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北月家がやってきた!!
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「冬華さん…やってくれましたね…!!!」
どうも汚い大人に翻弄される主人公
田中 燈です☆
私は今【アトラス・コーポレーション】つまり本社内の第二スタジオでバシャバシャと光るストロボの中、写真を撮られている
今日の仕事はファッション誌【ATLAS teen】のモデルだ
なんでまたこんな事になったかと言うと
うどんさんの転職の際にそこの社長とトップ対談、もともと社長さんはファッション誌から独立してアパレル産業をやっていたらしく私達の写真をみて陥落
「どこでもトップ張れる子が何でこんなに集まってるのよ!?雪城ォ!あんた隠してたわねっ!!?」
「前からの知り合いはこの二人だけですって!しかも紹介なんかした日には絶対マネキンにするでしょ?社長達!!」
「当たり前じゃないの!!だから怒ってんのよ!!」
「だから紹介したくなかったんですよ!!」
そこに冬華さんがつけ込んで【ATLAS・Corporation】出資の元、ファッション誌の創刊が決定したのだった
紹介される服は社長さんが嬉々として選んで…というか寝る間も惜しんで作っている
元々従業達も社長の熱意に引っ張られて働いている根っからの職人との事で、嬉しい悲鳴が今も鳴り響いているそうな
それは後にファッション業界を席巻するメーカー【ATLAS】の産声でもあった
ついでに
Suicaさんの働いていた会社はまるまる吸収されて本社にジムとプールが出来た
あっという間にできた
「奴ら座ってばかりで健康にも良くないからね?福利厚生と健康維持の一環として考えてはいたのよ?麗華ちゃんを雇うあたりもしやと思ってたけどやっぱり綺麗どころ揃ってたわぁ♪向こうの社長とも話が合って良かった良かった」
Suicaさんの元社長さん、げっそりしてますが本当に話し合いしたんですよね?
現在運動施設は社員の家族が多く使用しており、これから増えるであろう使用者を見越して既に増築を検討中だそうだ
【ATLAS Corporation】では今社員の本社移住を推奨しており、猿渡さんや東雲幼稚園の職員から長期治療患者の家族まで幅広く募集をかけ、続々と人が集まってきている
その中には我が田中家も入っていたりする
「おねぇちゃん♪今日おかぁさん来るんだよね??ルナ今日おねぇちゃんとおかぁさんと寝るー♪」
休憩中だったルナが帰ってきた!
これでまだ戦える!!
はしゃぐルナを見ながら、ルナと樹さんが田中家に来た時の事を思い出す
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
田中家
「うわぁぁぁあ!姉ちゃん!ついにやっちまった!!」
「侑!落ち着きなさい!燈も!可愛いのはわかるけど元いた場所に返してきなさい!?」
「凛さん…そんな犬猫拾ったみたいに言わなくても…でもこの子の場合、元いた場所ってどこなの?天界?天使でしょどうみても」
『妹を連れてくる』と宣言したというのに我が弟は大袈裟だなぁ、それに遠方に嫁いだ姉さんまで…久々の再会なのに何を狼狽えているのやら
愚弟には勿体ない彼女の薫ちゃんは流石ね
本質を見抜く力があるわー
「あらー♪かぁわいい子ねぇーー!!」
「お嬢ちゃん!おじさんは田中 肇って言うんだ!よろしくな!」
「はじめおじさん!はじめまして!!北月 春奈です!!」
「あらずるい!春奈ちゃん?おばさんは田中 優希って言うの!ここにいる凛と燈と侑と…将来的には薫ちゃんのお母さんなの!よろしくね♪」
「おねぇちゃんのおかぁさん…だからルナにもおかぁさん??ゆうきおかぁさん!はじめまして!春奈です!!」
「まぁ!まぁまぁまぁまぁ!!なんて良い子!!暑かったでしょ?アイスクリーム食べる?」
「食べたいです!!」
「はっはっはっ!!!」
そして安定の両親である
玄関で早々に騒がれて『返してきなさい』なんて言われてしょんぼりしていたルナを一発で立ち直らせた
もう少し遅かったら愚弟をボコボコにしていた所だ、命拾いしたな
「それで?どっちが本命だ?燈」
先程から放たれている父の圧力が増す
侑は少し感じ取れているようだがまだ甘いかな?
