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メールチェックは新人の必須業務
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△▼△▼△▼△▼
内山さんの可愛らしい声を聞き届けた後
再活動するまでにかなり時間を要したが
栄治はなんとか情報をまとめた
そしてとりあえず初めにした事は
カシュッ
ゴクッ
ぶへぁっ!
の現実逃避だった
「夢だから、これは夢だから」
ブツブツと呟き酒を煽る様は中毒患者そのもの
その一方で案外冷静なもう片方の手はスマホを操作して会社用メールサーバーにアクセスし、アカウント情報を入力し終わった所である
◎ 本社への移動のお知らせ
受信欄の一番上に書かれているその文字を見て
この夢は設定が細かいなぁ
と一言
尚、この段階でもだいぶメンタルブレイクしている為口に出ていたかは定かではない
スマホ画面を上下にスライドして詳細を確認する
・部署は総合営業部
・就業時間は黒字なら自由
・給与形態としては基本給+歩合
・住民税は現地の法に則った額を給与から支出
・社会保険料も給与から支出
・確定出所年金も希望する場合は給与から支出
・家賃補助は1万7千円
・通勤手当は無し
・労災完備
・全国津々浦々に福利厚生施設有り
特記する事はこれくらいだろうか
箇条書きになってしまったのはそれを読んで行く栄治の様相が尚更おかしくなった為である
上から順番に音声記録のみ並べると
「希望通り営業職か!でも総合営業部?そんな部署あったか??」
「黒字ならってこれは個人成績だよね?部署単位じゃないよね?てか他に人いるのか?」
「基本給あるなら家賃は払えるな…ん?もし滞納したら外に出られるのか?強制退去されたとして何処に出るんだろ……うん、考えたくない!後回し!!」
「はい出ました“現地”!俺が知りたいよ!!後回ぁぁし!!」
「社会保険料か、おじさんが勝手に結構持っていかれるってボヤいてたなぁ」
「確定出所年金???希望も何も存在がわからん窓口もしらん!義務教育に組み込めよもう」
「家賃補助!!会社から月1万7千円貰えるって事でいいんだよな!?すげー!ホワイトじゃん!勝ち組キタコレ!!……ホワイトなのは視界だけだったじゃねーか!!しかも次は超ド級のブラックだったの忘れてねーかんな!」
「通勤、無し、はは、笑える」
「労災…たった今災害に巻き込まれてるんですが…帰宅してるから無効ですかそうですか」
「転生、転移の間は福利厚生施設に含まれますか?無理でしょ、癒しってよりは救済だもの」
酒の力も借りて一通り思いを吐き出すと今見ていたメールの下にいくつかの未読メールが届いているのを発見する
「そういやデフォルトでは古い順に上から並べる設定になってたっけ」
設定を操作して新しい順に上から並ぶようにするとそのタイミングでメールの送受信も行ったらしく
「ひぃっ!!」
更新された情報に思わず悲鳴を上げてしまう
それは無理もないことだろう
今栄治が見ている受信メール欄には
◎たすけて
◎ほんとにおねがい
◎お願いします
◎件名なし
◎お願いします早く見つけて
◎件名なし
◎件名なし
◎件名なし
◎件名なし
◎何やってんの早よ見ろやボケェ
◎件名なし
◎件名なし
◎ログインしているのは分かっています
◎件名なし
◎件名なし
◎件名なし
◎【重要】緊急連絡至急確認されたし
◎件名なし
◎件名なし
◎【緊急】初めにこのメールから開く事
◎>>外部ツールからのログインを確認しました
etc...
同じ宛先から、必死さを感じさせる件名のメールが数十秒毎に送り続けられているのであったのだから
△▼△▼△▼△▼
内山さんの可愛らしい声を聞き届けた後
再活動するまでにかなり時間を要したが
栄治はなんとか情報をまとめた
そしてとりあえず初めにした事は
カシュッ
ゴクッ
ぶへぁっ!
の現実逃避だった
「夢だから、これは夢だから」
ブツブツと呟き酒を煽る様は中毒患者そのもの
その一方で案外冷静なもう片方の手はスマホを操作して会社用メールサーバーにアクセスし、アカウント情報を入力し終わった所である
◎ 本社への移動のお知らせ
受信欄の一番上に書かれているその文字を見て
この夢は設定が細かいなぁ
と一言
尚、この段階でもだいぶメンタルブレイクしている為口に出ていたかは定かではない
スマホ画面を上下にスライドして詳細を確認する
・部署は総合営業部
・就業時間は黒字なら自由
・給与形態としては基本給+歩合
・住民税は現地の法に則った額を給与から支出
・社会保険料も給与から支出
・確定出所年金も希望する場合は給与から支出
・家賃補助は1万7千円
・通勤手当は無し
・労災完備
・全国津々浦々に福利厚生施設有り
特記する事はこれくらいだろうか
箇条書きになってしまったのはそれを読んで行く栄治の様相が尚更おかしくなった為である
上から順番に音声記録のみ並べると
「希望通り営業職か!でも総合営業部?そんな部署あったか??」
「黒字ならってこれは個人成績だよね?部署単位じゃないよね?てか他に人いるのか?」
「基本給あるなら家賃は払えるな…ん?もし滞納したら外に出られるのか?強制退去されたとして何処に出るんだろ……うん、考えたくない!後回し!!」
「はい出ました“現地”!俺が知りたいよ!!後回ぁぁし!!」
「社会保険料か、おじさんが勝手に結構持っていかれるってボヤいてたなぁ」
「確定出所年金???希望も何も存在がわからん窓口もしらん!義務教育に組み込めよもう」
「家賃補助!!会社から月1万7千円貰えるって事でいいんだよな!?すげー!ホワイトじゃん!勝ち組キタコレ!!……ホワイトなのは視界だけだったじゃねーか!!しかも次は超ド級のブラックだったの忘れてねーかんな!」
「通勤、無し、はは、笑える」
「労災…たった今災害に巻き込まれてるんですが…帰宅してるから無効ですかそうですか」
「転生、転移の間は福利厚生施設に含まれますか?無理でしょ、癒しってよりは救済だもの」
酒の力も借りて一通り思いを吐き出すと今見ていたメールの下にいくつかの未読メールが届いているのを発見する
「そういやデフォルトでは古い順に上から並べる設定になってたっけ」
設定を操作して新しい順に上から並ぶようにするとそのタイミングでメールの送受信も行ったらしく
「ひぃっ!!」
更新された情報に思わず悲鳴を上げてしまう
それは無理もないことだろう
今栄治が見ている受信メール欄には
◎たすけて
◎ほんとにおねがい
◎お願いします
◎件名なし
◎お願いします早く見つけて
◎件名なし
◎件名なし
◎件名なし
◎件名なし
◎何やってんの早よ見ろやボケェ
◎件名なし
◎件名なし
◎ログインしているのは分かっています
◎件名なし
◎件名なし
◎件名なし
◎【重要】緊急連絡至急確認されたし
◎件名なし
◎件名なし
◎【緊急】初めにこのメールから開く事
◎>>外部ツールからのログインを確認しました
etc...
同じ宛先から、必死さを感じさせる件名のメールが数十秒毎に送り続けられているのであったのだから
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