだとしても、野に下った方がいいだろう。俺結構しぶといし! いやまあ電車にはねられて死んだ高校生が言っても説得力無いかもしれんが。
目指せ、田舎でつつましくスローライフ!!
そのためには、まず……。
とりあえず、逃亡資金になりそうな金目のものを部屋からかき集めるか。
生き延びるためには手段を選んでいられないってね!!
舞台は、剣と魔法が誉れとされる疑似西欧世界。
それなりの歴史と権勢を誇る専制君主国「ガラリア王国」の第二王子に生まれた主人公、ジルラッド・アルケミニス・ガラリア。
国王の寵愛を一身に受ける側妃であった母は、産後の肥立ちが悪く、ジルラッドが生まれてすぐに他界し、後ろ盾のない、所謂孤立無縁状態で幼少期を過ごした。
彼の身元を支えていたのはひとえに父である国王ウルラッドからの格別の寵愛のみ。
しかし、それも、側妃とその子である自身を疎む王妃の反感を買う要素でしかなかったといえよう。
どうしても国王はジルラッドばかりに時間を割くわけにもいかない立場にあることから、ジルラッドの世話を王妃に託すしか無かった。
まともな世話係も付けられず、まともな教育係も付けられず、理不尽なことでいびられ、時に食事に毒を盛られることすらあった。
しかし、ジルラッドは何とか一人の力と、自身に同情し、味方してくれる僅かな人間の力を借りて、眉目秀麗かつ聡明叡智、剣と魔法の才にも恵まれた、非の打ち所がない青年へと成長する。
十分ここまでも不運としか言いようのない彼だが、その不運はここからが本番だった。
国王ウルラッドの覚えも良く、並外れた素養を持っていた彼は、次第に国内の(主に王妃陣営と対立する)諸侯から支持を受け、次なる国王として推されるようになる。
しかし、それを決して良しとしないのが第一王子擁する王妃の一大派閥だ。
ある時、自身に惜しみなく愛を注いでくれた父であるウルラッドが他界。
死因は毒殺だ。
表向き王妃派閥と対立する諸侯からの間者の仕業として処理されたものの、王妃が差し向けたたくらみであることは、火を見るよりも明らかだった。
結果、王妃改め太后が実質的な執政を握る形で、第一王子であるベルラッドが国王として即位。
邪魔者となったジルラッドは太后によって辺境の魔物蔓延る不毛の土地に幽閉されてしまうのである。
さて、敬愛する父を殺され、何もかもを奪われたジルラッドは絶望し、太后とベルラッドへの憎悪を決定的なものにする。
彼はいずれ彼らへ復讐するため、ひたすら力を付けることに尽力した。
辺境の地でただ一人、魔物の大群と戦いながら、ただでさえ比類なき剣と魔法の才覚を自らの実力にしていったのだ。
3年の歳月が過ぎ、無限にも思えた魔物たちの群れがジルラッドによって狩り尽くされてしまったころのこと。
重税にあえぎ近隣の諸侯管理地から逃げてきたガラリア国民が、魔物のいなくなったかつての魔境へと足を踏み入れ、ジルラッドに助けを求めた。
彼らの話によれば、今ガラリアはベルラッドと太后の身勝手な放蕩と圧政によって際限なく傾いているという。
民は重税に苦しみ、時に碌な説明も無く所有地が差し押さえられ、無駄に贅を凝らした劇場の建設が相次いで行われるなど、とにかく大変なことになっていた。
ひとまずジルラッドは、いままでため込むばかりで放置していた魔物から取れる素材で、隣国との取引をし、逃げ出してきた難民たちに生活環境を与えるための資金を調達した。
彼らのような難民を際限なく受け入れ、集落が村に、村が街に、やがて市街へと成長していく。
ジルラッドは、自分と同じ太后とベルラッドの被害者とも言える彼らを決して見捨てず、あらゆる知略と蓄えた私財(殆ど尽きるところを知らぬ魔獣の素材)をふるう。
ジルラッドが辺境の地にて難民たちを擁し、ひとつの市街地を作ったといううわさが、密かにガラリアに流れ出す。
太后派閥と対立していた諸侯がそれを聞き付け、ジルラッドの下を訪ねてきた。曰く、「太后と国王に叛逆し、正しい王権を取り戻さないか」と。
ジルラッドの快進撃はここから始まった。
今の王権に不満を抱く諸侯に協力を仰ぎ、ジルラッドは憎き父の仇を討つために出陣する。
孤軍奮闘にて魔物の大群と戦ってきた、まさに一騎当千のジルラッドにとって、人が率いる人の軍など烏合の衆に過ぎなかった。
間もなく、ジルラッドは太后と愚王ベルラッドを討つことに成功する。健全な国としての形を取り戻すため、ジルラッドは王としてその力を揮っていく——。
——とまあ、俺が覚えている限りのストーリーはこんな感じだ。
死ぬ間際に読んでいただけあり、公開されていたストーリー全話を読了したわけではないし、暇つぶしに駅のホームで軽く読んでいただけなので、詳細なところなど結構抜けも多いだろう。
しかし、確かなのは、俺が主人公に憎まれる悪役であるということ、俺が悪役に然るべき末路を辿るということ。
そして、ここまで成長してしまった以上、おそらくもう何も取り返しがつかないだろうことだ。
あのおじいちゃん先生の話によれば、一応まだ、ジルラッドの父であり、偉大なる賢王ウルラッドの治世が続いているらしいから、ジルラッドが決定的に俺や俺の母である王妃を憎悪し、復讐を決意するきっかけとなった国王毒殺事件は起こっていないのだろう。
「うん、逃亡!」
取れる選択はひとつ、事態が決定的なものになる前に、トンズラするしかない。出来れば国外だ。
顔も知らない俺のオカンには申し訳ないが、権謀術数だとか、策略だとか、巻き込まれるのはゴメンなんだぜ。
俺という操り人形さえいなければ、俺のオカンだという人も何も出来ないわけだし! いい王様の跡は出来の良い王子が継いで万事解決!
まあ、知らない土地で、手元に何一つ無いままゼロから生活を始めるなんて、どんな苦労があるか知れない。もしかしたら野垂れ死にするかもね。
でも、遅かれ早かれ死ぬなら、出来るだけ死ぬ確率の少ない方を選ぶに決まっている。
このままこの国にいたんじゃあ、俺が将来的に若くして主人公に殺されて死ぬのは確実なわけだし、俺が母親の傀儡として国王になったら、沢山の人が苦しむ。
それなら、たとえちゃんとした生活が送れないのだとしても、野に下った方がいいだろう。俺結構しぶといし! いやまあ電車にはねられて死んだ高校生が言っても説得力無いかもしれんが。
目指せ、田舎でつつましくスローライフ!!
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