ルナや薫ちゃんにはわからないようにするあたり流石だ
姉さんは道場の方へ歩いて行った、おそらく準備をしに向かったのだろう
「どっちもかな?片方は私のこれからの本命でもう片方はお土産としての本命!」
「こんにちは、春菜の父で北月 樹と申します。先にお話した通り、大事なお話がありますのでご挨拶に参らせていただきました。」
樹さんが玄関に入ってきた
結構な圧を感じている筈だけど飄々としといる樹さん…結構神経図太いんですね?
「燈ちゃん…人をお土産扱いしないでよ」
「ルナが泣きそうだった!離せ父ちゃん!」
ルナを守ろうとさっきからジタバタしている愁君を捕らえながら咲山さんも入ってきた
「ふむ、これは良いなぁ!しかし客を前に土産から楽しむわけには行くまい、自己紹介は後ほどでよろしいかな?土産殿?」
「えぇ!こちらもその方が助かります、道場の方を見学していてもよろしいですか?」
「今、長女が門下生を見ている所なので丁度いい、生意気な奴がいたら叩きのめして結構ですよ!はっはっは!!」
「息子の愁共々大人しく見学させて頂きます」
「愁君と言うのか、ウチのものが春奈ちゃんを悲しませてすまなかった!」
父が愁君に頭を下げて謝る
「その護る心、どうか大事にして欲しい」
続け様にそう告げると
「わかり…ました。」
愁君は気持ちを上手く飲み込めたようだ
「うむ!強い子だ!さぁ中へお入り、一緒に美味しい物を食べてからお父さんと見学すると良い!あぁ、馬鹿もん達にはちゃんと春奈ちゃんに謝らせるから安心しなさい」
「はい!お邪魔します!ルナー!」
「しゅーくん!!アイス美味しいよ!!手作りなんだって!」
「「また美形が来たっ!?」」
「あらぁ?ルナちゃんのボーイフレンドかしら?」
リビングの方から声が聞こえる
樹さん、ポーカーフェイス崩れてますよ
姉さんと弟は父に一喝される前にルナに謝ってはいたものの
「大丈夫です!りんおねぇちゃんとたすくおにぃちゃん!かおるおねぇちゃんも!ルナと仲良くしてくださいっ!!」
天使のカウンターを喰らい罪悪感に打ち拉がれていた
天罰覿面とはこの事だね!
程良く打ち解けた頃に客間へと移動して本題へと移る
「今回、私の要件としては二つ…場合によっては三つになりますがそれ以上はありませんのでそのつもりでまずお聞きいただけると幸いです。」
樹さんが話を切り出した
しかし、三つ??二つはわかるがあと一つが見当もつかない、なんだろ?
一つ目、ユニット活動の大成功により、私の【ATLAS】芸能部への所属が早急に必要になったのだ。
まだ未成年の私は両親の許可なく活動する事が出来ない為、その許可を得に来たのである
二つ目、私の養子縁組についての話だ
凛姉さんが来ているのもおそらくそういった根回しがあっての事と思われる
三つ目の心当たりを探しているうちに話は進んで行く
一つ目はあっさり許可され、その場で契約書を交わして片付いた
そして二つ目
「見ての通り、娘の春奈は燈さんにべったりでして…燈さんもそんな春奈を本当に愛してくれて、先日には『私を春奈の本当のお姉ちゃんにして下さい』と養子縁組の相談をされまして…」
「はっはっ!燈の言いそうな事だ!」
「燈、気持ちはわかるけどお母さんちょっとだけ複雑…でもまぁ嫁に行くリハーサルと思えば大丈夫ね!」
「あの…そうなのですが…」
ん?これまで淀みなく答えていた樹さんの様子がおかしいぞ?
「ふぅ、やはり決めました!」
晴々しい顔をした樹さんが私を見たあと父を見据える
なんだマイハート!不意打ちだからって喜びすぎじゃないか!!
「三つ目…ですかな?燈のあの様子だとおそらくわかっていませんよ?」
悪戯な笑みを浮かべる父
「えぇ、ここにまでならないと覚悟が決まらない情け無い男ですがその分本気です」
なんだ!?この展開!
