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ヴィオの冒険
第128話 ルエメイ遺跡ダンジョン その6
しおりを挟む「ふわぁ~、良く寝た!」
「おお、思ったより早く起きたな。まだ 2時間くらいしか経っておらんぞ? もう大丈夫なんか?」
魔力切れの眠気も無く、スッキリして目覚めたら お父さんがびっくりしてる。
今までは 朝までぐっすりとか、半日ぐっすりだったことを思えば、2時間じゃ早いよね。そこまでギリギリの魔力切れではなかったのかも。
「うん、もうスッキリしてるし、大丈夫。お父さんごめんね?」
「ははっ、気にせんでええんじゃ。さっきも言うたが、失敗をするために こうして練習に来ておるんじゃからな」
もう、お父さんってばいい男過ぎるんじゃない?
ワシワシ頭を撫でてくれる手で胸がいっぱいになる。
今朝は森を歩く為に 普段より早い5時半くらいに起きていたらしい。で、今はまだ朝の9時ごろ。
お腹もすいてないし、温かいお茶だけ飲んだら 活動再開だ。
テントを素早く片付けて、リベンジ6階である。
「マッピングは出来たよ。木の上には フォレストスパイダーしかいないっぽい。イエロースネークとオークはこの階にはいないみたい。
ウルフとゴブリン、ホーンラビットが ちょこちょこ いるくらいだったよ」
フォレストスパイダーは 大きさが50センチくらいと結構な大きさなんだけど、穏やかな性格の蜘蛛で、自分から襲ってくることはあまりないとされている。
ただ、この蜘蛛が落とす糸が 買取に出ていたので 積極的に狩らせていただきます。
普通の森にいるフォレストスパイダーは 討伐しないけど、ダンジョンだからね。
索敵魔法は自分の周辺だけにして、周囲2メートル、高さはフォレストスパイダーが居る木の枝までに指定する。
まずはセフティーゾーンを目指して、そこまで行ってから、果てを目指してみることにしている。
実際の果てがどんな風になっているのか、布の印があるのかも確認する予定だ。
なので、セフティーゾーンまでは 緑の印を目印にして 森を歩く。
洞窟エリアとは違い、魔獣も本当に森で生活するように自由に活動しているのが分かる。
ゴブリンはホーンラビットを追いかけているし、ウルフは 水を飲んでいる。
まあ、私を見つけたら襲ってくるのは同じだけどね。
樹々がある分、落ち葉もあれば 枝もある。
ゴブリンが落ちている枝を武器として 振りかぶってくるのも 自然だろう。
まあ、武器があろうとなかろうと、強さは変わらないから 魔法で一撃ですけども。
「【ウッドアロー】」
「【ウッドランス】」
「【リーフウォール】」
「【アースボール】」
「【アースランス】」
森、良いね!洞窟では使わなかった木魔法と土魔法が使い放題だ。
あまり使ってなかった魔法を使えるのは練習にもなるから 嬉しい。
必要が無くても風魔法で葉っぱを巻き上げて壁とかも作っちゃう。おお、そういえばこの葉っぱを巻き上げている状態で丸太を残せば、空蝉の術が出来るんじゃない?
丸太をどこから持ってくる?って話ではあるけど、これは今後の訓練かな。
普段はランス系を使うことが少ないけど、ダンジョンだったらどんな討伐方法でも ドロップアイテムは変わらない。
森でウルフをくし刺しにしたら、毛皮が売れなくなっちゃうけど、そんな事を気にしないで良いから 魔法の練習し放題だ。
「魔力は本当に回復したようじゃなぁ」
危険すぎる魔獣はいないから お父さんはある程度離れたところを歩いているので、私のところに来なかった魔獣がお父さんの所に行くこともある。
武器は特に持ってないけど 「キャン」とか「グギャっ」とか聞こえるから 普通に倒しているんだと思う。振り向いた時にはエフェクトしか見えないから どんな倒し方してるか分かんないけど。
「【エアショット】」
木の上で巣作りしているフォレストスパイダーを見つけては 風の弾丸で撃ち落とす。
ごめんね!とは思うけど、エフェクトと共に 纏められた糸を受け取り鞄に入れる。
フォレストスパイダーの糸は 丈夫で付与魔法も付けやすい。
私が着ている冒険者装備も、アンダーシャツはフォレストスパイダーの糸で作られた布らしい。なので、ここのギルドに納品する分以外にも、リリウムさんのお土産にするつもり。
糸をもらっても困るかもしれないけど、まあ お土産だからね。
ホーンラビットの角は拾い、ゴブリンの腰布と、ウルフの尻尾は放置する。フォレストスパイダーの糸は積極的に集め、緑の目印から 黄色い目印が増えはじめた頃、今日の目的地 セフティーゾーンに到着した。
マッピングでも分かっていたけど、この階にあるセフティーゾーンはここの1か所だけ。
もっと広い森の場合は、数か所にあるらしいけど、この階は然程広くないからここだけなんだろう。
だけどテントは5台くらい余裕で張れるだけの広さがあり、ココだけポッカリ開いている。
こんな目立つ場所だけど大丈夫なのか?と思っていたら、不思議なことに 魔獣が直ぐ近くまで来た割に、このエリアに私たちが入った途端、急に興味を失ったように去っていった。
「お父さん、ココってどうなってるの?」
「ダンジョンのボス部屋前のエリア、パニックルームと同じじゃな。見えるような結界がある訳じゃないが、セフティーゾーンに魔獣は入ってこん。
まあ、反乱がおきたような時には どうなるか分からんが、通常の時には セフティーゾーンに入れば安全じゃ」
ダンジョンの不思議がまた増えたね。
「そしたら結界の魔術具を使わなくても大丈夫なんだね」
「まあ、今日はそうじゃな」
今日は?
限定された言葉を不思議に思って聞けば、魔獣は来なくても 冒険者は入れる。素行の悪い冒険者に襲われる可能性があるから、寝る時に結界の魔術具を使うのは常識だと言われた。
≪まじゅうより ひとがこわいよ だんじょんは≫
ヴィオ、心の一句が出来ました。
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