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プロローグ
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△▼△▼△▼△▼
「さて、今日の予定は…と」
タブレット端末を操作して本日の納品依頼と在庫商品を確認する
「あー、そろそろ卵が無くなるな、あとは草と葉っぱかね?補充しなきゃならんか」
卸元に商品在庫の為の発注操作をしながらメール欄に目をやると新規案件がチラホラ
「試供品に食い付いたかな?あの暑い国でクオリティの高いアイスはもはや毒だろうて」
悪どい笑みを浮かべながら価格設定と新たなお客様へのプレゼンを頭で構築する
「独り言、ニヤケ面、なんか不愉快、役満です」
昨日泊まりに来て朝食を作ってくれていた妹の愛情表現は今日も歪んでいる
「ちゃんと稼いでいるんだからこのくらいしたって許されるはずだ!」
「外に出ない引きこもりの癖にー?」
「グハァ」
反論したらとんでもない危険球が返ってきた
「妹よ、会話ってのはキャッチボールなんだぞ?
お前のはドッヂボールだ」
受け止めるのに覚悟が要る上、当たると痛い
「ドッヂなら言葉の通りに躱せばいいじゃない、それにキャッチボールのつもりだよ?兄貴はグローブ無しなだけで」
「理不尽!!」
「ボールは硬式」
「やめてくださいしんでしまいます」
メジャーではデットボールで文字通りの死亡例があるくらいなんだからな!
それに外にならちゃんと出て商売もしている!
そんな事を目で訴えていたら
「悔しかったらさっさと日本戻ってきてよ…馬鹿兄貴」
豪速球からのキレのある変化球に体制を崩されて
「今日はいい天気だなぁ」
なんて空振り確定な台詞を吐く
「はぁ、ソーニャもこんな奴のどこがいいんだか」
案の定擦りもしなかった俺にしっかり追撃を放ってくる妹
「ゼミの飲み会があるから今日も泊まるね」
畳み掛けるように今度は隠し球だとぉ!?
いけません!それはいけませんぞ!!
「ちょっと待て聞いてないぞ!?」
「言ってないからね、でも兄貴が泊めてくれないんなら何処ぞの馬の骨にでも着いて行っちゃおうかしらー?」
確かに妹は可愛らしい顔をしている
スタイルも並以上
しかし戦闘力はそれ以上にある
そして猫を被るだとかが全く無い為に地である虎がダイレクトで見えるのだ
「はっは!お前に粉かけるようなやつは馬どころか鹿ももれなく付いてくる獣だ!ぶっ飛ばしてあげなさい」
「骨にしてあげましょうか?」
「のーせんきゅー」
「他に言う事は?」
「スミマセンデシタ」
「よろしい」
兄の威厳?
そんなもんとっくに故郷の田舎の地下深くに埋まってますよ
「今日は取引先に誘われているから俺も帰り遅いぞ?夕食もあっちで頂くし」
「大丈夫、スペアキーあるから」
「はぁ!?」
まさに晴天の霹靂
妹の発した言葉に顔が青くなる
「お前それ作ったのか!?」
最悪のパターンを何個か想定しながら真剣な表情で問いただす
「ううん、テン婆ちゃんから貰った『普通のやつ』って言ってたよ」
俺の剣幕に少し驚きながら、呑気にもそんな言葉が返ってきたので思わず項垂れてしまう
安全ではあるが、安心出来ない回答なんだけどなぁ
と言うか
「俺にも『普通のやつ』くれよ、テン婆さん」
情けなく力が抜けていく俺の前で
「何でこんな奴が良いんだろうねぇ…ほんとに…」
こちらをぼんやりと眺める妹が
聞こえるか聞こえないかギリギリの声で毒を吐いていた
▼△▼△▼△▼△
「さて、今日の予定は…と」
タブレット端末を操作して本日の納品依頼と在庫商品を確認する
「あー、そろそろ卵が無くなるな、あとは草と葉っぱかね?補充しなきゃならんか」
卸元に商品在庫の為の発注操作をしながらメール欄に目をやると新規案件がチラホラ
「試供品に食い付いたかな?あの暑い国でクオリティの高いアイスはもはや毒だろうて」
悪どい笑みを浮かべながら価格設定と新たなお客様へのプレゼンを頭で構築する
「独り言、ニヤケ面、なんか不愉快、役満です」
昨日泊まりに来て朝食を作ってくれていた妹の愛情表現は今日も歪んでいる
「ちゃんと稼いでいるんだからこのくらいしたって許されるはずだ!」
「外に出ない引きこもりの癖にー?」
「グハァ」
反論したらとんでもない危険球が返ってきた
「妹よ、会話ってのはキャッチボールなんだぞ?
お前のはドッヂボールだ」
受け止めるのに覚悟が要る上、当たると痛い
「ドッヂなら言葉の通りに躱せばいいじゃない、それにキャッチボールのつもりだよ?兄貴はグローブ無しなだけで」
「理不尽!!」
「ボールは硬式」
「やめてくださいしんでしまいます」
メジャーではデットボールで文字通りの死亡例があるくらいなんだからな!
それに外にならちゃんと出て商売もしている!
そんな事を目で訴えていたら
「悔しかったらさっさと日本戻ってきてよ…馬鹿兄貴」
豪速球からのキレのある変化球に体制を崩されて
「今日はいい天気だなぁ」
なんて空振り確定な台詞を吐く
「はぁ、ソーニャもこんな奴のどこがいいんだか」
案の定擦りもしなかった俺にしっかり追撃を放ってくる妹
「ゼミの飲み会があるから今日も泊まるね」
畳み掛けるように今度は隠し球だとぉ!?
いけません!それはいけませんぞ!!
「ちょっと待て聞いてないぞ!?」
「言ってないからね、でも兄貴が泊めてくれないんなら何処ぞの馬の骨にでも着いて行っちゃおうかしらー?」
確かに妹は可愛らしい顔をしている
スタイルも並以上
しかし戦闘力はそれ以上にある
そして猫を被るだとかが全く無い為に地である虎がダイレクトで見えるのだ
「はっは!お前に粉かけるようなやつは馬どころか鹿ももれなく付いてくる獣だ!ぶっ飛ばしてあげなさい」
「骨にしてあげましょうか?」
「のーせんきゅー」
「他に言う事は?」
「スミマセンデシタ」
「よろしい」
兄の威厳?
そんなもんとっくに故郷の田舎の地下深くに埋まってますよ
「今日は取引先に誘われているから俺も帰り遅いぞ?夕食もあっちで頂くし」
「大丈夫、スペアキーあるから」
「はぁ!?」
まさに晴天の霹靂
妹の発した言葉に顔が青くなる
「お前それ作ったのか!?」
最悪のパターンを何個か想定しながら真剣な表情で問いただす
「ううん、テン婆ちゃんから貰った『普通のやつ』って言ってたよ」
俺の剣幕に少し驚きながら、呑気にもそんな言葉が返ってきたので思わず項垂れてしまう
安全ではあるが、安心出来ない回答なんだけどなぁ
と言うか
「俺にも『普通のやつ』くれよ、テン婆さん」
情けなく力が抜けていく俺の前で
「何でこんな奴が良いんだろうねぇ…ほんとに…」
こちらをぼんやりと眺める妹が
聞こえるか聞こえないかギリギリの声で毒を吐いていた
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