「よろしい!先程までならいざ知らず、今の貴方ならば聞きましょう!」
「はい!」
一呼吸入れたあと、もう一度私を見たその人はルナの父親ではない一人の男の人だった
「燈さんを、春奈の姉の北月 燈ではなく、私の妻の北月 燈として迎え入れたく存じます!!」
助けて!マイハートが息してないの!!
「よくぞ言った!その目とその覚悟、見届けさせて頂いた!」
え?父さん納得早すぎない?姉さんの時は…
「しかし慣しみたいなものでな?私に一撃入れてこそ娘を託す事にしているのだよ、見たところ剣道だろうか?わりかし振れるとお見受けする」
デスヨネー、凛姉さんの旦那さんの時は…ってえっ?!樹さん剣道やってたの?父さんがなかなかって言う事は結構上位ランクなんだと思うんだけど全然気がつかなかった!!
「ブランクがあってもわかる人にはやはりわかるものなのですね、道場の方が都合よろしいかもしれませんね?お土産もある事ですし」
「はっはっは!木刀は準備させておくかね?」
「いえ、長らく握っておりませんし何より私の我儘もあります、無手でお願いしたいです。」
心底愉快そうな父と朗らかな樹さん
怒涛の流れに目が点になっている私と息を吹き返したマイハート
「燈ー?道場行くよー」
「姉ちゃんを翻弄してる男の人初めて見た」
「想像も出来なかったけどちゃんと存在するんだねぇ…しかも高収入高学歴イケメンの絵に書いたようなスパダリ」
「ルナちゃんは可愛いけどおばぁちゃんになっちゃったわぁ…」
「ゆうきおかぁさんはおかぁさん!お料理いっぱい教えてほしいの!!」
「樹さん!不束な娘ですがよろしくお願いします!!」
「はっは!!母さん、もう少しだけ待っておくれよ?」
もうどうにでもなーれ☆
道場での父と樹さんのやり取りは一瞬、一閃だった
互いに正座から始まり、父が構えを取ると
樹さんはその構えに対して右脚を半歩だけ引き無手で上段、それも頭の上と言う超攻撃的な構えを取った
父が圧を強めたその瞬間
樹さんの手元に真剣が現れ圧と共に父の右肩からバッサリと斬り込みが入ったのを幻視した
「もう少し深く入ると思ったんですが…しかし想いは込めました、届きましたでしょうか??」
「薩摩“鳴神”一刀流か!顔に似合わず一撃必殺とは!こちらは思ったよりも深く入って精進が必要と思っていた所だよ、無論しかと受け止めた!燈!幸せにしてもらいなさい!」
「ありがとうございます!」
あれよあれよと父と話をつける目の前の男の人は私の目を、私の中身全部を見てくれるようなそんな目で見つめながら
「燈ちゃん…本当に急なんだけど僕と結婚してくれないかな?」
両手を握りしめてそうハッキリと言ってくれた
「う、ひゃ、はううう////」
「「「「「キャーーーー!!///」」」」」
「あの一撃見せられたらなぁ」
「諦めもつくわな」
「あと超イケメン」
「「「それを言うなよ」」」
忘れてたけどここ道場で門下生も居たんだった///こ、公開プロポーズ///
「室長さんあんなに出来たのか…今度手合わせしたいなぁ」
「父ちゃん、多分だけど今は違うと思う」
「やっぱり幸せな二人は結婚なの!!ルナの大好きがずっと一緒でルナもずっと幸せなのーー!!!」
「出来たばかりの姪っ子が可愛すぎる」
「「完全同意」」
私がマイハートにぶん殴られている頃、順調に同志は増えていた模様
「え、えと、ルナと私がもう少し大人になってからふつつかながらよろしくのねがいしゅましゅううう///」
そこで私の記憶は途絶えた
尚この後
父対咲山さんの壮絶な自己紹介~風雲編~があったらしいが当たり前のように見逃した
「我が流派が目の敵にしている少林流はその昔、寺を建てたらしい」
「ほぅ…お義父さん、実は我々今都市づくりの真っ最中でしてね?田中流は街を作った…なんて良いと思いませんか?」
目を覚ますとそんなやり取りをしている父と樹さん
なにやら大人が悪い顔をして楽しそうにしているぞ!?
そんな大人達に翻弄される主人公!
北月(予定) 燈でっす☆
最近周りから浮かれポンチって言われます♪
しょうがないじゃんか!!多分初恋だぞ!
