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本戦前日
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順調に本戦まで駒を進めた私達だったが
実はとても苦戦していた
「ここをこうして、こっちとくっ付けて…あ、ダメだエラーだわ」
うどんさんが自分のボードを弄りながら唸る
「とぅっ!ってうわーーー!!!」
庭にいたSuicaさんが窓の外を下から上に通り過ぎていった、ここ2階なんだけど…どんだけ跳んだんだ
「~♪~~~♪完成ー♪みんなオヤツだよー」
「上手に焼けましたー!」
蜜柑さんとルナは焼き上がったクッキーにご満悦だ、特にルナは先日焦がしたのがだいぶ応えたのだろう。
嬉しそうに弾んだ声が一階から聞こえる
マイペースな二人には助けられる
そして私はと言うと
「ネタが…ネタが無いっ!!!」
好き放題やった為にネタが枯渇し始めていた
「ランプちゃんまだやってたの?」
皆ぞろぞろとリビングに集まる中うどんさんに言われる
「うどんさんだってロマン砲作ってるじゃないですか」
口を尖らせ反論すると
「私のは実戦で使えるからいーの、今急いで完成させなくても良いしね?ランプちゃんのはもはやエンターテイメントの域じゃない」
なんも言えねェ、正論って怖い
「Suica遅いねー?聞こえなかったのかな?」
「Suicaさんなら庭から射出されてましたよ、2階より上に行ったのは間違いないので屋根の上とかですかね?」
それを聞いてルナが外へ駆け出す
「ルナがスイカお姉さんをれすきゅーしてきます!!」
ルナはこの闘技大会で自信をつけたようで、とても行動的になっていた。
美少女戦士セレクションの三部作(戦う調理師作)を繰り返し観ているのも影響していると思われる
戦う調理師とは美人三人組が囁かれていたトリオ名の中で気に入ったから使っているとの事
ちなみに今いるこの場所もその三人の本拠地だ、こちらの方が広いという事もあり集まる時は大体ここだ
パーティを組むにあたって、戦う調理師の三人にはルナが発見したスキル、魔法エディットについてレクチャーしている
『アトラス・ワールド』の自由度は非常に高く、ただのファイアだけでも個人差があるのだ
水魔法であるウォーターで畑の水撒きと料理の時で形状が違う事を不思議に思ったルナが想像力を働かせ、他の魔法でも応用出来るようになった時にスキルが発生したのである
今では全員がスキルを習得しており
うどんさんなんかはシュミレーション結果をボードに映し出すほどに使いこなしている
「ただいまー!!」
ルナが帰ってきた、Suicaさんはやはり屋根の上に居て、胡座をかいてブツブツ言っていたそうだ
「いやー目に見えないと扱いが難しいね!乗れるようには出来たけどトランポリンみたいになるとは…」
弓を使うSuicaさんはルナがよく土魔法で土台を作って高い位置に行くのを見て風魔法で似たような事を試したらしい、ん?待てよ?
