時間泥棒【完結】

虹乃ノラン

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第三章

魚海町シーサイド商店街(4)

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「違うよ! 考えごとだよ! もし僕があの白猫で、僕たちになにか協力してほしいことがあるなら、一体どこへ連れて行くつもりなんだろうって考えてたんだよ」

 すると、ミチルがおもむろにカバンの中を漁り、公園で見つけた写真を取り出して覗き込んだ。

「あの猫、わたしたちに気づいてほしいみたいに、わざとこの埋まった地面を掘ってたわ!」
「だけどよ? この写真になんかクレイジーなとこなんてあるか?」

 みんなで写真を覗き込む。
 確かに、この写真に特に変わったところはない。

 もちろん撮った覚えはないから、その疑問は解決してないけど……。

 みんなで目を凝らしていると、マルコが慌て始めた。

「ここ! ねえ! ここ見て!」
「なんだ? なんかピントがぼけてて、よくわからないぜ?」

 写真の右隅っこを見ると、なにやらピンクと白の縞々の物体がぼんやり写っている。

「このクレイジーな物体はなんだ? まさか心霊写真か!?」

 ジョージがさらに覗き込むと、マルコが声を弾ませた。

「シーサイド商店街の提灯だよ!」
「ああ……、確かにあるわね。この提灯、昔からずっとあるから、馴染みすぎてて忘れてたわ」

 商店街のアーケードには、これに似た提灯がズラッと吊り下げられている。

「でも、なんでシーサイド商店街なのかしら?」

 ミチルが考え込む。

「とにかく行ってみようよ! 紅葉もいるかもしれないし」

 みんな黙ってうなずくと、シーサイド商店街のある魚海町へと急いだ。

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