どうも汚い大人に翻弄される主人公
田中 燈です☆
私は今【アトラス・コーポレーション】つまり本社内の第二スタジオでバシャバシャと光るストロボの中、写真を撮られている
今日の仕事はファッション誌【ATLAS teen】のモデルだ
なんでまたこんな事になったかと言うと
うどんさんの転職の際にそこの社長とトップ対談、もともと社長さんはファッション誌から独立してアパレル産業をやっていたらしく私達の写真をみて陥落
「どこでもトップ張れる子が何でこんなに集まってるのよ!?雪城ォ!あんた隠してたわねっ!!?」
「前からの知り合いはこの二人だけですって!しかも紹介なんかした日には絶対マネキンにするでしょ?社長達!!」
「当たり前じゃないの!!だから怒ってんのよ!!」
「だから紹介したくなかったんですよ!!」
そこに冬華さんがつけ込んで【ATLAS・Corporation】出資の元、ファッション誌の創刊が決定したのだった
紹介される服は社長さんが嬉々として選んで…というか寝る間も惜しんで作っている
元々従業達も社長の熱意に引っ張られて働いている根っからの職人との事で、嬉しい悲鳴が今も鳴り響いているそうな
それは後にファッション業界を席巻するメーカー【ATLAS】の産声でもあった
ついでに
Suicaさんの働いていた会社はまるまる吸収されて本社にジムとプールが出来た
あっという間にできた
「奴ら座ってばかりで健康にも良くないからね?福利厚生と健康維持の一環として考えてはいたのよ?麗華ちゃんを雇うあたりもしやと思ってたけどやっぱり綺麗どころ揃ってたわぁ♪向こうの社長とも話が合って良かった良かった」
Suicaさんの元社長さん、げっそりしてますが本当に話し合いしたんですよね?
現在運動施設は社員の家族が多く使用しており、これから増えるであろう使用者を見越して既に増築を検討中だそうだ
【ATLAS Corporation】では今社員の本社移住を推奨しており、猿渡さんや東雲幼稚園の職員から長期治療患者の家族まで幅広く募集をかけ、続々と人が集まってきている
その中には我が田中家も入っていたりする
「おねぇちゃん♪今日おかぁさん来るんだよね??ルナ今日おねぇちゃんとおかぁさんと寝るー♪」
休憩中だったルナが帰ってきた!
これでまだ戦える!!
はしゃぐルナを見ながら、ルナと樹さんが田中家に来た時の事を思い出す
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田中家
「うわぁぁぁあ!姉ちゃん!ついにやっちまった!!」
「侑!落ち着きなさい!燈も!可愛いのはわかるけど元いた場所に返してきなさい!?」
「凛さん…そんな犬猫拾ったみたいに言わなくても…でもこの子の場合、元いた場所ってどこなの?天界?天使でしょどうみても」
『妹を連れてくる』と宣言したというのに我が弟は大袈裟だなぁ、それに遠方に嫁いだ姉さんまで…久々の再会なのに何を狼狽えているのやら
愚弟には勿体ない彼女の薫ちゃんは流石ね
本質を見抜く力があるわー
「あらー♪かぁわいい子ねぇーー!!」
「お嬢ちゃん!おじさんは田中 肇って言うんだ!よろしくな!」
「はじめおじさん!はじめまして!!北月 春奈です!!」
「あらずるい!春奈ちゃん?おばさんは田中 優希って言うの!ここにいる凛と燈と侑と…将来的には薫ちゃんのお母さんなの!よろしくね♪」
「おねぇちゃんのおかぁさん…だからルナにもおかぁさん??ゆうきおかぁさん!はじめまして!春奈です!!」
「まぁ!まぁまぁまぁまぁ!!なんて良い子!!暑かったでしょ?アイスクリーム食べる?」
「食べたいです!!」
「はっはっはっ!!!」
そして安定の両親である
玄関で早々に騒がれて『返してきなさい』なんて言われてしょんぼりしていたルナを一発で立ち直らせた
もう少し遅かったら愚弟をボコボコにしていた所だ、命拾いしたな
「それで?どっちが本命だ?燈」
先程から放たれている父の圧力が増す
侑は少し感じ取れているようだがまだ甘いかな?