「Suicaさん、飛んだ先でまた土台出して方向転換出来たら立体起動出来るんじゃ無いですか?」
蜜柑さんが食いついた
「ランプちゃんも思ったー?あと、属性攻撃はわからないけど遠距離攻撃はある程度跳ね返す障壁みたいに使えるかもー?」
蜜柑さんはおっとりした顔に似合わず双剣を使いこなすバリバリのインファイターだ
もし立体起動も使えるようになったら私でも手が出ない気がする
ちなみに双剣スキルは炊き出しクエのカット地獄の時トチ狂って二丁包丁してみたら思いの外上手くいき、後でステータスを確認すると習得していたそうだ
「私の技が取られる!助けてルナえもん!」
Suicaさんがルナに泣きつく、魔法に関してはルナが一番発想力を発揮するので相談されることも多いのだ
「障壁はみんな覚えて損はないでしょ、向かってくる敵の進路上に敷くだけでどっか行っちゃうんじゃ無い?」
酷い初見殺しを口にするのはうどんさん
「お空の高い所でルナの土台に乗ったらしばらくは大丈夫かなぁ?高い所から攻撃するならルナが隕石を浮かべている時に乗るとか!」
立案が本格的過ぎるルナ
「おー!ルナちゃんとの共同技か!いいね!でもなるべくなら一人で出来るやつがいいんだよねぇ…」
Suicaさんはわがままだなぁ、ルナとの共同技に何の不満があるのだろうか
「普通に大跳躍して敵の頭上から矢の雨を降らしたら良いんじゃ無いですか?」
「「「良いね!」」」
「相手の盾が上に向く機会が増えるのはいいわね」
「懐に入り込み易くなりますー」
「あれ?着地は?」
「「根性?」」
「ひぇっ!」
「私がたまに使うエアバッグを教えますよ」
「おねぇちゃんの風のクッション気持ちいいよ!」
こんな感じで魔法の研鑽ばかりしているが、本戦まで温存していたのでまだ世に知られてはいない
何組か魔法を曲げたりしていたので私達だけのアドバンテージではないかもしれないけど
結構前の話になるのだが、三人には私達のステータスを見せても良いかなと思い、提案してみると
「何か聞かれても本当に知らなければ情報が漏れる事はない」
「知らなくても良いことまで知っちゃいそう」
「知らない方が幸せという事もあると思うのー。」
明らかに拒絶された、何故だ
「そうだ!ルナみんなにお願いがあったんだった!!」
「「「「喜んで!」」」」
ルナの一言に間髪いれず答えたら全員揃った
ルナは可愛いからね、仕方ないね
「本当っ!?ルナね!アレやりたいです!」
ルナがやりたい事の概要を告げる
「良いね!本番まで時間無いし急がなきゃ!」
私がそう言って戦う調理師の面々を見ると
「え、う、いやぁその、やりたいではある」
「ランプちゃんはいけるだろうけどさ」
「私達だとちょーっとねー?」
少し困ったように目線を泳がせていた
「お姉さん達は、ダメですか??」
「「「やらせていただきます!!」」」
が、ルナの上目遣いに陥落した
ルナは可愛いからね(略
そして本戦前日の最終調整は
「こうして…こう!」
「うどん完璧じゃん」
「タイミングが難しいねー」
「すごいすごーい!!」
「眼福」
なかなかの苦戦を強いられるのであった
実はとても苦戦していた
「ここをこうして、こっちとくっ付けて…あ、ダメだエラーだわ」
うどんさんが自分のボードを弄りながら唸る
「とぅっ!ってうわーーー!!!」
庭にいたSuicaさんが窓の外を下から上に通り過ぎていった、ここ2階なんだけど…どんだけ跳んだんだ
「~♪~~~♪完成ー♪みんなオヤツだよー」
「上手に焼けましたー!」
蜜柑さんとルナは焼き上がったクッキーにご満悦だ、特にルナは先日焦がしたのがだいぶ応えたのだろう。
嬉しそうに弾んだ声が一階から聞こえる
マイペースな二人には助けられる
そして私はと言うと
「ネタが…ネタが無いっ!!!」
好き放題やった為にネタが枯渇し始めていた
「ランプちゃんまだやってたの?」
皆ぞろぞろとリビングに集まる中うどんさんに言われる
「うどんさんだってロマン砲作ってるじゃないですか」
口を尖らせ反論すると
「私のは実戦で使えるからいーの、今急いで完成させなくても良いしね?ランプちゃんのはもはやエンターテイメントの域じゃない」
なんも言えねェ、正論って怖い
「Suica遅いねー?聞こえなかったのかな?」
「Suicaさんなら庭から射出されてましたよ、2階より上に行ったのは間違いないので屋根の上とかですかね?」
それを聞いてルナが外へ駆け出す
「ルナがスイカお姉さんをれすきゅーしてきます!!」
ルナはこの闘技大会で自信をつけたようで、とても行動的になっていた。
美少女戦士セレクションの三部作(戦う調理師作)を繰り返し観ているのも影響していると思われる
戦う調理師とは美人三人組が囁かれていたトリオ名の中で気に入ったから使っているとの事
ちなみに今いるこの場所もその三人の本拠地だ、こちらの方が広いという事もあり集まる時は大体ここだ
パーティを組むにあたって、戦う調理師の三人にはルナが発見したスキル、魔法エディットについてレクチャーしている
『アトラス・ワールド』の自由度は非常に高く、ただのファイアだけでも個人差があるのだ
水魔法であるウォーターで畑の水撒きと料理の時で形状が違う事を不思議に思ったルナが想像力を働かせ、他の魔法でも応用出来るようになった時にスキルが発生したのである
今では全員がスキルを習得しており
うどんさんなんかはシュミレーション結果をボードに映し出すほどに使いこなしている
「ただいまー!!」
ルナが帰ってきた、Suicaさんはやはり屋根の上に居て、胡座をかいてブツブツ言っていたそうだ
「いやー目に見えないと扱いが難しいね!乗れるようには出来たけどトランポリンみたいになるとは…」
弓を使うSuicaさんはルナがよく土魔法で土台を作って高い位置に行くのを見て風魔法で似たような事を試したらしい、ん?待てよ?
「Suicaさん、飛んだ先でまた土台出して方向転換出来たら立体起動出来るんじゃ無いですか?」
蜜柑さんが食いついた
「ランプちゃんも思ったー?あと、属性攻撃はわからないけど遠距離攻撃はある程度跳ね返す障壁みたいに使えるかもー?」
蜜柑さんはおっとりした顔に似合わず双剣を使いこなすバリバリのインファイターだ
もし立体起動も使えるようになったら私でも手が出ない気がする
ちなみに双剣スキルは炊き出しクエのカット地獄の時トチ狂って二丁包丁してみたら思いの外上手くいき、後でステータスを確認すると習得していたそうだ
「私の技が取られる!助けてルナえもん!」
Suicaさんがルナに泣きつく、魔法に関してはルナが一番発想力を発揮するので相談されることも多いのだ
「障壁はみんな覚えて損はないでしょ、向かってくる敵の進路上に敷くだけでどっか行っちゃうんじゃ無い?」
酷い初見殺しを口にするのはうどんさん
「お空の高い所でルナの土台に乗ったらしばらくは大丈夫かなぁ?高い所から攻撃するならルナが隕石を浮かべている時に乗るとか!」
立案が本格的過ぎるルナ
「おー!ルナちゃんとの共同技か!いいね!でもなるべくなら一人で出来るやつがいいんだよねぇ…」
Suicaさんはわがままだなぁ、ルナとの共同技に何の不満があるのだろうか
「普通に大跳躍して敵の頭上から矢の雨を降らしたら良いんじゃ無いですか?」
「「「良いね!」」」
「相手の盾が上に向く機会が増えるのはいいわね」
「懐に入り込み易くなりますー」
「あれ?着地は?」
「「根性?」」
「ひぇっ!」
「私がたまに使うエアバッグを教えますよ」
「おねぇちゃんの風のクッション気持ちいいよ!」
こんな感じで魔法の研鑽ばかりしているが、本戦まで温存していたのでまだ世に知られてはいない
何組か魔法を曲げたりしていたので私達だけのアドバンテージではないかもしれないけど
結構前の話になるのだが、三人には私達のステータスを見せても良いかなと思い、提案してみると
「何か聞かれても本当に知らなければ情報が漏れる事はない」
「知らなくても良いことまで知っちゃいそう」
「知らない方が幸せという事もあると思うのー。」
明らかに拒絶された、何故だ
「そうだ!ルナみんなにお願いがあったんだった!!」
「「「「喜んで!」」」」
ルナの一言に間髪いれず答えたら全員揃った
ルナは可愛いからね、仕方ないね
「本当っ!?ルナね!アレやりたいです!」
ルナがやりたい事の概要を告げる
「良いね!本番まで時間無いし急がなきゃ!」
私がそう言って戦う調理師の面々を見ると
「え、う、いやぁその、やりたいではある」
「ランプちゃんはいけるだろうけどさ」
「私達だとちょーっとねー?」
少し困ったように目線を泳がせていた
「お姉さん達は、ダメですか??」
「「「やらせていただきます!!」」」
が、ルナの上目遣いに陥落した
ルナは可愛いからね(略
そして本戦前日の最終調整は
「こうして…こう!」
「うどん完璧じゃん」
「タイミングが難しいねー」
「すごいすごーい!!」
「眼福」
なかなかの苦戦を強いられるのであった
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