ルナや薫ちゃんにはわからないようにするあたり流石だ
姉さんは道場の方へ歩いて行った、おそらく準備をしに向かったのだろう
「どっちもかな?片方は私のこれからの本命でもう片方はお土産としての本命!」
「こんにちは、春菜の父で北月 樹と申します。先にお話した通り、大事なお話がありますのでご挨拶に参らせていただきました。」
樹さんが玄関に入ってきた
結構な圧を感じている筈だけど飄々としといる樹さん…結構神経図太いんですね?
「燈ちゃん…人をお土産扱いしないでよ」
「ルナが泣きそうだった!離せ父ちゃん!」
ルナを守ろうとさっきからジタバタしている愁君を捕らえながら咲山さんも入ってきた
「ふむ、これは良いなぁ!しかし客を前に土産から楽しむわけには行くまい、自己紹介は後ほどでよろしいかな?土産殿?」
「えぇ!こちらもその方が助かります、道場の方を見学していてもよろしいですか?」
「今、長女が門下生を見ている所なので丁度いい、生意気な奴がいたら叩きのめして結構ですよ!はっはっは!!」
「息子の愁共々大人しく見学させて頂きます」
「愁君と言うのか、ウチのものが春奈ちゃんを悲しませてすまなかった!」
父が愁君に頭を下げて謝る
「その護る心、どうか大事にして欲しい」
続け様にそう告げると
「わかり…ました。」
愁君は気持ちを上手く飲み込めたようだ
「うむ!強い子だ!さぁ中へお入り、一緒に美味しい物を食べてからお父さんと見学すると良い!あぁ、馬鹿もん達にはちゃんと春奈ちゃんに謝らせるから安心しなさい」
「はい!お邪魔します!ルナー!」
「しゅーくん!!アイス美味しいよ!!手作りなんだって!」
「「また美形が来たっ!?」」
「あらぁ?ルナちゃんのボーイフレンドかしら?」
リビングの方から声が聞こえる
樹さん、ポーカーフェイス崩れてますよ
姉さんと弟は父に一喝される前にルナに謝ってはいたものの
「大丈夫です!りんおねぇちゃんとたすくおにぃちゃん!かおるおねぇちゃんも!ルナと仲良くしてくださいっ!!」
天使のカウンターを喰らい罪悪感に打ち拉がれていた
天罰覿面とはこの事だね!
程良く打ち解けた頃に客間へと移動して本題へと移る
「今回、私の要件としては二つ…場合によっては三つになりますがそれ以上はありませんのでそのつもりでまずお聞きいただけると幸いです。」
樹さんが話を切り出した
しかし、三つ??二つはわかるがあと一つが見当もつかない、なんだろ?
一つ目、ユニット活動の大成功により、私の【ATLAS】芸能部への所属が早急に必要になったのだ。
まだ未成年の私は両親の許可なく活動する事が出来ない為、その許可を得に来たのである
二つ目、私の養子縁組についての話だ
凛姉さんが来ているのもおそらくそういった根回しがあっての事と思われる
三つ目の心当たりを探しているうちに話は進んで行く
一つ目はあっさり許可され、その場で契約書を交わして片付いた
そして二つ目
「見ての通り、娘の春奈は燈さんにべったりでして…燈さんもそんな春奈を本当に愛してくれて、先日には『私を春奈の本当のお姉ちゃんにして下さい』と養子縁組の相談をされまして…」
「はっはっ!燈の言いそうな事だ!」
「燈、気持ちはわかるけどお母さんちょっとだけ複雑…でもまぁ嫁に行くリハーサルと思えば大丈夫ね!」
「あの…そうなのですが…」
ん?これまで淀みなく答えていた樹さんの様子がおかしいぞ?
「ふぅ、やはり決めました!」
晴々しい顔をした樹さんが私を見たあと父を見据える
なんだマイハート!不意打ちだからって喜びすぎじゃないか!!
「三つ目…ですかな?燈のあの様子だとおそらくわかっていませんよ?」
悪戯な笑みを浮かべる父
「えぇ、ここにまでならないと覚悟が決まらない情け無い男ですがその分本気です」
なんだ!?この展開!
「よろしい!先程までならいざ知らず、今の貴方ならば聞きましょう!」
「はい!」
一呼吸入れたあと、もう一度私を見たその人はルナの父親ではない一人の男の人だった
「燈さんを、春奈の姉の北月 燈ではなく、私の妻の北月 燈として迎え入れたく存じます!!」
助けて!マイハートが息してないの!!
「よくぞ言った!その目とその覚悟、見届けさせて頂いた!」
え?父さん納得早すぎない?姉さんの時は…
「しかし慣しみたいなものでな?私に一撃入れてこそ娘を託す事にしているのだよ、見たところ剣道だろうか?わりかし振れるとお見受けする」
デスヨネー、凛姉さんの旦那さんの時は…ってえっ?!樹さん剣道やってたの?父さんがなかなかって言う事は結構上位ランクなんだと思うんだけど全然気がつかなかった!!
「ブランクがあってもわかる人にはやはりわかるものなのですね、道場の方が都合よろしいかもしれませんね?お土産もある事ですし」
「はっはっは!木刀は準備させておくかね?」
「いえ、長らく握っておりませんし何より私の我儘もあります、無手でお願いしたいです。」
心底愉快そうな父と朗らかな樹さん
怒涛の流れに目が点になっている私と息を吹き返したマイハート
「燈ー?道場行くよー」
「姉ちゃんを翻弄してる男の人初めて見た」
「想像も出来なかったけどちゃんと存在するんだねぇ…しかも高収入高学歴イケメンの絵に書いたようなスパダリ」
「ルナちゃんは可愛いけどおばぁちゃんになっちゃったわぁ…」
「ゆうきおかぁさんはおかぁさん!お料理いっぱい教えてほしいの!!」
「樹さん!不束な娘ですがよろしくお願いします!!」
「はっは!!母さん、もう少しだけ待っておくれよ?」
もうどうにでもなーれ☆
道場での父と樹さんのやり取りは一瞬、一閃だった
互いに正座から始まり、父が構えを取ると
樹さんはその構えに対して右脚を半歩だけ引き無手で上段、それも頭の上と言う超攻撃的な構えを取った
父が圧を強めたその瞬間
樹さんの手元に真剣が現れ圧と共に父の右肩からバッサリと斬り込みが入ったのを幻視した
「もう少し深く入ると思ったんですが…しかし想いは込めました、届きましたでしょうか??」
「薩摩“鳴神”一刀流か!顔に似合わず一撃必殺とは!こちらは思ったよりも深く入って精進が必要と思っていた所だよ、無論しかと受け止めた!燈!幸せにしてもらいなさい!」
「ありがとうございます!」
あれよあれよと父と話をつける目の前の男の人は私の目を、私の中身全部を見てくれるようなそんな目で見つめながら
「燈ちゃん…本当に急なんだけど僕と結婚してくれないかな?」
両手を握りしめてそうハッキリと言ってくれた
「う、ひゃ、はううう////」
「「「「「キャーーーー!!///」」」」」
「あの一撃見せられたらなぁ」
「諦めもつくわな」
「あと超イケメン」
「「「それを言うなよ」」」
忘れてたけどここ道場で門下生も居たんだった///こ、公開プロポーズ///
「室長さんあんなに出来たのか…今度手合わせしたいなぁ」
「父ちゃん、多分だけど今は違うと思う」
「やっぱり幸せな二人は結婚なの!!ルナの大好きがずっと一緒でルナもずっと幸せなのーー!!!」
「出来たばかりの姪っ子が可愛すぎる」
「「完全同意」」
私がマイハートにぶん殴られている頃、順調に同志は増えていた模様
「え、えと、ルナと私がもう少し大人になってからふつつかながらよろしくのねがいしゅましゅううう///」
そこで私の記憶は途絶えた
尚この後
父対咲山さんの壮絶な自己紹介~風雲編~があったらしいが当たり前のように見逃した
「我が流派が目の敵にしている少林流はその昔、寺を建てたらしい」
「ほぅ…お義父さん、実は我々今都市づくりの真っ最中でしてね?田中流は街を作った…なんて良いと思いませんか?」
目を覚ますとそんなやり取りをしている父と樹さん
なにやら大人が悪い顔をして楽しそうにしているぞ!?
そんな大人達に翻弄される主人公!
北月(予定) 燈でっす☆
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しょうがないじゃんか!!多分初恋だぞ!
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